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2020.06.30

宝塚記念、結果とほぞ噛み

 本題の前に、直前予想でちょっと致命的なミスがありました。
 3着激走の池添4歳12モズベッロ(馬順12)は総流しでないと「買えない」馬でしたが、唯一「買える」データを書き損(そこ)ねました。
 同馬は今年[G2日経新春杯1→G2日経賞2→GI春天7着]で、「GIVのないG2V馬」でした。それを見落としていました。順位としては13ダンビュライト(G2を2勝)に続くBに位置します。

 痛恨の……と言いたいところですが、GIVは8頭、そして「GIVのないG2V」は6頭もいて合計14頭。◎-○やウラ●→◎からこれらに流すということは「総流し」と同じなので、痛恨ではございません(^_^;)。
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【宝塚記念、結果とほぞ噛み】

 宝塚記念結果は――ウラ●武豊頑張ったけれど……馬連的中のみ(^_^)

 1着―北村友 16クロノジェネシス………[△]C 単勝=4.1
 2着―武 豊 14キ  セ  キ…………[●]D
 3着―池 添 12モズベッロ………………[?]QG
 4着―ルメル 05サートゥルナーリア……[◎]B
 5着―松 山 10メイショウテンゲン……[?]QH(一覧順位)
 前日馬順[C→G→12→A→16]前日枠順[B→D→C’→A]

 枠連=8-7=11.8 馬連=16-14=34.1 馬単=53.5
 3連複=16-14-12=512.4 3連単=1838.7
 ワイド12=7.9 W13=39.1 W23=120.7

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 ○ 展開予想結果

※展開(3Fは前走の上がり優秀5頭)
 逃げ     先行     差し     追込
 13 15 06 16 -14 11 18 04 -05 12 07 03 -02 08 01 10 09 17
覧 ▲ △ ◎ 6 ○ 5
3F E D A C B
本・ △ ● ○ ・ ◎ ・ △
結 1 2 4 3 5
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 本紙予想
 印番馬      名  齢 馬 結果
 ◎05サートゥルナーリア 4 A 4
 ○11ラッキーライラック牝5 B  6
 △03グローリーヴェイズ 5 D  17
 △16クロノジェネシス 牝4 C 1
 ・07ワグ ネリ アン  5 F  13
 ・18ブラストワンピース 5 E  16
 ・13ダンビュライト   6 10  9
 ●14キ  セ  キ   6 G 2
 ?12モ ズ ベ ッ ロ 4 13 3
 ?10メイショウテンゲン 4 16 5

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 【宝塚記念 実近一覧表】 阪神 芝22 18頭 定量58キロ
                  (人気は前日馬連順位)
順=番|齢|馬      名|予OZ{実近}人=[全芝 ]騎 手|格距TM3F印着
A=11|5|ラッキーライ牝| 2.2{AA}B=[6323 ]デムロ|◎△○△○6
B=05|4|サートゥルナリ| 3.2{BD}A=[6102 ]ルメル|○○ ◎◎4
C=16|4|クロノジェネ牝| 4.8{CB}C=[5221 ]北村友|▲▲ ○△1
D=14|6|キ  セ  キ| 7.9{DC}G=[4447 ]武 豊| △◎ ●2

E=07|5|ワグ ネリアン| 9.0{EG}F=[5124 ]福 永|  △ ・
F=18|5|ブラストワンピ| 9.7{FE}E=[7005 ]川 田| △  ・
G=03|5|グローリーヴェ|12.1{GF}D=[4303 ]レーン|△ ▲ △
H=01|4|トーセンカンビ|18.3{H10}09=[4415 ]浜 中| △

QA=15|6|スティッフェリ|24.6{0914}H=[843.13]幸英明|
QB=13|6|ダンビュ ライ|26.6{1112}10=[424.12]松 若|△◎  ・
QC=06|5|トーセンスーリ|27.5{1409}13=[464.11]横山和|
QD=17|6|カ  デ  ナ|30.6{1215}11=[433.13]鮫 島|

QE=02|6|ペルシアンナイ|33.3{1017}14=[442.13]和 田|
QF=04|5|アフリカンゴー|34.9{1511}17=[421.10]藤 井| △
QG=12|4|モズ ベッロ |37.4{16H}13=[4306 ]池 添|    ?3
QH=10|4|メイショウテン|43.7{1713}16=[2327 ]松 山|    ?5
QI=09|5|アドマイヤアル|50.1{1318}18=[261.12]西 村|  △
QJ=08|4|レッドジェニア|50.7{1816}15=[2036 ]酒 井| △
             TM…タイム優秀 3F…上がり3F優秀
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※年齢 4歳=6 5歳=7 6歳=5 頭
※牡牝 牡=16頭(セ=3頭) 牝=2頭 
※格
G1V=8頭
 A11ラッキーライラック[3212]前走大阪杯・エリ杯・阪JF 
 B05サートゥルナーリア[2102]19年皐月賞・ホープS    4
 C16クロノジェネシス [1221]19年秋華賞         1
 D03グローリーヴェイズ[1101]前走香港ヴァーズ
 E14キ  セ  キ  [1316]17年菊花賞         2
 F07ワグネリアン   [1023]18年ダービー
 G02ペルシアンナイト [1317]17年マイルCS
 H18ブラストワンピース[1005]18年有馬記念

G2V=6頭(GIV除く)(これが正しいデータです)
 A13ダンビュライト  [2勝]19年京都記念・AJC杯
 B12モズベッロ    [1勝]20年日経新春杯       3
 C15スティッフェリオ [1勝]19年オールカマー
 D08レッドジェニアル [1勝]19年京都新聞杯
 E17カ  デ  ナ  [1勝]17年弥生賞
 F10メイショウテンゲン[1勝]19年弥生賞         5

 昨年1~4着馬の馬番(今年の出走馬は馬名付加)12頭
 1着=8枠12番
 2着=1枠01番 今年キセキ(川田→武豊)14番 2
 3着=8枠11番
 4着=4枠04番
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 [枠連順位]
 枠連型=3巴[AB型] 枠順AB=5.2
 馬連型=3巴[AB型] 馬連AB=6.0

 枠連=ABC/D/E/F//GH 
 枠順=386/7/2/4//15
 馬順=ACB G D F 0916  前日馬順[C→G→12→A→16]
 代行=13E12 H 18 15 1417
 代2= 11 10
 ―――――――――――――
 結果=413 2 5 前日枠順[B→D→C’→A]

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 ※ 回  顧

 前期掉尾の宝塚記念。ウラ●武豊キセキの激走2着で辛うじて馬連的中という結果を残せました(^_^)。しかし、いろいろ驚愕と、「またやってもうたか」の忸怩(じくじ)たる思いも残ったレースでした。

 レース終了後つぶやいた言葉は以下の三つ。

(1)1着クロノジェネシスってそんなに強かったっけ?
(2)2着武豊キセキの後方まくり戦術は出遅れか戦法か?
(3)サートゥルナーリアはなぜ負けたの? 馬場はそんなに関係したの?
   (これは夜になっての感想)

 以下この小見出しに沿って振り返りたいと思います。


(1)1着クロノジェネシスってそんなに強かったっけ?

 まず驚いたのは1着牝4クロノと2着牡6キセキとの差。6馬身にしてタイム差1秒。勝ちタイムは稍重2135。キセキは2145で3着モズベッロとはさらに5馬身差。「なにそれ?」と驚く結果であり、直線私は声も出ず。

 結果は一覧トップ3[前日馬順ABC]の3強から2頭が消え、2頭は下から激走という、よくあるけれど、なかなか取りづらい馬券となりました。穴の1頭に2着キセキを指名できたことがせめてもの慰めでしょうか。

 ただ、ウラ●武豊キセキは意外な走りを見せました。13番枠でも「先行するだろう」と思ったのに、スタート直後「出遅れた」かのように後方馬群。「終わったよ」とつぶやきました。
 ところが、向こう正面でまくりを打ってなんと4角では勝ち馬クロノと併走して1、2番手の位置まで進出。俄然「途中はどうでもいい。勝ってくれ(^.^)!」と思いました……が、残り300地点でキセキはクロノに置いていかれるばかり。明らかに脚色が違うので、キセキの単勝・馬単の望みなど消え失せ、ただ声も出ず眺めるばかりでした。

 かといってキセキの2着も残り100くらいでは3着馬群と5馬身もの差。馬連の的中も確定。
 これがウラ●キセキ、表◎クロノジェネシスなら、「3着は?」の興味も湧きますが、●キセキからの3複3単は3強3頭に絞っていたし、3、4着に「何か跳んできてるな」くらいの印象でした。
 払い戻しの画面で◎05サートゥルナーリアが4着だったとわかり、
「なんだよ3着なら3複・3単当たっていたのに」とつぶやいたことです。
 ウラ●キセキは2着付けが面白いと、3強に対してキセキ2着付けの3連単も買っていたので、サートゥル3着なら、3複33倍と3単2万馬券の的中でした。

 かくして出た言葉が「クロノジェネシスってそんなに強かったっけ?」です。

 これは表4頭に絞ったとき、以下のように最も軽視した不如意への言葉でもありました。
 ほんとに私が最も軽視した馬がよく1着に来るから参ります(^_^;)。

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 この中で最も買いたくないのが父バゴのクロノジェネシス。父馬バゴは03~04年にフランスで6連勝(うちGI3勝)。その後凱旋門を1着→3着などすごい成績ながら、種牡馬となって09年に供用開始後は12年間で重賞8勝(/110)とイマイチ。GIVは10年の菊花賞(ビッグウィーク)と19年クロノジェネシスの秋華賞Vの2頭のみ。~クロノジェネシスは良くて2着か3着で2度目の4着もあり得ると思います。
 また、展開面から4頭を比較すると、クロノジェネシスのみ先行タイプで8枠16番に入りました。これもまた不利。よって4頭で軽視したいのは16クロノジェネシスと6ヶ月ぶり実戦の03グローリーヴェイズです。
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 03グローリーヴェイズはブービー17着でした。いくら前走GIVとは言え「宝塚の本年初戦は危険」と記憶にとどめるべきでしょう。
 ところが、クロノジェネシスときたら6馬身差の1着。父馬バゴの名を汚すかのような発言、深謝いたします。m(_ _)m

 1着北村友牝4歳クロノジェネシスは全10走[5221]の成績でした。着外1回も5着なので、掲示板率は100(これはただ1頭)でした。
 芝22は2戦1着と5着。1着は今年2月のG2京都記念、5着は昨秋エリザベス女王杯(1着ラッキーライラック)。
 これまでGIは新馬から2連勝後の2歳阪神JF2着、(→クイーンC1着後)桜花3→オークス3着と来て秋はぶっつけの秋華賞でようやく1着。そして、今年G2V後の前走GI大阪杯ではラッキーライラックの2着。

 参考までに一つ年上のデムーロ牝5歳11ラッキーライラックは、これまですでにGI3勝。3歳牝馬3冠こそ、あのアーモンドアイに負け続けましたが、昨秋エリザベス女王杯1着後はGI・G2を2着、2着と来て前走大阪杯が1着。今が最盛期といった感じです。

 クロノジェネシスはまだアーモンドアイと戦ったことはないけれど、ラッキーライラックとは2戦して5着、2着に負けています。これでは1番人気サートゥルナーリア、2番人気ラッキーライラックに続く3番手評価も当然でしょう。

 ところが、(コロナ禍の今はテレビながら)パドック名人がいらっしゃるようで、レース直前クロノはラッキーを抜いて単勝2番人気になっています。最終単勝はサートゥル2.4、クロノ4.1、ラッキー4.9です。朝9時の段階ではサートゥル3.0、ラッキー4.7、クロノ5.2でした。単勝大勝負組はサートゥルとクロノに大枚はたいたことがわかります。

 それはさておき、とにかく普通の理屈では16クロノジェネシスは11ラッキーライラックより下の評価であり、また、フルゲート18頭において先行馬が16番では不利が定説。鞍上北村友くんと合わせても、「6馬身差で勝つかあ?!」てなところでしょう。

 この疑問への回答としてネット諸氏は「クロノジェネシスは重馬場得意であり、馬場が渋ったこと」をあげていました。

 確かに同馬は10戦中稍重・重の体験が3回あって全て1着。
 意外だったことは阪神地区に前夜降った雨は大したことなく、10レース前までは良馬場だったとか。ところが、3時前突然のゲリラ豪雨で、3時にはあがったけれど、馬場は稍重まで悪化。相当降ったことがわかります。

 2着キセキも不良馬場の菊花賞を勝ったくらいだし、宝塚記念のレコードは良2101です。最近の稍重決着タイムは2114~2128だから、今回の勝ちタイム2135は重に近かったとみるべきでしょう。そして、2着キセキは2145、3着モズベッロ2153、4着サートゥルナーリア2156ですから、キセキは重馬場並みの走りをしたのであり、勝っても不思議なかったと思います。ただ、その1秒前を走る(武豊の言う)「1頭バケモンがいた」ってことでしょう。

 もう一つクロノジェネシスに「晴雨兼用の強さ」として2歳時の「強烈な上がり」を取り上げる人もいました。2戦目のOP東京芝18アイビーSで上がり1位の32.5を出しています。タイムは1486。2歳レコードは1445(東京)ですから、タイム的にはまー普通ながら、4番手先行しての上がり32.5は確かに強烈です。もっとも、その後8戦の上がり最速は32.9の一度だけでした。

 さらに、もう一つ「成長力」をあげる人もいました。新馬時点の馬体重は440キロ。阪神JF2着時が436キロだから、かなり小柄。そして、3歳秋華賞を勝ったときでも452キロ。前走大阪杯2着時が454キロでしたが、2ヶ月後の今回宝塚では10キロ増の464キロです。デビューから20キロ増えたことになります。そこんとこ陣営や騎手が「成長している」と語ったところでしょう。

 ちなみに、デビューから体重増だからといって、どの馬にもあてはまるかと言うと疑問です。
 たとえば、ラッキーライラックはデビュー時480キロ。そこから阪神JFまで3連勝。そして2年後の今回524キロで40キロ増えています。こちらはむしろ牝馬にしては「太りすぎ」と言うべきではないでしょうか(^.^)。
 事実ラッキーは3歳秋に510キロを超えてから5戦停滞して2着が最高。エリザベス女王杯を勝ったときが518キロだから、ようやく「実になった」のかもしれません。

 とまれ、クロノジェネシスに関しては2歳時の爆発的上がり、重馬場得意、成長力が激走の三大理由……と言うなら、私にとってはつらいところです。なぜなら、実近一覧ではデータとして処理していないからです。
 上がりに関しては過去5走、3走、前走をランク付けしているだけ。今回のトップはサートゥルナーリアが4走前G2神戸新聞杯で出した32.3です。そもそも2歳時に一度だけ出した32.5を4歳の今回「効き目がある」と思うかどうか……ビミョーです。
 また、稍重・重・不良の成績や馬体重も一覧では数値化していません。やっぱり私にとってクロノジェネシスは△か▲がいいところでしょう。


(2)2着武豊キセキの後方まくり戦術は出遅れか戦法か?

 次に驚いたのは武豊14キセキの騎乗ぶりと2着激走(?)について。
 今も書いたようにキセキはスタート直後先行できずに後方14番手くらい。1角2角もそのままで向こう正面からどんどんまくって3角では8番手まで進出。
 一方、勝ち馬クロノは終始7~8番手で3角から外を進出して4角でトップに。
 その外にはキセキが並んでいました。残り600の上がりはクロノが36.3(これが1位)。2位がキセキで37.2でした。6馬身差、5馬身差とは言え、誉められた上がりとは言えず、他馬がばてたと言えそうです。

 キセキは直前予想でも書いたように、展開予想図は5番手(指数4.5)ながら、前走唯一逃げていました。近8走も1つ(19年有馬のスタート12番手から5着)を除くと逃げか番手戦法。
 今回のように後方からまくっていく競馬をしたことはほぼありません。「ほぼ」というわけは不良馬場を勝った菊花賞が[14-14-12-7]で今回の[14-13-8-2]に似ています。
 
 で、表題の後方まくり戦術はたまたまか。意図していたか。
 私は限りなく「意図していた」のではないかと推理します。
 やはりフルゲートの14番枠であり、阪神芝22の宝塚は「テンが速くなる」との予測があったのではないでしょうか。外から先行してハイペースに巻き込まれたら確実に敗退すると。
 事実内であろうが外であろうが、逃げ先行馬の最高は6着ラッキーライラック(5番手)で、逃げ先はほぼ討ち死にでした。

 今回スタート直後の3Fは12.3-10.9-11.4で34.5。1000メートル通過60秒ジャスト。これは馬場を考えるとハイペースです。
 近年では昨年リスグラシューが勝ったときの勝ちタイム良2108の入り3Fは35.5。その前2年は稍重馬場でした。18年勝ちタイム2116の入り3F34.4、17年勝ちタイム2114の入り3F35.2。

 ところが、今回入り3F34.5なのに、勝ちタイムは2135で2秒は遅い。つまり、稍重と言いつつ、ほぼ重馬場でしょう。ならば入りの3F34.5は「めちゃめちゃ速い」と言えそうです。
 しかも、この勝ちタイム2135は6馬身差で勝ったクロノジェネシスのタイムであり、2着キセキは2145。例年より3秒~4秒遅いのですから、馬場は「不良並み」であったと見るべきでしょう。

 そこをハイペースで逃げ先行したら、最後つぶれるのは当然です。逃げた06トーセンスーリヤは7着。有力馬では2番手先行の福永07ワグネリアンが13着。川田18ブラストワンピースが5~6番手で16着。そして、今も書いたように、デムーロ11ラッキーライラックも5番手先行で6着が精一杯でした。

 そこで武豊のキセキ。レース映像と周回映像を何度も見ました。
 確かに出遅れているとも言えるし、かと言ってがんがん行くわけでもなく、1角まではとろとろ後方を走っています。少なくともこの事態を想定していたと思います。しかし、後方のまま「直線一気」はあり得ない。ならば「そのときはまくるしかない、まくろう」と決めていたのではないかと思います。まくりは同馬にとって初といっていい戦法ですが、これがはまったようです。

 周回映像では向こう正面を上がるとき馬群から1頭だけ離れて真ん中へんを走っていました。内らち沿いは「水を含んでいる」と思ったからではないでしょうか。終始外目を走っていたキセキは数十メートルは余計に走ったような感じです。

 それでも「この馬場では2分14秒前後の決着になる」と想定しての後方待機であり、まるで京都競馬場であるかのようにまくりを打ち、4角では速くも先頭に立つ。そして、そのまま押し切る……いやいや、さすがの騎乗でした。
 レース後2着ながら武豊は晴れ晴れとしていました。でき得る最大限のことをやった笑みでしょう。普通なら勝ってもおかしくなかった。けれど、前に1頭「バケモンがいた」ってわけです。


(3)サートゥルナーリアはなぜ負けたの? 馬場はそんなに関係したの?

 最後に4着敗退の一覧トップ・馬順A・単勝1番人気-ルメール牡4サートゥルナーリアについて。
 実は書きませんでしたが、評価を落とした△2騎同様、サートゥルナーリアへの「いちゃもん」考えていました。しかし、総合的に見て「1着はなくても2着はある。2着はなくても4着以下はない」と見て馬連の軸であり、3複軸にもしました。一体なぜ4着まで落ちたのか。

 サートゥルへのいちゃもんとして考えていたのは阪神芝22が初だったことです。しかし、阪神芝24を勝っているし、阪神コースは2戦2勝。展開位置は9番手ながら指数は6.0。なのに、上がりは優秀。芝20~24も[4002]だから、カンケーないと思っていました。
 ただ、前走金鯱賞――というより宝塚まで本年1戦のみ。それも3月以来は割引材料だったかもしれません。

 同馬は9戦[6102]ですが全て良馬場。鞍上ルメール自身が「馬場だ」と語っていたように、稍重どころか不良に近い重馬場のせいで負けた――これが最大の敗因でしょうか。しかし、3着争いにも負けてしまった映像を見ると、「他に理由があるのでは」と感じました。

 余談ながら、最近周回画像をよく見ているので、直線の走りっぷりやムチの回数などわかるようになりました。そして、これまで不思議だと思っていた理由も説明できる理屈を発見しました。
 たとえば、今まで追い込み馬を穴馬として抜擢したとき、ある馬は大外を追い込む。
 ところが、別の馬は(大外に出ればいいと思うのに)真ん中を進む。つまり、前に馬群がいて壁になるだろうとわかっているのに、そこに突っ込む。ずっとこの理由がわかりませんでした。

 最近やっと納得できる説明に気づきました(正しいかどうかは別にして)。これは馬に余力があるかどうかの違いではないかと。つまり、直線でムチをふるったら、ぐいぐい伸びるとわかっているときは大外に出す。そうでないときは馬群の中に入れて「間を縫って伸びればそれで良し。伸びなかったり、前が壁になったらそれもやむなし」と騎手が判断しているのではないか、ということです。簡単に言えば、弱い馬、もうばてた馬は大外に出せないのです。

 競走馬は直線でまっすぐ走らせねばなりません。1頭単独で走る場合、ムチをふるうと馬は左右によれます。右回りの阪神競馬場なら、左ムチで内によれる。右ムチで外によれる。しかし、2頭3頭と併走すれば、まっすぐ走ることができます。

 今回クロノジェネシスの鞍上北村友のムチは残り300ころに2発、そして抜け出してもう1発。計3発だけ。あとは手綱をしごくだけでまっすぐ走っていました。たぶんムチを打っても、まっすぐ走れたでしょう。
 かたや2着キセキの武豊は珍しく計9発。こちらも単独走でしたが、ほぼまっすぐ走っていました。追えば頭もあり得ると思ったか、2着死守を考えたか。いずれにせよ、キセキはムチに耐えられる余力を残していたようです。

 ところが、驚いたのは4着サートゥルナーリア。同馬は(4角10番手から)残り300地点ではほぼ大外追走でした。
 ここで鞍上ルメールは右ムチ2発。するとサートゥルは外によれる。次にルメール左ムチに変えて2発。すると、サートゥルは内によれる。そこでルメールはムチをやめています。3着に食い込んだ池添モズベッロとサートゥルはそのうち併走します。モズベッロはゴールまで計10発叩いていました。

 思うに、モズベッロはムチをふるってもいい余力があった(か、ここで壊れてもいいと3着を狙いに行った)。だが、サートゥルナーリアにもはやムチに応える余力はなかったのでしょう。
 もしもルメールが3着を目指してムチをふるったら、同馬は最後の気力を奮って3着入線したかもしれません(そうなれば、私の3複的中もあった(^.^)。しかし、かなりきついダメージを受けた可能性もあります。
 ムチ4発は鞍上の優しさか、ここで終わりの馬ではない、精神的ダメージを負わせてはいけないと思ったか。いずれにせよ、ルメールは3着争いでムチをふるうことはありませんでした。

 ただ、重馬場不適だけでなく、サートゥルに何か他の敗因はないかなと、成績表を穴のあくほど見つめていたら、あることに気がつきました。
 それはサートゥルナーリア1着の勝ちタイム6回と、負けた3回(ダービー4着、秋天6着、有馬2着)から見えたある特徴です。

 サートゥルナーリアは6勝していますが、その距離は芝16から芝24まで。勝ちタイムをタイム差値換算すると、最低で28(新馬)、最高79(皐月賞)。タイム差値の最高は100です。サートゥルの勝ちタイム平均は40~50くらい。たとえば、阪神G2神戸新聞杯(芝24)の勝ちタイム2268とか前走金鯱賞(芝20)の勝ちタイム2016は良馬場としてはチョー平凡です。

 対して負けたときの3レース。昨年ダービーを勝ったのは(わがウラ●)ロジャーバローズ。その勝ちタイムは2226。そのときサートゥルは0.5差の4着。この勝ちタイムはタイム差値では79ですが、それは古馬を含めているからで、2226はダービーレコードです。

 次に秋天6着のときの勝ち馬はアーモンドアイ。勝ちタイムは1562。サートゥルナーリア6着のタイムは1571で0.9差。勝ちタイム1562は秋天レコードから0.1遅いだけでした。

 最後に2着敗退の昨年有馬記念。このとき勝ったリスグラシューの勝ちタイムは2305。有馬記念レコードは2295ですが、過去14年の最速は2300。つまり、2305は近年ではかなり速いタイムでした。このとき2着サートゥルナーリアが何馬身差だったか、覚えている人はまずいないと思います(もちろん私も^_^;)。驚くなかれ、5馬身差のタイム2315です。

 要するに、負けた3例をまとめると、レースがレコードかそれに近いタイムの決着となるとき、サートゥルナーリアは大差で負けているのです。同馬が勝ったのはタイムの遅いときだった、と言えそうです。つまり、スローペース、遅い勝ちタイムなら楽勝できるけれど、速いペース、速い勝ちタイムには「弱い」馬なのかもしれません。

 今回は稍重表記の実質重馬場。そこに入りの3F34秒台と速いペースを追走。直線ではもうばてばてで3着に食い込む脚さえなかったことになります。今後サートゥルナーリアを買えるのは良馬場とスローペースが想定されるときと言えるかもしれません。ただ、この件も実近一覧では数値化できていなかったのでつらいところです。

 最後に前期古馬の芝牡牝混合GIは計5レースありますが、牡馬で勝ったのは春天のフィエールマン(1番人気)だけ。残り4ヶは全て牝馬が勝ちました。アーモンドアイを筆頭として「牝馬強し」を印象づけます。しかし、以下のように4頭とも1番人気ではありません。安田記念のど1番人気アーモンドアイが2着敗退したように、御影ルール「牡牝混合レース、牝馬の一番人気は危険」はまだ生きている気がします。

・高松宮記念=モズスーパーフレア(9人)
・大 阪 杯=ラッキーライラック(2人)
・安田 記念=グランアレグリア (3人)
・宝塚 記念=クロノジェネシス (2人)

 以上です。

【宝塚記念、過去5年の実近一覧結果】

  2020 |2019 |2018 2017 2016 |2020年
年=人|着|人|着|人|着|人|着|人|着|番馬       名 結果
[1]
A=B|6|B|5|B|8|A|9|A|2|11ラッキーライラック 
B=A|4|A|2|A|6|C|3|C|16|05サートゥルナーリア 4
C=C|1|D|1|10| |B| |E| |16クロノジェネシス  1
D=G|2|C|4|C| |D|4|B|3|14キ  セ  キ   2
[2]
E=F| |F|3|11| |E|1|D|4|07ワグネリアン
F=E| |G| |09| |F|2|G|1|18ブラストワンピース
G=D| |E| |E| |H|5|F|5|03グローリーヴェイズ
H=09| |09| |H|5|G| | | |01トーセンカンビーナ
[3]
QA=H| |H| |F|2| | |H| |15スティッフェリオ
QB=10| |10| |D|4| | | | |13ダンビュライト
QC=13| |11| | | |09| |10| |06トーセンスーリヤ
QD=11| |12| |12|3|×| | | |17カ  デ  ナ
[4]
QE=14| |×| |G|1|×| | | |02ペルシアンナイト
QF=17| |×| | | |×| | | |04アフリカンゴールド
QG=13|3|×| | | |×| |09| |12モズベッロ     3
QH=16|5|×| | | |×| | | |10メイショウテンゲン 5
QI=18| |×| |×| |×| | | |09アドマイヤアルバ
QJ=15| |×| |×| |×| |×| |08レッドジェニアル
  18 12   16  11  17          
    ※注「人気」は前日馬連順位


================
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:コロナ禍の競馬も無観客ながらなんとか前期を終えました。週末からはローカルの開催。秋GI開幕は10月4日(日)です。それまでしばしのお別れ。散歩のたびに通る神社でコロナの一日も早い終息を祈っております。お互い猛暑と豪雨災害とコロナの夏を生き延びましょう。

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2020.06.27

宝塚記念、直前予想

 明日はとうとう前期GI最終日。今年はほぼコロナと無観客に明け暮れたGIでした。
 まずは騎手・調教師・厩務員など競馬サークルの方々に感謝の思いを述べたいと思います。
 この間一人も感染者が出なかったということは、居酒屋、スナック、カラオケ、若手の風俗など夜の3蜜、友人との出会い、ことごとく断ったのではないかと想像します。家族との外出も減らしたのではないでしょうか。お坊さんのような禁欲修行生活を送ったのではないかと思うと、頭が下がります。
 我々だけ週末競馬を楽しめたということで、ありがとうございました。

 さて、今期のほぞ噛み予想はイマイチ続きでした。
 明日こそと思うけれど、どうも「3頭立て」のおもむきです。土曜競馬は3場100万馬券の3連発。そこまで荒れなくていいので、せめて3強の123着だけはなくてほしいと思う御影です(^_^;)。

 予想の前にいつもの実近一覧過去4年の結果。
 今年は一覧トップ3が前日馬順[ABC]です。このパターンで123着となるのは10回に1回くらいですが、過去4年第1群3着以内は4分の2、五分五分です。前回安田記念がトップ3の[123]着だったので、今回は下から1頭は絡むのではないか。一覧上位7頭が馬順A~Gなので、この7頭で決まるような気がします。

【宝塚記念、過去4年の実近一覧結果】

  2020 |2019 |2018 2017 2016 |2020年
年=人|着|人|着|人|着|人|着|人|着|番馬       名
[1]
A=B| |B|5|B|8|A|9|A|2|11ラッキーライラック
B=A| |A|2|A|6|C|3|C|16|05サートゥルナーリア
C=C| |D|1|10| |B| |E| |16クロノジェネシス
D=G| |C|4|C| |D|4|B|3|14キ  セ  キ
[2]
E=F| |F|3|11| |E|1|D|4|07ワグネリアン
F=E| |G| |09| |F|2|G|1|18ブラストワンピース
G=D| |E| |E| |H|5|F|5|03グローリーヴェイズ
H=09| |09| |H|5|G| | | |01トーセンカンビーナ
[3]
QA=H| |H| |F|2| | |H| |15スティッフェリオ
QB=10| |10| |D|4| | | | |13ダンビュライト
QC= | |11| | | |09| |10| |06トーセンスーリヤ
QD= | |12| |12|3|×| | | |17カ  デ  ナ
[4]
QE= | |×| |G|1|×| | | |02ペルシアンナイト
QF= | |×| | | |×| | | |04アフリカンゴールド
QG= | |×| | | |×| |09| |12モズベッロ
QH= | |×| | | |×| | | |10メイショウテンゲン
QI= | |×| |×| |×| | | |09アドマイヤアルバ
QJ= | |×| |×| |×| |×| |08レッドジェニアル
  18 12   16  11  17          
    ※注「人気」は前日馬連順位

***************************
 【宝塚記念 実近一覧表】 阪神 芝22 18頭 定量58キロ
                  (人気は前日馬連順位)
順=番|齢|馬       名|予OZ{実近}人=[全芝 ]騎 手|格距TM3F印
A=11|5|ラッキーライラ牝| 2.2{AA}B=[6323 ]デムロ|◎△○△○
B=05|4|サートゥルナーリ| 3.2{BD}A=[6102 ]ルメル|○○ ◎◎
C=16|4|クロノジェネシ牝| 4.8{CB}C=[5221 ]北村友|▲▲ ○△
D=14|6|キ  セ  キ | 7.9{DC}G=[4447 ]武 豊| △◎ ●

E=07|5|ワグ ネリ アン| 9.0{EG}F=[5124 ]福 永|  △ ・
F=18|5|ブラストワンピー| 9.7{FE}E=[7005 ]川 田| △  ・
G=03|5|グローリーヴェイ|12.1{GF}D=[4303 ]レーン|△ ▲ △
H=01|4|トーセンカンビー|18.3{H10}09=[4415 ]浜 中| △

QA=15|6|スティッフェリオ|24.6{0914}H=[843.13]幸英明|
QB=13|6|ダンビュ ライト|26.6{1112}10=[424.12]松 若|△◎  ・
QC=06|5|トーセンスーリヤ|27.5{1409}13=[464.11]横山和|
QD=17|6|カ  デ  ナ |30.6{1215}11=[433.13]鮫 島|

QE=02|6|ペルシアンナイト|33.3{1017} =[442.13]和 田|
QF=04|5|アフリカンゴール|34.9{1511} =[421.10]藤 井| △
QG=12|4|モズ ベッロ  |37.4{16H} =[4306 ]池 添|
QH=10|4|メイショウテンゲ|43.7{1713} =[2327 ]松 山|
QI=09|5|アドマイヤアルバ|50.1{1318} =[261.12]西 村|  △
QJ=08|4|レッドジェニアル|50.7{1816} =[2036 ]酒 井| △
             TM…タイム優秀 3F…上がり3F優秀
--------------------------
※年齢 4歳=6 5歳=7 6歳=5 頭
※牡牝 牡=16頭(セ=3頭) 牝=2頭 
※格
G1V=8頭
 A11ラッキーライラック[3212]前走大阪杯・エリザ杯・阪神JF
 B05サートゥルナーリア[2102]19年皐月賞・ホープフルS
 C16クロノジェネシス [1221]19年秋華賞
 D03グローリーヴェイズ[1101]前走香港ヴァーズ
 E14キ  セ  キ  [1316]17年菊花賞
 F07ワグネリアン   [1023]18年ダービー
 G02ペルシアンナイト [1317]17年マイルCS
 H18ブラストワンピース[1005]18年有馬記念

G2V=5頭(GIV除く)
 A13ダンビュライト  [2勝]19年京都記念・AJC杯
 B15スティッフェリオ [1勝]19年オールカマー
 C08レッドジェニアル [1勝]19年京都新聞杯
 D17カ  デ  ナ  [1勝]17年弥生賞
 E10メイショウテンゲン[1勝]19年弥生賞

 昨年1~4着馬の馬番(今年の出走馬は馬名付加)12頭
 1着=8枠12番
 2着=1枠01番 今年キセキ(川田→武豊)14番
 3着=8枠11番
 4着=4枠04番

-------------------
 [枠連順位]
 枠連型=3巴[AB型] 枠順AB=5.2
 馬連型=3巴[AB型] 馬連AB=6.0

 枠連=ABC/D/E/F//GH 
 枠順=386/7/2/4//15
 馬順=ACB G D F 0916 
 代行=13E12 H 18 15 1417
 代2= 11 10
 ―――――――――――――
 結果=
------------------------------
 ○ 展開予想

※展開(3Fは前走の上がり優秀5頭)
 逃げ     先行     差し     追込
 13 15 06 16 -14 11 18 04 -05 12 07 03 -02 08 01 10 09 17
覧 ▲ △ ◎ 6 ○ 5
3F E D A C B
本・ △ ● ○ ・ ◎ ・ △

******************************
 ※ 直前予想

 さて、表予想ですが、4頭に絞ります。一覧トップ3頭は総合的に見て切れません。たとえば、格の上位4頭は以下。
 G1V上位4頭
 A11ラッキーライラック[3212]前走大阪杯・エリザ杯・阪神JF
 B05サートゥルナーリア[2102]19年皐月賞・ホープフルS
 C16クロノジェネシス [1221]19年秋華賞
 D03グローリーヴェイズ[1101]前走香港ヴァーズ

 このうちラッキーライラックとクロノジェネシスは前走GI大阪杯の1、2着。グローリーヴェイズも前走香港芝24のGIV。サートゥルナーリアのみGIは昨年の皐月V以来[ダービー4→秋天6→有馬2着]と勝利なし。ただし、G2は昨秋神戸新聞杯V。そして前走金鯱賞Vと文句なし。よって、この4頭他より頭一つ抜けていると思います。

 次にいつもの年齢別・前走ステップ別で検討しても……、
 今回年齢別は4歳=6頭、5歳=7頭、6歳=5頭。
 4歳のトップ2頭は05サートゥルナーリアと16牝クロノジェネシス。
 5歳のトップ2頭は11牝ラッキーライラックと03グローリーヴェイズ。
 つまり、前記4頭とイコール。

 そして、前走ステップ別で有力なのは春天と大阪杯ですが、春天1着馬フィエールマンはここ不出走。2着15スティッフェリオは当時11番人気でビミョー。
 となるとGI大阪杯組。1着が11ラッキーライラック。2着が16クロノジェネシス。そして、前走唯一G2V馬が金鯱賞Vの05サートゥルナーリア。
 最後にもう1頭のGIVが03グローリーヴェイズ。これも前記4頭とイコール。
 ただし、この香港GIは昨年の12月8日。つまり、それから半年ぶりの実戦。この点グローリーヴェイズはやや軽視と判定。

 最後に4頭を騎手・父馬・展開指数位置から見ると以下、

A=11|5|ラッキーライラ牝| 2.2{AA}B=[6323]デムロ|展開6
 父オルフェーヴル
B=05|4|サートゥルナーリ| 3.2{BD}A=[6102]ルメル|展開9
 父ロードカナロア
C=16|4|クロノジェネシ牝| 4.8{CB}C=[5221]北村友|展開4
 父バゴ
G=03|5|グローリーヴェイ|12.1{GF}D=[4303]レーン|展開12
 父ディープインパクト

 この中で最も買いたくないのが父バゴのクロノジェネシス。父馬バゴは03~04年にフランスで6連勝(うちGI3勝)。その後凱旋門を1着→3着などすごい成績ながら、種牡馬となって09年に供用開始後は12年間で重賞8勝(/110)とイマイチ。GIVは10年の菊花賞(ビッグウィーク)と19年クロノジェネシスの秋華賞Vの2頭のみ。
 一方、ラッキーライラックの父オルフェーヴルは供用4年ですでに重賞10勝(GI4勝)だし、サートゥルナーリアの父ロードカナロアも供用4年で重賞28勝(GI9勝)です。クロノジェネシスは良くて2着か3着で2度目の4着もあり得ると思います。
 また、展開面から4頭を比較すると、クロノジェネシスのみ先行タイプで8枠16番に入りました。これもまた不利。
 よって4頭で軽視したいのは16クロノジェネシスと6ヶ月ぶり実戦の03グローリーヴェイズです。

 というわけで、表の◎は05サートゥルナーリア、○11ラッキーライラック。16クロノジェネシス、03グローリーヴェイズは△とします。馬連◎→○△2頭、3複4頭ボックス。3単◎→○→△2頭とします。

 さて、もしも△2頭が4着以下に落ちるとしたら、何が3着に激走するか。
 候補は6歳から2頭、5歳から2頭。以下の4頭です。
 6歳より
D=14|6|キ  セ  キ | 7.9{DC}G=[4447 ]武 豊|展開5
 父=ルーラーシップ
QB=13|6|ダンビュ ライト|26.6{1112}10=[424.12]松 若|展開1
 父=ルーラーシップ
 5歳より
E=07|5|ワグ ネリ アン| 9.0{EG}F=[5124 ]福 永|展開11
 父=ディープインパクト
F=18|5|ブラストワンピー| 9.7{FE}E=[7005 ]川 田|展開7
 父=ハービンジャー

 この中では13ダンビュライトが複率50に達しないので、切りたいところですが、展開指数は逃げAだし、G2を2勝しているので切りがたい。
 そこで、表の◎-○→4頭の3連複も追加します。

 最後にこの4頭から、もしかしたらのウラ●を抜擢します。
 それは武豊14キセキです。一覧4位のDなのに馬順Gである点が消える可能性高しと思わせます。買えば来ず、買わねば来やがる(^.^)――武豊さんです。
 しかし、以下のような根拠をもって2着付けが面白いと思います。

1 昨年の宝塚記念2着馬(1番人気)。良馬場を逃げてコンマ5差。
2 展開指数は5番手だが、前走逃げたのはこの馬だけ。それも春天3番人気6着。さすがに芝32を逃げ切れる力はないが、今回重馬場が予想されるし、芝22なら逃げ粘る可能性あり。芝22は[0111]だが、芝20~24は[2421]で複率89は全馬のトップ。
3 斤量58キロ[0133]も良し。ちなみに、斤量牡58キロ1戦1勝馬は05サートゥルナーリアのみ。牝56キロの1戦1勝馬が11ラッキーライラックのみ。16クロノジェネシスは今回56キロ初で割り引き。

 キセキは昨年宝塚記念2着後、[フォワ勝3→凱旋門7→有馬5着]、今年は[阪神大賞典7→春天6着]とイマイチ続きです。昨年前期は(有馬記念5着後)GI大阪杯2着→宝塚記念2着でした。キセキは3歳時菊花賞を勝ったけれど、どうも長距離向きではなく、芝20~24が最適距離のようです。そのことは昨年前期でわかっていたのではないか。よって、今年も大阪杯→宝塚を選択した方が良かったと思います。

 しかし、長距離の阪神大賞典→春天を選んだ。前者は番手、後者は逃げ。思うに、今年の狙いは宝塚の逃げ切りではないでしょうか。大阪杯→宝塚では間が開きすぎる。いいのは春天→宝塚である。だが、その前に1戦走っておきたい。となると大阪杯ではなく、もうひと月前=阪神大賞典としたのではないか。

 であるなら、18年ジャパンカップで逃げてアーモンドアイの2着、昨年大阪杯は番手からアルアインの2着→宝塚は逃げてリスグラシューの2着。そのときの鞍上は川田騎手でした。今回は前走春天に続いて逃げたら絶妙な武豊。馬場は稍重か重が予想され、2着粘り込み、もしかしたらの頭もあり得るのではと思います。
 もちろん表の◎○へ馬連・馬単流し。3複3単も少々買います。

 以上です。
----------------------------------
 本紙予想
 印番馬      名  齢 馬順
 ◎05サートゥルナーリア 4 A
 ○11ラッキーライラック牝5 B
 △03グローリーヴェイズ 5 D
 △16クロノジェネシス 牝4 C
 ・07ワグネリアン    5 F
 ・18ブラストワンピース 5 E
 ・13ダンビュライト   6 10
 ●14キ  セ  キ   6 G

 さて結果は?

==============
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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2020.06.25

別稿『一読法を学べ――学校では国語の力がつかない』第37号「一読法からの提言」五 (7)

 ★ 成績つけるのやめませんか。(その7)

 お待たせいたしました。ようやく成績評価の本丸、「ここ数十年の世界史的大転換」について語ります。
 学校の成績評価と企業の勤務評価は昔も今も絶対的相対評価であり、21世紀に入って目標・ノルマが高く厳しくなったのはそこに理由があると考えるからです。
 この考察は「風が吹けば桶屋が儲かる」に似ています。このことわざ、桶屋にとってはなぜ突然桶が売れ始めたのか、根っこの理由が見当もつかないところがミソです。我々もまたなんでもかんでも因果関係がわかるわけではなく、《桶屋》の位置にいると言わざるを得ません。
 言い換えると、二十一世紀に入って普通に働き、生きることがなぜしんどくなったのか。なぜサラリーマン的詐欺師が増え、横領・着服、検査不正が頻発したのか。そして、子どもたちにはできないこと、したくないことまで「やりなさい」という高いレベルが要求されているのか。現状の根源に吹き荒れた「風」を見出そうという試みです。
 が、読者各位は私が何を書こうとしているか、かなり予想できているのではないか(と予想します)。それこそ一読法上達のしるし[徴]です(^_^)。

 [以下今号]
  ★ 成績つけるのやめませんか。(その7) 
 [13] なぜ相対評価は絶対的観点別評価に変わったのか。《四》(35号) 本 号
----------------
 本号の難読漢字
・桶屋(おけや)・徴(しるし)・終焉(しゅうえん)・人口(じんこう)に膾炙・(かいしゃ)素人(しろうと)・俯瞰(ふかん)・直(ただ)ちに・蓄(たくわ)える・頓挫(とんざ)・容易(たやす)い・施(ほどこ)す・烙印(らくいん)
----------------
************ 小論「一読法を学べ」************
 『 一読法を学べ――学校では国語の力がつかない 』 35

 一読法からの提言 その五

 ★ 成績つけるのやめませんか。(その7)

[13] なぜ相対評価は絶対的観点別評価に変わったのか。《四》

 まずは前号ラストのクイズ――「二十世紀末に起こった世界史的激変」について。答えは以下の通りです。

 [二十世紀末の世界史的激変]
 1 ○○主義・○○主義の崩壊――社会主義・共産主義の崩壊
 2 修正○○主義の終焉とグローバル化――修正資本主義の終焉とグローバル化
 3 ○○○O○○○の発明・進化――コンピューターの発明・進化

 1と3はやさしかったと思います。2については後半を穴埋めにしようかと思いました。「グローバル化」とは人口に膾炙(かいしゃ)した――よく聞く言葉です。「修正資本主義が終わった」と書くと、「いやいや終わっていない。継続中だよ」というのが正しい理解かもしれません。私は21世紀に入って「終わった」と考えています。

 最初に言っておきたいことがあります。私は社会学者でも経済学者でも哲学者でもありません。研究もしておらず、歴史学・社会学の専門書をたくさん読んでいるわけでもありません。文体と気持ちは若いけれど、外見は単なる素人じいさんです。よって、今節のまとめや考察が正しいかどうか自信はありません。

 私が発行している競馬メルマガはしばしば理論的に完璧な予想を開陳します。が、よく外れます。それでもクレームは参りません。「読者の責任において馬券を購入下さい」と書いてあるからです。
 そのように、私の意見に賛同されるかどうかは、読者の責任においてお願いいたします。もちろん「そこはおかしい、間違っている」という部分はご指摘いただけると幸いです。

 もう一つ、私はこれらのことについて詳細に解説しようとも思いません。興味ある方はネットや専門書をご覧下さい。
 私が論じたいことは、日本の小中において相対評価がなぜ絶対的観点別評価に変わったのか――そこです。この件を、ドローンのように、いや、世界をもっとよく見られるよう、地上100キロの宇宙空間から俯瞰(ふかん)的に眺めてみようというのが本節です。
 なのでこの3項目をとても簡単にまとめます。まずわかりやすい3「コンピューターの発明・進化」について語り、1と2はまとめて解説します。

○ コンピューターの発明・進化

 私的かつ化石的話題で恐縮ながら、私が1979年4月に高校の国語教員としてスタートしたとき、定期テストは鉄筆とガリ版で作成していました。四十代以下の人は「何それ?」でしょう。そのころベテランの先生はほれぼれするような筆跡のテストを作っていたものです。印刷機はさすがに輪転機でしたが、みなさん試験前は四苦八苦でした。
 その後コピー技術の進歩によって自筆のテスト作成に変わり、職員室からガリ版が消えました。そして、1980年代半ばワープロ機が発明されると、爆発的に普及しました。教員は「文豪」派・「書院」派に分かれ、数十万円のワープロを自費で購入したものです。私は書院派でした。

 そして、1990年代コンピューターの進化に応じてパーソナルコンピューターが数台学校に導入され、私も今度は数十万円のデスクトップ型パソコンを購入して授業の資料やテストを作成するようになりました。ワープロ機は部屋の片隅に追いやられ、やがて処分されました。
 そして、1995年に「ウインドウズ95」が登場すると、パーソナルコンピューターは日本全体に広がりました。このころパソコンのワープロ機能は「一太郎」と「ワード」派に分かれ、表計算ソフトは「ロータス123」と「エクセル」派に分かれていました。が、前者が衰退していくのはビデオの「ベータ」対「VHS」の争いみたいなものでしょうか。勝ち残った「VHS」でさえ、やがてデジタルの「CD」、「DVD」へと変わりました。レコード盤からCDへの転換もあっという間でした。

 これらコンピューターの進化・発展が人間にもたらした最大の変化は「知識」の持ち方が変わったことだと思います。
 それまで知識はどこにあったかと言うと、書籍(教科書・専門書)の中であり、最大の「物」は各種辞典・百科事典でしょう。そして、個人の優秀さはその内容をどこまで覚えているか。すなわち、優秀な人とは脳内にたくさんのデータや情報を記憶し、問われたら直ちに口にできる人でした。

 余談ながら、子どもの頃好きだったテレビ番組の一つにNHKの人形劇「ひょっこりひょうたん島」があります。
 その中に「博士」と呼ばれる物知りの天才的小学生がいました。詳細は忘れましたが、「魔女」編で博士が魔法に関して魔女も知らない重大な秘密を知る。魔女は捕らえて「教えろ」と迫るけれど、彼は口を割らない。そこで、魔女は自白させるクスリを飲ませて「お前の知っていることを全て話せ」と言うと、博士はとうとう口を開く。
 ところが、話し始めたのは彼が記憶している百科事典の内容。博士はなんと百科事典を全て暗記していたのです。そして、ア行の最初から順に言い始めたので、秘密どころかいつ終わるとも知れない。魔女はがっかりするという流れでした。
 私はそれを見たとき、「博士君のように百科事典を丸暗記できたら、テストは何でも100点だろうな」と思ったものです。

 ちなみに、博士は項目をぺらぺらしゃべり続けるわけですが、マ行に来て思わず「魔法」について語ってしまい、魔女が知りたかった秘密が暴露される……というのがオチです。
 その後どうなったか覚えていません。好きだったけれど、私は外遊び派でした。5時を過ぎると暗くなる冬はよく見たけれど、6時を過ぎても明るい夏は夕食まで外で遊んでいました。

 それはさておき、パソコンの進化によって「知識は人間の脳からコンピューターの中にある」時代となりました。今では国語辞典も漢和辞典も和英・英和辞典もパソコンで検索される。百科事典もパソコンの中にある。
 もちろんパソコン・スマホ・タブレットを使いこなせること、書かれた内容を理解できる最低限の知識、能力は必要です。だが、脳内パソコンにあらゆる知識や情報を蓄えておく必要はない。外の知識や情報をどう取り出し、いかに解析し、いかにまとめるか。それができる人が「優秀である」ことになった――そう言えると思います。

 文科省は「これからの社会を生きる児童生徒にとって身に付ける必要がある学力は、知識・技能のみならず、学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などを含む幅広い学力(である)」と書いていました。
 この中の「知識のみならず」のところがコンピューターの発明・進化によって「知識を頭の中にたくさん持っているだけでは、これからのコンピューター社会を生きていけませんよ」と言いたいことがわかります。
 コンピューターはさらに進化して今やAI(人工知能)・ロボット社会の到来とともに多くの労働者が職を失うと言われています。たとえば、バスやタクシーの運転手は自動運転バス・タクシーの登場によってリストラされる可能性が高い。医師でさえ癌の判定をAIが行う時代が近付いています。そのとき人はどのような能力を身につけるか。確かに知識・技能面だけでなく新しい力が求められているのです。

 となると、直ちに思い当たることがありませんか。知識がパソコンの中にあり、それをいかに取り出し活用できるか――という時代になったのに、高校入試・大学入試1次試験(センター・共通)は依然として「中学生・高校生の脳内にたくさんの知識が暗記されているか」、それを確認するための問題が多数出題されているのです。なんという言行不一致でしょう。

 私は高校入試廃止論者ですが、どうしてもやりたければ、入試にスマホ・タブレット、ノート他なんでも持ち込み可とするか、検索すれば正解できる語句穴埋め問題を廃止するべきだと思います。たとえば以下、

 [語句・年号穴埋め問題]
・1612年に江戸幕府が出した○○令について○○を漢字で答えなさい。
・銅+○○→酸化銅の○○を埋め、化学式を作成しなさい。
・1616年に亡くなった、四大悲劇を創作したイギリスの劇作家の名と四大悲劇を全て答えなさい。

 このようなクイズ的設問はネット検索によってなんなく答えることができます。
 私は次のように変えるべきだと思います。

・1612年キリスト教を禁止する禁教令はなぜ出されたのか、江戸幕府の鎖国政策、世界の情勢と合わせて説明しなさい。
・鎌倉の大仏は銅製と言われるが、野ざらしでありながら錆びて劣化することが少ない。そのわけを説明しなさい。
・シェークスピアの四大悲劇について読んだことのある作品を一つ紹介し、感想を書きなさい。読んだことがなければ、『ハムレット』の有名な一節「To be, or not to be: that is the question.」について思うところを書きなさい。

 後者はもちろん全て記述式です。すぐに忘れてしまう化学式を暗記するより、鎌倉の大仏は「なぜ錆びて劣化しないのか」検索によって調べ、それを化学式の知識によって説明できる。それこそ「これからの社会を生きる」児童生徒にとって必要な学力ではないでしょうか。

 また、読んでもいない四大悲劇の名を言えることは昔なら意味がありました。今でもテレビのクイズ番組では、全て正解すると「すごい」と言われます。
 だが、スマホ・タブレットで簡単に答えられる現代、作品を読んでいるか、そこから何を感じ、何を考えたか。それを言えることが本人の人間的な深みを表現することになるはずです。
 もちろん読んだとしても、三読法「ぼーっと一度読むだけの通読」ではすぐに忘れてしまいます。一読法なら数年経っても感想を言うことが可能です。

 昨年(2019年)大学入試1次試験に記述式問題を取り入れようとして頓挫しました。私に言わせれば、字数100字程度では記述式の名に値しません。
 上記のような記述式問題の回答は最低でも原稿用紙1枚から2枚になるでしょう。「採点がもっと大変だからとんでもない」と言われそうです。
 入試を3年生の2、3月に実施するから大変なのであって前年10月頃に(ノート、スマホ・タブレット持ち込み可として)生徒を集め、1、2ヶ月かけて採点すればできないことはないと思います。
 あるいは、エアコンさえ整えば、夏休み中の実施とすることも可能です。夏休み中なら採点のための時間をかなり取ることができます。これは将来九月入学になったとき、入試が7月に入ることと連動するでしょう。

 スマホ・タブレット持ち込み可としたら、「検索したものをそのまま書き写すだけの生徒が現れて意味がない」と言うかもしれません。
 丸写し結構。それで良いではありませんか。中学・高校で大学教官・研究者を養成しているわけではありません。独創的な新説を書かせるわけでもありません。
 どこに答えがあるか、いくつ見つけだせるか。それをまとめて(丸写しでも)書く意欲、表現力があるか。その力を見るわけです。
 それに先生も当然ネット検索して「正解」を確認しているから、すぐに丸写しだとわかります。その上さらに何が書かれているか、書かれていないか、それを読みとることも容易いでしょう。記述式でありながら、採点はそれほど難しくないと思います。

 もしもノートが一読法によって作成されていれば、「江戸時代の鎖国やキリスト教弾圧について感じたこと、考えたこと、さらに調べたこと」が書かれています。
 この生徒はそれを元にして「自分の考えや感想」を書き始めるでしょう。正に「知識・技能のみならず、学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などを含む幅広い学力」を判定することができます。

 私は現行の高校入試を廃止しても、この活動は行うべきだと考えています。ただ、前提として高校教員の人数増加(=個人の授業数減少)が必要だから、国はこのような試験をやろうと言わないでしょうが……。

 まとめると、20世紀末コンピューターの発明・進化によって「知識・情報は書籍からコンピューターの中にある時代に変わった。人間もまた脳内に知識や情報を蓄える必要はなくなり、パソコンからいかに取り出し、いかに活用できるか、その能力を高めることが求められる」ようになった。
 それこそ文科省の言う「これからの社会を生きる児童生徒にとって身に付ける必要がある学力は、知識・技能のみならず、学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などを含む幅広い学力(である)」との見解が生み出された根源の風だと思います。
 私はこの見解、正しいと思います。ただ、問題はこの学力を身につけるために取った方法――観点別成績評価です。これが間違っていると、これまでさんざん指摘してきました。

 以前相対評価から絶対評価(と言いつつ目標・ノルマが高くなっただけの相対評価)への転換をウイスキーのシングルからダブルにたとえました。見た目コップ1杯のウイスキーでも濃さは2倍です。
 児童生徒に求められた「これからの社会を生きるにあたって必要な学力」とは、それ以前と比較すれば《2倍の能力養成》を求められているようなもの。子どもたちにとってはしんどいことだと思います。教科書の知識を丸暗記すれば、「チョー優秀だ、天才だ」と誉められたのに、「それくらいたいしたことじゃないよ」と言われるようになったのですから。

 知識の丸暗記でさえ四苦八苦していた中等生・劣等生にとって荷物は倍になった……だから、私はこれを荷役の牛馬にたとえました。大変になったのは牛馬だけではありません。彼らにムチをふるう現場の先生方にとっても仕事量は倍以上になりました。学校(教職)のブラック企業化です。

 さすがに文科省もわかっています。新たな学力を身につけるため、かつての知識・技能内容を半減させることにしました。それが「ゆとり教育」である(と私は理解しています)。1990年代には少しずつ始まっていたようですが、本格的な開始は2002年の学校5日制と「絶対評価+観点別評価」の導入から。しかし、わずか10年足らずで挫折しました。
 最大の理由は15歳に課された世界共通の到達度テストにおいて学力低下が止まらなかったことです。結局、減らされた知識・技能は元に戻りました。

 ちなみに、知識・技能半減と書きましたが、厳密に言うと小学校・中学校の学習内容削減は3割にとどまりました。ここには「それじゃ詐欺だ」と思えるほどの仕掛けも施されていました。

 みなさん方は猿たちと飼い主が交わした「朝三暮四」の由来をご存じだと思います。経営難から食料のイモを減らしたいと思った飼い主が「朝のイモ4つを3つにしたい」と提案すると、猿から猛反発を食らう。そこで「わかったわかった。朝は4つに増やして夕方を3つにしよう」と言うと、「それなら」と猿たちが納得するお話です(これを漢文でやるときはいつも「飼い主はそれまでイモを一日何個与えていたんだ?」と聞きます。すると「4ヶ」とか「7つ」と答える生徒が結構いるので、「それじゃあ猿と同じだぞ」とからかったものです)。

 知識技能3割減はこれと真逆のことが行われていました。3割減で「さぞかし楽になったろう」と思ったら、減らした分は高校に移されたのです。
 学習活動を労働にたとえるなら、午前中の仕事は3割減らした。が、午後の仕事は3割増やした。全体として減っていない。正に言いくるめられた猿と同じではありませんか。高校に進んだ子どもたちはより大変な「知識習得の労働強化」に励まねばなりませんでした。

 かくして高校にも観点別成績評価が取り入れられたはずなのに、現場の先生方は「観点別指導なんかやっていない」という結果になりました。相変わらず以前と同じ――いや、五教科においては以前より3割増えた知識習得授業が続いたのです。

 この学習は目前に迫った定期テストと大学入試を目的とした「その場しのぎ」です。1年も経てば忘れ去られる運命にある知識や解法暗記作業です。パソコン・スマホ・タブレットを検索すれば、すぐにわかる答えを本腰入れて覚えようと思うでしょうか。その場しのぎになるに決まっています。
 そして、小中で学んだはずの「これからの社会を生きるにあたって必要な学力」は多くの高校生に「結局、勉強とはその場しのぎだ。辛くていやなもんだ」との感想しか残さなかった……と私は思います。

 では、どうすれば良かったのか。今後どうすれば良いのか。私は再度学習内容の半減化に進むべきだと思います。子どもたちが楽に勉強でき、「学ぶことは楽しい」と感じることのできるシステムづくりです。そのための秘策はいずれ披露したいと思います。

○ 社会・共産主義の崩壊と修正資本主義の終焉

 次に起こった大変化は社会・共産主義の崩壊です。これもまた学校教育と成績評価に大きく影響する《強風》だった(と私は思います)。

 第二次大戦後、世界は資本主義と社会・共産主義という思想(イデオロギー)対立に振り回されました。
 前者の代表はアメリカ、イギリスに西欧、後者はソ連、東欧に中国。「鉄のカーテン」とか「冷たい戦争」と呼ばれ、核兵器の保有によって第三次世界大戦が起これば、人類は滅亡すると叫ばれました。
 何度かの危機を経て大国間の戦争こそ踏みとどまったけれど、小国の代理戦争はあちこちで発生。代表的なものは朝鮮戦争やベトナム戦争でしょうか。
 それがまさかの改変。まずソ連が崩壊(1991年)し、東西ドイツを隔てた壁の解体(1989年)、東西ドイツ統一後社会・共産主義は世界から姿を消しました(その後も残っているのは共産主義風独裁国家であり、実質的に資本主義国でしょう)。

 さて、資本主義や社会・共産主義を短くまとめることなど到底不可能です。が、私は素人なので敢えて短くまとめてみます。

 資本主義の最大特徴は《自由競争》でしょう。競争の結果弱肉強食・優勝劣敗、すなわち強い者、優れた者が勝ち残り、弱い者、劣った者が負ける。生み出された富は勝ち組が多く獲得するので貧富の差ができ、社会は上流・中流・下流に分かれる。五ランクなら、富裕層・上流・中流・下流・極貧層でしょうか。
 また、私有財産は子や孫に相続されるので、貧富の差は永遠に続く。ただ、宝くじとかある日突然成功するなど、十万人に一人程度のサクセスストーリーがあり、貧しい人はそれを夢見て日々を堪え忍ぶ。

 競争に勝つために生産物はデザイン、品質、価格などさまざまなものが生み出される。消費者はその中から身の丈にあったものを選ぶ。よって、選択の自由がある。政党も各界各層を母胎として多数存在するので、政党を選ぶ自由がある。国の舵取りは選挙で多数を取った政党が行うが、下流・極貧層を代表する政党が多数を占めることはない。資本主義信奉者は自由に活動して強い者が勝ち残ることこそ社会の進歩発展だと信じて平等の社会・共産主義を批判する……。

 一方、社会主義・共産主義。その最大特徴は《競争なき平等》でしょう。同じものを食べ、同じものを着る。同じ部屋に住み、同じ日常用具を使う。平等だから貧富の差も、上流・中流・下流の格差も存在しない(はず)。
 全て共有だから私有財産はない。選択の自由はない……と言うより、生産物は一つしかないか、あっても数ヶだから必要ない。政党を選ぶ自由もない……と言うより、国民の平等を主張する政党は一つだけ。他の資本主義・自由主義を主張する政党は貧富の格差、不平等を肯定する政党だから、存在意義がない。よって一党独裁となるので、選挙は必要ない。

 人間の平等を主張する社会・共産主義理論は絶対的に正しいので、批判する必要はない。ゆえに、体制を批判する言論の自由も必要ない。競争なき平等こそ人類の理想を実現していると信じて貧富・格差を肯定する自由・資本主義を批判する……。

 資本主義は[原始資本主義→帝国主義→修正資本主義→金融資本主義]に変化(進化?)したようです。
 ものすごく短く乱暴に説明しておくと、原始資本主義は資本家の富裕と労働者の極貧化を生み、帝国主義は財閥と独占、国内消費の行き詰まりから他国の侵略・植民地化に進んだ。修正資本主義はその反省から社会主義を一部取り込んだ。そして、現在の金融資本主義は金が金を生む社会である(とまとめます)。

 かたや社会・共産主義は長く続いた集団共産主義の崩壊後、資本主義の導入によって二つに分かれました。
 一つは社会システムとしての一党独裁も廃止して社会を自由化した国。もう一つは一党独裁を堅持した国。前者の代表がロシアで後者の代表が中国であることはご存じのとおりです。
 ただし、21世紀に入ってからロシアは個人独裁国家に、中国も集団指導体制から個人独裁国家に変貌しました。同時に日米欧の自由資本主義国も「強いリーダーシップ」の名のもと、個人独裁国家に変わった(と私は理解しています)。

 このへんのことも深入りしません。私が取りあげたいのは資本主義が修正資本主義に変わったことは何を意味するか――のところです。これによって資本主義は限りなく社会主義に近付きました。次にこのことについて語ります。

 原始資本主義は好況・不況の繰り返しと労働者の極貧化が不可避でした。結果、社会・共産主義革命が起こる恐れがあったので、経済界は労働者への分配を厚くして生活水準を上げ、政府は不況時に公共事業を行い、需要を創造して失業を軽減しました。
 計画経済、労働者(国民全体)の福利厚生の充実。つまり、資本主義でありながら、社会主義的政策を一部取り入れることで、労働者の不満を軽減し、共産主義への転換を防いだと言えるでしょう。修正資本主義≒社会主義でした([≒]はニアリイコールと読んでください)。

 日本も欧米同様資本主義国の一員として自国が共産化しないよう、福祉や社会保障などを充実させます。その最たる例が国民皆保険でしょう。一人一人から収入に応じて金を集め、医療を格安で受けられるようにしました。アメリカではオバマ大統領が導入した国民皆保険制度を「社会主義だ」としてトランプ大統領になってから廃止されたほどです。

 もう一つ能力主義の米欧資本主義ではあり得なかった日本的労使慣行「年功序列」もまた限りなく社会主義的でした。
 生涯一つの会社に勤め、年齢が上がるにつれて(能力実績に関係なく)給料が上がる。そのうち結婚して家を持ち、子どもが成長すると定年を迎える。その後は年金と蓄えた貯金が(年利数パーセントで10年後には1.5倍、最高2倍になり)穏やかな老後を過ごすことができる。日本の修正資本主義下では大会社の社長になっても年収1億程度と言われた時代です。高度経済成長下、労働者の賃金は上昇し、中流層が増加しました。

 もう一つ取り上げたいのは建築・土木業界に多かった「談合」と子請け・孫請けシステムです。これもまた競争をしないという意味で、限りなく社会主義的でした。
 入札方式に素直に従っていたのでは、競争が激化して共倒れになる。談合して順繰りに応札することにすれば、大企業数社が仲良く生き残ることができる。そして、傘下の関係者に実際の仕事を下ろす。「寄らば大樹の陰」と言われた時代。日本の中小企業、町の土木・建築屋さんは大手の下請け・孫請け・ひ孫請けであることによって生きていけた。正に社会主義的共存戦略。
 政府は各業界を守るため、異業種の参入を許さない「規制」も多数作りました。業界は見返りとして個人献金・政党献金に励み、選挙を応援しました(ときには結果賄賂となる感謝の金銭授受もあったでしょう)。

 社会・共産主義国と資本主義国における貿易はほぼその主義圏で行われていました。それを地域資本主義、地域共産主義と呼ぶなら、地域資本主義の恩恵を最も受けたのは日本と西ドイツでしょう。1960年代後半から70年代、80年代にかけて両国は高成長が続きます。

 私は思うのですが、資本主義というのは生産と消費が一国の中にとどまっている限り、あまり問題は起こらないような気がします。たとえば、年収手取り500万は日本では中流でしょう。月収30万でボーナスが計140万。ダンナがこの給料で奥さんがパート勤めして100万ほどを稼ぐ。それによって子ども二人を育てつつ、そこそこやっていける。

 ところが、アメリカのニューヨークやワシントンで年収500万は極貧層です。一家四人が生きていくには、最低でも年収1200万が必要で、1000万程度は「貧困層」と呼ばれているそうです。逆に途上国なら年収500万はお金持ちに入ってプール付きの邸宅に住むことができるでしょう。
 このように他国と比較すると、きりがないけれど、自国内の比較にとどめ、その中で小さな競争に勝って中流を維持すれば、「めでたさも 中くらいなり おらが春」(小林一茶)と思って生きていけます。

 しかし、貿易という形で二国間、多国間の自由競争となったときには勝者と敗者が生まれる。それが1960年から70年代のアメリカと日本の関係でした。
 日本の安い製品がアメリカに輸出され、アメリカは主として穀物を日本に輸出する。日本の電機製品や自動車は最初安かろう、悪かろうであまり売れませんでした。やがて日本製品が安くて良質であるとわかると、アメリカの製品は日本に負けて衰退しました。1980年代、日米貿易戦争と呼ばれた時代です。地域資本主義の中で勝ち組は日本、負け組はアメリカでした。
 かくしてソ連崩壊直前、日本は世界第二位の経済大国として「ジャパンアズナンバー1」と呼ばれ、バブルと我が世の春を謳歌していました。

 ところが、社会・共産主義の崩壊によって修正資本主義も終わり、世界は資本主義一色となりました。それはグローバル化の幕開けであり、共産主義革命の恐れがなくなった資本主義が、労働者に対して「修正」の仮面をかなぐり捨てた時代の始まりでもありました。時を同じくして日本のバブルがはじけたのは皮肉な偶然でしょうか。

 なぜ社会・共産主義は崩壊したのか。これまた一言で説明するなど傲慢不遜の極みです。敢えて素人解釈を提示すると、私は「理屈が人間の感情に負けたからではないか」と考えています。

 貧富の差をなくし、平等をうたう理論は確かに正しい。だが、それは所詮理屈である。一人一人の感情は違った。人は自分や家族のためなら、一生懸命働くことができる。だが、みんなのために働くことは難しい。懸命に働いたのに返ってくるのは粗末なものばかり。あるいは、集団で働いていると、だらだら動く怠け者の姿が目に付く……そうなったとき、「どうして自分だけがんばらねばならないんだ?」と感じる。やがて「みんなのために働く」意欲が失われ、生産活動は縮小し、国を立て直すには資本主義経済を導入するしかなかった、と思います。

 21世紀を迎えるころ、イデオロギー対立がなくなり、世界は平和と繁栄に向かうだろうと思われました。だが、それは幻想だったようです。各国は自国ファーストのナショナリズムに走りました。なぜか。
 私の推理はこうです。イデオロギー対立がなくなり、世界が総資本主義化したと言っても、全世界が一つになって富を各国に配分するようになったわけではありません。各国は他国全てと競争し、勝たなければなりません。競争に負ければ自国の没落が待っているからです。それは弱肉強食、優勝劣敗の資本主義が持つおきて[掟]ではありませんか。
 そして、ナショナリズムの復活が各国政府、リーダーの独裁化に進んだことも歴史の必然でしょうか。国同士の競争となったとき、勝ち組に入るためには国民一丸となって戦わねばなりません。
 これはある種の経済戦争であり、戦争において「私は戦いません」という自由は許されていない。国を一つにまとめるのに最も有効な方策こそ、強いリーダーシップという名の独裁主義であった……と思います。

 それはさておき、世界の総資本主義化による恩恵を最も受けたのは中国でしょう。かつてアメリカと日本の間で起こったことが、中国と日本・欧米資本主義国間で発生しました。
 労働力の安い食料・原材料、中国製品が大量に資本主義国に輸出されました。(先程と同じことを書きますが)中国製品は当初「安かろう、悪かろう」でした。ところが、他国の技術を巧みに導入すると、さまざまな分野で「安くて良質な製品」が世界中に輸出されました。
 また、資本主義の先進国企業は高くなった自国労働者を嫌って中国に安価な労働力を求めて生産拠点を移します。これによって他の資本主義国は自国経済の衰退を招き、反比例して中国は一人勝ちの経済成長を果たすことになります。
 2020年現在、アメリカと中国の貿易・経済戦争は資本主義国同士、独裁者同士の戦いとなっています。

 以上、20世紀末から21世紀初めに起こった世界の大転換について眺めてきました。
 最後に、これら社会・共産主義の崩壊、修正資本主義の終焉と世界の総資本主義化(グローバル化)によって日本の労働者が、そして労働者予備軍である子どもたちの教育がどのように変わったか、まとめておきます。

 グローバル化とは一国資本主義、地域資本主義・地域共産主義の崩壊であり、国と国との対立競争となったことを表しています。平べったく言えば、「もうお前のめんどうはみない。自力でやれ」ってところでしょうか。
 修正資本主義によって守られていた企業も、労働者も「能力の低い者、成果を出せない者のめんどうはみない。働き方を絶対評価するから、力のない者は出ていけ。その代わりがんばって成果を出した者は報酬を増やす」へと変わったようです。つまり、相対評価から絶対的な能力・成果を求め、それを評価する絶対評価への転換です(と言いつつ、目標・ノルマを高く厳しくし、相対評価によって勤務成績をつけたことはすでに指摘しました)。

 振り返れば、社会・共産主義下、修正資本主義下における労働者にとって「生きること働くこと」はそれほど難しくなかった――と私は思います。
 社会・共産主義下ではいろいろな自由がない、懸命に働いてもそれに見合う報酬がない。そこは大いに不満である。だが、高い望みを持たなければ、なんとか生きていける。何より貧しい国で貧しいのは自分だけではない。みんな同じだから。
 かたや修正資本主義下においては貧しくとも自由がある。年功序列によって賃金が増えれば、家庭をつくり、子どもを育てて生きていける。お金持ちと比較すれば不満があるけれど、自分の能力ではこの程度がいいところだ……。

 ところが、社会・共産主義と修正資本主義は終わりました。結果、金が金を生む金融資本主義が世界を制覇し、労働者に対しては原始資本主義が持っていた弱肉強食の掟が適用される世の中になりました。
 富める者はより冨み栄え、持たざる者は落ちぶれていく。中流(下流)を維持するためには今までより倍の働きをしなければならない。企業・組織は能力・成果中心の絶対評価に変わり、ノルマ達成を求めたからです。達成できない者はやめさせる。やめない者はパワハラを駆使して追い出す。労働強化、サービス残業、長時間労働。この源流に吹いた風が世界の総資本主義化であり、グローバル化だった、と私は思います。

 かくして21世紀を前に各国はどのような国民を育てるか。その必要に迫られました。
 それが1990年代のことであり、日本のお偉方が選んだのが「どこに行っても通用する能力の養成」だったと思います。すなわち、学校における相対評価から絶対評価への転換であり、小中高に導入された観点別評価の実施です。

 これを最も端的な例をもって表現すると、英語を学ぶなら「世界のどの国に行っても使える英語を習得しなければならない」ということです。
 日本国内で英文が読め、日本語訳できる、英作文ができるだけではダメ。ヨーロッパ、南北アメリカ、アジア各地、アフリカ各国に出かけていったとき、現地の人と英会話ができること。
 また、国内でも「インバウンド」と呼ばれる外国人の旅行者、日本で働く移民とも、簡単な英会話ができる英語力がほしい。
 近年土産物屋のおじさん、おばさんが外国人客に対して英語で説明し、精算する姿をよく見かけます。必要が彼らの英会話能力を高めたと言えるでしょう。

 さらに、遠い異国の地で活動するのは自分一人かもしれない。一人で考え、決断できる能力が必要である。かくして「これからの社会を生きる児童生徒にとって身に付ける必要がある学力は、知識・技能のみならず、学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などを含む幅広い学力(である)」との見解が生み出されました。
 日本の教育・成績評価の根源に吹いた一陣の風がコンピューターの発明・進化なら、もう一つの風は修正資本主義の終焉であり、グローバル化による国家間競争の到来です。

 今までは日本国内で競争していました。各都道府県、各学校で競争して優等生を出していました。しかし、この優等生は高校を卒業しても、大学を出ても、英会話さえ満足にできません。
 おそらく企業のリーダーは与党政治家に要求したでしょう。「もっと優秀な、世界と戦える人間を養成してくれ」と。それを受けて政治家と専門家、文科省のお偉方は考えました。
「相対評価が良くない。小学生並みの英会話さえできない英語力なのに、『5』の成績がついている。これではダメだ。絶対評価にしなければ」と考えたようです。つまり、日本国内で優秀であるだけでは世界で戦えない、日本は生き残れない、との気持ちでしょう。

 言わば優等生の価値基準が変わったのです。もはや知識を持っているだけでは優秀な人間ではない。それをどう使いこなせるか。世界の人を相手に交渉できるか。当然世界共通語である英語は必須。求められているのは他国の人を相手に戦える意欲・能力であり、世界の人と話せるコミュニケーション力・プレゼンテーション力である。
 かくして、「英語とパソコン操作は小学校からスタートすべきだ。知識と技能習得にプラスして意欲・思考力・判断力・表現力を全教科で養成し、それを絶対評価せよ」との大号令が下された。子どもたちには以前より2倍の学びが求められるようになったのです。

 再度書きます。あなた方は2倍の荷物を背負わされた牛馬に対して「そんなの大した荷物じゃない。かつげないのはお前の努力が足りないからだ。背負って歩かないと、牛馬として失格の烙印を押されるぞ。もっとがんばれ!」と叱咤激励してムチをふるいますか。


==============
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:文中一読法なら「おやっ?」と思うところがあったはずですが、つぶやかれたでしょうか。『ハムレット』の有名な一節「To be, or not to be: that is the question.」を取り上げたところです。
 これまで私は一度も英文を掲載したことがありません。ここは立ち止まって「なぜ突然英文を出したのだろう」と疑問を書き込んでほしかったところです。答えは本節の中にはありません。今後ある節に突入したとき、「ここの伏線だったか」と気づくはず……と言うか気づいてほしいものです。

 なお、教育システム・成績評価への「提言」はまだまだエンドマークを打つことができません。例年8月は全てのメルマガを停止して夏休みとしています。今年はこれまでちょっとがんばりすぎた(^_^;)ので、7月も休みとして次号は9月再開とします。ご了解お願いいたします。

 今年の夏も猛暑と異常気象による災害が起こりそうです。その上コロナ禍であり、コロナとともに生きなければなりません。心くじけず、お互い生き延びて9月を迎えようではありませんか。m(_ _)m

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2020.06.10

別稿『一読法を学べ――学校では国語の力がつかない』第36号「一読法からの提言」五 (6)

 今号は「★ 成績つけるのやめませんか。その五(6)」

 今号にて相対評価がなぜ「絶対評価+観点別評価」という絶対的相対評価に変わったのか、企業の勤務評価が相対評価からノルマ付き絶対評価に変わったことと合わせて「ここ数十年の世界史的大転換から」理由を探ります
 私はこの大転換と絶対的相対評価が子どもたちだけでなく、働く大人も「今の世の中は生きづらい」と感じるようになった最大の理由であると考えています。

 ところで、これまで成績評価についていろいろ書いてきましたが、私の結論は「相対評価であろうが、絶対評価であろうが、子どもたちに成績をつけるのはやめませんか」です。そろそろなぜこんな愚論とも思える主張をするのか、わかってもらえるのではないかと思います。

 なお、今号は「後半」として世界史的大転換の解説までいくつもりでしたが、またも長くなったので、二つに分けました。よって、2号前の「前半」を《一》、前号「中盤」を《二》に変え、今号は《三》、次号《四》となります。
 呆れることなくお読みいただけると幸いです(^_^;)。

 [以下今号]
  ★ 成績つけるのやめませんか。(その6) 
 [12] なぜ相対評価は絶対的観点別評価に変わったのか。《三》(34号) 本号
 [前  号]
  ★ 成績つけるのやめませんか。(その5) 
 [11] なぜ相対評価は絶対的観点別評価に変わったのか。《二》(33号)
  ★ 成績つけるのやめませんか。(その4) 
 [10] なぜ相対評価は絶対的観点別評価に変わったのか。《一》(32号)
  ★ 成績つけるのやめませんか。(その3) 
 [9] 小中の先生に絶対評価はできない。(31号)
  ★ 成績つけるのやめませんか。(その2) 
 [8] 成績をつけるのは誰のためか。(30号)
  ★ 成績つけるのやめませんか。(その1)
 [7] 人は正しい評価などできない。(29号)

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 本号の難読漢字
・携(たずさ)わる・煎(せん)じて・耽(ふけ)る・叱咤(しった)・軌(き)を一(いつ)にする・轍(わだち)をたどる・終焉(しゅうえん)
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*********** 小論「一読法を学べ」************
 『 一読法を学べ――学校では国語の力がつかない 』 34

 一読法からの提言 その五

 ★ 成績つけるのやめませんか。(その6)

[12] なぜ相対評価は絶対的観点別評価に変わったのか。《三》

 本題の前に、二つ三つ前号の補足的復習です。
 前号のある部分にはおかしなところがありました。「あれっ、何かへんだぞ」とつぶやかれたでしょうか。
 私は企業も学校も成績評価は「相対評価」と「絶対評価」だけでなく、ノルマが課される「絶対的相対評価」があるとして次の3種に分けました。
 [企業・学校の成績評価]
 1 相対評価
 2 絶対評価
 3 絶対的相対評価(絶対的観点別評価)

 ただし、2002年小中高が「相対評価から絶対評価に変わった」とされたとき、2の「絶対評価」のみの時代はない。正しくは「相対評価から[絶対評価+観点別評価]に変わったのだ」と明らかにしました。
 おっと、これも正確さを欠く表現です。「明らかにした」のではなく、関係者なら、誰でも知っている事実です。私が明らかにしたのは「絶対評価+観点別評価」とは「絶対的相対評価である」ことです。

 これに関しては特に文科省から「そんなことはない。観点別評価も絶対評価だ」との反論が出されるでしょう……が、私の結論は揺らぎません。
 なぜなら、「小中高の先生方に絶対評価はできない→できなくても教えて構わない」からであり、そもそも「人は人を絶対評価なんぞできない。経験・思想信条・人生観によって相対評価できるだけ」と考えるからです(詳細は「人は正しい評価などできない」29号・30号参照)。

 それに文科省もそこんとこ追及されないよう、ちゃんと逃げています。相対評価を「集団に準拠した評価」、絶対評価を「目標に準拠した評価」と呼んでいます。これは「絶対」と言いたくないので、作った言葉だと思います。矛(ほこ)と盾(たて)の昔から、人間界に「絶対できる」などという現象はあり得ないからです。私はそこを突いて「先生方に絶対評価なんぞできないでしょう」と言ったわけです。

 もう一つ、そもそも論からいちゃもんつけると、「相対評価から目標に準拠した評価に変わった」もおかしな表現です。それでは学校の「相対評価」が「目標に準拠していない評価であった」かのように聞こえるではありませんか。

 いえいえ、相対評価だった時代、各教科の目標、学ぶべき最低基準はしっかり定められていました。それが「学習指導要領」です。教師個人、教科、各学校で勝手に目標や教科の内容を決めていたわけではありません。日本国が「この学年は、この教科は、この内容を教えなさい」と決めていました。
 先生方は授業でそれを教え、筆記試験や実技試験によって「その目標に到達したか」評価していたのです。

 ただ、クラスの半数が目標に到達したとしても、「そんなにたくさんの生徒に『5』をつけてはいかん。『5』は学年の7パーセントだ」と決められていました。あるいは、教科の目標に到達した生徒が一人もいないので「5」はつけられない。だが、「『4』をつけた生徒のうち学年7パーセント分を『5』にしなさい」と決められていた。すなわち、目標の到達度より集団内の相対評価が優先されていたので、先生方は相対評価によって成績を出していたのです。
 よって、相対評価の時代とは「目標に準拠した評価と、集団に準拠した評価が行われていた」――これが正しい表現です。

 ゆえに、「相対評価から目標に準拠した評価に変わった」とは「集団に準拠する相対評価」が抜かれただけで、「目標に準拠した評価と(さらに厳密に?)目標に準拠した評価」に変わったということです。

 いいたとえが思いつかないので、ウィスキーの水割りを例にすると、かつては「水割りシングル」だった。それが「ダブル」になったってところでしょうか。
 さすがに「目標に準拠した評価を倍増した」とは「なんのこっちゃ」という改定なので、後半を「観点別評価に変えた」と言うこともできます。

 それはさておき、私は成績評価を車の販売を例として次のように解説しました。この中に異和感を覚えてほしい表現が二箇所あります。
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1 相対評価……目標はないので、トップが20台の月があれば、10台の月もある。基本給は同じで、各自の売り上げ台数によって歩合給をもらう。
2 絶対評価……月10台の販売目標(ノルマ)が決められたとき、達成したらあとは遊んでもいい。未達成の者はがんばるが、基本給に関係なければ、できなかったとあきらめる。
3 絶対的相対評価……月10台の販売目標を達成しても、さらに懸命に働いてトップを目指す。かたや目標を達成できないと、低い基本給しかもらえないので、懸命に働かねばならない。ときには詐欺師のようなことをしてでも、ノルマを達成する……。
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 「へんだぞ」とつぶやいてほしい一つ目は「1相対評価」の「目標はない」のところ。もう一つは「2絶対評価」で、企業・会社においてこのような意味での「絶対評価」はないだろう、結局、勤務評価は「1相対評価」と「3絶対的相対評価」の二つだけではないか、ということです。

 私は退職までの二十数年間高校教員一筋だったので、一般企業の経験はありません。それでも「目標を達成したら、あとは遊んでいい」奇特な会社があるとは思えません。そのときは目標(ノルマ)が高く設定し直されるでしょう。
 よって、ここは「相対評価」と「絶対的相対評価」の二つに分ければ充分でした。
 先程言及したように、学校においても「相対評価から絶対的観点別評価に変わった」ので、絶対評価のみの時代はありません。

 ちなみに、この部分を三つに分けたのは「相対評価」と「絶対評価」を字義どおり適用したときの意味を確認するためです。本来「相対評価」に目標はいらないし、絶対評価とは「目標を達成したら、あとは遊んでいい」評価制度なのです。

 前号にて「絶対評価最大の弱点は目標を達成したら、それ以上をやろうとしないことだ」と指摘しました。実のところ、これは相対評価の弱点でもあります。
 集団の中でトップに立って5段階の最高評価「5」を得たとき、どうしてそれ以上をやる必要がありますか。車の営業で毎月20台を売っていつもトップなら、絶対評価であろうが、相対評価であろうが、目標を半月で達成した時点で会社には適度にばらけるよう操作して報告する。そして、残りの10日は喫茶店でコーヒー飲みつつ、テーブルのテレビゲームに耽れば良いではありませんか(1980年代の喫茶店風景です。今ならスマホゲームでしょう)。

 閑話休題。まず「1相対評価」の解説について再度《解説》いたします。
 この中で「目標はないので」と説明したところがおかしく、相対評価においても目標はある。「あしたのチーム」さんも以下のように解説していました。
 相対評価は「例え自分の目標を達成しても、他にそれを超える結果を出した社員がいれば」評価は下がり、「逆に、未達成でも周りの結果がそれよりも悪ければ」相対的に評価が上がる――と。ちゃんと「目標の達成・未達成」と書かれています。
 では、相対評価における「自分の目標」とは何か。車の販売なら「ひと月10台売ること」と決めれば、それこそ目標であり、ノルマではありませんか。要するに、現実の相対評価においては「目標・ノルマがある」と言わねばなりません。

 先程書いたように、私の勤労体験は高校教諭一つだけで、ノルマが課された販売に携わった経験はありません。それでも想像力を駆使すれば、相対評価とノルマの関係について、かたや冷めた人間関係の職場と、ちょっと感動的なドラマが生み出される職場の様子を描くことができます。
 と言うのはノルマが個人一人一人に課されるか、集団全体に課されるのか――それによってかなり違いがあるからです。個人に課されるノルマは結構辛い。しかし、全体に課されるなら、必ずしも辛いとは限らない(そのようなドラマです)。

 たとえば、営業一課の社員が20人として一人一人にひと月10台の目標が立てられる(とします)。
 基本給が一律20万、1台につき1万の歩合給がつくとすれば、10台売れば30万の給料がもらえる。20台売れば40万、5台だと25万。社員は自身の目標を達成しようとがんばり、壁には日々売り上げの棒グラフが貼り出される。最高20台、中間10台、最低4台……となり、販売台数は今月200台に達した。
 課長は月末にトップの優秀社員A君を表彰し、ブービーを争っていた劣等社員のC君、D君に対して「会社は君たちにタダ飯食わせるためにあるんじゃないぞ」とか、「A君の爪のあかでも煎じて飲みなさい」と叱咤激励する……。

 これが相対評価であろうが、絶対的相対評価であろうが、ある営業課ひと月の状況でしょう。このときA君やC、D君、平均の10台だったB君の心のうちを想像してみてください。
 A君はトップになって賞賛されたし、給料としても跳ね返ってくるので充実感と自信にあふれ、他の連中に対して優越感を覚える。B君は取りあえず平均に達したし、劣等社員に落ちなかったことにほっとする。C君は「自分はこの職業合っているんだろうか」と悩み、D君は「まーオレはこの程度の人間だ。月に20万ちょっともらって、土日好きな事ができればいいや」とつぶやいたりする……。
 彼らの感想を一言でまとめれば、「興味関心があるのは自分の成績」です。

 ところが、相対評価ながら、一課全体にひと月200台の目標が立てられたとします。各自の歩合などは変わらないけれど、達成すれば全員一律総売上0.2パーセントのボーナスもある。1台100万平均なら売り上げは月2億、200万平均なら4億。間を取って月の総売上3億なら、0.2パーセントは60万。20人で分け合うと一人プラス3万円のボーナスとなります。これはおいしいでしょう。

 かくして、各自順調に、またはC君D君は相変わらず毎日0台、たまーに1台が続きつつ、販売数を積み上げ、月末20日目の金曜日。前日までの売り上げは計198台。あと2台で目標を達成するので、みな張り切って外商に出ます。
 そして、夕刻。社員が続々と帰社して上司にこの日の結果を報告する。だが、一人として「1台売れました」の声が聞こえない。今月20台売ったベテラン社員も手ぶらで帰ってきた。退勤時刻になっても198台のまま。

 まだ二人戻っていないが、ともに前日まで3台、4台しか売れなかった劣等社員のC、D君。みな「今月の目標達成は無理だったか」とあきらめムードが漂う。
 ところが、最後の最後に逆転ドラマがあった。帰ってきたC君、D君がともに「1台売れました」と報告してぎりぎり200台の目標達成。
 そのときその場にいれば、みな拍手して二人の劣等社員に「よくやった!」と言わないでしょうか。不思議なことに月に4台、5台の売り上げしかない社員に、賞賛の言葉がかけられるのです。そのとき二人はどう感じるか、想像してみてください。
 どうでしょう。個人にノルマはあるけれど、全体の一体感がある。つまり、「ワンチーム」。このように全体に目標が設定される相対評価、「捨てたもんじゃないぞ」と思いませんか?

 これに対して個人一人一人にノルマが課されるだけの絶対評価の場合、各自が自分の目標やノルマを果たすのに必死で、全体のこととか隣のことはどうでもよくなります。つまり、月の全体売り上げが200台であろうが、150台であろうが、自分にとってはどうでもいい。あくまで自分が目標を達成するかどうか――それだけです。

 余談ながら、会社は全体売り上げ150台では満足できない。なんとか200台を達成させたい。だが、社員に0.2パーセントのボーナスはつけたくない。60万をケチる経営陣はもっとうまい方法を考えます。
 それは全体目標200台に関してマイナスのボーナス(?)をつけること。全体目標が達成できなかったら、1台1万の歩合を9000円にすると告知する。
 先程はプラス0.2パーセントの報償でした。こちらは達成しないと、全員一律のペナルティが課されるのです。
 こうなると、月に数台しか売れない劣等社員にとっては辛いものがあります。のんびりやっていたら、自分だけでなく中等・優秀社員に迷惑がかかるからです。そして、もしも優秀、中等社員が「あいつらがいるから全体目標が達成されないんだ」と思うとしたら……。

 読者各位はそんな会社で働こうと思いますか。あるいは、「自分はいつも平均以上を売り上げる能力があるから大丈夫」とつぶやきますか。そして、劣等社員を会社から追い出す動きに加担したり、上司のパワハラを傍観しますか。
 これは相対的絶対評価にもう一つ「集団主義」が混入した例です。軍隊が得意であり、特に日本の軍隊の新兵教育で多用されました。個人のミスや目標の未達成は「班全体の責任である」と怒鳴って全員にビンタを張ったり、腕立て伏せをさせるのです。
 もしもみなさんの子や孫が通う小学校において班同士を競争させているようなら――たとえば、忘れ物を点数化して班の優劣を壁に貼り出すようなこと――直ちに「それは軍隊教育だからやめなさい」と言うべきです。

 それから前号においてもう一箇所、「突っ込みを入れてほしかった」ところがあります。
 絶対評価について「経験や職種において差があるから、全員に同じ目標を設定することは難しい」と書きました。あしたのチームさんも「目標設定は社員それぞれに対して行われなければなりません。所属する部門や職種、勤続年数やポジションによって求められる要素やレベルは異なります。技術部門1年目の社員と営業部門の10年目の社員では、越えるべきハードルが違うのは当然」と書いています。

 私はそれを受けて以下のようにまとめました。
----------------
 優秀な者には高い目標、劣っている者には低い目標が設定されるとどうでしょう。
 劣等社員にとってはありがたいけれど、優秀社員は心穏やかでないと思います。「オレが車10台を売るのと、あいつが車5台を売ることが、どうして同じ評価なんだ?」と不満が漏れること間違いありません。
----------------
 ここもおかしいですね。絶対評価なら、優秀社員は不満を漏らさない(だろう)し、会社側も二人を同評価にする理由があります。

 なぜなら優秀社員には車20台を売ることが求められており、劣等社員は車10台でいいということで、最初から給料や歩合に差が付けられているからです。よって、前者が10台、後者が5台なら、二人はともに目標の半分しか達成していないという点で同評価です。
 もしも優秀社員、劣等社員がともに20台の同数なら、評価は目標の2倍を売り上げた劣等社員の方が高くなるはずです。

 これはプロ野球選手の年俸を考えれば、よくわかります。年俸5億の4番バッターと年俸5千万の7番バッターには求められる目標・ノルマが違います。前者には打率3割、打点100が求められている。そのために他の選手の2倍、5倍、10倍の年俸が与えられています。
 よって、シーズンを終えた契約更改で、4番バッターが打率3割を達成しても、打点50だと来季の年俸は大幅に下がるでしょう。年俸5000万の7番バッターが打率3割、打点50なら、来季の年俸は倍増すると思います。

 ただ、4番バッターがこの評価に対して全く反論しないかと言えば、そんなことはないでしょう。
 なぜ彼の打点は目標の半分しかいかなかったのか。それは「123番の出塁率が悪かったからだ。彼らがしっかり塁に出ていれば、私の打点はもっと増えていた」と言います。
 会社側も「確かにその傾向はあった」と応じて年俸は微減にとどまるかもしれません。そのときは123番の年俸が下げられるでしょう。

 だが、123番打者にとっても言い分があります。四死球0、打率0だったわけではない(そうならレギュラーとして出場できない)。前年に比べると低いけれど、そこそこ塁に出ていた。だが、「4番バッターは勝負弱いではないか」と指摘する。
 確かに彼は2、3塁上に走者がいるときあまり打てず、誰もいないときによく打っていた。その結果の3割であった。
 たとえば、9回裏1点負けてツーアウト、2、3塁上に走者がいて逆転のチャンス。だが、4番バッターはヒットを打てなかった。翌日9対1で勝っている試合の8回裏に、彼はソロホームランを放つ。ファンは「昨日打てよ」と思う。結局、この4番バッター、打率は3割だが得点圏打率は2割ちょっとで低い。
 球団側はもちろんそれを指摘して「君はチームの勝利にあまり貢献していない」と言う。そうなると、4番バッターの年俸大幅減は避けられないと思います。

 車の販売において目標を達成したかどうかは数字で判定できます。しかし、野球のような場合は目標・ノルマと結果の判定に当たって難しさが発生する。
 個人が目標を達成しても、チームが優勝争いをしているか最下位争い(?)をしているかによってもずいぶん違うでしょう。
 そして、絶対評価にこだわっていると、選手に「足の引っ張り合い」が起こります。チームが負けたり、最終的に最下位だったのは「あいつが悪い」というわけです。「あしたのチーム」さんも「1990年代に多くの企業がアメリカ式成果主義を導入した際、社員が自身の業績を重視するあまり部下の育成に消極的になるなど、間違った個人主義が横行(した)」と書いています。
 先程述べたように、個人の成績評価が重視されすぎると、「人はどうでもいい、全体の成績なんぞ自分にはカンケーない」となりがちです。「ワンチーム」の逆現象ですね。

 さて、そろそろお気づきでしょうか。ここまでを読まれて「どうも妙だ。純然たる相対評価、厳密な絶対評価はあるのだろうか」と感じませんか。
 相対評価に目標・ノルマが課されたら、それは果たされるべき最低限の課題となる。すなわち絶対評価が入っています。
 また、絶対評価とは個人に課された目標であり、その到達・未達が評価されるはずなのに、他との比較における優劣が付けられれば、それはまごうことなき相対評価。その上全体の目標も付加されれば、集団主義によって個人の能力以上に働くことが求められます。

 おやおや、2の「絶対評価」はもはや存在しない――だけでなく、「1相対評価」と「3絶対的相対評価」にも分けられない。あるのは「絶対的相対評価」と「相対的絶対評価」の二つだけではないか。

 いやいや、もはやこの二つは同じものであり、成績評価とは絶対的であり相対的である。すなわち、目標・ノルマの達成が求められる絶対評価であり、集団内の一人一人を他との比較において優劣をつける相対評価である――このように定義するのが正しいのではないでしょうか。

 一周回ってなんとやら。私は企業人事課の解説をまとめて以下のように書きました。
---------------
 あしたのチームさんの解説において注目すべきは、相対評価であろうが、絶対評価であろうが、《成績評価とは社員に優劣をつけること》とある点です。絶対評価では「高評価と低評価」、相対評価では「順位を決めることで優劣をつける」と書かれています。言い方を変えると、「社員に優劣をつけることが成績評価の目的」なのです。
---------------

 ここにおいてようやく成績評価の本質が見えてきました。
 成績評価には相対評価と絶対評価。まるで二種類あるかのように思われているけれど、どちらも目標があり、ノルマがあるという点では同じ。ただ、相対評価(と呼ばれる時代)は目標・ノルマが低かったのであり、逆に絶対評価(に変わったと言われる時代)は目標・ノルマが高くなった――ということです。

 オリンピック選考が最もわかりやすい例です。
 かつて水泳の選考は「日本人選手のトップ」であれば良かった。このときの目標・ノルマはとても低かった。だが、本番で決勝に出られる、メダル争いできる「派遣標準記録」という高い目標・ノルマが設定された。日本人選手から一人(か二人)が選出されるという点では昔も今も相対評価。ただ、昔は絶対値が低く、今は絶対値が高くなった。
 もっと簡単に言うと、昔は世界レベルだと75点でも(日本人選手トップなら)オリンピックに出られた。だが、今は世界レベル90点を取って日本人選手トップにならなければ、オリンピックに出られない。要するに、昔も今も優劣は相対評価でつけられる。今は高い目標をクリアしないと、優秀とは認めてもらえない――そういう時代になったということです。

 よって、前置きに書いた「企業の勤務評価が相対評価からノルマ付き絶対評価に変わった」との記述も正確さを欠きます。「企業の勤務評価は昔も今も相対評価で優劣がつけられた。ただ、かつては目標・ノルマが低かった。だが、ある時代からそれが高くなった」――このようにまとめるべきです。

 では、「ある時代」とはいつか。それが「ここ数十年に起こった世界史的大転換」の時代です。具体的には二十世紀末の十年間に起こった激変です。

 そのことについて解説する前に、企業の勤務評価から学校の成績評価に戻ります。
 日本には「軌を一にする」なることわざがあります。企業が勤務評価の目標・ノルマを上げ、オリンピック選考が高い目標を掲げたのと軌を一にして小中高も相対評価をやめました。「変える必要がある」との議論が行われたのが二十世紀末の十年間です。正に[世界の変化→日本の(企業・組織の)変化→子どもたちの教育の変化]といったように、同じわだち[轍]をたどっているのです。

 ここで文科省の「Q&A」にあった次の解説を読み直してください。
----------------
Q 子どもの成績を「観点別学習状況の評価」と「評定」で評価していると聞きましたが、どのようなものなのでしょうか。
A これからの社会を生きる児童生徒にとって身に付ける必要がある学力は、知識・技能のみならず、学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などを含む幅広い学力です。
----------------

 文科省は「これからの社会」とは何か、なぜ「幅広い学力」が必要なのか、説明してくれません。まるで「そんなこたーわかりきっているだろ」と言わんばかりです。
 この部分は次のように解釈するとわかりやすくなると思います。

 かつて相対評価と呼ばれた時代は「知識・技能」を学べばそれで充分だった。知識と技能の目標を定めたのが「学習指導要領」であり、その習得具合は集団内の優劣――相対評価によって判定された。
 だが、ある時代から目標・ノルマが変わった。知識と技能の習得だけでは不充分であり、「学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などを含む幅広い学力」が目標に追加された。すなわち、子どもたち全員に対して「より高い能力」が求められるようになった。その能力を「観点別評価」によって判定した、というのです。

 そろそろ二十世紀末の十年間に起こった激変とは何か。思い当たる言葉が浮かんできましたか。私が思うに以下の3点です。○の中を埋めてください。

 [二十世紀末の世界史的激変]
 1 ○○主義・○○主義の崩壊
 2 修正○○主義の終焉とグローバル化
 3 ○○○○○○○の発明・進化

 この詳細は次号に回したいと思います。

=================
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:久しぶりに一読法立ち止まり箇所の質問です。文中「車の営業で毎月20台を売っていつもトップなら…目標を半月で達成した時点で…残りの10日は喫茶店でコーヒー飲みつつ、テーブルのテレビゲームに耽れば良いではありませんか(1980年代の喫茶店風景です。今ならスマホゲームでしょう)」とありました。
 ここは「おやー、スマホゲームだけでいいのに、なぜ1980年代の例まで書いたのか」とつぶやきましたか。傍線を引いて[?]をつけてほしいところです。

 もちろん本節末尾「二十世紀末の十年間」につながる伏線です。間にあった「1990年代に多くの企業がアメリカ式成果主義を導入した」のところで「なるほど、だから1980年代の例が書かれていたのか」とつぶやけるようになったら、一読法免許皆伝は近いと思います(^_^)。

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2020.06.08

安田記念、結果とほぞ噛み

 安田記念結果は――「一覧トップ3決着か~」……のトリガミ(^_^;)

 1着―池  添 11グランアレグリア………[・]C 単勝=12.0
 2着―ルメール 05アーモンドアイ…………[◎]A
 3着―福  永 06インディチャンプ………[○]B
 4着―翌山 典 03ノームコア………………[●]H
 5着―津  村 08ケイアイノーテック……[?]QB(一覧順位)

 前日馬順[C→A→B→G→]枠順[C→A→A’→G]

 枠連=7-4=5.9 馬連=11-05=6.5 馬単=28.4
 3連複=11-05-06=8.4 3連単=112.4
 ワイド12=2.6 W13=5.9 W23=1.7

---------------
 ○ 展開予想結果

※展開(3Fは前走の上がり優秀5頭)
 逃げ     先行     差し     追込
 12 06 10 14 -01 02 09 04 -11 05 07 13 -03 08
覧 ○ 6 △ 5 ▲ ◎
3F D E C B A
本 ○ △ △ △ ◎ ●
結 3 1 2 4 5
-----------------------------
 本紙予想結果
 印番馬      名 齢 馬 結果
 ◎05アーモンドアイ牝 5 A 2
 ○06インディチャンプ 5 B 3
 △02ダノンキングリー 4 D  7
 △14ダノンスマッシュ 5 H  8
 △09アドマイヤマーズ 4 F  6
 ・11グランアレグリ牝 4 C 1
 ・01ダノンプレミアム 5 E  13
 ●03ノームコア  牝 5 G 4
 ?08ケイアイノーテッ 5   5

***************************
 【GI安田記念 実近一覧表】 東京 芝16 14頭 定量58キロ
                  (人気は前日馬連順位)
順=番|齢|馬       名|予OZ{実近}人=[全芝]騎 手|格距TM3F印着
A=05|5|アーモンドアイ牝| 1.8{AA}A=[9111]ルメル|◎▲◎ ◎2
B=06|5|インディチャンプ| 4.3{BD}D=[8123]福 永|▲◎ ○○3
C=11|4|グランアレグリ牝| 5.8{CC}C=[4110]池 添|△△○▲・1
D=01|5|ダノンプレミアム| 6.4{DB}B=[6202]レーン|△△  ・13

E=02|4|ダノンキングリー| 8.9{FE}E=[5121]戸崎圭|  △ △
F=14|5|ダノンスマッシュ|11.8{GF}H=[8216]三 浦|    △
G=09|4|アドマイヤマーズ|13.0{HH}F=[6102]川 田|○○  △
H=03|5|ノーム コア 牝|14.5{E12}G=[3010]横山典| △▲ ●4

QA=07|6|ペルシアンナイト|15.8{0910}09=[3125]田 辺|   △
QB=08|5|ケイアイノーテッ|18.8{1011}12=[3216]津 村|   ◎ 5
QC=13|4|ヴァンドギャルド|29.6{11G} =[3012]岩田望|   △
QD=10|5|ミスターメロディ|31.6{1409} =[0001]北村友|

QE=12|7|セイウンコウセイ|34.4{1313} =[0001]内田博|
QF=04|8|ク ルーガー  |41.4{1214}10=[2115]石橋脩|
             TM…タイム優秀 3F…上がり3F優秀
----------------------------
※年齢 4歳=4 5歳=7 6歳=1 7歳=1 8歳=1 頭
※牡牝 牡=11頭(セ=0頭) 牝=3頭 計14頭 
※格
G1V=10頭
 A05アーモンドアイ [7011]牝3冠・JC・秋天・VM他 2
 B09アドマイヤマーズ[3001]朝日杯FS・NM・香港M
 C06インディチャンプ[2001]安田記念・マイルCS    3
 D11グランアレグリア[1110]桜花賞           1
 E01ダノンプレミアム[1212]2歳朝日杯FS
 F07ペルシアンナイト[1316]マイルCS
 G03ノームコア   [1013]VM(ヴィクトリアマイル) 4
 H12セイウンコウセイ[1106]高松宮記念
 I10ミスターメロディ[1003]高松宮記念
 J08ケイアイノーテッ[1004]NHKM          5

G2V=3頭(GIV除く)
 A02ダノンキングリー[2勝]毎日王冠・中山記念
 B14ダノンスマッシュ[1勝]京王杯SC
 C04ク ル ー ガー[1勝]マイラーズC

 昨年1234着馬の馬番(今年の出走馬は馬名付加)

 1着=3枠05番インディチャンプ 今年06番 3
 2着=1枠02番
 3着=7枠14番アーモンドアイ  今年05番 2
 4着=3枠06番
---------------
 [枠連順位]
 枠連型=A流れH [A 型] 枠順AB=3.7
 馬連型=A流れG [AB型] 馬連AB=3.8

 枠連=ABCDE/FG/H/ 
 枠順=41726/83/5/
 馬順=AECDF HG 10 馬順[C→A→B→G→]
 代行=B 14 11 0913 12
 ―――――――――――――
 結果=23 1 4 5 枠順[C→A→A’→G]

*****************************
 ※ 回  顧

 いつも書いているように「人生と競馬にればたらはない」とは言え、
 安田記念レース後、東京競馬場のゴールがあと50メートル先だったら、
「2着はウラ●ノームコアだったなあ」と思いました(^_^;)。

 横典03ノームコア、予想どおりの競馬でした。ぽんと出てほぼ最後方。
 直線残り400からぐいぐい伸びてきた……けれど、テレビ画面ではまだまだ左端だったので、声はあまり出ませんでした(^.^)。
 結局、猛烈な末脚を見せたけれど、3着インディチャンプとはクビ差、2着アーモンドアイとは半馬身差。1着グランアレグリアとの2馬身半はゴールが100メートル先でも抜けそうになかったけれど、「あと50メートルあればノームコアの2着はあったな~」と思いました。

 ちなみに、ウラ●から一覧トップ3であり、馬順ABCでもあった123番人気3頭には馬連・3複流していたので、配当はノームコア3着なら40倍、2着なら馬連180倍ありました。って空しい「ればたら」ですが(^_^;)。

 それにしても、「ケンするべき」とか「2週連続一覧AB、馬順ABの1、2着が続くだろうか」と書いた通り、一覧トップ2頭の1、2とはならず2、3着。そして、一覧C、馬順Cの1着。以前3強のときは[C→B=A]が面白いと書いたことがあります。この3連単万シューでしたが、今回は1強、2強だったから、推奨できませんでした。

 ただ、私としては「2強2、3着の可能性はある」と見てウラ●を設定したので、ウラ●4着なら、まずまずかなと思います。一方、グランアレグリアの低評価はちょっといただけないところです。
 同馬に関しては以下のように「昨年の桜花賞馬グランアレグリアは56キロが初。しかも前走高松宮が気に入りません」と軽視しています。

--------------
 しかし、これではつまらないので、ささやかなるウラ●(^_^)。
 穴馬多士済々なれど、展開図から後方に位置する馬を1頭指名。
 それは横山典03ノームコアです。牝馬3頭の中ではアーモンドアイ、グランアレグリアに続く3番手評価だから、普通カットですが、唯一光るのは56キロ経験済みである点。父ハービンジャー。
 昨年の桜花賞馬グランアレグリアは56キロが初。しかも前走高松宮が気に入りません。
--------------

 今回の競馬予想を一読法授業とすると、教師である私は「これからウラ●としてノームコアについて語るが、牝馬2番手のグランアレグリアは軽視して3番手のノームコアにしたい」と講義していることになります。
 ここで鋭い生徒なら、「先生、ウラ●について説明すればいいのに、どうしてグランアレグリアのことをまず語ったのですか?」と質問が出ていいところです。
 すると私は「なかなか鋭い質問じゃないか」と応じるでしょう(^_^)。
 書きませんでしたが、実はこの部分「ウラ●としてノームコアとグランアレグリアを候補にあげ、グランアレグリアをカットしてノームコアにした」との意味なのです。いわば途中経過を省略して結論だけ書いた――というわけです。
 なので、いつものほぞ噛み「そっちかよお!」が出たのであります(^_^;)。

 さて、ウラ●候補2頭について説明する前に、昨年の安田記念「回顧」を振り返ります。単勝19倍の福永インディチャンプはわが予想では無印。しかし、インディチャンプの単勝・馬連を買っていた件について書きました。その部分を再掲載します。
 その観点を利用すると、ウラ●候補としてノームコアとグランアレグリアが浮上していたことがわかるからです。ちょっと長いですが、今後の参考になると思われるので、熟読下さい。
---------------
 それが最終的になぜインディチャンプの単勝を買ったか。
 これはもうひとえに「単勝を買いたい馬がいなかったので、もう一度データを再検討した」からです。今回単勝買うなら1、2番人気だけれど、ど本命に回せる大金はない。ウラ●ロードクエストは最低16番人気でどうひいき目に見ても3着がいいところ。「複勝1枚買っとくか」程度です。
 ……そこで「もしも4歳2強が2着以下に落ちて4歳馬から頭が出るとしたら」と推理して3番手インディチャンプを再検討しました。掲示板率100の他に光るデータが2点ありました。

 一つは前走マイラーズCで3番手先行してコンマ2差の4着ながら上がり32.1だったこと。これは3位の上がりであり、トップは32.0。勝ったダノンプレミアムは2番手先行の32.2でした。これは週中知っていたことなので「インディチャンプはダノンプレミアムには勝てない」、所詮3番手の3着候補と思ってそれ以上の検討をやめました。

 ところが、金曜に実近一覧で全馬のデータを算出してみると、この前走32.1の上がりは前走のトップAでした。過去5走でもトップ。わずかコンマ1差でもトップはトップ(^_^)。
 厳密に言うと、同値がもう1頭いてそれが4歳01ケイアイノーテック(マイラーズC7番手から上がり32.1で6着)。
 ここでケイアイノーテックも新たな単勝候補として浮上。しかし、インディチャンプとはコンマ4差だし、インディチャンプが東京コース1戦1勝に対してケイアイノーテックは3戦[1002]。よって穴馬としてはインディ。

 だが、マイラーズCではダノンプレミアムに負けて4着だから、これだけではまだダノンプレミアムの上に行きません(^.^)。

 というのは展開指数予想では15ダノンプレミアムは2番手(前走上がりはC)、05インディチャンプは5番手。全成績・格を比べてもダノンプレミアム上位でしょう。ただ、先行インディチャンプは内枠に入り、ダノンプレミアムは外枠に入った。くじ運はインディチャンプにあったようです。

 その次に東京コース1勝の中身――2走前のG3東京新聞杯を見直しました。
 勝ちタイム良1319とあり、「あれっ意外と早いな」てな感じで、過去の東京新聞杯データを眺めました。すると、驚いたことに1319のタイムは東京新聞杯のレースレコードだったのです。過去のレコードは2010年の1321でした。
 5月以降の東京高速馬場でマイルレコード1305なんてのを見たので、感覚がぼけていますが、真冬の2月にマイル1320を切るレースレコードを出していたとは、「この馬ただ者ではない」と思いました(馬ですが)。

 今回の2強はともにマイル3戦3勝。しかし、アーモンドアイのマイル持ちタイムは桜花賞の1331。ダノンプレミアムは前走の1326。両馬ともまだ1320を切ったことがありません。ただ、アーモンドアイはジャパンカップで芝24レコード2206を出しているので、マイルでも対応できるだろう。しかし、ダノンプレミアムはどうかなあと思いました。それでいつもだったら2強は○→◎の馬単を買っているのに、それは買わないことにしたのです。

 今回1分31秒台の決着となることは必至。もしかしたらそれさえ切って安田記念レコードが出るかもしれない。そのレコード(1313)を持っているのが昨年1、2着のモズアスコットとアエロリットです。インディチャンプは4歳馬で58キロ初ではあるが、すでにマイル1320の壁を破っている。ここでようやく「単勝面白いかも」と思いました。
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 この中で書いたインディチャンプは「2月の東京G3東京新聞杯でレースレコード1319を出していた」――これにあたる穴馬が03ノームコアと11グランアレグリアでした。
 ノームコアについては予想で書きました。
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 ノームコアは昨秋東京G3富士Sにおいて牝馬ながら56キロを背負い、18頭立て4角12番手から上がり2位の33.2で前の馬をぶっこ抜きました。また、その前ヴィクトリアマイルでは4角7番手からやはり上がり33.2で1着(5番人気)。このときのタイム1305は今年アーモンドアイが出した1306よりコンマ1速いレースレコードです。
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 そして、グランアレグリアをこのでんで書くと……
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 昨年の桜花賞馬グランアレグリアは前走3月末の高松宮記念2着以来。このローテはイマイチですが、2走前阪神G2阪神カップ(芝14)を勝ったときがすごかった。18頭立ての8番手追走から上がり1位33.5を出し、コンマ8差のぶっちぎりでした。勝ちタイム良1194は2017年1195をコンマ1縮めるレースレコードです。阪神カップで勝ちタイム1200を切ったのはこの2回しかありません。
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 また、グランアレグリアが桜花賞Vで出したタイム1327は前年アーモンドアイが出したレースレコード1331をコンマ4縮めるレースレコード。
 このようにノームコアだけでなく、グランアレグリアもウラ●候補でした。

 こうしたことを考え合わせると、3番人気とは言え、2強から離れた11倍台の(低)評価。ここはもうちょっとグランアレグリアのレコードぶりを強調すべきでした。

 ただ、言い訳ながらグランアレグリアの前走が芝12の高松宮記念であったこと、個人的にはダービーで3複[◎-○→(3、4番人気を除く)総流し]路線を取りながら、ウラ●は3番人気のルメール・ワーケアを採用して8着敗退だったこと。
 これがトラウマになって(^_^;)3番人気のグランアレグリアに再びウラ●を打つ気になれなかったのです。それに、もっと人気薄の単勝8番人気ノームコアの方が「来たときゃおいしい」との気持ちが勝ったことは間違いありません。

 このように、直前予想のウラ●について(別に書く必要もないのに)「昨年の桜花賞馬グランアレグリアは56キロが初。しかも前走高松宮が気に入りません」と書いたのは、(実はウラ●をグランアレグリアとノームコアで迷い、ノームコアにした)ことを記した記述だったのです。レースレコードが出たときはぜひ注意してください。

 最後にもう一つ。アーモンドアイとインディチャンプの敗因についてはネットでいろいろ語られています。特にアーモンドアイに関しては「出遅れ」と「やや重」馬場、そして初の「中2週」ローテーションが三大敗因ではないかと指摘されています。

 確かに当日午後3時のテレビ中継で「芝は稍重」と聞いて「えっ?」と思いました(前夜結構降ったとか)。けれど、中2週の件はヴィクトリアマイルの勝ちっぷりを見れば問題ないと思ったし、「出遅れ」は癖として認識されていたとは思えません。
 直前にそうしたことを知ったとしても、誰もが「アーモンドアイに◎を打つ」でしょうから、所詮結果論だと言うしかありません。

 むしろ私は知りませんでしたが、「GI8勝目にはルドルフの呪いがある」の方が面白かったです。
 私の競馬歴はシンボリルドルフよりもっと前、モンテプリンスがダービー2着、菊花2着となった短編映画を見て以来の競馬ファンです。

 もちろんシンボリルドルフの活躍も生で見ていたし、GI7勝をあげたことも知っています。が、その後の名馬たちがGI7勝で止まっており、それを「ルドルフの呪い」とは今回初めて知りました。

 さて、そうなるとアーモンドアイの今後。やはり宝塚記念には出走せず、秋に「天皇賞秋→JC…(→有馬?)」の予定だとか。果たしてルドルフの呪いを破るか。はたまた、超えられぬか。後期GIが楽しみです(^_^)。

 以上です。 

 実近一覧の結果は以下。

【安田記念、過去4年の実近一覧結果】

  2020 |2019 |2018 2017 2016 |2020年結果
年=人|着|人|着|人|着|人|着|人|着|番馬       名 着
[1]
A=A|2|A|3|H|1|A|8|C|4|05アーモンドアイ   2
B=B|3|B|16|F|4|F|4|A|2|06インディチャンプ  3
C=C|1|D|1|A|3|09|1|D|5|11グランアレグリア  1
D=E|13|G| |D| |E| |B| |01ダノンプレミアム   13
[2]
E=D| |C|2|B| |B|5|E|3|02ダノンキングリー
F=H| |F|5|10| | | |H| |14ダノンスマッシュ
G=F| |E| |C|5| | | | |09アドマイヤマーズ
H=G|4|09| |G|2| | | | |03ノームコア     4
[3]
QA=10| | | | | |C| |09|1|07ペルシアンナイト
QB=12|5|H| |E| |G|2|F| |08ケイアイノーテック 5
QC=09| | | |09| |D|3| | |13ヴァンドギャルド
QD=11| |13|4|12| | | |G| |10
[4]
QE=14| |10| | | | | |×| |12セイウンコウセイ逃A
QF=13| | | | | | | |×| |04
QG=×| | | | | |H| |×| |
QH=×| | | |11| | | |×| |
QI=×| |×| |×| | | |×| |
QJ=×| |×| |×| | | |×| |
  14  16  16 18 12 ※注「人気」は前日馬連順位

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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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2020.06.06

安田記念、直前予想

 さて、前期GIも残り二つ。
 しかし、明日は創作(予想)意欲の湧かない安田記念(^.^)。

 昔「ケンするレースだ」と言われたり、予想紙でもその言葉を見かけました。
 しかし、賭けない麻雀はつまらないお偉方同様、ケンできないのが競馬ファンの悲しき性(さが)。
 ど本命で終わるだろうと思っても馬券を買ってしまう。それも本命ではなく、穴馬をこしらえ、穴馬券を買い、結果本命サイドで終わって「やっぱりケンだったか」とほぞを噛む。つまり、私のことですが(^_^;)。

 先週のダービー、馬連は1→2番人気、270円でした。
 今週の安田記念、05アーモンドアイ→06インディチャンプの馬連は土曜朝で390円。先週より高いし「ここに1万ぶっこむか?」と空想するのは自由です(^_^)。

 まずは、過去4年の実近一覧結果。
 昨年は一覧トップがアーモンドアイで3着、1着インディチャンプは一覧3位のC(馬順はD)でした。ちなみに2着アエロリットは第2群トップE(馬順B)で「逃A馬」でした。
 また、一覧Dの不振はまだ続いています。今年は01ダノンプレミアムです。

 とにかく大きな傾向としては「一覧ABC中心。トップ3頭より1~2頭抽出。次いで第2群EFGHより1頭、第3群QA~QDより1頭(人気上位が含まれていれば2頭)」の傾向です。
 今年は14頭ということもあって第2群までで決まるのではないかと思います。
 一覧ABを◎○とすれば、3複の相手は第2群の4頭と第1群のCD2頭でしょうか。

【安田記念、過去4年の実近一覧結果】

  2020 |2019 |2018 2017 2016 |2020年結果
年=人|着|人|着|人|着|人|着|人|着|番馬名
[1]
A=A| |A|3|H|1|A|8|C|4|05アーモンドアイ
B=B| |B|16|F|4|F|4|A|2|06インディチャンプ
C=C| |D|1|A|3|09|1|D|5|11グランアレグリア
D=E| |G| |D| |E| |B| |01ダノンプレミアム
[2]
E=D| |C|2|B| |B|5|E|3|02ダノンキングリー
F=H| |F|5|10| | | |H| |14ダノンスマッシュ
G=F| |E| |C|5| | | | |09アドマイヤマーズ
H=G| |09| |G|2| | | | |03ノームコア
[3]
QA=10| | | | | |C| |09|1|07ペルシアンナイト
QB=12| |H| |E| |G|2|F| |08
QC=09| | | |09| |D|3| | |13ヴァンドギャルド
QD=11| |13|4|12| | | |G| |10
[4]
QE=14| |10| | | | | |×| |12セイウンコウセイ逃A
QF=13| | | | | | | |×| |04
QG=×| | | | | |H| |×| |
QH=×| | | |11| | | |×| |
QI=×| |×| |×| | | |×| |
QJ=×| |×| |×| | | |×| |
  14  16  16 18 12 ※注「人気」は前日馬連順位

********************************
 【GI安田記念 実近一覧表】 東京 芝16 14頭 定量58キロ
                  (人気は前日馬連順位)
順=番|齢|馬       名|予OZ{実近}人=[全芝]騎 手|格距TM3F印
A=05|5|アーモンドアイ牝| 1.8{AA}A=[9111]ルメル|◎▲◎ ◎
B=06|5|インディチャンプ| 4.3{BD}D=[8123]福 永|▲◎ ○○
C=11|4|グランアレグリ牝| 5.8{CC}C=[4110]池 添|△△○▲・
D=01|5|ダノンプレミアム| 6.4{DB}B=[6202]レーン|△△  ・

E=02|4|ダノンキングリー| 8.9{FE}E=[5121]戸崎圭|  △ △
F=14|5|ダノンスマッシュ|11.8{GF}H=[8216]三 浦|    △
G=09|4|アドマイヤマーズ|13.0{HH}F=[6102]川 田|○○  △
H=03|5|ノーム コア 牝|14.5{E12}G=[3010]横山典| △▲ ●

QA=07|6|ペルシアンナイト|15.8{0910}09=[3125]田 辺|   △
QB=08|5|ケイアイノーテッ|18.8{1011} =[3216]津 村|   ◎
QC=13|4|ヴァンドギャルド|29.6{11G} =[3012]岩田望|   △
QD=10|5|ミスターメロディ|31.6{1409} =[0001]北村友|

QE=12|7|セイウンコウセイ|34.4{1313} =[0001]内田博|
QF=04|8|ク ルーガー  |41.4{1214}10=[2115]石橋脩|
             TM…タイム優秀 3F…上がり3F優秀
---------------------------
※年齢 4歳=4 5歳=7 6歳=1 7歳=1 8歳=1 頭
※牡牝 牡=11頭(セ=0頭) 牝=3頭 計14頭 
※格
G1V=10頭
 A05アーモンドアイ [7011]牝3冠・JC・ドバイT・秋天・VM
 B09アドマイヤマーズ[3001]2歳朝日杯FS・NHKM・香港M
 C06インディチャンプ[2001]安田記念・マイルCS
 D11グランアレグリア[1110]桜花賞
 E01ダノンプレミアム[1212]2歳朝日杯FS
 F07ペルシアンナイト[1316]マイルCS
 G03ノームコア   [1013]VM(ヴィクトリアマイル)
 H12セイウンコウセイ[1106]高松宮記念
 I10ミスターメロディ[1003]高松宮記念
 J08ケイアイノーテッ[1004]NHKM

G2V=3頭(GIV除く)
 A02ダノンキングリー[2勝]毎日王冠・中山記念
 B14ダノンスマッシュ[1勝]京王杯SC
 C04ク ル ー ガー[1勝]マイラーズC

 昨年1234着馬の馬番(今年の出走馬は馬名付加)

 1着=3枠05番インディチャンプ 今年06番
 2着=1枠02番
 3着=7枠14番アーモンドアイ  今年05番
 4着=3枠06番
----------------
 [枠連順位]
 枠連型=A流れH [A 型] 枠順AB=3.7
 馬連型=A流れG [AB型] 馬連AB=3.8

 枠連=ABCDE/FG/H/ 
 枠順=41726/83/5/
 馬順=AECDF HG 10
 代行=B 14 11 0913 12
 ―――――――――――――
 結果=
------------------------------
 ○ 展開予想

※展開(3Fは前走の上がり優秀5頭)
 逃げ     先行     差し     追込
 12 06 10 14 -01 02 09 04 -11 05 07 13 -03 08
覧 ○ 6 △ 5 ▲ ◎
3F D E C B A
本 ○ △ △ △ ◎ ●

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 ※ 直前予想

 週中から穴馬探しました。一覧作成後も穴馬探しました(^_^;)。
 が、見つかりません。いや、GI馬10頭、GIVのないG2V馬も3頭。
 つまり、重賞Vのない馬は1頭(13ヴァンドギャルド)だけだから、穴馬を抜擢できないわけではありません。言わば多すぎて穴馬を1頭に絞れないということです。

 かと言ってGI2週連続[一覧AB+馬順AB]の1、2着となるだろうか。「どちらかが3着以下じゃないかなあ」と疑念が涌いているけれど、データからはルメール05アーモンドアイを◎、福永06インディチャンプを○とせざるを得ません。

 アーモンドアイのGI7勝、マイル[4010]、東京[5010]。負けた昨年の安田記念3着は明らかに不利を受けてのもの。前走ヴィクトリアマイルは本番というより調教レースだった……と思えば、中2週でも疲れはなし。
 今回牡馬58キロに対して牝馬56キロ。56キロは[1010]だが、3着は昨年の安田記念。もしも同斤量なら「負けるかも」と思えるけれど、牡馬と2キロ差なら、負けない……でしょう(^_^)。父ロードカナロアも文句なし。

 対してインディチャンプ。3歳時クラシックに無縁だったけれど、[2W→3W→G3東京新聞杯(2月に1319のレースレコード)]を3連勝後は一気に目覚めて昨年の安田記念と秋のマイルCSを連勝。父ステイゴールド。
 ときどきポカがあるけれど、前走マイラーズカップを単勝160円の1着。マイルは[7102]、東京[2010]、58キロ[2011]でメンバー唯一の58キロ2勝。

 展開図ではインディチャンプ2番手でアーモンドアイ10番手だけれど、先行馬が多いのでそうなっただけ。前走インディは3、4番手。アーモンドも4番手。上がりはインディ33.0、アーモンド32.9。後ろの馬はもはや抜けない。
 今回両馬は並んで先行。直線でマッチレース。馬連1本。馬単はウラから買うので、インディ→アーモンド。
 3複の3着候補は12枚だし、やはり総流し路線。ダービーの3、4着は一覧F・Hだったから、それも続くようなら第2群の4頭を2倍賭け。

 さて、これをもって「予想終了」で良いのではと思えます。
 しかし、これではつまらないので、ささやかなるウラ●(^_^)。
 
 穴馬多士済々なれど、展開図から後方に位置する馬を1頭指名。
 それは横山典03ノームコアです。牝馬3頭の中ではアーモンドアイ、グランアレグリアに続く3番手評価だから、普通カットですが、唯一光るのは56キロ経験済みである点。父ハービンジャー。

 昨年の桜花賞馬グランアレグリアは56キロが初。しかも前走高松宮が気に入りません。対してノームコアは昨秋東京G3富士Sにおいて牝馬ながら56キロを背負い、18頭立て4角12番手から上がり2位の33.2で前の馬をぶっこ抜きました。また、その前ヴィクトリアマイルでは4角7番手からやはり上がり33.2で1着(5番人気)。このときのタイム1305は今年アーモンドアイが出した1306よりコンマ1速いレースレコードです。

 今回内の3番枠に入ったけれど、ぽんと出て10番手前後に下げ、直線だけの競馬に徹すれば、アーモンドアイの2着かインディチャンプの3着に食い込むかもしれません。ハービンジャー産駒のマイルGIVは2017年マイルCSのペルシアンナイトとこのノームコアの2頭だけ。ドブ捨てと思って◎○への馬単も(^_^;)。

 以上です。

------------------------------
 本紙予想
 印番馬      名 齢 馬順
 ◎05アーモンドアイ牝 5 A
 ○06インディチャンプ 5 B
 △02ダノンキングリー 4 D
 △14ダノンスマッシュ 5 H
 △09アドマイヤマーズ 4 F
 ・11グランアレグリ牝 4 C
 ・01ダノンプレミアム 5 E
 ●03ノームコア  牝 5 G

 さて結果は?

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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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2020.06.01

ダービー、結果とほぞ噛み

 ダービー結果は――冷静なる◎-○、3複ほぼ総流し的中……(^.^)

 1着―福永祐 05コントレイル……………[◎]A 単勝=1.4
 2着―レーン 12サ リ オ ス…………[○]B
 3着―池 添 06ヴェルトライゼンデ……[・]F
 4着―坂 井 01サトノインプレッサ……[・]H
 5着―和 田 13ディープボンド…………[・]QI(一覧順位)
 前日馬順[A→B→G→H→11]枠順[A→B→B’→E]

 枠連=3-6=2.4 馬連=05-12=2.7 馬単=3.5
 3連複=05-12-06=24.8 3連単=51.4
 ワイド12=1.7 W13=7.9 W23=18.3

--------------
 ○ 展開予想結果

※展開(3Fは前走の上がり優秀5頭)
 逃げ     先行     差し     追込
 18 08 12 10 -06 13 05 02 -17 15 09 03 -14 16 11 04 07 01
覧 ○ 6 ◎ ▲ △ 5
3F A D B E C
本 ○ ◎ ●
結 2 3 5 1    4
---------------------------
 本紙予想
 印番馬       名 騎 手 馬 結果
 ◎05コントレイル    福 永 A 1
 ○12サ リ オ ス   レーン B 2
 ●03ワ ー ケ ア   ルメル C  8
 ・06ヴェルトライゼンデ 池 添 G 3
 ・01サトノインプレッサ 坂 井 H 4
 ・13ディープボンド   和 田 11 5

*****************************
 【GIダービー 実近一覧表】 東京 芝24 18頭 定量57キロ
                  (人気は前日馬連順位)
順=番||馬       名|予OZ{実近}人=[全芝]騎 手|格距TM3F印着
A=05||コン トレイル | 1.9{AA}A=[4000]福永祐|◎○◎◎◎1
B=12||サ リ オ ス | 4.7{BC}B=[3100]レーン|○△△▲○2
C=02||アル ジャンナ | 6.7{CB}10=[1210]浜中俊|  ▲
D=03||ワ ー ケ ア | 7.9{DD}C=[2110]ルメル|   △●8

E=14||マイラプソディ |11.1{E09}09=[3002]横山典| △
F=06||ヴェルトライゼン|14.0{09G}G=[2201]池 添|▲    3
G=09||ダーリントンホー|14.0{G10}E=[2021]デムロ|
H=01||サトノインプレッ|18.2{12F}H=[3001]坂井瑠|   ○ 4

QA=04||レクセ ランス |19.5{F13} =[3001]石橋脩| △
QB=08||ビターエンダー |23.6{1014}13=[2112]津 村| △ △
QC=11||ガロアクリーク |24.7{1112}F=[2012]川 田|▲
QD=16||マンオブスプリッ|24.8{14H}14=[2101]北村友| △○▲

QE=17||ヴァ ル コ ス|25.9{1611}12=[2202]三 浦| ○○
QF=15||サトノフラッグ |28.7{17E}D=[3002]武 豊|▲○
QG=07||ブラックホール |32.1{1315} =[2103]石川裕|
QH=10||コ ル テ ジア|45.6{1816} =[2113]松山弘|
QI=13||ディープボンド |58.6{H18}11=[2112]和 田|△△○  5
QJ=18||ウインカーネリア|69.8{1517} =[2204]田 辺|
             TM…タイム優秀 3F…上がり3F優秀
-------------------------------
※年齢 全牡 牡=18頭(セ=0頭) 
※格
G1V=2頭
 A05コントレイル  [2000]ホープフルS・皐月賞 1
 B12サ リ オ ス [1100]朝日杯FS      2
 参考=GI2、3着
 C12サ リ オ ス [1100]皐月賞2着      2
 D06ヴェルトライゼン[0101]ホープフルS2着   3
 E11ガロアクリーク [0011]皐月賞3着

G2V=頭(GIV除く)
 A11ガロアクリーク [1勝]スプリングS(→皐月8人気3着)
 B13ディープボンド [1勝]京都新聞杯(皐月18人気10着後)
 C15サトノフラッグ [1勝]弥生賞(→皐月2人気5着)

 昨年1234着馬の馬番(今年の出走馬は馬名付加)

 1着=1枠01番  2着=4枠07番
 3着=7枠13番  4着=3枠06番 3
-----------------
 [枠連順位]
 枠連型=A流れG [AB型] 枠順AB=3.1
 馬連型=A流れG [AB型] 馬連AB=2.7

 枠連=AB//CD/EF/G/H 
 枠順=36//72/18/5/4
 馬順=AB DC H11 E 12 前日馬順[A→B→G→H→11]
 代行=GF 1017 0915 13 18
 代2= 14 16
 ―――――――――――――
 結果=123 5 4 前日枠順[A→B→B’→E]

**************************
 ※ 回  顧

 福永騎手ダービー2勝目、コントレイル、父ディープインパクトに続く、無敗5連勝のダービー戴冠、おめでとうございます。

 終了後のインタビューで同騎手は「遊んでいた」とか「まだ幼い」などと語っていましたが、いやいやすでに3冠達成を思い描いていたのではないでしょうか。掲げた2本指が3本になるのは確実であるように見えました。

 さて、第87回無観客日本ダービー。決して悪い意味ではなく、声は出ず、燃えることなき、静かなダービー観戦でした(^_^;)。

 馬券は幼稚園児でも予想できる◎→○の結果だし、3複も「◎-○→(3・4番人気を除く)総流し」24倍の的中……ですが、取り立てて自慢できるものではありません(^_^;)。
 何しろ私はウラ●とした3番人気03ワーケアとの3頭絞りに命賭けたので、トリガミに終わりました。

 もしかしたら読者各位は「表の3複でワーケア切っといてウラ●ワーケアはないだろ」と思われたかもしれません。
 これはまーいろいろ考えたあげくの予想であって『相棒』杉下右京をまねるなら、「考えすぎるのがぼくの悪い癖」なのであります(^_^;)。
 前半の予想で終えていれば、少なくとも元取りくらいはありました。

 コントレイルの勝ちタイム2241に対してルメール03ワーケアはきっちり1秒差の8着。3月以来のダービー出走ってほんとに厳しいのですね。

 それはさておき、コントレイル。
-----------------
 特に光るのは2戦目の2歳G3東京スポーツ杯(芝18)です。5番手
先行して上がり1位33.1の勝利。コンマ8差の楽勝でした。しかも勝ちタ
イム1445は2歳全場のレコードです。
 古馬の東京芝18レコードは1442ですから、2歳としては破格。その後
レコード走の反動もなくGI連勝ですから、同世代に敵なし=3冠2つ目
は歩いて帰ってきても獲れる(^_^;)。
-----------------
 と「歩いて帰ってきても勝てる」と書いたとおりの勝利でした。

 コントレイルは内枠を利して互角にスタートすると1角では3番手。
 逃げたのは展開予想どおり田辺18ウインカーネリアンでした。
 これがまたチョーとつけてもいいほどのスロー。良馬場で向こう正面1000メートル通過61.7でした。私がこのあたりで注視していたのは◎コントレイルと○サリオス、ウラ●ワーケアでした。コントレイルは最内をじっと我慢の定速走行。その数馬身後にサリオスと外にワーケア。サリオスは先行と言うより、中団くらいでちょっと後ろ過ぎるように感じましたが、両馬とも東京の上がりはいい。スローのまま直線「ヨーイドン」になれば、「この3頭の123着」と、私の脳内ではその姿しか浮かんでいませんでした。

 ここでちょっと波乱含みの展開発生。先週オークスで2着に食い込んだくせ者横典騎手。14マイラプソディを大外からぐーんとスピードをあげ、先頭に立ちました。「おおーっ」と思ったけれど、取り立てての感慨はなし(^.^)。

 その後再びスローに落ち、残り600から4角。
 馬群をタテに並べると、コントレイルは5番手となりますが、周回ビデオでは前に4頭並んだ2番手の位置。つまり、交わせばいいのは前の4頭だけ。
 それもどんどん右左にばらけてコントレイルは馬なりのまま残り400。馬場の中央を進めば、もう前にも左右にも馬はいません。

 あとはどこでムチをふるうか、だけだったのでしょう。そのとき大外をDレーン12サリオスが追い上げ、コントレイルに1馬身差くらいまで迫っていました。 しかし、意に介さずと言うか、残り200福永がムチを数発。コントレイルはぐーんと伸びてサリオスを引き離すばかり。サリオスのDレーンはその後もムチをふるっていましたが、前に追いつく脚はなく、また同馬の2着が崩れる後方の追い込みもなし。私は静かに◎○の1、2着を見つめていました。

 かくして父ディープインパクトと同じ、無敗5連勝ダービー2冠の達成です。
 コントレイルの上がりは1位の34.0。2着サリオスとは3馬身差(コンマ5)の楽勝でした。前を行った馬にトップの上がりを出されては後ろの馬はお手上げです。
 皐月賞では「残り600のうち最初の200の末脚がすごかった」と書きました。今回ダービーは「最後の200だけで勝ちきった」と言えるでしょう。堂々たる横綱相撲でした。

 今後は休養に入り、おそらく秋初戦に神戸新聞杯を叩いて菊花賞でしょう。
 京都芝30は3角まで中団でも、4角では先行馬群に並ぶ位置までまくっていかねばなりません。つまり、残り600のうち最初の200で切れる脚を使うということです。振り返れば、コントレイルは皐月賞ですでにこのことをやりました。

 私は予想で「ダービーで外枠とかアクシデントで中団待機となったときの走りを皐月賞で試した」と書きましたが、ダービーの楽勝を見ると、皐月賞で試したのは「菊花賞での走り」だったかもしれません。

 考えてみれば、2歳時東京芝18を先行して勝ちタイム1445。上がり33.1を出したとき、「ダービーは勝てる」と予感できたのではないか。そして、ホープフルSを勝ったとき「皐月も勝てる」と思った(のではないか)。
 となると、課題は残り1冠菊花賞での走り。

 コントレイルの5戦は[阪神→東京→中山→中山→ダービー東京]といまだ京都だけ走っていません。秋も阪神神戸新聞杯を経て菊花賞なら、菊花京都コースは初となります。
 そうなると、菊花賞の試走をできるのは中山コースだけ。ホープフルSで3、4番手先行して勝ち、皐月賞では中団から3角まくりで勝った。「もうこれで菊花賞も勝てる」と確信できたかもしれません。なんと「GI2戦を試走に使った?」と言っては言い過ぎでしょうか。結果論ながら、私にはそのように思えました。
 かくして、今後ケガとか故障さえなければ、菊花賞の◎もコントレイルですね(^_^)。

 ところで、日本のクラシック3冠馬は計7頭います。が、いまだ父子2代にわたる3冠馬は誕生していません。
 振り返れば、1984年の3冠馬シンボリルドルフの仔トウカイテイオーが皐月、ダービーまで無敗の6連勝で「父子二代の3冠間違いなし」の馬でした。ところが、ダービー後骨折によって菊を断念。オールドファンなら、その後の復活勝利、骨折長期離脱などよくご存じのことと思います。

 最後は1993年、前年有馬(1番人気11着)以来の実戦。「まさか無理だよ」と940円の4番人気。ところが、「逆まさか」の勝利。今でもよく覚えています。「単勝で一番面白いのはトウカイテイオーだよなあ。1000円買っとこうか」と思いながら、やめたほぞ噛みでした(^.^)。

 以上です。

 最後に実近一覧の結果。今年も第1、第2群8頭内で決着しました。
 第1群の[トップ2頭→第2群4頭]の馬券が正解でした。

【ダービー過去3年の実近一覧結果】

  2020 |2019 |2018 |2017 |2016 |2020年
年=人|着|人|着|人|着|人|着|人|着|番馬      名  結果
[1]
A=A|1|A|4|A|6|F|7|F| |05コントレイル    1
B=B|2|C|2|E|8|H|11|D|5|12サリオス      2
C=10| |D|7|F|1|D|2|E| |02アルジャンナ
D=C| |B|3|B|5|C| |C|2|03ワーケア
[2]
E=09| |10| |17|3|09| |A|1|14マイラプソディ
F=G|3|H|1|D|2|E|5| | |06ヴェルトライゼンデ 3
G=E| | | |10| |B|3|B|3|09ダーリントンホール
H=H|4|G| |C| |A|1|09| |01サトノインプレッサ 4
[3]
QA= | |13|5|H| |11| |H| |04
QB= | | | | | |G| | | |08
QC=F| |E| |G| |10| |G|4|11ガロアクリーク
QD= | |09| | | | | | | |16
[4]
QE= | |F| | | | | | | |17
QF=D| | | | | | | | | |15サトノフラッグ
QG= | | | |11| | | | | |07
QH= | | | |12| |13|4| | |10
QI=11|5| | |09| | | | | |13ディープボンド   5
QJ=16| | | | | | | | | |18ウインカーネ(逃A)
  18   18  18  18  ※注「人気」は前日馬連順位
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 最後にもう一つ。週末は前期東京GIラストの安田記念。
 なんとここに前走ヴィクトリアマイル優勝のアーモンドアイが出走します。
「えっ、それじゃ宝塚記念には出ないの?」って感じです。

 昨年インディチャンプの3着に負けた雪辱なのでしょうか。はたまた阪神に出たくないのか。阪神は1戦桜花賞1着で問題ないと思えますが、東京は6戦[5010]。阪神2200は「負ける可能性あり」と見ているのか。思い起こせば、右回り中山芝25の有馬記念で、不可解な負け(1秒8差9着)をしています。宝塚記念で再度不甲斐ない姿をさらすわけにはいかない、と考えたのかもしれません。

 ただ、いくらヴィクトリアマイルで息もあがらず「歩いて帰ってきた」ように見えたとは言え、中3週の安田記念です。逆に言うと、表の◎としても、負けるかもしれないと思ってウラ●に命賭けやすくなったとも言えます(^_^)。

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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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