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2012.07.20

狂短歌ジンセー論[145号]――破滅を望む

 暑中お見舞い申し上げます。m(. .)m

 7月の九州北部豪雨は大分や熊本、福岡に甚大な被害を及ぼしました。
 大分で被災した日田、耶馬渓、竹田はともに実家から1時間ほどのところです。よく知っているだけに他人事ではありません。私の住むところは幸い大きな被害はありませんでした。

 それにしても、雨の降り方は確かに「これまで経験したことのない」ようなものすごさでした。「バケツをひっくり返したような雨」は常套句ですが、バケツは一瞬でしょう。今回日田の知り合いから「滝のように雨が降っている」と聞きました。私も同程度の豪雨を体験しました。それはバケツ状態が数時間も続くのです。
 日本はどうも亜熱帯気候になりつつあるようです。昨年の大津波同様自然相手とは言え、人間の非力さを感じます。被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

 さて、今号は前回に続いて引っ越し渦中に起こったどたばた劇です。
 その前に一つ伏線を。実家から車で10分ほどのところに母方のいとこが住んでいます。そこは元旅館で今でも温泉があり、私は帰省のたびに入りに行きます。
 そこで入浴中に悲劇と言うか、不甲斐ない事故が起こりました(^_^;)。

 (^_^)本日の狂短歌(^_^)

 ○ 突然の悲惨な事態 それはまた 心の奥で望んでいたかも?

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 (^O^)ゆとりある人のための10分エッセー(^O^)

 【 破滅を望む 】

 たとえば、ある種の生活習慣病――糖尿病が悪化して失明したり、高血圧・高脂血症の結果、脳梗塞や脳溢血で半身不随になったり、あるいは鬱病となって突然意欲を失ったり、大きな事故で入院加療が必要になったりする。それを一つの「破滅」と呼ぶなら、このような破滅を望む人は誰もいないでしょう。

 他ならぬ私自身で言うと、今から11年前退職直後に痛風が発症しました。
 痛風とは普通足の親指のつけねが猛烈に痛くなる病気です。私の場合は左足の甲でした。
 その痛さと言ったら体験しなければまずわからないと思います。動かせばもちろん痛い。足を浮かしても置いても激痛が走る。強いて言うなら、骨折しているのに歩かされているような感じです(^_^;)。

 痛風の原因はビールやレバー、干物、焼き鳥などプリン体の取りすぎが原因です。一般的に酒のつまみやごちそうに多いので「ぜいたく病」とも言われます。
 通風は尿酸値として表され、7.0を超えると危険信号。8.0を超えると限りなく発症が近づきます(このことは発症後に知りました)。

 退職前の何年間か検診で尿酸値が高いと警告されていたことは覚えています。しかし、どのくらいの値だったか記憶になく、また検査結果の用紙が(捨ててはいないものの)どこかに行ってわからないままでした。

 ところが、今年五月の引っ越しで片付けをやっているとき、たまたま退職前年の健康診断結果が出てきました。それを見ると尿酸値はなんと[8.3]。いつ痛風が出てもおかしくない数値になっていたのです(^_^;)。

 それ以後は尿酸値を下げるクスリを飲み、食生活をプリン体減少の方向に変え、なんとか発症を抑えています。その後10年以上発症していないのだからクスリをやめたいところです。
 しかし、医師に言っても同意してくれません。どうやら死ぬまで飲まなきゃならないようです。自業自得ではありますが……。

 この痛風発症を一つの破滅だったととらえるなら、そのとき「それを内心望んでいた」などと思うはずもありません。誰かにそう言われたら「はり倒してやろうか」と思うでしょう(^.^)。

 しかし、今回ある小さな事故を起こしたとき、「どうもこの破滅は心の中で望んでいたことかもしれない」と思うに至りました。

 それは帰郷して五月の終わり頃のことです。いつものようにいとこの温泉へ風呂入りに行きました。帰省後ほぼ毎日の温泉三昧です。
 ところが、ここで事故発生。窓枠に置いていたメガネを落としてガラスを割ってしまったのです。

 私はメガネを三種類持っています。夜間に車を運転するとき使う度の強い遠距離用メガネ。これは日常生活ではきつすぎて使用できません。そこで昼間は中距離用の度を落としたメガネを使っています。以前はこの二種類で間に合っていました。

 ところが、五十歳を過ぎて老眼が入るようになると、数十センチ先がとても見づらくなりました。普通老眼の方はメガネを外して近くを見ると思います。ところが、私はメガネを外すと数十センチ先がはっきり見えないのです。つまり近眼的老眼(^.^)?
 そこで、三つ目として本や新聞など近距離専用のメガネを作りました。

 しかし、それが目に慣れたからか、さらに近くが見づらくなってその用が果たせなくなりました。特に本など三十分も読んでいると、目がしょぼしょぼしてきつくて仕方ありません。
 こうなると本や新聞用としてもう一ヶさらに度の弱いメガネを作る必要があります。しかし、金欠病の折りでもあり、作らないまま我慢してきました。

 また、私は風呂に浸かるとき必ずメガネを持って入ります。そして窓枠などに置いていました。今だかつて一度も落としたことがなく、割ったこともありません。東京のアパートでもメガネを持って浴室に入り、やはり窓際の棚に置いていました。

 しかしながら、昨年あたりから何度か取り落とすようになりました。ただ、アパートはユニット式のバスだから、これまで落としても割れたことがなかったのです。しかし、「ここには置かない方がいい。いつか落とす恐れがある」と思いました。そのように自分に警告を発しながら、その習慣を変えられませんでした。

 帰省後いとこの温泉に行くようになってからも、高い位置の窓枠のところに置きました。これまでずっとそうしてきたし、やはり一度も落としたことがなかったからです。ただ、今回帰省直後に一度だけ落としかけてひやっとしたことがあります。

 それでも私はそこに置き続けました。不思議なことです。今振り返れば、まるで落ちてくれ、壊れてくれと願っていたかのようです。
 これを逆に言うと「悪しき習慣とわかっていながら、それを変えることができなかった」ということができます。

 そして、とうとうその日がやって来ました。
 私は窓枠からメガネを取り落とし、それはタイルの床に落ちてパリンと割れたのです。一瞬メガネがスローモーションのように落ちていくのを感じました。
「しまった!」と叫んだけれど、後の祭りです。

 私はもう一つ中距離用のメガネを持っているので、当面支障はありません。
 これ以後さすがにメガネを浴場内に持ち運ばないようにしています。いずれ読書用メガネを作らねばなりません。これまではその必要性を認めていながら、メガネがあるから作りませんでした。しかし、それが壊れたので作りやすくなったとも言えます。

 そして、この流れは最初に挙げた重大な病気にも通用するような気がします。

 たとえば、血糖値が高くなって糖尿病予備軍と診断され「血糖値を下げましょう、糖尿病になると大変ですよ」と警告を受けながら、なかなか食生活を改善できない。
 あるいは、高血圧・高脂血症で酒が好き、塩辛い物が好きでタバコのみ。このままだと「脳梗塞・脳溢血、心筋梗塞の恐れがありますよ」と言われながら、相変わらず酒を飲み、しょうゆをどばどば、タバコはすぱすぱ。結果、ある日突然倒れ、一命は取り留めたけれど半身不随。
 あるいは、ある日突然全てのことにやる気をなくし、眠くて眠くて仕方なく、診察してもらえば「鬱病です」など……。

 一概には言えませんが、それらに共通している傾向があるような気がします。その人たちは結構元気者で活動的で、ばりばり働いてよく飲みよく食べるといった傾向です。
 その一方、「働き過ぎだよ」とか「酒の飲み過ぎ・タバコの吸いすぎ・食べ過ぎだよ」と言われてもなかなか変えられない人たちでもあります。それは自分が好きなことであるし、食事はストレス解消でもあるから変えづらいのでしょう。しばしば「大丈夫、大丈夫」と自信満々の人もいます。
 しかし、内心は「働き過ぎを抑えたい」「酒やタバコを減らしたい」「体重を減らしたい」などと思っているのではないでしょうか。

 そこに突然破滅がやって来る。そして鬱病になれば、もうばりばり働くことはできない。糖尿病・痛風・脳梗塞に脳溢血……もう後先考えずに酒を飲んだり、食べたりできなくなる。つまり、「このままでは何々……」と警告され、内心「変えなければ」と望んでいたことが否応なくその通り実現されたのです。私は通風を発症しなければ、食生活を変えられなかったのではないかと思います。

 今回メガネを壊してみて「この不甲斐ない出来事は実は心の奥で望んでいたのか」と思い、「やっぱり人間は痛い目にあわなければ、なかなか悪しき習慣を変えられないんだなあ」と思った次第です。

 ○  痛い目にあわなければ変えられぬ くやしいけれど愚かさ弱さ?

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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:お待たせいたしました。製造に取り組んでいた『空海マオの青春』PDFファイルがようやく完成しました。PDFファィル読みとりソフト《アドビリーダー》がインストールされている方は全章を読むことが出来ます。
 電子書籍版は小文字・中文字・大文字の3タイプを用意しました。御影祐のホームページにサンプルがありますのでご覧下さい。一太郎版同様一部500円にて販売いたします。
 ゆうさんごちゃまぜHPトップ

 もう一つ。来月は夏休みということで、メルマガはお休みさせていただきます。
 この間ロンドンオリンピックがあります。四年に一度の祭典です。東日本被災地に、九州北部豪雨被災地……それどころではないという方々がたくさんいらっしゃいます。
 それでも健康的なナショナリズムとして日本人選手を応援してその活躍に一喜一憂するも良いのではないでしょうか。『空海マオの青春』に書きましたが、病気にせよ、災害にせよ、最終的には受け入れなければなりません。ならば「肯定して受け入れる」のが良いのでは、と思います(^_^)。

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