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2015.03.31

高松宮記念、結果とほぞかみ

 結果は……ウラ●2着、馬連70倍、3複万シュー的中(^o^)!
 1着―パートン 04エアロヴェロシティ……[△]QH 単勝=6.5
 2着―酒  井 15ハクサンムーン…………[●]H
 3着―浜  中 16ミッキーアイル…………[◎]QD
 4着―国分 優 06サドンストーム…………[?]F
 5着―武  豊 17コパノリチャード………[○]QC
                [印]の後は実績一覧表順位
 枠連=2-7=10.1 馬連=04-15=74.8 馬単=107.7
 3連複=04-15-16=140.0 3連単=815.6
 ワイド12=29.3 W13=10.4 W23=19.8
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 ほぞ噛み反省の弁

 高松宮記念、残り400メートル――。
 内外離れて2頭逃げのようになっていた外の1頭、15ハクサンムーンがするすると抜け出しました。
 ペースがものすごく速かったし(入りの3Fが33.9)直線が長いので、「持たないよなあ」と思いつつ、やや期待(^.^)。

 ところが、残り300になったら、後続2頭の△エアロヴェロシティ、◎ミッキーアイルと1馬身くらいあり、残り200では2馬身差に開くではありませんか。脚色もしっかりして3頭は同じペース(に見えました)。
 こうなると、
「そのまま、そのまま! 酒井! 酒井! 酒井!」と叫んだこと、叫んだこと(^_^;)。

 残り100では「ハクサンムーン勝った!」と思ったのに、残り50で奈落の底……(-_-;)。あそこで変わりますかねえ。前を交わして先頭でゴールしたのは香港の刺客エアロヴェロシティでした。
 おそらくこれが1200最適の底力でしょう。ハクサンムーンは芝10の馬であり、ミッキーアイルはマイルの馬ですから。
 結局、ハクサンムーンはミッキーアイルとの写真判定。結果、ハナ差の2着。はあっ(-.-)。

 実はいとことテレビ観戦しているとき、馬連的中は覚えていたけれど、3連複を買ったかどうか、記憶にありませんでした。なので、単勝と穴の馬単が取れなかった落胆の方が強くて喜びイマイチだったのです。
 ちなみに、いとこは1着3着の馬連を厚めに買っていただけで全滅でした。

 帰宅後ネット投票を確認して3連復も買っていたことがわかり、ようやく「よっしゃあ(^o^)」と3複万シュー的中の味を噛みしめたところです。
 表の4頭馬券は本当に馬連1点、3複4点しか買わず、実質ウラ●ハクサンムーン流しの馬券だったので、久しぶりに黒字決算でした。

 それにしても、もうちょっとハクサンムーンを強調すれば良かったのですが、正直「逃げるしか能がないし、もう終わったような感じだしい(^_^;)」とあまり期待していませんでした。直前予想を読めばおわかりのように、同馬は実績一覧表の特記事項0で数値的見所がないので、「心情馬券」と書くしかなかったのです。
 酒井騎手は惜しいところでGI戴冠を逃したけれど、稍重で内が荒れた馬場を避け、終始真ん中へんを逃げました。ファインプレーだったと思います。

 今回ハクサンムーンを抜擢したのは数値ではなくオッズ分析からでした。オッズ的には唯一の穴馬として「来るかも知れない」と思ったけれど、数値の裏付けに乏しかったので、強調できなかったのです。
 今後の参考になればと思って、ここでそのことを書きます。逃げ馬多く、ハイペースが予想されていたにも関わらず、なぜ逃げ馬ハクサンムーンをウラ●にしたか、その理由です。

 高松宮記念は前日も当日朝もかなり特異なオッズ形態を示していました。
 まず馬順・単勝は5強の雰囲気で、5番人気と6番人気はかなり開いていました。5強は弱点もあるけれど、実績から来ても不思議ない5頭でした。

 昔の私だったら、「まずは5強の3複10点買います」と言ったでしょう。馬連もボックスで買うと10点。1頭◎流しなら4点ですが、絞ると得てしてあるのが「タテ目」決着。「馬連もボックスで買っときゃ良かった」とほぞを噛むから、馬連も10点買いたくなります。特に今回は馬連ABでも15倍前後でしたから、「10点買っても儲かる」と皮算用してしまいます。

 しかし、今の私はとにかく少点数予想を心がけています。究極は3頭3複1点、馬連は1点か2点にしたい。前週はゴールドシップ→デニムアンドルビーが成功しました。これって損失をできるだけ減らすためでもあります。

 今回の高松宮記念、確かに5強内で決まりそうだけれど、そこに6番人気以下から何か1頭が絡めば、この3複10点はドブ捨てになる。もしもその馬が1、2着なら、馬連ボックス10点もドブだ。
 ならば、5強から1頭削って4頭にしよう。それなら3複ボックスでも4点。そして、馬連は◎-○の1点にしてしまおう――そう思っての表馬券でした。4頭馬連ボックス6点は多すぎると思いました。
 結果として損失を最低限にとどめることができたので、正解だったと思っています。

 実は「もう1頭下から来る可能性が高い」と感じたのは5強に弱点があるからだけでなく、複勝オッズが5強に集中しておらず、混戦模様だったからです。何か1頭が来る可能性はかなり高いなと感じました。
 問題はその1頭をどうやって見つけだすか。残念ながら実績一覧表からは「穴馬」を見つけることができませんでした。穴馬候補が多すぎるからです。

 それは多くのファンも同じだったのではないでしょうか。絞るなら5強、穴馬は多すぎるから(自分で決めた)◎から広く流すしかないと。

 これは枠連順位に端的に現れていました。5強は3頭が8枠、残りが7枠、2枠に入っています。以下に前日の枠連順位とオッズを掲載してみると、
 A8-***
 B7- 4.7
 C2- 6.3
 D5-21.4
 E1-22.1
 F6-24.2
 G3-24.2
 H4-25.8

 かなり極端な枠順オッズです。普通AからH順に向かって倍率がどんどん高くなるのに、D~Hまでみな20倍台。こんなオッズ状態初めて見ました。
 これを解釈すると、絞るなら872枠で3強が入った8枠は固い、よって8→7、8→2を多めに買う(8→8のゾロ目も6.1倍でした)。しかし、穴は絞りきれないから、A8枠から同額で5点全て買う、という心理が現れていると思います。

 ここで起こりえる枠連の出現パターンは二つ。ABC3枠の3つ巴で決まるか、D以下から1頭来るか。8枠はかなり固そうだけれど、予想に書いたとおり「もしも8枠3頭が来ても3着まで」だったら(結果これが当たり)、8枠流し馬券は買ってもドブ捨て。仮に8枠から1着か2着馬が出て相手が7枠、2枠だった場合、穴の枠連を買っていれば「トリガミ」のほぞ。私は8枠流しの2連馬券を買う気がしませんでした。

 ならば、買って面白いのは7枠か2枠を軸とする馬券(5強のどれかは1、2着するはずだから)。そこでどちらを取るか考えて外国馬より日本馬3頭が同居する7枠を取り、D以下から可能性のありそうな3点+ゾロ目をまず買ったわけです。 ここで枠連2-7を買い目に入れなかったのは(10倍前後あったけれど)、「本命決着だから、来たらあきらめる」と思っていました。

 さらに考えたのが、枠連がABCで決まったとき、馬連・3連馬券が荒れるとすれば、872枠の代行馬が激走するパターンです。今回はこれに賭けてみようと思いました。
 8枠に人気薄代行馬はいないから、来るとしたら7枠か2枠の代行馬。7枠の人気上位は13ダイワマッジョーレ、2枠は04エアロヴェロシティ。そして、人気薄が以下の3頭。
 7枠=14トーホウアマポーラ(6歳牝)[13人気]
    15ハクサンムーン  (6歳牡)[8人気]
 2枠=05ワキノブレイブ  (5歳牡)[17人気][ ]内は前日馬順人気

 05ワキノブレイブは実績の特記もないし、人気が悪すぎるのですぐにカット。
 7枠はどちらにするか迷いました。実績一覧表ではハクサンムーンはH順で特記事項がなし。対してトーホウアマポーラは順位Bで特記事項も多かったので、最初は同馬をウラ●にしようかと思いました。

 しかし、表馬券で6歳牝馬のストレイトガールを▲とした以上、「6歳牝馬が2頭入るはずがない」と踏ん切りました。
 かくして7枠から代行が激走して荒れるなら15ハクサンムーンと結論づけてウラ●としたのです(^_^)。

 結果として枠連はBCの2-7。8枠Aは3着が最高となり、7枠は代行が2着。終わってみれば、よくあるパターンの決着であり、私としては理詰め予想が当たっただけに、ちょっと嬉しかったです。
 ただ、本当は実績一覧表で当てたいから、一覧順位[QH→H→QD→F](数字で書くと[16→8→12→6]順)決着では、とても当たると思えません(^_^;)。

 実績一覧表があてにならなかった理由はわかっています。日本馬に数値100を超える一流馬がいなかったこと、そして外国馬エアロヴェロシティのデータがないに等しかったからです。
 同馬のネットデータは距離とクラスと着順しかなく、人気、走破タイム、レース中の位置、上がり3Fデータなど、重要なデータが全く未入力でした。もしもそれがわかっていたら、おそらく同馬が抜けた一覧トップだったろうと思います。

 エアロヴェロシティが強かったことは間違いないにしても、日本馬のレベルが低かったと言えるかも知れず、ここにロードカナロアがいたら、たぶん優勝だったでしょう。年齢の結果は[7→6→4→6→5歳]だから、早く「短距離エースが出てきてくれえ」と言いたい気持ちです(^_^)。

 ○ 久々の3複的中嬉しいが オッズ予想じゃ痛しかゆし(^.^)

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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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2015.03.28

GI高松宮記念、直前予想

 ひと月余りのご無沙汰、先週復活の御影祐です(^_^)。
 日曜の東西メインで久しぶりに単勝・馬連が的中して長い長いトンネルを抜けたような気がしました。東のスプリングSが5番人気キタサンブラックの単勝と馬連単。西の阪神大賞典はゴールドシップが3着以下に落ちるはずがなく、ウラ●として面白いのは牝馬のデニムアンドルビーと見て馬連1本買いの大的中。いとこと一緒にテレビ観戦して久々に叫びました(^.^)。この調子を明日も発揮したいものです。
 ――と書いてみたけれど、高松宮記念、難解です(^_^;)。
 先週のゴールドシップのような確たる軸馬が見つかりません。絶対的本命ロードカナロアが消えてから、短距離戦線は戦国模様です。そこに来て今年は香港馬も1頭参戦して難解さに拍車をかけています。

 さて、まずはいつもの実績一覧表です。困った馬がABに来ました。

 【GI高松宮記念 実績一覧表】 中京 芝12 18頭(牝6頭)
                注…値の後の英文字は馬連順位
順年齢番馬     名- 値馬=芝距離コース3F着差など特記
A6歳01リトルゲルダ- 90G=芝12[5135]全TX 3FX 牝?
B6歳14トーホウアマ- 86 =芝12[5413]芝12TX  牝?
C6歳18ストレイトガ- 82A=芝12[8325]     牝?
D6歳13ダイワマッジ- 78B=前阪急杯1着 芝12初?
E7歳10アフォード - 76 =
F6歳06サドンストー- 72 =3FX
G6歳08アンバルブラ- 66I=逃げ 牝?
H6歳15ハクサンムー- 64H=
QA5歳05ワキノブレイ- 64 =
QB5歳03ローブティサ- 64 =RX 牝?
QC5歳17コパノリチャ- 62E=RX 中京[1000]
QD4歳16ミッキーアイ- 60C=RX逃げ? 芝12初?
QE5歳09レッドオーヴ- 60F= 牝?
QF6歳02オリービン - 58 =
QG7歳12サクラゴスペ- 56 =
QH7歳04エアロヴェロ- 56D=外国馬、RX 成績[5201]芝12[5101]
QI8歳07マジンプロス- 34 =
QJ4歳11ショウナンア- 28 =

 トップが牝リトルゲルダの90、Bも牝トーホウアマポーラでは、単純に「ABを軸に」とは言えません。予感としては馬順AからIの9頭から123着馬が出るのでは、と感じています。本命から中穴決着なら馬順上位のABECFDの6頭でしょうか。

 さて、予想の前に古馬恒例の年齢別分類をやっておきます。以下の通りです。
 年齢別分類-有力馬
 ・4歳2頭-16ミッキーアイル
 ・5歳4頭-17コパノリチャード
 ・6歳8頭-??
 ・7上4頭-04エアロヴェロシティ

 6歳の8頭が際だっていますが、実は週中に年齢別予想を試みたとき、4歳はNHKマイル王者の16ミッキーアイル、5歳は昨年の高松宮記念馬17コパノリチャード、7歳上は香港短距離王の04エアロヴェロシティと決めていました。問題は6歳8頭からどの馬を選ぶか、でした。

 本命サイドなら牝馬18ストレイトガールか、前走阪急杯1着の13ダイワマッジョーレ。穴なら牝01リトルゲルダか15ハクサンムーン。逃げAの08アンバルブライベンも怖いところ。6歳の候補は5頭もいて迷いました。

 前日オッズを見ると、馬連ABの18-13は15.8倍。これってABの信頼性が低いことを表しています。ある意味、何が来たっておかしくない。
 しかし、枠連はとても単純です。Aが8枠、B7枠、C2枠で3巴風ながら、8枠が軸になっています。これは8枠3頭がみな人気上位だからでしょう。
 果たして枠連872で決まるのか、それ以下の51634枠から1頭激走があるのか。同枠人気薄の代行だってありそうです。

 さらに、明日の東海地方は午後雨予報とも言われ、通常逃げ不利の中京芝12ですが、「逃げ残りがあるかも」と思うと千々に迷ってなんだかとても当たる気がしません(^_^;)。

 さて、それでも表の結論です。
 上記457歳の3頭に6歳は芝12[8325]に敬意を表して18ストレイトガールにします。牝馬6頭から1頭すべり込むなら、やはりこの馬かなと。
 同馬は香港GI3着以来3ヶ月の休み明けですが、3ヶ月以上[2210]の実績があるので、大丈夫かなと思います。

 基本は3複ボックスで単勝買いはなし。というのは、ミッキーアイルは外枠の逃げ、コパノリチャードは近走不振、ストレイトガールは6歳牝馬、エアロヴェロシティは7歳、日本初、中京初、左回り初ですから、負けても不思議なし。
 それでも、強いて印の順番を付けるなら、若い年齢順ということで以下の通りとしました。馬連は「どうせ外れるだろうから(^.^)」◎-○の1本のみ。
 ◎16ミッキーアイル
 ○17コパノリチャード
 ▲18ストレイトガール
 △04エアロヴェロシティ

 よって表の買い目は
 馬 連=16-17
 3 複=16 17 18 04 BOX

 さて、ウラですが、ちょっと卑怯な発想として「もしも8枠3頭が来ても3着まで」なら、次に浮上するのは馬順Bダイワマッジョーレのいる7枠でしょう。
 ここには短距離で活躍してきた15ハクサンムーン、芝12、14に良績を持つ人気薄14トーホウアマポーラもいます。そこで枠連7を軸としてゾロ目7に145枠を買ってみようと思います。

 そして、ウラ●には心情馬券的な1頭(^_^)、15ハクサンムーンです。
 11走前酒井学騎手に替わってから重賞5戦を[2210]。短距離界のエースになりかけたのに、生まれた時代が悪かった。いつも帝王ロードカナロアの後塵を拝してGIは13年高松宮3着、同年スプリS2着が最高でした。
 昨年の高松宮でようやく目の上のたんこぶがいなくなったのに、2番人気5着。下ろされたのか、その後は戸崎騎手が3戦、そして、前走オーシャンSからまた酒井騎手に戻りました(1番人気で逃げて2着)。
 中京の実績は4戦[0112]ですが、この2・3着は高松宮とG3CBC賞です。単勝はきつそうですが、なんとかハクサンムーンに美酒を飲ませてほしいと単複少々(^_^;)。

 よってウラの買い目は
 単 複=15ハクサンムーン
 馬 連=15→16 17;18 04
 3 複=15→16=17→18 04
 枠 連=7→7145

 さて結果は?

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 参考 昨年の実績一覧表
 2014年【GI高松宮記念 実績一覧表】18頭(牝3頭)
順年齢番馬    名- 値馬=芝距離コース3F着差など特記
A4歳14レディオブ-106B=5走優 芝12[5110]EX GI初? 牝
B5歳12ハクサンム- 78C=3走TX 5走優 LTX 格優  ――――5着
C5歳13アースソニ- 74 =GI初?
D5歳09ストレイト- 74A=前TX 芝12[8204]3FX GI初? 牝――3着
E7歳11インプレス- 58 =
F7歳18マヤノリュ- 56 =5走優3FY
G6歳17スノードラ- 56I=             ――――2着
H4歳15スマートオ- 56E=掲示100・芝12[5300]GI初?
QA6歳02サクラゴス- 54 =
QB8歳03サンカルロ- 52G= 芝12TX
QC4歳04レッドオー- 50F=
QD4歳16エーシント- 46 =             ――――4着
QE8歳10シルクフォ- 46 =
QF4歳05コパノリチ- 44D=3走優 前走芝14着差優  ――――1着
QG8歳07レッドスパ- 40 =
QH6歳06リアルイン- 32H=全走格優
QI7歳01マジンプロ- 32J=芝14TX コース2勝
QJ7歳08ガ ル ボ- 26 =
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 最後まで読んでいただきありがとうございました。(御影祐)

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2015.03.06

狂短歌ジンセー論[173号]――迷える子羊

 最近我がメルマガの話題がどうもひと月遅れになっているような不如意感があります(^_^;)。
 12月選挙の話題は2月公開となったし、1月の日本人人質惨殺事件についても直後の発行ではなく、次号――つまり3月号へと回しました。
 そうしたら、先月下旬川崎市で18歳の少年がまだあどけない中一男子を惨殺する事件が起こってワイドショーの話題は一時それ一色となりました。

 さて、今回もメルマガどうしようと考えました。
 今号は「テロリストの絶望」を公開する予定でしたから、またも「そんなこと書いておられようか。ここは日本の凄惨な事件について書くべきではないか」と思わせる事態です。
 テレビでは識者・コメンテーターが事件を防げなかった大人の責任について盛んに語っていました。
 ところが、私はテロリストの惨殺事件に続いて今回もちょっと普通と違う感想を持ったから困ります。

 2月号に予定した「テロリストの絶望」を次に回した理由は、作品がテロリストを擁護するような内容を含んでいたからです。私はテロリストと交渉すべきだと思いました(水面下の交渉ではなく)。また、特攻隊の歴史を持つ日本人なら、自爆テロの底にある悲しみを理解できるのでは、と思いました。
 さらに、敵と見なした一人をナイフで惨殺し、その映像をネットに流すことが残虐な行為なら、空爆によって国土が破壊され、一瞬にして同胞が殺されることだって同じ残虐行為だと思っています。私はその点において「空爆をやめろ」と主張するテロリストに共感できました。

 しかし、事件直後にそれを公開すると、「お前はあの冷酷非道なやつらを弁護するのか」と言われかねません。私自身も果たして自分の感想が正しいかどうか自信がなく、少々冷却期間を置きたいと思いました。ひと月経って自分の感想が変わることもあるからです。
 で、2月末になって「やはり自分の感想は変わらない。3月号は『テロリストの絶望』を公開しよう」と決めました。

 ところが、そこに勃発した川崎の少年リンチ殺害事件です。さて、どうするか。
 しかし、これを知ったとき、私は「メルマガ公開をひと月待ったのはこのためだったか」と思いました。日本のリンチ殺害事件からシリアのテロ行為を振り返ったとき、共通するものに気づいたからです。
 私は二つの事件を並べて書き直すことにしました。表題は「迷える子羊」です。

 なお、今回は論ずるのではなく、短くするため散文詩風の表現を心がけました。やや感情的な言葉が出てきますが、ご容赦下さい。本文は「である」体です。

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 (^_^)本日の狂短歌(^_^)

 ○ 子羊が群れを離れて迷っても 探しに行かぬ我ら日本人

 (^O^) ゆとりある人のための10分エッセー (^O^)

 【 迷える子羊 】

 今年元旦のテレ朝『相棒』をご覧になっただろうか。
 「ストレイシープ」と題した作品で、冒頭に聖書の該当部が出ていた。

 あなた方はどう思うか
 ある人に百匹の羊があり
 そのうちの一匹が迷い出たとするならば
 九十九匹を山に残して
 その迷い出た一匹の羊を
 探しに出ないであろうか (マタイによる福音書)

 ストレイシープ――迷える子羊。
 これが1月2月に起こった凄惨な事件の前触れになる言葉だとは思いもしなかった。
 最後の言葉は反語である。迷い出た一匹の羊を探しに出ないであろうか。「いや、きっと探しに行くに違いない」と続く。

 ところが、二つの事件によってよくわかった。
 我ら日本人の多くは羊が迷っても探しに行かない人たちであることが……。

 1月、内戦の続く中東シリア――
 過激派「IS」に人質となっていた日本人二人がナイフで惨殺され、その映像がネットに流れた。
 日本政府は「これはテロとの戦いであり、交渉することはテロに屈することになる」として表向き人質解放について交渉することはなかった。
 だが、水面下では救出のための交渉がされたようだ。当初は法外な身代金要求、一人目の殺害。続いて捕虜となっていたヨルダン軍パイロットとの交換交渉。しかし、これも決裂して日本人ジャーナリストは無惨に殺された。
 交渉の時点でパイロットはすでに殺されていたらしく、その後彼を焼き殺す映像がネットに流れた。世界はテロリストを非難した。

 2月、神奈川県川崎市多摩川河川敷――
 遊び仲間のリーダー格18歳の少年が13歳の中学生を惨殺した。
 殺す前全裸にして厳寒の川を泳がせている。結束バンドで後ろ手に縛り、殴りつけ、カッターで傷つけ、最後に首を刺して殺した。
 被害者はおそらくひざまずいていただろう。命乞いをしたかもしれない。
 だが、リーダーはとどめを刺した。
 日本人人質事件の殺害映像と重なる。
 もちろん映像はない。だが、その様子はまざまざと想像できる。
 テロリストは日本にもいた。

 人はなぜこうも残酷に、残虐になれるのだろう。
 人間が神の創造物であり、神が存在するなら、
 神よ。あなたはなぜ人をかくも残虐な人間につくりあげたのか。
 そう言いたくなる。

 だが、神は反論するに違いない。
「彼らは生まれたときから残酷だったかい?」
「極悪非道の人間として生まれたかい?」と。

 過激派のテロリストは英国生まれ。日本の不良リーダーは日本生まれ。
 二人とも間違いなく言葉を喋れない、何もできない無垢な赤ん坊として生まれた。
 遊ぶことが好きな幼児期を過ごした。野球やサッカーが好きな子どもだった……と思う。
 だが、一人はイスラム国のため、戦場に行き、戦争に参加してテロリストとなった。
 もう一人はグループを引き連れ、新入りの5歳年下を殴り、リンチを加え、最後は首にナイフを突き立てて殺した。

 この間には一体何があるのだろう?
 十数年で彼らはなぜ変わったのか。何が変えたのか。
 彼らを極悪非道の行為に駆り立てたのは何だったのだろう?

 ISテロリストの残虐性の裏には絶望と怒りが見える。
 18歳加害者の残虐性の裏に見えるのは恐怖と孤独だ。

 前者には空爆という形で戦争を行う欧米大国への怒り、機械を相手に戦う絶望感。
 同胞がたった一発の爆撃で無惨に殺されることへの悲しさと怒りが見える。
 世界から貧富の格差をなくし、イスラムの教えに基づく宗教国家をつくる理想……があったであろうに、それが実現できない。
 テロリストは怪物か。せん滅すれば問題は解決するのか。
 多数派が少数派をテロリストと呼ぶ限り、テロリストはなくならないのではないか。

 武器を生産している人がいる。武器を売って儲けている商人がいる。
 小国の紛争が大国の代理戦争になっていることもある。
 武器輸出の1位はアメリカであり、2位はロシアだ。
 彼らは本当に世界の平和を望んでいるのだろうか。
 武器をつくって売っている国々こそテロ国家ではないのか。

 後者にはリーダーとしてグループを支配・維持する者の弱々しい感情が見える。
 彼は暴力と恐怖によってグループを支配することしかできなかった。逆らう者は容赦しないリーダーだったろう。
 だが、中学生時代は目立たずむしろいじめられていたとの話もある。新入り13歳が生意気だと殴った。それを抗議に来たのは中学生で「二度と殴りません」と謝ったらしい。
 リーダーとしてのプライドが壊された。もう仲間はリーダーとして認めてくれないかも知れない。チクった13歳中一生を逆恨みしての行為……。
 彼は仲間を信じられない人間だ。仲間を愛せない人間だ。やったことの残酷さと違って弱い人間にしか見えない。
 恐怖政治によって大衆を支配しようとする独裁者と重なる。リーダーにふさわしくない人間がリーダーになると、ああなるのだろう。あるいは、ISテロリストも弱い人間かもしれない。

 私が最も異和感を覚えたのは二つの事件に対するマスコミ、識者の反応だ。彼らは世論を代表している。
 川崎の事件後聞こえてきた言葉は……
 彼を救えなかった。サインが出ていたのに、見過ごした。
 大人たちが何もしなかったことがくやしい。
 政治家は「二度とこんな事件が起きないように」と動き始めた。

 なんとしらじらしい言葉だろう。

 13歳の少年は自ら進んで不良グループに入った。ちんぴらに不良に暴走族。ケンカが趣味で人を殴ることが好きな連中だ。なぜそんなところに入ったんだ。自己責任ではないか。殺されたって仕方がない。入らなければ殺されることはなかった――となぜ言わない。

 あなた方はひと月前テロリストに捕らえられ、人質交渉に使われた日本人に対してそう言ったではないか。
 なぜ危険なテロリストの中に飛び込んだ。彼らは勝手に行った。自己責任だ。日本に、政府に迷惑をかけたと。

 確かに一人目の日本人は確たる信念も理由もなく行ったように見える。
 だが、二人目のジャーナリストは「戦場の現況を伝え、捕らえられた日本人を救うため」に行った。
 彼は迷い出た一匹の羊を探しに行ったのだ。
 政府から三度も「行くな」と言われたのに、敢えて行った。
 なぜだろう。日本政府が人質救出に動いているように見えなかったからに違いない。
 日本政府は一匹の迷える羊を探しに行く人たちではなかったのだ。
 だから、彼は行った。「迷い出た一匹の羊を探しに行かないことがあろうか」と思って。

 川崎の河川敷で殺された13歳中一生はなぜ大人に助けを求めなかったのだろう。
 「殺されるかも知れない」と友人にもらしながら、「でも大丈夫。誰にも言わないで」と言っている。
 目に青あざをつくって母親と一緒に食事しながら、きっと「大したことない。心配しないで」と言ったに違いない。

 そもそも助けを求める前になぜ危険なグループに近づき、仲間入りしたのか。
 クラスメイトや部活の友だちより、なぜ外の世界に行ったのか。
 ゲーセンにたむろし、夜遅くまで遊ぶような危険な匂いのするところになぜ進出したのか。なぜ仲間になって一緒に遊ぼうと思ったのか。

 きっと学校より、部活より、兄弟より、グループの方が魅力的だったに違いない。楽しかったに違いない。
 弟たちのめんどうを見るより、思いっきり遊びたかったに違いない。
 行かなければ、この事件はなかっただろう。そういう意味で「飛び込んだ彼の自己責任」だ。
 だが、人はときに迷う。迷える羊になって群れを離れる。

 ISに人質になった日本人に対しては最初から「自己責任」が言われた。
 最初の日本人は「自分で勝手に行った」のであり、二人目のジャーナリストは「日本政府が止めたのに」行った。
 当のジャーナリストも「これは私の自己責任です。ひどいめにあったとしても、相手を責めないでください」と言い残した。
 だが、彼は戦場の状況を伝えるため、人質となっていた最初の日本人を救うために出かけた。
 そして、迷える羊となった。オオカミに捕らえられた。
 それでも私たち日本人は「忠告を無視して行った彼の自己責任だ、いわば自業自得だ」と言うのだろうか。オオカミに食われたって仕方がないと。
 ならば、日本の殺された13歳少年に対してもそう言うべきだろう。
「不良グループに飛び込んだあなたが悪い。自己責任であり、自業自得だ」と。

 いや、当の13歳少年が自分でそう思ったに違いない。
 グループには自分で勝手に入った。自己責任だ。誰にも迷惑かけられない。自分で解決するしかないと。
 だから、彼は大人に相談しなかったのだ。

 13歳の少年にこんなことを思わせたのは一体誰だ。
 ひと月前の日本人ではないか。大人ではないか。

 あのとき「シリアで迷った羊がいる。みんなで助けよう」と多くの人が言ったなら、13歳の少年は「この国の人たちは迷った自分を助けてくれる」と思えただろうに。ごめんなカミソンくん。

 これでよくわかった。
 この国の政府は迷える羊を助けに行かないことが。
 この国の多数派も迷える羊を助けに行かない人たちであることが。

 だが、彼らは気づいていない。
 彼らもまた弱い一匹の羊に過ぎないことを。

 聖書の言葉には続きがある。

 もしも迷える羊を探し出したなら
 まことにあなた方に告げたい
 迷わなかった九十九匹以上に
 きっとこの一匹を祝福するであろう――と。

 ○ 子羊が群れを離れて迷っても 探しに行かぬ悲しき日本

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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:テロリストに殺された日本人湯川遥菜さん、ジャーナリスト後藤健二さん。そして、上村遼太くん、三人のご冥福を祈ります。彼らはきっと争いはあっても、武器が一つもない天国に昇ったと思います。御影祐


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