« February 2014 | Main | April 2014 »

2014.03.31

高松宮記念、結果とほぞかみ

 結果は……◎1着、単勝的中のヒモ抜け無念(^_^;)
 1着―デムーロ 05コパノリチャード……[◎] 単勝=7.7
 2着―大  野 17スノードラゴン………[?]
 3着―岩  田 09ストレイトガール……[○]
 4着―武  幸 16エーシントップ………[?]
 枠連=3-8=28.6 馬連=05-17=104.0 馬単=170.3
 3連複=05-17-09=79.9 3連単=710.4
 ワイド12=26.4 W13=5.4 W23=7.2
-----------
 ほぞ噛み反省の弁

いやー驚きましたねえ……エーシントップ(^.^)。
 直前15番人気の同馬がもし3着に残っていたら、[3→8→15]人気決着だから超特大万シューだったでしょう。

 実は馬券購入直前に「エーシントップの複勝とワイド買おうかなあ。でも、まさかなあ」と思っていたので、3着だったら「くあーっ!」て叫ばなければなりませんでした(^_^;)。特に◎が1着だっただけに、きっとほぞを噛んだでしょう。妙な言い方ながら4着で良かったです。
 エーシントップはずっと「いつか激走するはず」と狙っていたのです。

 同馬が残れたのはハクサンムーンの出遅れで単騎逃げの形になったことと不良馬場で[1122]と時計がかかったからでしょう。
 それにしても、あのハクサンムーンが出遅れるとは。それでも最後5着まで追い上げたのだから、底力のある馬です。競馬ってほんとに何があるかわかりません。

 勝った◎コパノリチャードはやはりデムーロ騎手がうまく乗った感じがします。単勝770円はいい配当でしたね。
 週中で4頭、オッズ後も同じ4頭に絞った中で、最も欠点が少ないのがこの馬でした。しかし、芝12は未出走、前日4番人気だったし、イマイチ自信が持てなかったので、あまり単勝は買っておらず、これのみの的中ではいつもの「当たってトリガミ(-.-)」に終わりました。

 ○ストレイトガールは上がりがあるだけに3着に滑り込んだのはむしろ「大したもの」と言えるでしょう。消えた牝馬14レディオブオペラ同様、やはり牡牝混合G Iで上位人気の牝馬は「疑ってかかるべき」だと改めて感じました。

 問題はウラ●抜擢のマジンプロスパーであり、2着スノードラゴンを指摘できなかったことです。
 マジンプロスパーはいい位置を先行していたのに、直線はずるずる下がるばかり。結果どん尻だからあきれました。私としては同馬から最も多く買って撃沈しただけに(^_^;)、「せめてこの半分を◎コパノリチャードの単勝に注ぎ込めばプラスだった」と嘆きのうらみ節です。

 17スノードラゴンは実績一覧表では真ん中前後の7番手Gでした。特記項目は書きませんでしたが、(原盤では)3点ほどありました。8枠の追い込み馬であること、芝複率は80[0401]で14レディオブオペラの[5210]に続くB、距離+4の芝16複率は100[0300]でトップのAだから悪くはありません。

 ただ、6歳馬なのに芝がわずか5走なのは、同馬が31戦中26回もダートを走っていたダート馬だからです。前走こそG3芝12を2着でしたが、その前十数回は全てダート。ダート成績もGI・G2出走はなく、連率50、複率62ではまー普通。ただ、この馬基本追い込みタイプです。前走もそうでした。

 出走18頭の場合、外枠の(人気薄)差し・追い込み馬が激走することがあり、今回13番から18番の中で差し・追い込み馬はこの馬だけでした。だから、注目はしていたものの「ダート馬だからなあ」と軽視してしまいました(^_^;)。

 ここが「レースは生き物」とも言える点で、馬場が不良となったことで「力のいる馬場」となり、ダートばかり走っていた同馬が浮上する要素が生まれたのだと思います。もしも良馬場だったら、果たして2着まで進出できたかどうか。
 にしても、今回の敗因は「芝12は内枠」にこだわりすぎてマジンプロスパーを重視し過ぎたことで、それが外枠追い込みのスノードラゴン軽視につながったと言えそうです。

 このGI2戦では◎○から「3複総流しをしてもプラス」の結果になっているだけに、「表は4頭、ウラ●を入れて5頭に絞る」路線がくじけかけています(^_^;)。特に3連系を「4、5頭に絞って当てるのは至難の業」といった感じです。

 それに最近不思議な傾向も感じております。たとえば、あるレースで◎○▲△の4頭に絞ったとします。そして◎か○が1着とか2着に入ったとき、なぜか残りの印3頭が4着以下に落ちることが多いのです(不思議でもなく当然?)。

 これをわかりやすく人気順で言うなら、1番人気から4番人気までの馬を◎○▲△としたとき、1頭はこの中から着内に入る(ことが多い)。
 ところが、もう2頭(あるいは1頭)はそれ以外の5番人気~8番人気、さらには9番人気以降が激走する、と言う傾向です。

 今までもなんとなく感じていたことながら、4頭に絞るようになってからとみに感じるようになりました。◎○が消えたり、4頭全て着外のこともあってそれはあきらめるとしても、「1頭抜ける」場合はあきらめきれません(^_^;)。
 しかも、終わった後でデータを再検討してみると「人気薄の中では買えない馬ではなかった」こともまた多いのです。

 今回の高松宮記念が正にそうでした。再度年齢別分類を掲載しますと
【高松宮記念、年齢別分類】(全18頭牝馬3頭、―後は有力馬)
 4歳=5頭-05コパノリチャード・14レディオブオペラ牝
       ・15スマートオリオン
 5歳=3頭-09ストレイトガール牝・12ハクサンムーン
 6歳=3頭-06リアルインパクト・17スノードラゴン
 7歳=4頭-01マジンプロスパー・08ガルボ
 8歳=3頭-03サンカルロ
 牝馬=3頭-09ストレイトガール・14レディオブオペラ

 10頭の中で4歳コパノリチャード、5歳ストレイトガールは外せない。牝馬が2頭入るとは思えないから、14レディオブオペラは切りたい。前走おかしかったハクサンムーンも切りたい。でも、切りきれない。であれば、もう4頭に達して検討終わり――となります。
 そして、この4頭はそのまま馬連1~4番人気になりました。結果は◎1着、○3着。ところが、(切りたいと思っていた)▲△は消え、もう1頭前日馬順9番人気が入る(もっと人気薄も逃げ粘って4着)。
 こうなると、◎~△の馬連・馬単・3複ボックス馬券などは全て無駄弾です。しかも、予想段階から「この4頭で決まるとは到底思えない」と何度も書いているのです。

 で、今考えています。単勝・複勝は4頭に絞り、さらに1頭に絞れる。しかし、馬連や3連系は絞ることをあきらめ、別観点で買うべきではないか、と。

 要するに、◎○▲△の4頭を決めた後、◎のみ残して印以外の馬から再度別観点でもう3頭抜き出す方法です。以前やったことがあります。○を2頭、▲を2頭のように(^.^)。
 この方法なら(今回の場合)7歳01マジンプロスパーが候補に挙がり、6歳から06リアルインパクトと17スノードラゴンが候補に挙がってきます。

 もちろんダメなことも多いと思います。しかし、表馬券を4頭に絞る方法では限界があると感じつつあります。次回からはこの方法を試してみたいと思います(^_^)。
 問題は印に困ることですが……★☆※とでもしましょうか(^.^)?

==============
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

| | Comments (0)

2014.03.29

GI高松宮記念、直前予想

 ひと月余りのご無沙汰、冬は無事乗り越えられたでしょうか(^_^)。
 ようやく春らしい陽気になって桜も満開間近です。競馬もこれから春たけなわ。いよいよ今年2回目のGI高松宮記念の開催です。

 フェブラリーSで年齢別有力馬をピックアップしなかったのは反省材料でした。
 よって今回はまず年齢別分類をやっておきたいと思います。高松宮記念は牝馬も無視できないので、別項目として取り上げます。過去データでは5歳勢が有力ですが、今年はどうだか……。

 【高松宮記念、年齢別分類】(全18頭牝馬3頭、―後は有力馬)
 4歳=5頭-05コパノリチャード・14レディオブオペラ牝・15スマートオリオン
 5歳=3頭-09ストレイトガール牝・12ハクサンムーン
 6歳=3頭-06リアルインパクト・17スノードラゴン
 7歳=4頭-01マジンプロスパー・08ガルボ
 8歳=3頭-03サンカルロ
 牝馬=3頭-09ストレイトガール・14レディオブオペラ

 これで10頭に絞っています。しかし、この10頭内で決まるかどうか自信はなく、はっきり言って難解です。と言うのは昨年のような大黒柱ロードカナロアがいなくなったので、何の迷いもなく◎にできる馬がいないのです。

 たとえば、1番人気が予想される5歳牝馬09ストレイトガール。目下OP→G3シルクロードSを2連勝、過去9走[6300]とバツグン。しかし、その前は10走して[2008]とぶっちゃけ平凡以下の馬。過去8走芝12ばかりだし、GI(G2も)未出走。牡牝混合戦の牝馬だし、もしも1番人気になったら真っ先にカットしたい馬です(^.^)。

 次に2番人気になりそうなのが同じく5歳の12ハクサンムーン。こちらは逆に短距離重賞の実績ナンバー1。昨年の高松宮記念で10番人気ながら逃げ粘って3着。その後はG3・G2を4走して3、2、1、1着。昨秋のGIスプリンターズSではロードカナロアの2着。今年目の上のタンコブがいなくなっていよいよ日の目を見るかと、前走G3オーシャンSでは単勝170円のど本命1番人気。それがまさかの13着大敗だから、競馬はわかりません。
 スプリンターズSと全く同じコース、距離、自ら逃げてペースを作っていながら、直線ずるずる下がるばかり。一体どうしたことか。同馬は昨年も高松宮記念3着の前オーシャンSが9着でした。同じ流れなら今回復活となる……のかどうか(^.^)。
 他にも上位人気が予想される14レディオブオペラもGI初で牝馬だし、どうにも軸馬が見あたりません……。

 ただ、この分類で一つ言えることは全18頭(牝馬3頭)の中から牝馬のストレイトガールとレディオブオペラがもしも上位人気になったら、牝馬独占があるとは思えないから1頭は必ず牡馬が来る。
 しかし、どうも牝馬が2頭も3着内に入ると想像しづらいので、どちらかは消え、牡馬が2頭来る……可能性が高いような気がします。
 となると、4歳からは前走芝14阪急杯の勝ち方が良かった05コパノリチャード。5歳からは前走大敗でもやはり短距離王を継ぎたい12ハクサンムーンとなるような気がします。
 かくして週中の4頭絞り込みは05・12・09・14です(^_^)。

 ……と書いたのが週中。金曜枠準確定後、土曜前日オッズが出そろったところで、やはり上記3頭は09、14、12の順で馬順123番人気になりました。コパノリチャードが続く4番人気。
 とてもこれですんなり決まるとは思えませんが、取りあえず4頭3複ボックスを買います(^_^)。

 さて、ここで表の結論ですが、いつものように実績一覧表です。
 今回から前日馬連順位の10番人気までをA~Jとして数値の後に掲載します。

 【GI高松宮記念 実績一覧表】 中京 芝12 18頭(牝3頭)
                注…値の後の英文字は馬連順位
順年齢番馬    名- 値馬=芝距離コース3F着差など特記
A4歳14レディオブ-106B=5走優 掲示100 芝12[5110]EX GI初? 牝
B5歳12ハクサンム- 78C=3走TX 5走優 LTX 格優
C5歳13アースソニ- 74 =GI初?
D5歳09ストレイト- 74A=前TX 掲示90 芝12[8204]3FX GI初? 牝
E7歳11インプレス- 58 =
F7歳18マヤノリュ- 56 =5走優3FY
G6歳17スノードラ- 56I=
H4歳15スマートオ- 56E=掲示100・芝12[5300]GI初?
QA6歳02サクラゴス- 54 =
QB8歳03サンカルロ- 52G= 芝12TX
QC4歳04レッドオー- 50F=
QD4歳16エーシント- 46 =
QE8歳10シルクフォ- 46 =
QF4歳05コパノリチ- 44D=3走優 前走芝14着差優
QG8歳07レッドスパ- 40 =
QH6歳06リアルイン- 32H=全走格優
QI7歳01マジンプロ- 32J=芝14TX コース2勝
QJ7歳08ガ ル ボ- 26 =

 実績一覧表の数値としては14レディオブオペラが106で抜けています。意外なのは05コパノリチャードがかなり低いこと。しかし、前日オッズを見ると、単勝万馬券が1頭もいません。つまり、最低人気が激走して不思議ないとも言えます。

 ここで表の結論です(^_^)。
 一覧表を見ても、オッズを検討しても、週中の4頭絞り込みから抜け出ることができません。ストレイトガールとレディオブオペラは格下だけれど、芝12に限るとストレイトガールは8勝、先行して上がりもいい。かたやレディオブオペラも複率100の[5110]。
 そして、腐っても鯛はロードカナロアを追いつめるところまでいったハクサンムーン。前走はのんびり逃げてかえって差し・追いのえじきとなったようです。同馬の良さはハイペースで逃げて粘ること。今回は逃げ馬が多く、ハイペース必至。同馬のダッシュ力は天下一品だから、ハナを切ってハイペースで逃げるでしょう。
 最後にコパノリチャードは内枠から自然に先行して抜け出しをはかるはず。特に前走G3阪急杯(芝14)でコンマ7差の1着が抜けています。同馬は芝12を一度も走ったことがなく、上がりもイマイチなのですが、そこは唯一外国人騎手デムーロの腕が頼りになります。

 この4頭内で決まるとはとても思えないけれど、その他の馬を抜擢し始めるとどんどん拡散してしまいます。そこで表はこの4頭に絞ることにしました。
 印は◎05コパノリチャード、○09ストレイトガール、▲12ハクサンムーン、△14レディオブオペラの順です。

 よって表の買い目は
 単 勝=05コパノリチャード
 馬 連=05→09 12 14
 3連複=05 09 12 14 BOX
 3連単=05→09=12=14

 さて、春の嵐で荒れそうな雲行きなので、ぜひともウラ馬券を(^.^)。

 その前にオッズ分析を少々。前日朝のオッズでは単勝・馬順・枠順1番人気は09ストレイトガール。馬連は同馬から7頭まで流れています。つまり、軸は同馬の可能性高し。
 ただ、同馬の複勝は2番人気で複勝1番人気は03サンカルロが取っています。サンカルロの単勝は7番人気、馬順も7番人気。1昨年の高松宮記念2着がありますが、もう8歳です。さすがにここはどうでしょう。

 今回7、8歳馬が7頭も出ているので、1頭は絡むかもしれません。そこで、ウラ●として別の高齢馬を抜擢しました。それは大魔神の御曹司(?)01マジンプロスパー(7歳)です。実績一覧表ではほぼ最下位ながら、同馬に着目したのは枠とコース実績と前走。
 まず、芝12の内枠が有利なのは周知の通り。そして、全18頭の中で中京コースを2勝している唯一の馬がこの馬です。しかも、そのレースは昨年と一昨年のG3CBC章です。
 前走はG3シルクロードS(芝12、ハンデ戦)でストレイトガールの4着でしたが、このときマジンプロスパーはトップハンデの58.5。ストレイトガールは55キロ(2着55、3着、53)と3.5キロもの差がありました。それが今回マジンプロスパーは1.5キロ減の57。前走から斤量減となったのはこの馬だけです。
 気になるのはすでに7歳馬であることですが、今回もしかしたら勝負になるのではと思ってウラ●にしました。馬券は表の4頭に流します。

 よってウラの買い目は、
 単複勝=01マジンプロスパー
 馬連単=01→05 09 ; 12 14
 馬単裏=05 09→01
 3複単=01→05=09→12 14

 さて結果は?

================
 最後まで読んでいただきありがとうございました。(御影祐)

| | Comments (0)

2014.03.13

狂短歌ジンセー論[163号]――悲しき表現者 その2

 前号に続いて【悲しき表現者 その2】です。すぐにでも発行するつもりでしたが、〈現代のベートーベン氏〉が「いつか謝罪会見を開く」とのことだったので、それを待っていました。
 今月9日ようやく《謝罪》会見が行われました。残念ながら本論で追加訂正したい内容はありませんでした(後記で若干触れます)。
 よって、今号は先月書いていたものをそのまま公開します(-.-)。

 (^_^)本日の狂短歌(^_^)

 ○ 裏切られ 傷つけられてまたへこむ 起きればいいさ ダルマのように

------------
 (^O^)ゆとりある人のための30分エッセー(^O^)

 【悲しき表現者 その2】

 仏教では「妄語=嘘」は十悪の一つです。それを言わずとも「うそをついてはいけない」との教えは至極もっともな意見です。親は我が子に必ずそう教えるでしょう。
 と言いつつ、私たちは弱い自分がつくうそ、小さなごまかしやいつわり、人を傷つけないためにつくうそなら《許される》と思っているところがあります(^_^;)。

 しかし、小さなうそを続けていると、やがてうそをつくことに慣れてしまい、それを悪いと感じなくなる。結果、気軽についたうそで身近の人を大きく傷つける。あるいは詐欺・ペテン・悪質商法など現実の犯罪に走ってしまう――などと前号で語りました。殺人・強盗・傷害・放火などと違って詐欺や悪質商法はうそに基づく犯罪と言えます。

 では「小さなうそを一切つくことなく、自分の心に正直に生きることは可能か」と問われるなら、「それはそれでかなり難しい」と答えざるを得ないでしょう(^_^;)。

 以前テレビで「心で思ったことを正直に言葉にする」という設定の番組を見たことがあります。
 職場や家庭、学校などで同僚・ダンナさんと奥さん、子どもに兄弟姉妹、恋人同士や学友などが普通の生活をしている。その中の一人にだけ「おせじやうそは一切言わず、思ったことをそのまま口にする」よう指示して他の人たちの反応を見るのです。

 結果は映像を見なくとも想像がつくと思います。周辺の人たちはみな仕掛け人が正直に発する言葉に反感を覚え、人間関係がぎくしゃくしてしまう。ときには険悪な関係にさえなってその試みはとても続けられない……結果になったのです。

 小さなうそは人間関係において潤滑油の効能がある――これもまた間違いのないことでしょう。

 さて、2月初めゴーストライター氏の暴露会見によって〈現代のベートーベン〉がうそだとわかったとき、私は二人を責めるよりむしろ悲しい気持ちになりました。

 それはなぜだろうと考えてあることに気づきました。この沈んだ気持ちとは「人を見たら泥棒と思え」と言われたときの感情と似ていることに(-_-;)。

 昨年末私は「振り込め詐欺に注意しましょう、自分の名は詐欺師のリストに載っていると思うべきですよ」と書きました。
 振り返ってみると、この言葉には別の意味と言うか、あるニュアンスが含まれていることに気が付いたのです。すなわち「あなたに電話をしたり、声をかけてくる人はみな詐欺師と思いなさい」と言っているに等しいのです。

 テレビではしばしば感動的なエピソードが放映されます。日本人は特に感動的な実話が好きとか。
 私たちは今後それらを見て「本当かしら」と疑う可能性があります。あるいは、「下手に感動しないようにしよう。作り物かも知れないから」と思うかもしれません。
 彼らが犯したうそ偽りより、そのように感じてしまう自分が悲しくなります。だから顔文字は[(-_-;)]こうなりました。

 かと言って心の中をなんのためらいもなく口外するとなると、これはこれで異和感を覚えます。

 同じ頃東京では都知事選が行われていました。投票が行われた日曜日、たまたま見ていた夕方のワイドショーで、一人の応援弁士の驚くべき言葉が紹介されていました。

 その人は零戦と特攻をテーマに書いた作品が文庫本百万部を突破して超売れっ子となった著名作家です。彼が某候補を応援したとき、聴衆を前にして「他の候補はみな人間のクズだ」と言ったというのです。

 こちらもそれを知ったとき、あきれると同時に悲しくなりました(-_-;)。

 なぜなら、彼の作品に感動して(正確に言うと読もうと思って)文庫を買った人が百万人もいるのです。図書館などから借り出して読んだ人はその数倍いるでしょう。映画にもなったので、感銘を受けた人は一千万人にのぼるかもしれません。
 また、彼の別作品は「本屋大賞」も受賞しています。本屋大賞とは全国の書店員がその年最も推奨する作品ということです。
 これら彼の作品を読んで感動した人、推奨した書店員が東京都民なら、彼が言う「他の候補」に投票した人はかなりいるはずです。

 このことから、たとえば一人の読者が彼に向かって「私はあなたの作品を読んで感動しました。でも、都知事選では別の候補に投票しました。その候補者が人間のクズなら、その人に投票した私も人間のクズなんでしょうか」と言ったなら、一体なんと答えるのでしょう。
 つまり、彼は自分の作品を買って読んでくれる人を「お前たちは人間のクズだ」と言ったに等しいのです。なぜそこに思いを馳せなかったのか不思議に思います。

 前号も書いたように、小説や絵画、音楽など芸術作品は制作者の人間性とは関係なく「素晴らしいものは素晴らしい」として評価されるし、それで良いと思います。別に人格者である必要はないでしょう。極端な感性、考え方を持っていたとしても、ある意味《ひねくれ者(^.^)》として許されている面もあります。

 ところが、その人が社会に影響を与えるような表舞台に出てくるとなると、話は違うと思います。くだんの著名作家は今年NHKの経営委員に抜擢されているからです。
 一般的にNHK経営委員とは《有識者》が選出されると考えられています。彼の「人間のクズ」発言は有識者としてふさわしい発言でしょうか。

 今回NHKの会長、経営委員に選定された方の中には、他にも「?」と思える人物がいます。会長は「従軍慰安婦はどこの国でもあった」と言い、ある女性哲学者は右翼の大物を賛美し、「今上天皇は現人神(あらひとがみ)である」と明言しています。
 政府はこれらの発言を「自らの思想、信条を表現することは自由である」として問題視する気はないようです。

 しかし、もしもその人が「テロは正しい」とか「天皇制は破棄されるべきだ」と公言したなら、どうでしょう。落ち着き払って「自らの思想、信条を表現することは自由である」と言って済ませるでしょうか。
 おそらく危険思想の持ち主と見なされ、発言が発覚するや国会で大問題となり、直ちにNHK経営委員をやめさせるでしょう。くだんの都知事候補応援作家は自ら「首相と対談して意気投合した」と語っていたそうです。だから、委員に選ばれたのかもしれません。

 ということは、政府与党の中に内心彼らと同じ感情を持っている人が多いと思わざるを得ません。その人たちを《有識者》として抜擢して何も感じないのだから。
 政府与党が応援する都知事以外の候補は「みな人間のクズ」であり、「従軍慰安婦はどこの国でもあった。なんでうるさく問題にするんだ」と思い、「天皇は今を生きる神様なんだ」と見なしていると……。

 私は思います。確かに「個人が何を思い、何を考えようと自由である」と。ただ、心の中で思っても、それを言葉として発するか公表するか。さらに、行動に移すかは大きく違うのではないでしょうか。こうした発言は世界の常識ではないし、日本国内においても有識者の良識ではないと思います。

 ドイツナチスのヒトラーは「ユダヤ人は○○○だ」と「人間のクズ」以上(以下?)の蔑視発言をしています。それがヒトラー個人の中でおさまっている分にはまだいい。いや、良くないけれど、彼と数人数十人の支持者の中だけなら、実害は招かなかった。
 けれども、彼がドイツのリーダーとなったとき、彼はその思いを実現して戦争を起こし、ユダヤ人をホロコーストで苦しめました。

 彼らが発した三つの言葉は小さな、ささいな言葉かもしれません。「目くじら立てるほどのことじゃないよ」と言うかもしれません。
 しかし、その三人が中立公正であるべきNHKの経営委員に選ばれたとなると、小さなことと済ましておれません。

 第二次世界大戦前「天皇は現人神(あらひとがみ)である」と思い、「既得権益を守るためには戦争もやむを得ない」と思い、「臣民は国を守るための道具に過ぎない」と思い、「従軍慰安婦は必要悪だ。征服した国の女を使って何が悪い」と思った連中が国のリーダーになりました。
 その連中が戦争を決断してアメリカと戦い、負けそうになったら「降伏せずに万歳突撃しろ、零戦で特攻だ」と命じて兵士を犬死させ、一般人に竹やりを持たせました。さらに、「天皇制を守るため」ぐずぐすしていたせいで、各都市は焼け野原になり、ヒロシマ・ナガサキに原爆が投下されました……。
 その歴史を知っているなら――日本やドイツの現代史を学び、それを自分のことのように感じているなら、従軍慰安婦発言は出てくるでしょうか。零戦や特攻を調べ、戦争体験記を読んだ作家から、人間のクズ発言は出るでしょうか。悲しい言葉であり、悲しい五十代です。
 そして、四十代、三十代の次期リーダー候補や有識者たちからも同じような悲しい人たちが出現しているように感じます。

 繰り返します。誰でも心の中で「おれ以外の人間、おれの言うことを聞かないやつらはみなクズだ」と思って構わない。「兵士を慰めるための従軍慰安婦は必要悪だ」と思って構わない。「日本国家のために活動する右翼は立派だ。天皇は神様だ」と思っても構わない。
 しかし、それをおおっぴらに発言し、世界に向かって発信し、もしも人に「そう思いなさい」と強要するなら、その人はとても常識ある社会人とは思えません。
 それは敢えて言うなら、「テロは正しい。目的のためには弱い連中を抹殺しても許される」と考えるテロリストと同じように危険思想だと思います。

 長々と書いて申しわけありません。もうすぐ終わります(^_^;)。

 ここまで書いたとき、メルマガ巻頭に掲載する狂短歌としてつくったのが以下の歌でした。

 ○ 今はむしろ 人間のクズ自覚して 高き理想を 持ち続けたい

 うそをつかない人生を歩みたい、「人間のクズ」と発言する人も、やがて気づいてくれることを信じたい。某元総理が東日本大震災後「原発は0に」と発信しているように。「人を見たら泥棒と思え、詐欺師と思え」と言うのも悲しい。そうではないと信じたい。しかし、これは所詮理想でしかないのだろうか。それが高い理想だとしても、それを持ち続けたい……そのような気持ちをこめて詠みました。

 ただ、これはこれでいいとしてなんだか「重いな」と感じました(^.^)。
 もっと軽く軽くこのショックと言うか、落ち込みから脱する方法はないだろうか、と思ったのです。

 東京都知事選の結果が出た翌月曜の夜、午後十一時頃私はパソコン作業を終えてひょいとEテレをつけました。ちょうど「スーパープレゼンテーション」が始まる時間でした。
 この日は「22歳の心の叫び 詩人サラ・ケイ」による講演でした。

 アメリカの若き女性詩人は「スポークン・ワード」と言って(語られる言葉・詩?)単に紙に書くだけの詩人ではない感じでした。確かに彼女は多くの詩的な言葉を語っていました。何より目が生き生きと輝いていたことが印象的です。

 彼女は未婚らしく「もし私に娘がいたら」これこれのことを教えると言って語ります。
 たとえば、今の子どもはとても傷つきやすい。何もできなくて自信を持てないでいる。だから、「私に娘がいたら十のことを教える。まず、わたしこれできる。これならできるということを発見させる。そして、これなら続けられることが見つかったら、無理せず等身大の自分を表現させる。表現することで人とつながり、それが喜びとなる」などと語っていました(^_^)。

 私がとても感心したのは彼女が人生を《ボクサー》にたとえたところです。
 生きることはとても痛い。まず顔をぶん殴られて倒れる。なんとか立ち上がる。すると今度は腹を蹴られて「うっ」とうめいて倒れる。ようやく立ち上がる。けど、また顔を殴られる。何度も殴られ叩かれた結果、私たちはいつも両手を構えるボクサーのように、相手のこぶしをよけ、腹をガードして殴られないよう、叩かれないようにして生きている――と。
 もちろん「それっておかしくない?」と言いたいのです。

 私は聞いて笑ってしまいました。それこそ正にうそやいつわり、裏切りに傷つき「人を見たら泥棒と思え、詐欺師・ペテン師と思え、感動的な話にはウラがあると思え」の巧みな比喩になっていたからです(^_^)。

 番組を見終えた(彼女の話を聞き終えた)とき、私の沈んだ心は軽くなっていました。
「そうだよ。殴られ叩かれたって立ち上がればいいんだ。いつも身構えて傷つかないよう自分を守って生きるんじゃなく、倒れたら起きあがればいいんだ。高い理想なんか掲げなくたっていい。ただ立ち上がればいいんだ」と。

 そのとき、日本語で最適の言葉を思い出しました。ダルマさんのことわざ「七転び八起き」です。
 ダルマさんは別に高い理想をもって起きあがっているわけじゃない。殴られたら必ず倒れる。でも、何も考えずにただ立ち上がっている(^.^)……「これだっ!」と思いました。

 かくして最終的に採用した狂短歌が巻頭の作品です(^_^)。

 ○ 裏切られ 傷つけられてまたへこむ 起きればいいさ ダルマのように

=============
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:またも長い長い文章で恐縮です。m(_ _)m 書き始めると、語りたくって仕方がないのです(^_^;)。日本を取り巻く国との関係が悪化して(世界もかつての冷戦に戻りそうで)いつか来た道を歩こうと考えている人が増えているせいかもしれません。
 忘れちゃいけないのは、日本で戦前のリーダーと有識者を支持し、戦争を支持したのは多くの国民だったことです。ヒトラーを支持したのもユダヤ人以外のドイツ国民でした(全員でなくとも)。支持者がいなければ、彼らは裸の王様に過ぎません。
 今「人間のクズ」発言を支持する人は十数パーセントにのぼっていよいよ発言力を増しているようです。なんでわかるかって? 彼が応援した都知事候補者が六十万票(得票率十三パーセント)を獲ったからです。

 ところで、うそをついたことを謝るとき、「人のせい、運命や境遇のせいだ」と言い訳したり、「自分よりもっと悪い人がいるじゃないか」と言ったなら、それは心からの謝罪とは思えません。前者は「だから自分は悪くない」と言っているのであり、後者に至っては「自分は確かに悪い。悪いよ。でも、もっとひどいやつがいるじゃないか」と語っているからです。日本語ではこれを《居直り・開き直り》と呼びます。

 くだんの「現代のベートーベン氏」は謝罪会見を行いました。何度も謝りつつ、彼は最後に「うそをついたゴーストライター氏を告訴します」と言いました。それを見て《居直り》と感じたのは私だけでしょうか。
 私はこう言ってほしかったなと思います。「ゴーストライター氏の発言には違っている部分があります。でも、それには触れません。我々は確かに共犯者であり、彼を引きずり込んだのは私だから。彼にも心から謝りたいと思います」と。

| | Comments (0)

« February 2014 | Main | April 2014 »