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2009.07.31

狂短歌ジンセー論[112号]――西安宵の明星旅その7

 「西安宵の明星旅」連載7回目です(^_^)。
 「ゆうさんごちゃまぜホームページ」には同じ文章を、西安の画像付
 きで掲載しております。今回は8枚です。
  →URL = http://www.geocities.jp/mikageyuu/

 (^_^)本日の狂短歌(^_^)

 ○ 鐘楼と鼓楼の中はいにしえか 思いがけない音曲太鼓

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 (^O^)ゆとりある人のための10分エッセー(^O^)

 7【 鐘楼と鼓楼 】

 地下道の途中でやっと鐘楼(しょうろう)の入り口を発見した。拝観料は二十元(約三七〇円)。
 ちょっと高いと思ったが、入ることにした。
 トンネルのような地下通路の両側に土産物屋が並んでいる。そこを過ぎて階段を昇ると鐘楼の下に出た。

 二階にはでっかい釣り鐘がある。その鐘の向こうに鼓楼(ころう)が見える。
 二階の張り出し部を一周してから中に入った。陶製の埴輪(人形)がたくさん陳列されていた。
 中央に舞台があり、その前にイスが三十脚ほど並べられている。舞台後方にはでっかい鐘や小さな鐘がぶら下がっている。音階を奏でられるようだ。

 舞台近くに案内板があり、中国語と英語で何か書かれている。英語を読んでみた。
 それによるとどうやらここで鐘を使っての演奏会があるようだ。第一回目の開始時間は九時とある。時計を見るとちょうど九時数分前である(^o^)。

 これはラッキーと思った。別にお金がかかりそうだが、めったに見られないことだから構わない。
 私は先頭の列のイスに座った。イスは徐々に人で埋まり始めた。

 九時ちょうどに司会が登場して挨拶(もちろん中国語なのでちんぷんかんぷん)。
 その後演奏者が登場した。女性五人に男性一人。笛や中国式の琴、笙や打楽器の前に座った。低音と高音の鐘を叩くのは二人の女性だ。みな美しい衣装を身にまとっている。
 鐘の音をいくつか紹介してから曲が始まった。中国らしいメロディーの曲だ。鐘もいい音色を奏でる。
 二曲目からは女性一人の踊りも混じった。ちょっとセクシーだ(^.^)。

 私はうっとりして踊りや演奏を堪能した。鐘楼の中でこのような催しがなされているとは全く知らなかった。それだけにラッキーだと思った(^_^)。

 空海が長安を訪れたのは西暦八〇四年の十二月、今から千二百年前である。
 そのころも広場や寺の境内で、技芸や演舞・演奏が行われていたと本で読んだことがある。空海もこのように路上演奏や技芸を楽しんだのではないかと思った。
 ただ、せっかくの演奏会なのに、私の隣に座った中国人の家族数人は演奏中も何かしら喋っていてうるさかった。感想でも語り合っていたのだろうか。

 演奏は二十分ほどで終わった。料金はどうやって払うのかと思ったが、客はそのまま部屋を出ていく。どうやら入場料二十元の中にこの料金も含まれているようだ。演奏会までサービスだなんて「こりゃまたラッキー」と思ったことだ(^o^)。

 それからさらに一番上の階まで上がった。そこは書や重々しい感じの壺類が陳列されていた。
 その途中も鐘が「ゴーンゴーン」と聞こえてくる。外に出て鐘のあるところに行ってみると、観光客が鐘をついていた。看板には十回三十元、六回二十元、三回十元とある。
 これは面白いと私も十元払って叩いてみることにした。車の喧騒でとても遠くまで響くとは思えなかったが、力一杯叩いた。「ゴ~~~ン」と鳴った。いい気持ちだった(^_^)。

 鐘楼には四十分ほどいただろうか。再び地下道をくぐって西側へ出る。そして鼓楼へ向かった。清真大寺はさらにその先を北へ入ったところにある。
 鼓楼の入場料も二十元である。入ろうとした所ではチケットを売っていない。受付の男性が身振りで左を指し示す。そこへ行くとチケット売り場があった。

 二階に上がるとすぐにでっかい太鼓が目に付いた。これもお金を出せば叩けるようだ。
 建物の中へ入ると、大小たくさんの太鼓が陳列されている。さらにここでも舞台がある。
 案内板を見ると、ちょうど十時から太鼓の実演がある。あと数分だ(^o^)。
 これまたラッキーと思って端っこの丸イスに座った。十時になると二十ヶほどのイスはみな満席となった。
 すぐに男性三人、女性三人の実演が始まった。太鼓の音がここちよく響く。こちらでは踊りはないようだ。
 途中十数人の団体さんが入ってきた。年寄りもいる。私は一人のおばあさんに席を譲った。彼女は驚いたような顔で「シェーシェー」と言った(^_^)。
 太鼓の実演は十五分ほどで終わり。それから三階でお土産などを見て回った。

 鼓楼を出ると清真大寺を目指してさらに西へ向かう。
 途中公衆トイレに入ってみた。料金五元とある。ビール1本が五元なのだから、トイレのチップ五元は高過ぎる。しかし、催していたこともあって利用した。中はごく普通のトイレだった。
 あるいは、私の見間違いで五角だったかもしれない。

 歩道ではパトカーを見つけた。ドアやトランクに「公安」「警察・POLICE」と書かれているので、間違いなくパトカーだろう。これは日本人にとってもわかりやすい表記だ。色も白黒で日本のパトカーとかなり似ていた。

 そろそろ清真大寺に曲がる交差点が近づいているはず。だが、それらしい交差点が現れない。とにかく路地がなかなかないし、あったとしてもそこに入るのはこわい。地図を見ると、清真大寺はかなり大きく表示されているから有名な観光地のはずだ。だが、相変わらず案内標識がないので、どこで北に曲がったらいいか全くわからないのである。

 ちょうど警察署にぶつかった。門番なのか若い警官が立っている。
 私は近づいて地図を見せ、清真大寺を指さして「ここに行きたい」と身振りで示した。
 彼は中国語で何か言った。さっぱりわからない(^_-)。
 私は西方向を指さして「こちらか」と言うような身振りを示した。
 彼はうなずいてさらに何か言う。なんとなく「五十元」と聞こえた。
 まさか案内するのに金よこせと言っているのではあるまいなと思ったが、とにかく西へ行って北へ曲がれと言っている感じである。それなら地図の通りなので、私も「わかった、わかった」とうなずいてまた歩き始めた。

 だが、この若い警官は清真大寺の場所を知らなかったようだ。この段階で私はすでに清真大寺へ曲がる交差点を行き過ぎていたのである(-.-)。

 しばらく行くと「西安都城皇廟」なる華やかな門に出た。門内を路地が北に延びており、両側に土産物屋が並んでいる。
 ここなら大丈夫だろうと路地の中へ入った。突き当たりは記念館のようだ。だが、入館料がわからないので、そこまで行って引き返した。
 路傍ではみすぼらしい服を着た年輩の男性が二人、地面に座って中国式将棋をやっている。将棋盤はぼろぼろの紙製だ。珍しいので撮影したかったが、トラブルになっても困ると思ってやめた。

 皇廟門を出てさらに西へ向かう。さらに十分ほど歩くと、とうとう城壁の西門に着いてしまった。
 これでもう完全に清真大寺は通りすぎたとわかった。

 そろそろ正午である。昼飯を食べないままずっと歩き通しだったので、さすがに疲れた。しかも、何も飲んでいないので喉も渇いた。あくまで清真大寺へ行くべく引き返すか。あるいは、西門に登るか。しかし、城壁に登ろうにも、登り口がわからないから参る(--;)。

 西門の上には楼閣があり、その下にトンネルがある。そこにはバスが止まっている。その前の道路は車が行き交っている。トンネルの左右にも車が通るトンネルがあり、その門には「安定門」と書かれていた。
 とにかく案内標識がないので、一体どこから登るのか全くわからないのである。私は取りあえず右の安定門を通って城壁の外へ出ることにした。

 トンネルを抜け、交差点を渡って南へ向かう。外側から見上げてもやはり登り口が見つからない。一体どうやって登ればいいのか。
 とにかく南側のトンネルをくぐってまた城壁内へ戻った。楼閣を中心にぐるりと一周した感じである。それでも登り口が見つからない。またまた途方に暮れてしまった。(続)

 ○ 鐘楼と鼓楼の中はいにしえか 思いがけない音曲太鼓

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 最後まで読んでいただきありがとうございました。
後記:私も応援していたゴルフの宮里藍ちゃんが先月とうとう米ツアー優勝という夢をかなえました(^_^)。ほんとによかったですね。スランプもあってなかなか勝てなかった4年間――「それは無駄ではなかった」という言葉も素晴らしいと思いました。
 さて、月末はいよいよ四年ぶりの総選挙です。投票日がお盆でなくて良かったです。前回私は実家帰省中で棄権せざるを得なかったので、今度はしっかり投票するつもりです。結果はどうあれ、多くの人が投票して欲しいと思います。(御影祐)

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2009.07.13

狂短歌ジンセー論[111号]――西安宵の明星旅その6

 (^_^)本日の狂短歌(^_^)

 ○ 西安の街路をひとり歩き出す 孤立無援の緊張感

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 (^O^)ゆとりある人のための10分エッセー(^O^)

 【 ひとり市内を歩く 】

 7月9日朝食後の午前八時、ホテルの玄関で私はツアー同行者が乗り込んだバスを見送った。
 M氏が手を振る。彼らは今日西安市街を離れ、西部地区の古墳や陵墓を見学する。私は空海の心情を追体験したいと思って、単独で西安市内を歩き回る予定だ。

 いよいよ一人になったと思うとさすがに心細くなる。何も起こらないでくれと祈るような気持ちで一歩を踏み出した(^.^)。

 とりあえず北へ向かう。昨日の夕方M氏と同じ通りを歩いて南大門前まで行った。そこまでは一本道だから迷うことはない。

 当初は東南の方角にある小雁塔や、昨日訪れた大雁塔の辺りを散策するつもりだった。
 しかし、昨夜地図を調べてみると、イスラム教の寺院である「清真大寺」が中心街にあることに気づいた。その近くには鼓楼(ころう)や鐘楼(しょうろう)もある。城壁にも登ってみたい。
 そこで、まず城壁の内側へ向かうことにしたのである。

 西安は基本的に京都のように碁盤目状のつくりだから、道に迷うことはあるまいと思った。それでも、念のため今朝ホテルで詳細な観光マップを買った。

 今日は月曜日だが、車の数は昨日とさほど変わらない。片側二車線の道路をひっきりなしに行き交っている。中国の朝で有名なものは自転車だが、ここではそれほど走っていない。

 歩道を歩く人はさすがに多い。通勤だろう、みなこざっぱりした服装をしている。顔は日本人と区別が付かない。しかし、二人連れが交わしている言葉はまぎれもなく中国語だ。
 バス停では人々がバスを待っている。やって来るバスはほぼ満員。プープーとクラクションが鳴らされる。一部の人は車の間を縫うようにして平気で道路を横断する。信号が赤でもお構いなしだ。

 私は歩きながらなんとなく緊張している自分を感じた。空海も長安に着いてすぐ城内を歩き回ったに違いない。
 その気持ちを少しでも感じ取れたらと思うが、心は落ち着かず、とても旅情を味わうような気分にはなれなかった。
 警察に呼び止められたらどうしようとか、通行人とトラブルにならないようにしなきゃ、などと思った(^_^;)。

 十五分ほど歩いて南大門の見える交差点までやって来た。ここまでは昨日の夕方M氏と歩いたので、見覚えがある。やっと少し落ち着いてきた。
 まず南大門の上に登ってみたいと思った。しかし、案内標識がなく、ここには登り口がなさそうだ(これは後で私の勘違いだとわかった)。城壁の上を人の頭が動いている。たぶん人力車に乗っているのだろう。

 仕方なく城壁のトンネルをくぐってさらに北へ向かった。つまり、城壁内に入ったことになる。
 トンネルは城壁の幅と同じだから長さが十メートルもある。もちろん車も通れる。
 城壁内は外の通りと違って小汚い店が少なく、近代的な建物が建ち並ぶ。歩道も舗装されてきれいだ。

 さらに十分ほど歩くと鐘楼のある交差点にやって来た。
 鐘楼は円形交差点のど真ん中にある。コンクリか石造りの基壇があり、その上に三層の楼が建っている。全体の高さは五階建てビルくらいか。見上げるとカメラを持った人が一人二階にいる。
 だが、どこから登るのか、ここも案内標識がないので全くわからない(-.-)。

 私は交差点にいた警察官らしき男性(交通警察だろうか)に、身振り手振りで「あれに登りたいんだが」と伝えた。
 彼もまた中国語で何か言いつつ、身振り手振りで「地下をくぐって向こう側へ行け」と教えてくれた(^.^)。
 私は「シェーシェー」と言って頭を下げた。彼はにこりと微笑んだ。

 近くに《地下通道》と書かれた入口がある。階段が地下に向かっているので地下道だろう。交差点の向こう側に行けそうだ。

 地下道は意外ときれいで東京都心の地下道と変わらない。ただ、まるで迷路のようにいろいろな方向に分かれている。一度東側へ出て方向を確認してから、また地下へもぐって北側へ出た。
 そして振り返って鐘楼を見上げたとき「あれっ」と思った。ここにも鐘楼に至る道がないのである。

 不思議なことに、鐘楼は交差点の中で完全に孤立している。まるで車の海に浮かぶ小島だ(^_^;)。
 交差点には信号があり、車は鐘楼の周囲を回転するように行き来する。
 いくら自分勝手に横断していいとは言え、車は途切れることがない。とても道を渡って行けるとは思えなかった。しかし、鐘楼上には観光客らしき人が確かに見える。

 これは参ったと思った。通行人に道を尋ねたいけれど、中国語はちんぷんかんぷん。私は途方に暮れて立ちつくした(-.-)。

 ちょうどそのとき欧米らしき数人の外人さんが十メートルほど離れたところで立ち止まった。カメラを持って鐘楼を撮影している。これは間違いなく観光客で、鐘楼に行くだろうと思った。
 そこで彼らが歩き出すと私は後をつけた(^.^)。北側の階段から地下道へ降りる。あるいは、地下道の中に鐘楼への入り口があるのか。

 すると予感通り、地下道を先ほどとは違う方向に歩いていくと、鐘楼へと向かう入り口が見つかった。ところが、くだんの外人さんたちはそこを通り過ぎていったからおかしい。彼らは鐘楼見学者ではなかったようだ。(続)

 ○ 西安の街路をひとり歩き出す 孤立無援の緊張感

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 最後まで読んでいただきありがとうございました。(御影祐)

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