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2023.12.26

『続狂短歌人生論』36 前著結論「エネルギーを与え合う」

 今号は「変えることに成功した」ドラマを受けて前著の結論とした部分を再掲載いたします。狂短歌は前と同じです。
 次号は一転して「変えることに失敗した」ドラマについて語ります。
 以前も書いたように次節は『続編』の冒頭に入れる予定だった下書きです。

 本年2月に開始した『続狂短歌人生論』は「2023年中の終了」を目指していました。が、道草多く年越しする羽目になりました(^_^;)。
 読者各位に「もやもや感を抱いたまま新年を迎えるのか」と思わせてしまい、恐縮至極です。

 何しろ一年間いろいろなことを保留して解決策・克服法を提示しないままでした。ちと大げさながら99パーセントの絶望感に浸ったままでは、とても新年を寿ぐ気持ちになれないだろう。なので、年末までにエンドマークを打ちたかったのです。[「寿ぐ」を読めない人は検索を]

 しかも、来年1月は読者をなお絶望の淵に突き落とし(^_^;)、その後ようやく「自分をいかに変えるか、身近の人にいかに変わってもらうか」について語る予定です。
 それはどんでん返しとでも言うべき克服法であり、1パーセントの希望となるはず。2月には完結できると思います。

12月20日 変えることに成功
 〇 エネルギー 与え合うことなきドラマ 変えてうれしい花いちもんめ(^_^;)

12月27日 前著結論「エネルギーを与え合う」―――――――本号
 〇 お互いがエネルギーを与え合う その生き方に いま進むべき

01月10日 変えることに失敗――あなたを襲う悲喜劇と絶望
 〇 変えようと思って歩み始めたが 変えられなくて元の木阿弥

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 本年最後の一読法です(^_^)。
 何もヒントを出さずにこの2号を終えました。
 一読法関連のクイズを「出したいなあ」と思いつつ我慢した。
 読者自身が疑問をつぶやき、独力で答えを考えてほしかったからです。
 しかし、我慢しきれず、妙なヒントを出している。気づきましたか?

 一つは前号狂短歌の末尾に置いた「花いちもんめ(^_^;)」の顔文字。
 もう一つは前号後記の《後記:「………」(筆者無言(^.^)》のところ。
 どちらも「何じゃこりゃ?!」とつぶやいてほしかった。
 そして、狂短歌の方は「変えてうれしい花いちもんめ…なんてどういう意味だあ」とつぶやいたか。また、「後記」では「ははあ一読法のクイズにしたかったんだな」とつぶやけたかどうか(^.^)。

 ともに「狂短歌の意味がわかったか」自ら問い、答えを出してほしかったところです。
 読み終えて疑問の答えを出せた方は結構。
 しかし、得られなかったなら、「結局、狂短歌の意味はわからないままだ」とつぶやくべきです。これら全てをスルーした方は一読法で読んでいません。

 で、疑問をつぶやいたけど、読み終えても意味不明だった方のために。

 まずは「花いちもんめ」をネット検索して意味を確認(再確認)する作業が必要です。
 この遊戯は子どもたちが二手に分かれ、前に進んだり下がったりして「あげーてうれしい花いちもんめ……〇〇ちゃんがほしい」などと歌う。そして、じゃんけんで勝った方が来てほしい人を得るお遊びです。
 だいたい途中で終わることが多いけれど、どちらかがいなくなったときが遊戯の終わり。
 ということは? キーワードは「やりとり」であり「交換する」こと。

 よって、この答えも難しくありません。本文を読まなくとも、答えがわかる。
 もう一度前置きの日付から小見出し・狂短歌を再掲すると、
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12月20日 変えることに成功
 〇 エネルギー 与え合うことなきドラマ 変えてうれしい花いちもんめ(^_^;)

12月27日 前著結論「エネルギーを与え合う」(以下省略)
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 わずか数行の中に「エネルギーを与え合う」が二ヶ所出てきます。まず「与え合うことなきドラマ」とあってこれは反対語(ちょっと難しい言葉では「二項対立の反対概念」)。よって、下の句は「エネルギーを与え合う」と対応していることがわかります。

 つまり、「変えてうれしい花いちもんめ」とは「エネルギーを与え合ってお互い元気になる、うれしい結果になる」という意味です。その例として「花いちもんめ」の言葉を使ったわけです。

 実はもう一ヶ所、つぶやいてほしかったところがあります。
 前号の前置きで書き、今号も書いた以下の部分。
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 次号は一転して「変えることに失敗した」ドラマについて語ります。
 以前も書いたように次節は『続編』の冒頭に入れる予定だった下書きです。
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 これを読んだとき、「確か続編はそろそろ9合目と書かれていた。終わりに近づいているのに、どうしてこんなところに入れたのだろうか」と。これは「作者なぜ」に該当するつぶやきです。
 もしもこうつぶやいて前号を読み、何らかの答えを得られたなら、相当の読書力があると感嘆いたします。出藍の誉れであり、私を超えています。

 というのは、私にはこの答えがわからないからです(^_^;)。
 だから、一読法クイズにもしない。「おいおい」てか?

 22年に前著『狂短歌人生論』をメルマガ公開して本年初めに『続編』を書きつなごうと決めました。続編の構想はすでにあり、下書きもたくさんあった。その冒頭には「変えることに失敗したドラマ」を置く予定でした。そして、続編ではなぜ変えられないか、そのわけを追究することになる。それが本来の構想でした。

 ところが、何となく「続編の先頭に失敗したドラマを置きたくない」と感じた。かくして続編でも四タイプの問題点(第2号「四タイプの老後」)からスタートし、愛の獲得競争や子捨て、原感情について深掘りし、変えることの難しさを書いてきました。終わりが見えたとき、ようやく「本来予定していた続編の冒頭」を取り上げる気持ちになった……という次第です。

 というわけで、もしも読者からこの件を質問されたら、「わかりません。何となくです」と答えるしかない。
 まー人生、何でもかんでも答えがあると考えちゃいけませんて(^_^;)。

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 長~い前置き恐縮です。その分本文は短いです。 [以下「である」体]

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 (^_^)本日の狂短歌(^_^)

 ○ お互いがエネルギーを与え合う その生き方に いま進むべき

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******* 「続狂短歌人生論」 *******

 (^_^) ゆとりある人のための20分エッセー (^_^)

 【『続狂短歌人生論』36 前著結論「エネルギーを与え合う」 】

 いかがだろうか。エネルギーを与え合う三つのドラマを描いてみた。
 読者はこれらのドラマを「ほのぼのドラマ」「非現実的偽善ドラマ」として軽蔑するだろうか。いろいろなほめ言葉を「軽々しいお世辞」としてバカにするだろうか。
 だが、自分のタイプを知り、批判や傍観をやめることで、このドラマは現実となる。

 傍観者タイプは積極的に人と交わり、批判者タイプは自分の批判を抑える。それによってまず自分が変わり始める。同時に相手も少しずつ変化を見せるようになる。
 このドラマは決して作り事ではない。自分のタイプに気づき、その原性格を変え、相手にエネルギーを与えるつき合い方をすることで、徐々にいい人間関係を築いていけるのである。

 要するに、脅迫者は脅迫のドラマをやめ、批判者は批判のドラマをやめる。傍観者は傍観のドラマをやめ、受容者は受容・被害のドラマをやめる。
 それを一言でまとめるなら、脅迫者は怒りのドラマをやめ、批判者は批判(悪口)のドラマをやめる。傍観者は事態をただ眺めるだけのドラマをやめ、受容者は弱者のドラマをやめることである。

 四タイプのドラマをやめることによって、相手からエネルギーを奪うことがなくなる。エネルギーが奪われなければ、人は不快感やむかつき、苛立ちを感じなくて済む。

 そうして、次に自分の持つエネルギーを人に与える生き方に進むべきだ。
 私たちが人と接して明るくなり、元気とやる気が出るなら、それは相手からエネルギーを得たことを意味している。つまり、その人が自分にエネルギーを与えてくれたのである。
 では、どんなときに私たちはいい気分になり、エネルギーが湧いて元気になるだろうか。

 それは人から認められたときであり、ほめられたときである。励まされ、ねぎらいを受けたときである。「よくやった」と言われることはうれしい。人に何か良いことをしたとき「ありがとう」と感謝されることは特にうれしい。

 電車でおばあちゃんに席を譲ったら、にこにこしながら「ありがとうございます」と言われた。それだけでささくれだった暗い気持ちがいっぺんに吹き飛ぶ。正にエネルギーが与えられたことを意味している。

 要するに、エネルギーを人に与える基本とは笑顔と感謝、好意と援助である。相手をあるがままに認め、許すことである。譲ることであり、賞賛とほめ言葉である。それが人にエネルギーを与える基本である。
 そのような交流を果たしたとき、私たちは「明日もやるぞー」と元気もりもり、活発なエネルギーを生み出せるのである。

 このように自分の原性格を理解し、その問題点を改めることは自分を変える第一歩となる。
 そして、私たちはいずれ身近の人を変える道にも進むだろう。そのときエネルギーを与えるつき合い方は大いに役立つはずだ。

 周囲の人々も四タイプのいずれかであり、その悪しき性格を垂れ流している。私たちはより良い関係を築くために、彼らにも変わってもらいたいと思うだろう。
 だが、脅迫や批判によって相手を変えることはできない。傍観もダメだし、相手を全て受け入れる受容でも変わってもらうことは難しい。感謝と笑顔で相手にエネルギーを与えていれば、きっとその人を変えられるはずである。


=================
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:年の瀬も近いとあってチョー短い本論にした――と言うより、この結論部は前号に入れるつもりでした。前号が長くなったので独立させただけです。
 その分『続編』これまでのまとめも含めてちょっと長い後記にお付き合いください(^_^;)。

 前著『狂短歌人生論』の結論(主張)は「自分を変え、相手を変えるためにエネルギーを与える」生き方に進もうということでした。
 対して続編の通奏低音とも言うべきテーマは「変わること、変えることの難しさ」であり、これについて大いに語りました。

 脅迫・批判、傍観・受容の生き方は幼いころから身についた癖である。
 それによって人を支配する生き方が脅迫・批判であり、支配される生き方が全て受け入れ服従すること(受容)であり、支配されないため、傷つかないために傍観する生き方(傍観)であると語りました。
 それは「認められたい、尊敬されたい、愛されたい」生き方でもあり、自分の生き方は正しいと思えば、変えることなど考えもしない――これを縷々語ってきました。

 ではどうするのか。どう生きるのか。いよいよ最後の難所を迎えます。山頂は向こうに見えており、後は上り詰めて下山するだけ。何度も書いているように99パーセントの絶望の後に希望の御来光があります。ご期待ください(^_^)。

 最後に、今年も1年間メルマガをお読みいただきありがとうございました。
 これにて2023年も終わり。

 しかし、昨年始まったウクライナ戦争に終わりは見えず、年末にはイスラエルとガザ・ハマスの紛争も始まりました。
 また、日本と世界各地で発生している異常気象。原因はやはり地球温暖化にありそうです。

 日本では春と秋が短くなり、夏は異様に暑く豪雨・巨大台風が襲来し、北国の冬はドカ雪が降る。世界でもモンスーンや河川氾濫、大規模火災が頻発している。「戦争なんかやっている場合じゃない。敵対関係もやめよう。仲良くしなくていいから、お互い攻撃だけはしないと決め、地球温暖化という共通の敵に立ち向かおうじゃないか」と言いたくなります。日本も世界も防衛費増に振り回されている感じです。

 我々は世界の情勢に対して基本傍観者でいることしかできない。以前『一読法を学べ』の中で遠くの傍観者と近くの傍観者について語りました。近くの傍観者として生きるとは気づくことであり、祈ることではないか。「祈ったって何も変わらない」とつぶやきたくなるけれど、みんなが心から祈り、理屈と感情が一致すれば、祈りは実現するような気がします。

 世界で戦争や飢餓で亡くなる子どもがいれば、足元の日本では2022年小中高生の自殺者が514人で過去最多となりました。世界に引けを取らない(?)悲惨な現実です。
 2022年度の不登校生(小中)の数は検索してください。「そんなに多いのか」とあきれるはずです。日本の学校・教育の敗北と言わざるを得ません。

 世界と人類と地球上の生命体が無事であり、平和に暮らせ、生まれて死ぬまでの生を全うできることを祈りたいと思います。 御影祐 m(_ _)m

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2023.12.25

有馬記念、結果とほぞ嚙み

 お詫び
 週中予想でかなり絞っていたとは言え、「直前予想」を24日に公開することを忘れてしまいました。3複的中があっただけに、紹介したかったところです。
 来年にご期待ください。m(_ _)m

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 今年ラストほぞ噛み回顧も長くなったので見出しつけました(^_^;)。
 テーマは「なぜ逃げた横山和タイトルホルダーは勝てなかったか」。
 全体は長いけれど各項は短いです。ヒマを見つけてお読みください。

  有馬記念回顧

 [1] 勝ち馬サインはみんな思いついたらダメ(^_^;)
 [2] 大外ルメール16スターズオンアースの番手戦法
 [3] 横山和タイトルホルダー向こう正面の大逃げ
 [4] 土曜中山メイン芝2500の走り
 [5] 武豊ドウデュースの3角まくり
 [6] ルメール騎手、舌を巻くすごさ
 [7] タイトルホルダーは大逃げではなかった?
 [8] 当たっていつものほぞ噛み(^_^;)

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【前回GI結果】


 有馬記念結果は――[▲→★→◎]なのに3複的中のみ……のほぞ(^_^;)

 1着―武 豊 05ドウデュース………………[▲] 単勝=5.2
 2着―ルメル 16スターズオンアース………[★]
 3着―横山和 04タイトルホルダー…………[◎]
 4着―横山武 10ジャスティンパレス………[〇]
 5着―松 山 02シャフリヤール……………[?]

 一覧[C→E→QA→H] 馬群[1→2→3→2]
 馬順[C→F→G→A] 枠順[C→A*→F→B]

 枠連=3-8=9.8 馬連=05-16=27.3 馬単=43.8
 3連複=05-16-04=80.5 3連単=421.1
 ワイド12=9.3 W13=12.1 W23=17.2

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 本紙予想結果
 印騎 手番馬       名 馬順 結果
 ◎横山和04タイトルホルダー  G  3
 〇横山武10ジャスティンパレス A(乖)4
 ▲武 豊05ドウ デュース   C  1
 △マーカ06ディープ ボンド  09   15
 ★ルメル16スターズオンアース F  2
 ・池 添15スルーセブンシーズ D(乖) 12
 ・川 田01ソールオリエンス  E(逆) 8
 ・ムーア13タスティエーラ   B   6
 ?松 山02シャフリヤール   H  5

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【有馬記念、過去8年の実近一覧結果】
    一 覧     馬 順     [1234]群
2023年 C→E→QA→H C→F→G→A 1→2→3→2 乖離3着
2022年 C→H→G→QH A→E→C→12 1→2→2→4 乖離2・3着
2021年 B→QA→A→D A→E→B→C 1→3→1→1 乖離2着
2020年 A→QD→C→B A→11→B→D 1→3→1→1 
2019年 F→B→H→C B→C→D→F 2→1→2→1 乖離1・3着
2018年 QB→A→F→QA D→A→09→F 3→1→2→3 乖離1着
2017年 A→G→B→C A→10→C→B 1→2→1→1 
2016年 A→C→B→QE B→A→D→H 1→1→1→4 

 16年以降初めて馬順AかBが2着内に入らなかった。ただ、5種オッズA(10)を除くと、B以下は不安定で、勝った05ドウデュースは単勝ならB。
 同馬は当日朝も馬順はCで単勝B。最終的にも単勝Bだった。
 乖離馬3頭のうち2頭が4、3着。第3群の乖離馬04タイトルホルダーが3着に入った。来年も乖離馬は見過ごせない。

 第1群の3頭が馬順[ECB]ゆえ軸にしづらいが、3歳馬軽視を使うなら、第1群の1頭はC05ドウデュースであった。
 また、前走上がり3Fのベストを第1、第2群から取り上げると、上から[E-B-C-A]の馬。Eの09ヒートオンビートは馬順14位でカット候補。残った[B-C-A]が1→2→4着と馬連・馬単的中。この3頭から第3群乖離馬2頭(特に逃げAは必須)へ流せば、3複3単の的中。
 来年(芝のGI)はこの前走上がりベスト5にもっと着目すべきと反省である。
 これらを勘案すると、上から順に◎〇▲△としていれば「完全的中」だったが、まーこれは結果論(^_^;)。

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 【有馬記念実近一覧表】 中山 芝25 16頭 定量58キロ
                  (人気は前日馬連順位)
順=番|馬       名牝歳|予OZ{実近}[展]3F|馬|乖|3指単複 印着
[1]
A=01|ソールオリエンス 3| 3.5{CA}[14] |E| |CCEF ・8
B=09|ヒートオンビート 6| 4.4{AD}[10]E|14| |
C=05|ドウ デュース  4| 4.5{BC}[8]B|C| |EDBC ▲1
D=13|タスティエーラ  3| 6.9{DB}[4] |B| |BFGE ・6
[2]
E=16|スターズオンアー牝4| 9.8{F10}[11]C|F| |DBFD ★2
F=02|シャフリヤール  5| 9.9{GG}[13] |H| |09100910 ?5
G=10|ジャスティンパレス4|11.5{E11}[09]A|A|乖|AAAA 〇4
H=11|ハ ー パ ー 牝3|13.4{09H}[5] |11| |
[3]
QA=04|タイトルホルダー 5|14.1{1009}[1]逃|G|乖|GGDG ◎3
QB=15|スルーセブンシー牝5|17.0{H14}[12] |D|乖|FECB ・12
QC=14|プ ラ ダ リ ア4|19.2{12F}[7] |13| |
QD=12|ウイン マリリン牝6|20.8{1113}[3] |16| |
[4]
QE=03|オウオウエミーズ牝6|24.4{15E}[15] |15| |
QF=08|ラ イ ラッ ク牝4|28.3{1312}[16]D|10| |
QG=06|ディープ ボンド 6|40.5{1615}[6] |09| |HHHH △15
QH=07|アイアンバローズ 6|40.7{1416}[2] |12| |

 注…「馬」は馬連順「3指」は3複系順位、「単複」は単複順位
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 ○ 展開予想

※展開(3Fは前走の上がり優秀5頭)
 逃げ     先行     差し     追込
番04 07 12 13 -11 06 14 05 -10 09 16 15 -02 01 03 08
覧 △ ▲ 〇 5 6 ◎
3F B A E C D
本◎ ・ △ ▲ 〇 ★ ・ ・
結3 1 4 2 5

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 [枠連順位]
 枠連型=A流れD [AB型] 枠順AB= 8.3
 馬連型=A流れE [A 型] 馬連AB=11.2

 枠連=ABCD/EF//GH/ 
 枠順=8531 72 64  枠順[C→A*→F→B]
 馬順=DACE BG 1110  馬順[C→F→G→A]
 代行=F1409H 1315 1612
 ―――――――――――――
 結果=241 3

 [オッズ分析]
 かなり特異なオッズ相となっている。馬順A[10ジャスティンパレス]が5種オッズ全てAゆえ、しっかりした軸と言えるが、5枠は枠順Aではなく、馬順D・F同居の8枠が補強枠のAとなっている。枠連はAB型でもあるし、A・B2枠で固いとみれば軸はAB枠。しかし、A8枠オトリ、B5枠が消えるかもと思えば、枠CDEF内で枠連が成立するかもしれない。枠GHはおそらく来ないと思われるが、オッズからは断言できない。

 馬順はAからGの7頭までとH以下に段差があり、5種オッズもこの7頭がAからG。ただし、B~Gは全く不安定で何が来るか決め手はない。
 おそらくこの上位7頭から123着が出ると思われるが、8位9位の02シャフリヤール、06ディープボンドの激走も考えられる。この2頭は枠CDの代行に入っている。8枠代行のF(16スターズオンアース)ともども注意したい。

 これだけ乱れているとお勧めは「ケン」だが、有馬だけに参加はしたい。
 となると5種オッズ5Aの一覧乖離、馬順A10ジャスティンパレスを軸として薄目のF2枠E7枠への流し。そして、この3枠が消えたときのウラACD枠の831ボックスを買うか。

 有馬の8枠は不利とあれだけ言われているのに、枠Aに入ったのは解せない。馬順D・F同居が枠順Aになるには相当買われているということ。
 もしかしたら8枠は補強枠として固いかもしれず、枠順A流しF・Eのボックスも買っておきたい。
 お勧め枠連
 馬順A(枠順B)軸→EF枠=5→2・7
 ウラ枠順ACDボックス=8・3・1
 枠順A[馬順DF]-E-Fボックス=8・7・2

 [結 果]

 ウラの枠順A-C的中だが払い戻しは安い。
 オッズを眺めて不思議だと思うのは同枠に上位人気2頭が入ると、必ずと言っていいほど枠順が上昇すること。今回A8枠はオトリではなく補強枠だった。
 いつもの有馬なら「8枠不利」が広がるはずなのに、8枠がAになるということは買うべきと思うファンが多かったことを示している。
 だが、毎回そうかと言うと、やはりオトリとなって消えることも多々ある。
 なんとかこの秘密を探したいところだが、いまだ不明である。

*************************
 ※ 回  顧


[1] 勝ち馬サインはみんな思いついたらダメ(^_^;)

 この日当地は雪も消え、寒いなりに穏やかな陽気となって今年最後のいとことの競馬を楽しみました。

 いとこの◎は横山武10ジャスティンパレス、私の◎は兄の横山和04タイトルホルダー。当然馬連馬単買っている。
「この2頭のワンツーだったら、二人とも万々歳ですね」などと言いながら、スタートを待ちました。

 私は「今年有馬のサインはタイトルですよ」と言って大谷翔平、阪神優勝、そして藤井聡太八冠のことを(忸怩たる思いで)語りました(^_^;)。直前予想で藤井八冠のことを書くのをすっかり忘れていたからです。
 メルマガ配信後ネットコラムを見て「しまった」と思うと同時に、「これだけ気づかれていると、勝つのは難しいかも」と一抹の不安もよぎりました。

 ちなみに、大谷翔平から「タイトル」のサインではなく、ドジャース入団から[ドウジャース→ドウデュース]とつないだサインを思いついた人がいたようです。
 こちらでしたね(^.^)。


[2] 大外ルメール16スターズオンアースの番手戦法

 そして、3時40分スタート。
 直後度肝を抜かれる大事件(と私には思えた)がありました。
 大外ルメール16スターズオンアースがなんとするする出るや、04タイトルホルダーの番手についたではありませんか。
 4角ではもう2番手。ルメールマジック早くも炸裂(!)と見えました。

 テレビ画像はスタート直後の様子を手前から映します。
 そのとき私はいやーな予感を覚えました。横山和タイトルホルダーが出遅れたかのように激しく手綱を動かして「一生懸命」先頭に出ようとしていたからです(帰宅後周回ビデオを見る限り出遅れはなかった)。

 対して大外ルメール16スターズは鞍上が軽~く手を動かすだけなのに(そう見えた)、まるで先頭に立つかのように離れた外を04タイトルホルダーと並走し、やがて番手に落ち着きます。
 私は「なんというしたたかさ、なんという謀略(^_^;)」と感じました。

 スターズオンアースは前2走4、5番手を先行しているけれど、その前は10番手以降を追い込んでいます。今回の展開予想図でも差しの11番手。

 直前予想で書いたように、同馬は大外だし中団か後方追い込みに賭けるのではと推理しました。もしかしたら逃げる横山和騎手もそう思ったかもしれません。
 それがまさかの(?)大外から番手奪取。しかもタイトルの直後でプレッシャーをかけるかのような走り。なんという騎手でしょう。


[3] 横山和タイトルホルダー向こう正面の大逃げ

 その後淡々と流れて馬群は向こう正面へ。
 ここでまたいや~な予感を覚えました。横山和タイトルホルダーが後続をぐいぐい引き離したのです。最大10馬身くらいつけたでしょうか。向こう正面テレビ馬です。「離したい気持ちはわかるけど、残る脚があるかなあ」とまたもかすかな不安。

 単騎の逃げなんだから自分のペースで一貫してスローに落とせば、直線短い中山だからぎりぎり粘れる――そう予想したのに、激しい逃げを敢行した。
 最初からそのつもりだったのか、はたまた番手ルメール16スターズの圧力から逃げたかったのか。そこはわかりません。
 有馬は奇数なのでペースはわかりづらいけれど、公称ミドルペース。

 タイトルホルダーは芝25を4戦して[2002]。2勝はともに中山G2日経賞で、4歳時は稍重を逃げて勝ちタイム2354(57キロ)。今年は不良馬場を途中から逃げて2368(59キロ)。負けた2回はともに有馬記念(良)で、(菊花V後)の3歳時は番手から5着が2325、昨年逃げて9着が2341。
 単純に比べ辛いけれど、同馬はスローでタイムがかかったときに激走する馬だと思います。今回ドウデュースの勝ちタイムは良2309。過去10年の2位。タイトル向こう正面の大逃げはこの速いタイムを引き出したのではないか。

 結局、タイトルホルダーにとって自身がつくった二つのハイペース――スタート直後と向こう正面のペースアップ――によって直線残り200の末脚が失われたような気がしてなりません。


[4] 土曜中山メイン芝2500の走り

 ただ、タイトルホルダーの走りには伏線があります。
 前日中山11レースの3Wハンデ(芝25)のグレイトフルS、ご覧になったでしょうか。16頭立てが取消で15頭出走。
 近年このパターン――日曜メインの同距離下級戦が土曜日に組まれること――が増えています。「どうぞ馬券の参考に」とでも言うかのように。

 中山11レースの大外16番に牡6歳横山和ホウオウエクレールが出走していました。35戦[356.21]、一覧F、馬順E。展開図では逃げA。単勝6番人気でした。
 ちなみに、このレースに(有馬主力の)武豊・ルメール・横山武・川田らは出ていません。阪神に行きました。メインがG2阪神カップだからでしょう。

 ということは横山和騎手にとって逃げ戦法を試す絶好のチャンスだったはず。
 その通り横山和は大外16番から軽くしごいて先頭馬群3頭と並走。そして、1週目ゴール前では[02-07-16]の順で3番手に落ち着く。私はずっと同馬を見続けました。

 すると、向こう正面で佐藤02プリマヴィータが大逃げを打ちます。離れた2番手原07ダノングロワール。3番手横山和16ホウオウエクレール。
 最大10馬身くらい開いたでしょうか。

 しかし、3角あたりで02プリマは後続につかまる。番手07ダノンの脚色よく、馬なりで4角へ。そのとき横山和ホウオウは盛んに手が動いている……。

 そして、直線で伸びてきたのは中団の差し馬。3番人気が[9-8-10-8]から1着。2着も[7-7-7-6]の1番人気。番手だった07ダノンが3着に残りました。
 勝ちタイム2320。横山和16ホウオウはコンマ6差の5着。向こう正面大逃げの02プリマは最下位でした。

 長々と書いて恐縮ながら(日曜夜レースビデオを見直して)このレースをまとめるなら、《大逃げはつぶれた・大外でも先行できる・差しも届く・タイムは意外と速い》でしょうか。

 このレース、阪神から戻った有馬主力は当然ビデオを見たでしょう。
 先ほど私は「ルメール大外からまさかの番手」と書きました。
 いやいや、彼は前日メインの横山和大外3番手先行を見て急きょ有馬の番手先行を考えたかもしれません。

 逆に前日の競馬を活かせなかったのは横山和のように思えます。(残念なことながら)横山和タイトルホルダーは前日つぶれた「向こう正面逃げ馬」と同じことをやってしまったからです。

 前日は大外から楽に先行できた。だが、本番のタイトルホルダーはスタート直後の行きっぷりが悪く、激しくしごかねばなならなかった。前日同距離を同タイプで乗ったことがかえって悪い方に働いたような気がします。


[5] 武豊ドウデュースの3角まくり

 勝った武豊騎手も当然土曜中山メインを見たでしょう。
 こちらは1、2着馬の差しが届いたところに注目した(のだと思います)。
 直線短い中山、芝25は先行有利、せめて中団にいるべき――の定説に反して武豊は後方追走を選択した。
 1番人気横山武10ジャスティンパレスも最後方でしたが、こちらは出遅れたようです。レース後「腹くくって直線だけに賭けるしかなかった」と語っていました。 それでも僅差4着だから、出遅れがなかったら勝ち負けだったかもしれません。

 武豊だけでなく、ルメールも川田も向こう正面でタイトルホルダーが大逃げ打ってもあわてなかった。しかも、武豊ドウデュースは3角まくりまでやってのけた。 ジャスティン横山武はドウデュースをマークしてついていくつもりだったようです。が、まくれなかった。ここも4着の敗因のようです。

 1~4着馬のタイム系データとコーナー通過順を列挙すると以下のとおり。
                 タイム 後3F コーナー通過
 1着―武 豊 05ドウデュース[▲]2309 34.3 13-13-8-3
 2着―ルメル 16スターズオン[★]2310 34.8 2-2-2-2
 3着―横山和 04タイトルホル[◎]2312 36.2 1-1-1-1
 4着―横山武 10ジャスティン[〇]2312 34.4 16-16-12-9

 勝ちタイム2309は過去10年の2位。中山芝25レコードは2295(2004年有馬記念ゼンノロブロイ)だから、かなり速いです。
 1着05ドウデュースと4着10ジャスティンパレスは最初からほぼ後方数頭の中にいました。上がりを見ても3頭が34秒台、タイトルホルダーのみ2秒近く遅い36.2。
 アタマ差3着に粘って私に3複馬券をプレゼントしてくれました(^.^)が、ゴールがあと10メートル先だったら、4着か5着だったでしょう。

 要するに、勝ちタイムから類推すると、公称ミドルペースと言いながら、タイトルホルダーがつくったペースは結構ハイだった。だからこそ武豊ドウデュースと横山武ジャスティンパレスは追い込みが届く走りを見せた。

 武豊ドウデュースの勝ちは3角まくりでした。先週朝日杯で犯したミスを今度はしないぞとばかりに、後方で脚をため、3角まくりを打って4角では早くも2番手。しかも大外。そこから上がり1位の34.3で真ん中を突き抜けました。

 ルメールが前日の同距離レースを見て大外からの先行を決めたなら、武豊は「後方からの差しでも届く、馬の調子が良ければ3角まくりも」と決意したのかもしれません。


[6] ルメール騎手、舌を巻くすごさ

 もう一つ。ルメールマジックのすごさを書いておきたいと思います。

 スタート直後大外から番手につける、向こう正面では離れても番手(=後続馬群の先頭)をキープする。その後3角から4角にかけて後続が一気に彼を抜こうとしました。
 そのときルメール16スターズオンアースはまだ追わない。直後のムルザ14ブラダリアが前へ出るのを許しています。

 こういうときの感想を「舌を巻く」と言うのでしょう。彼はここでも脚をためたのです。この走りが直線最後で逃げたタイトルホルダーをとらえ、2着を確保させた理由だと思います。

 違い過ぎる……と言うしかありません。
 横山和とルメール騎手。彼我の差は一体どれほどあるのでしょう。並みの日本人騎手には到底追いつけない差のように感じます。

 以下のように書くと、ちょっときつすぎるかもしれません。
 が、敢えて「ればたら」を言うと、もしもタイトルホルダーにルメールが乗っていたら、勝ったのではないか。そう思えてなりません。

 横山和騎手はルメールの騎乗ぶりをとことん研究して精神修養を積んで、来年こそ重賞・GI勝利に活かしてほしいもんです。


[7] タイトルホルダーは大逃げではなかった?

 ――とここまで書いて(最近恒例の)「待てよ…」(^.^)。

 私は横山和騎手の騎乗ぶりを批判しています。前日向こう正面大逃げを打ってつぶれた逃げ馬と同じことを「本番でなぜやるんだ」と。

 有馬は2500という奇数レースなので、ペースや1000通過がわかりづらい。
 ただ、公称《ミドルペース》というのが引っかかりました。
 タイトルホルダー向こう正面の大逃げは本当にハイペースの逃げだったのだろうかと。画像からは後続をかなり離してはっきり大逃げとわかりました。

 しかし、ここが画像と実際の不明瞭なところで、向こう正面の見た目はタイトルホルダーが激しく逃げているように見えた。が、もしかしたら後続馬群がペースを落として脚をためたのかもしれません。

 そこでラップタイムを確認しました。すると、最初の100が7秒、次の200が11.3とやや速い。ただ、これはどのレースもだいたい同じ。
 次300以降のラップ平均は1900メートルまで(つまり残り3F地点)12.1。正に平均ペースではありませんか。

 となると、タイトルホルダーは向こう正面大逃げに見えたけれど、決してハイペースの逃げではない。平均ペースの逃げなんだと。今も書いたように、ただ後続がついていかなかったのです。

 となると、こう言うべきかもしれません。「むしろスローに落として逃げるべきだった」と。

 先ほど書いたようにタイトルホルダー過去2回の有馬(良)の最速タイムは2325。
 今回コンマ3差の3着ながら、逃げて2312のタイムで走っています。
 タイトルホルダーにとってベストタイムであり、2312も良馬場過去10年の2位にあたります。並みの年だったら勝って不思議ない走破タイムなのです。

 近年の有馬で逃げて勝った馬と言えば、2017年の有馬を思い出します。
 逃げて勝った武豊キタサンブラック(引退公言)のタイムは良2336でした。
 タイトルホルダーより2秒も遅い(^.^)。

 あれっと思って17年の有馬ラップを調べてみました。
 すると武豊キタサンブラックはずっと逃げているのに道中6Fを[13.3-13.2-12.8]のどスローで走っていました。
 同馬の上がりは35.2。上がり最速34.3の馬がいたけれど、逃げ馬にこの上がりを出されると後続は届かない。

 再度ればたらを言うと、もしもタイトルホルダーがずぶといスローに落として上がり36.2ではなく、コンマ5縮める35.7で走っていたら、もちろん楽勝でした。

 いや正確に言うと、タイトルホルダーは2F12秒の平均ペースで走った。ところが、後続はスローに落としていた。またも「ればたら」ですが、後続が同じ平均ペースで走ったら、直線で末脚をなくし、タイトルホルダーが勝った可能性が高い。

 私はこの比較からちょっと妙なことを思いました。
 17年有馬で引退馬キタサンブラックが道中どスローに落としても、後続は先頭を走らせた。おかげでキタサンブラックは1番人気に応えて有終の美を飾れた。

 今回もしかしたら他の騎手は「タイトルホルダーが勝っていい」と思っていたかもしれません。タイトルホルダーがスローに落としても、誰も競りかけることなく淡々とスローで走った……。あのルメールでさえ。

 ところが、横山和騎手だけは「スローに落としたら絡まれる。先頭を奪われる」と不安にとらわれたのではないか。もちろん平均ペースで走っても「タイトルホルダーなら勝てる」と思った、そちらが強いかもしれない。

 一方、後続騎手たちは「このペースでタイトルホルダーに勝たれたらあきらめるしかない。だが、もしもつぶれたら自分の馬が勝てる可能性がある」と思った。
 その騎手が武豊であり、ルメール、横山武だったのでしょう。


[8] 当たっていつものほぞ噛み(^_^;)

 毎回恒例のほぞ、オーラス有馬でもありました。
 もちろん理屈が当たった点は自分を誉めたい(^.^)。

 今年の3歳馬は4歳馬と比較して強くないと見た通り、3歳龍虎は6着、8着でした。
 そして、ルメール公開枠順抽選の言葉について以下のように書きました。
--------------------
 それにくじ引き前ルメールがつぶやいた、「(空いていた)01番と16番はいや」の言葉も引っかかります。これはむしろ逆かもしれない。「鬼門と言える01番16番に入ったら、自分がどうにかして見せる」の思いが隠されているのではないでしょうか。
--------------------
 これがズバリだったから驚きます。今後はルメール大明神と言うしかありませんね。

 が、勝ったのは武豊大明神。私は「GI・中山・58キロでいまだ勝てていない点、連単軸としては苦しい」と見ましたが、見事中山・GI・58キロで勝たせました。しかも、お年を感じさせない3角まくり。脱帽です。まだまだ若いです(^_^)。

 種牡馬争いでは、ディープ産駒ジャスティンパレスが4着。ドゥラメンテ産駒のスターズオンアースとタイトルホルダーが2、3着。そして、ハーツクライ産駒ドウデュースの1着。
 この4騎手のムチ打ち、数えました。ちょっと多すぎるけれど、まー最後だから許容範囲でしょうか。

 また、週中予想で以下のように書きました。
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 まだ武豊ドウデュースを軸にするか決めていないけれど、実はルメール・イクイノックスがここ有馬に(引退レースとして)出走してほしかった。
 そうすれば、ハーツクライ産駒の武豊ドウデュースが彼らに土をつける――なんて痛快ではありませんか。そんなラストを想像していたのです……(^_^;)。
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 イクイノックスは宝塚→秋天→JCを3連勝。斤量は全て58キロ。そして、前2走は3番手先行。
 もしもここに鞍上ルメールのイクイノックスが出ていたら、枠に関係なくタイトルホルダーの番手か3番手先行したでしょう。

 最後は(この想定レースでも)武豊ドウデュースが3角まくりを打つ。昨年のダービーではドウデュース1着、イクイノックス2着でした。その再現があったかもしれません。
 そのときは間違いなく武豊ドウデュースに◎を打ったはず。
 見たかったなあ……(^_^)。

 最後に馬券について。
 一覧と1着から4着の結果をご覧になってわかるように、今回私がつけた印は[◎〇▲]と人気薄ディープボンドの[△]。3歳馬と8枠両馬に[・]。しかし、最後に大外ルメール16スターズオンアースを[★]印として復活させました。

 つまり、AからGまで7頭のうち重い印をつけたのは4頭。これが1~4着だから参ります。3複80倍が的中したのでトータルプラスだけれど、忸怩たる的中です(^_^;)。

 ゴール前100メートル、私は「残れ、残れ」と叫びました。
 タイトルホルダーが1着なら完全的中だし、2着でも3複・馬連の的中がある。なのに3着。
 ところが、10ジャスティンと02シャフリヤールの急追でまたも「残れ、残れ」の大絶叫(^.^)。辛うじての3着確保でした。

 もしもタイトルホルダー4着なら重い印をつけた馬4頭が1~4着内に入ったのに、一つも当たらないというほぞを噛むところでした。
 同タイムアタマ差3着の横山和タイトルホルダーに感謝至極です(^_^)。

 以上です。

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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:今年もほぞ噛み予想にお付き合いいただき、ありがとうございました。
 後期は実近一覧、乖離馬など結構活躍した気がします。両者を合わせると4頭絞りができていることも多かった。だからこそほぞ噛みも相変わらず。
 まー題名が題名だけにしょんなかです。来年は「ほぞ無し予想」とでも改名しましょうか(^.^)。

 今年も昨年に続いて競馬収支は赤字。せめて原点回収を目指しているのですが思うにまかせません。
 昨年も書いたようにウクライナ戦争はいまだ終わりが見えず、年末新たにイスラエル対ガザの人殺し戦争も始まってどうしても影響を受けます。
 私たちには早く終わってと祈るしかありません。

 それでは、皆様のご多幸を祈って良い年をお迎えください。

 ――と書いて今年のほぞ噛み予想を終えるところですが、27日(水)配信予定の別稿『続狂短歌人生論』が本年ラストメルマガとなります。最後のご挨拶はその中ということで。 御影祐

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有馬記念、直前予想

 長~い前置きを独立させたのだから、「ここで書くことはないだろう」と思ったら、公開枠順抽選で面白いことがありました。みな内枠から5枠までに決まるとほっとし、外に決まると顔をしかめる(^.^)。

 池添スルーセブンシーズが8枠15番に決まり、何も言えずに降壇。それをにたにたして見ていたルメール・スターズオンアースの番になり、ルメール騎手が「01番と16番はいや」と言った。すると、なんと大外16番枠を引く始末。彼「心が痛い」と頭を抱えていたそうです。
 夜その画像を見て私は「しめしめ」(^_^;)。

 一方、重い印をつける予定の武豊05ドウデュース、横山和04タイトルホルダー、横山武10ジャスティンパレスはいい枠をゲットしました。これでこの3頭の◎〇▲決定。そうなるとウラ●は?

 でふっと思いました。大外ルメール16スターズオンアースがこれで低人気になるようなら、「この馬をウラ●にしようか」と(^.^)。

 そもそもスターズオンアースが優秀なことは間違いなく、昨年のオークス(18頭立て)ではルメール乗り替わりで、大外18番から7、8番手につけて勝っています。
 東京芝24の8枠は不利ではなく、ここは中山(1戦2着)だから、簡単ではないと思います。しかし、騎手は唯一無二(?)のマジック実践者ですからね。


 まずは過去7年の実近一覧結果から。

【有馬記念、過去7年の実近一覧結果】

    一 覧     馬 順     [1234]群
2023年 →→→ →→→ →→→
2022年 C→H→G→QH A→E→C→12 1→2→2→4 乖離2・3着
2021年 B→QA→A→D A→E→B→C 1→3→1→1 乖離2着
2020年 A→QD→C→B A→11→B→D 1→3→1→1 
2019年 F→B→H→C B→C→D→F 2→1→2→1 乖離1・3着
2018年 QB→A→F→QA D→A→09→F 3→1→2→3 乖離1着
2017年 A→G→B→C A→10→C→B 1→2→1→1 
2016年 A→C→B→QE B→A→D→H 1→1→1→4 

 全体を眺めれば、第4群は1頭も123着に入っていません。今年も続くか。
 乖離馬の入着も多いので今年も注意すべきでしょう。

 昨年以下のように書きました。
 21年までの6年間は「一覧トップABが馬順AかBになると6回中5回で馬連軸、残り1回の19年は第2群(F→B)の馬が1着。つまり、馬順AかBが軸である」と。

 ところが、去年一覧ABは馬順DFで一覧CDが馬順ABでした。
 これがルメール3歳イクイノックスと横山和4歳タイトルホルダー。
 私はこの2頭を〇・◎。結果はイクイ1着、タイトル(なぜか)9着。
 そして、第2群GH2頭が馬順CEの乖離馬でした。私は上を[・]、下をウラ●。結果、この2頭が3着、2着。
 一応馬連・3複が当たったけれど、ビミョーな払い戻しでした。

 今から振り返れば、過去7年馬順Aは4回1着、2回2着(唯一着外の19年は馬順[BCD])。
 結果論ながら、第1群の馬順ABは小さな乖離であり、第2群の乖離馬2頭と合わせて究極の4頭絞りであったことがわかります。
 さて、今年はどうか。

 有馬記念と言うのはだいたい馬順A(1番人気)の連がらみが多い。
 ちなみに、馬順Aが着外に負けた2019年の有馬ど1番人気(単勝150円)の馬名覚えていますか? 私、もちろん思い出せず(^_^;)。

 検索して驚きました。アーモンドのような目がかわいかったあの女傑です。結果、馬順[B→C→D](単勝もこの順)の3複1万、3単5万でした。

 今年はど1番人気不在だから、このパターンではないと思います。
 将来ど本命1番人気出走のとき、あと2枚買い足しておきましょう(^_^)。

**************************
 【有馬記念実近一覧表】 中山 芝25 16頭 定量58キロ
                  (人気は前日馬連順位)
順=番|馬       名牝歳|予OZ{実近}[展]3F|馬|乖|3指単複 印着
[1]
A=01|ソールオリエンス 3| 3.5{CA}[14] |E| |CCEF ・
B=09|ヒートオンビート 6| 4.4{AD}[10]E|14| |
C=05|ドウ デュース  4| 4.5{BC}[8]B|C| |EDBC ▲
D=13|タスティエーラ  3| 6.9{DB}[4] |B| |BFGE ・
[2]
E=16|スターズオンアー牝4| 9.8{F10}[11]C|F| |DBFD ★
F=02|シャフリヤール  5| 9.9{GG}[13] |H| |09100910
G=10|ジャスティンパレス4|11.5{E11}[09]A|A|乖|AAAA 〇
H=11|ハ ー パ ー 牝3|13.4{09H}[5] |11| |
[3]
QA=04|タイトルホルダー 5|14.1{1009}[1]逃|G|乖|GGDG ◎
QB=15|スルーセブンシー牝5|17.0{H14}[12] |D|乖|FECB ・
QC=14|プ ラ ダ リ ア4|19.2{12F}[7] |13| |
QD=12|ウイン マリリン牝6|20.8{1113}[3] |16| |
[4]
QE=03|オウオウエミーズ牝6|24.4{15E}[15] |15| |
QF=08|ラ イ ラッ ク牝4|28.3{1312}[16]D|10| |
QG=06|ディープ ボンド 6|40.5{1615}[6] |09| |HHHH △
QH=07|アイアンバローズ 6|40.7{1416}[2] |12| |

 注…「馬」は馬連順「3指」は3複系順位、「単複」は単複順位
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 ○ 展開予想

※展開(3Fは前走の上がり優秀5頭)
 逃げ     先行     差し     追込
番04 07 12 13 -11 06 14 05 -10 09 16 15 -02 01 03 08
覧 △ ▲ 〇 5 6 ◎
3F B A E C D
本◎ ・ △ ▲ 〇 ★ ・ ・

--------------
 [枠連順位]
 枠連型=A流れD [AB型] 枠順AB= 8.3
 馬連型=A流れE [A 型] 馬連AB=11.2

 枠連=ABCD/EF//GH/ 
 枠順=8531 72 64
 馬順=DACE BG 1110
 代行=F1409H 1315 1612
 ―――――――――――――
 結果=

 [オッズ分析]
 かなり特異なオッズ相となっている。馬順A[10ジャスティンパレス]が5種オッズ全てAゆえ、しっかりした軸と言えるが、5枠は枠順Aではなく、馬順D・F同居の8枠が補強枠のAとなっている。枠連はAB型でもあるし、A・B2枠で固いとみれば軸はAB枠。しかし、A8枠オトリ、B5枠が消えるかもと思えば、枠CDEF内で枠連が成立するかもしれない。枠GHはおそらく来ないと思われるが、オッズからは断言できない。

 馬順はAからGの7頭までとH以下に段差があり、5種オッズもこの7頭がAからG。ただし、B~Gは全く不安定で何が来るか決め手はない。
 おそらくこの上位7頭から123着が出ると思われるが、8位9位の02シャフリヤール、06ディープボンドの激走も考えられる。この2頭は枠CDの代行に入っている。8枠代行のF(16スターズオンアース)ともども注意したい。

 これだけ乱れているとお勧めは「ケン」だが、有馬だけに参加はしたい。
 となると5種オッズ5Aの一覧乖離、馬順A10ジャスティンパレスを軸として薄目のF2枠E7枠への流し。そして、この3枠が消えたときのウラACD枠の831ボックスを買うか。

 有馬の8枠は不利とあれだけ言われているのに、枠Aに入ったのは解せない。馬順D・F同居が枠順Aになるには相当買われているということ。
 もしかしたら8枠は補強枠として固いかもしれず、枠順A流しF・Eのボックスも買っておきたい。

 お勧め枠連
 馬順A(枠順B)軸→EF枠=5→2・7
 ウラ枠順ACDボックス=8・3・1
 枠順A[馬順DF]-E-Fボックス=8・7・2

**************************
 ※ 直前予想

 まず基本的データとして年齢構成。
 3歳=3 4歳=5 5歳=3 6歳=5頭 計16頭

 次に牡馬・牝馬構成。牡馬=10 牝=6頭

 基本3歳牡馬対古馬牡牝というのはやはり斤量のせいでしょう。
 過去10年3歳馬は3着内に7回。2頭入着も2回。1着4頭。
 3歳の前走は菊花賞か秋天。
 3着内7回ということは逆に言うと3回は古馬独占。

 一方、古馬だって10回中10回3着内に1頭は入っている。古馬独占が13年(5-5-4歳)、17年(5-5-牝5歳)、20年(牝4-牝5-5歳)の3回ある。

 この3回3歳馬の頭数と人気が以下。
 13年の3歳馬は3頭(人気14、15、16)
 17年の3歳馬は3頭(人気2、11、12)
 20年の3歳馬は2頭(人気7、10)

 このうち17年の2番人気は234着同タイムの4着だから、3歳馬の人気上位は軽視できないようだ。ちなみにこの年の1着はあのキタサンブラック。
 今年の3歳牡2頭はともに前走菊2、3着。週中予想で書いた通り、私は軽視する(^_^;)けれど、過去データからは1、2着だってあるかもしれない。

 次に軽視できないのは牝馬。
 過去10回中6回3着内。1着3頭。20年は[牝4-牝5-5]で2頭入着。ただ、あと5回は牝馬入着1頭のみ。
 入着馬はだいたい上位人気が多い。今年は6頭と多く、上位人気は8枠両馬。
 ただ、鬼門の8枠に入ったので、私は「良くて3着」と軽視。

 最後に気になるのは6歳馬5頭の多さ。
 しかし、過去10年6歳馬の入着は18年3着ボウマン15シュバルグラン1頭しかいない。9番人気。
 この年6歳馬の出走は2頭で人気は7、9。ただ、7歳以上も4頭出ていたので、「6歳以上」としてカウントすると16頭中6頭。

 今回4、5歳馬が強いので厳しいと思うし、人気も下位。しかし、もしかしたらの3着として1頭は印を付けたい。候補は一覧第1群Bの09ヒートオンビート、第4群の06ディープボンド。ここで検討しておきたい。

 まず坂井09ヒートオンビート。
 一つ勝つのに5戦かかって3歳時は下のクラスをうろちょろ。ただ、OPまでの13戦[4513]、なおかつ全て5着内。そして、4歳5月の目黒記念後から重賞13戦の成績が[1345]。なかなか勝てなかったけれど、6着以下は3回だけと堅実。
 また、G2の鬼で8戦[1133]。ただし、GIに関しては昨年春天の1戦で4着(5人)。

 一覧が第1群Bなのはこれらのデータと芝25が6戦[1131]の実績からだと思われる。今年は[日経賞→目黒記念→京都大賞典→アルゼンチン]とG2ばかり4戦。全て4番人気で[6→1→9→3着]。
 58キロ以上は4回走って[1012]。父キングカメハメハ。ちょっとGIでは厳しい感じ。

 一方、マーカンド06ディープボンドはキズナの仔(祖父ディープ)。
 全25戦[552.13]とビミョーだし、GIVなし。ただG2Vは4勝。
 記憶に残っているのはGI2着の激走ぶり。

 20年菊花4着後、阪神大賞典Vを経て春天1番人気。そして2着と健闘(1着は19年菊花賞馬ワールドプレミア)。
 この後凱旋門挑戦のため渡欧。G2フォワ賞V→凱旋門14着大敗。
 が、帰国後の有馬記念、5番人気で2着は立派(1着は3歳皐月V→ダービー2着→秋天Vのエフフォーリア)。

 昨年前期はまたも阪神大賞典→春天をともに1番人気で1着→2着。宝塚4着後二度目の凱旋門挑戦。あえなく18着の討ち死に(^_^;)。
 帰国後またも有馬。さすがに8番人気8着と玉砕(?)。

 ところが、ところが、翌春(つまり今年6歳)3度目の阪神大賞典→春天。
 3番人気5着から春天5番人気2着(1着ジャスティンパレス)。驚異の春天3連続2着を達成(^_^)。
 そして、宝塚5着を経て秋はG2京都大賞典3着(1人)→JC8番人気10着(1秒8差)。さすがに終わった気配にて有馬挑戦は馬順09位。ただし、他のオッズ4種は全てH8位。

 過去2回の有馬(2着→8着)の枠番を見ると16頭立ての05番→16番。昨年は大外だった。さすがに先行馬の大外は苦しい。だが、今回は内の06番。
 もしかしたら過去10年間着内ただ1頭だった6歳馬の2頭目があるかもしれない。
 馬順09位以下で来るならこの馬と見て、しかし1着まではないだろうと、印は△。

 よって、オッズ前の結論としては以下の8頭

 3歳より2頭=01ソールオリエンス・13タスティエーラ
 4歳より3頭=10ジャスティンパレス・05ドウデュース
        16スターズオンアース牝
 5歳より2頭=04タイトルホルダー・15スルーセブンシーズ牝
 6歳より1頭=06ディープボンド

 週中予想で書いたように、3歳龍虎は「良くて3着」の[・]印。
 外8枠に入った16スターズオンアースと15スルーセブンシーズも良くて3着の[・]印。6歳06ディープボンドが△。

 よって、4歳10ジャスティンパレス、05ドウデュース、5歳04タイトルホルダーが最も重い印3頭。◎〇▲とします。
 実は2頭を表の◎〇、もう1頭をウラ●のつもりでしたが、単純に連単軸としての◎とし、残り2頭を〇、▲とします。

 というわけで結論(^_^)。
 ◎横山和04タイトルホルダー  父ドゥラメンテ
 〇横山武10ジャスティンパレス 父ディープインパクト
 ▲武 豊05ドウデュース    父ハーツクライ

 豊大明神信者の私としてはドウデュース◎と言いたいところですが、以下のデータから「今回頭は難しいかな」と感じたので3番手止まり。
 それは斤量58キロ(以上)の成績です。
 横山和04タイトルホルダー は6戦[3102]
 横山武10ジャスティンパレスは3戦[1110]
 武 豊05ドウデュース   は4戦[1003]

 明らかに上2頭の成績がいい。ドウデュースが勝ったのは阪神G2京都記念であり、着外3回は昨年の凱旋門(19着)と今秋の秋天(7着)→JC(4着)。また、中山も[弥生賞→皐月]をともに1番人気の2着→3着。
 つまり、GI・中山・58キロでいまだ勝てていない点、連単軸としては苦しいと見ます。

 一方、ジャスティンパレスの58キロ3戦は前3走で[春天V→宝塚3→秋天2着]の[1110]。人気は[2→2→6]で1番人気1度もなし。一覧第1群に入らないのは成績ゆえでしょう。
 また、昨年の皐月、ダービー連続9着などGI8戦[1223]の成績はディープ産駒としてイマイチ。ただ、第2群の乖離馬として有力連対候補。昨年の有馬7着(7人気)からの雪辱を期すけれど、ここは良くて2着と思います。

 かくして連単軸の◎は横山和04タイトルホルダー。

 3歳時[皐月2着→ダービー6着(ともに8番人気)→G2セントライト13着]を経て菊花V→有馬5着(4人)。
 昨年春中山G2日経賞を勝つと春天→宝塚まで3連勝。が、凱旋門11着→2度目の有馬9着(2人)とビミョーな4歳でした。

 この間今年の春天(中止)、前走JC(5着)など近8戦中(昨年有馬を除く)7レースで58キロ。うち春天・宝塚を勝ち、二度目のG2日経賞では59キロを背負って勝っています。

 よって中山は6戦[3102]。芝25の日経賞を2勝しており皐月も2着。有馬だけ3歳5着(0秒5差)→4歳9着(1秒7差)と不本位な結果ながら、2走前中山G2オールカマーも58キロで2着。有馬で激走してもおかしくないのに、過去2回は(-_-)こんな顔。

 そこで考えるべきはなぜ有馬記念で負けたか。3歳時は55キロ、4歳57キロでの大敗。今回58キロになってますますムリスジに思える。そこは脚質・枠番と展開から説明できる(と思います)。

 ご存じの通りタイトルホルダーはだいたい逃げか番手の先行馬。GI3勝のうち菊花賞と春天は逃げ、宝塚記念は2番手でした。
 3歳有馬記念は終始2番手からコンマ5差の5着(4人)。1着3歳エフフォーリア(1人)。
 この年最大の敗因は16頭立ての8枠16番にあると思います。さすがに逃げ先の大外は厳しかったようです。

 そして、翌4歳凱旋門帰りの有馬記念は2番人気に支持されながら、逃げて1秒7差の9着大敗。1着3歳イクイノックス。
 こちらは敗因不明ながら、凱旋門帰りの疲れ、そして、16頭立て7枠13番の外も影響したか。この2回の有馬は同タイプの逃げもあってスローに落ちませんでした。それも敗因として考えられます。

 それが今回は16頭立ての内枠04番。しかも脚質1.4の逃げA。展開図2位の馬は3.0ゆえ単騎の逃げと言っていいほど。今度こそ楽に逃げられると思います。

 ふっと「有馬暗号説」を思い出しました。
 かつて有馬記念はその年の大きな出来事を象徴する馬名が激走すると言われました。今年特に思い当たる馬名がなかったので、週中予想には書きませんでした。

 しかし、タイトルホルダーを◎にしてみると、「おお、今年野球界でタイトルを獲った大きな出来事があったではないか」と。

 一つはもちろん米大リーグで日本人初のホームラン王となった大谷翔平。彼は初の二度目の満票МVPにも選ばれました。
 そして、国内では「あれ」と言い続けた阪神18年ぶりのリーグ優勝。さらに38年ぶりの日本一。両者は大きなタイトルホルダーとなりました。
 やっぱり競馬でも(年度代表馬はないけれど)有馬のタイトル獲ってタイトルホルダーとして引退してもらいましょう(^_^)。

 よって04タイトルホルダーを連単軸の◎。相手本線〇10ジャスティンパレスと▲05ドウデュース。△06ディープボンドまでは馬連・馬単流し。
 あと8枠両馬と3歳龍虎は3着候補として3連馬券を構築します。

 本紙予想
 印騎 手番馬       名 馬順
 ◎横山和04タイトルホルダー  G
 〇横山武10ジャスティンパレス A(乖)
 ▲武 豊05ドウ デュース   C
 △マーカ06ディープ ボンド  09
 ・ルメル16スターズオンアース F
 ・池 添15スルーセブンシーズ D(乖)
 ・川 田01ソールオリエンス  E(逆)
 ・ムーア13タスティエーラ   B

 とここまで書いて「待てよ」と一言(^_^;)。

 前置きを再読して「大外ルメール16スターズオンアースがこれで低人気になるようなら、「この馬をウラ●にしようか」の部分が気になりました。
 8枠大外の同馬は単勝7番人気、馬順F。オッズ分析では7頭のブービー。

 しかし、スターズは全成績11戦[3440]と着外なし、昨年の桜花、オークス2冠馬であり、秋華3着馬。この3戦全て上がり33秒台。
 桜花・オークスは中団から、秋華賞は18頭立ての大外18番枠から(取消17頭)14番手の後方待機。4角も14番手から上がりトップの33.5で3着まで追い上げました。

 そして、今年は[GI大阪杯→ヴィクМ→前走JC]全て56キロを背負って[2→3→3着(人気1→1→5)]。つまり56キロ[0120]。

 オークスからルメールが乗り始め、前走は彼がイクイノックス騎乗でスターズはビュイックになりました。この2戦4、5番手を先行しているけれど、今回大外ならルメールは再び直線一気に賭けるのではないかと思います。

 それにくじ引き前ルメールがつぶやいた、「(空いていた)01番と16番はいや」の言葉も引っかかります。これはむしろ逆かもしれない。「鬼門と言える01番16番に入ったら、自分がどうにかして見せる」の思いが隠されているのではないでしょうか。
 01番は過去10年3着内が一度(16年2着牡4キタサンブラック)、16番は1頭もなく15番が1頭(18年3着牡6シュバルグラン)。

 今回大外16番ではさすがに頭は厳しいと思うのでウラ●にはできない。
 しかし、先週の武豊のように直線追い込んでのコンマ1差2着ならあるかもしれません。「ユタカさんは勝てなかった。でも、ワタシなら勝って見せます」とでもいうかのように。

 だが、勝つのは(勝ってほしい)のはやはり横山和タイトルホルダー(^_^)。
 馬順Gがちと引っかかるのですが、そこは目をつぶります。

 もしも予想の〇▲△が3着以下に落ちたなら、浮上するのはルメール16スターズオンアースと見て最後にウラ的★印としてルメル16スターズオンアースを追加。04タイトルホルダーから16スターズにも馬連馬単流します。

 以上、これで本年ラストGI予想。

 さて結果は?

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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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2023.12.21

有馬記念週中予想

 今年も有馬記念について長~い前置きを独立させ、週中予想として配信いたします。
 見出しもつけました(^_^)。

 有馬記念週中予想
 [1] 年度代表馬が確定している有馬
 [2] 引退馬のいる有馬
 [3] 種牡馬ディープの後を継ぐのは誰か?
 [4] 今年3歳馬は良くて3着(^.^)

 なお、本日枠順抽選ですが、午後2時現在確定していませんので、馬番なしです。

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【有馬記念、週中予想】

 [1] 年度代表馬が確定している有馬

 まさか「誰(どの馬)?」などと言わないでしょうね。
 先日まさかの引退を発表した、昨年秋天からGI6連勝、今年GI4勝のあの馬ですよ、あの馬。
 そうかイクイノックスか――。

 前期はドバイシーマ→宝塚、後期は秋天→JCのGI4勝。間にG2を全くはさまないなんて牝馬3冠後JCV、そして5歳の引退までGIを計9勝したアーモンドアイ以来でしょうか。
 記者投票ではあるけれど、大谷翔平君のМVP同様まず間違いなく満票での年度代表馬でしょう。昨年に続いて2年連続。

 これが何を意味するかと言うと、今回有馬記念出走馬は有馬を勝っても年度代表馬にならないということです。過去有馬を勝ってGI2勝、3勝となり、年度代表馬というのが結構ありました。

 有馬を勝っても年度代表馬にならないパターンで多かったのは3歳牡馬3冠馬が有馬に出なかった場合。だいたい3冠馬が年度代表馬になったので、有馬は勝っても負けても年度代表馬争いカンケーなし。
 唯一の例外が3冠馬福永コントレイルが年度代表馬にならなかった2020年。同じGI3勝なのに5歳アーモンドアイが3歳時に続いて年度代表馬になりました。ともにGI3勝でした。

 が、アーモンドアイは(前年有馬9着から)同年ヴィクМV→安田記念2着→秋天V→JCVの4戦[3100]のGI3勝。
 対してコントレイルは(2歳GIホープフルVから)無敗の3冠馬であり、JC2着。G2神戸新聞杯Vもあるので5戦[4100]のGI3勝、かつ無敗(!)3冠馬。

 これもしもアーモンドアイが安田記念も勝っていたら(GI4勝でもあるし)、私に何の不満も文句もございません。しかし、GI3勝の一つは牝馬限定のヴィクМであり、GI2.5勝みたいなもの。
 どう考えたって年度代表馬として無敗の3冠コントレイルを選ぶべきでしょう。

 だいたい記者連中は前期活躍した馬より後期活躍した馬を年度代表馬に選ぶ、単純でミーハーな傾向がある(と言っては言い過ぎ?)。
 結果福永コントレイルは無敗の3冠馬なのに、唯一年度代表馬に選ばれなかった。私はしばしば「何考えとんねん」と怒りをぶちまけている次第です(^_^;)。

 閑話休題。
 2020年の有馬記念、上記2頭は有馬に出ていません。
 1990年以降3冠馬は4頭いて以下の通り。
 1994年 ナリタブライアン 2005年 ディープインパクト
 2011年 オルフェーヴル  2020年 コントレイル

 このうち前3頭は菊花V後有馬に出て全て勝っています。菊花V後有馬に回らず、JCに出たのはコントレイルだけ。
 実はそこも「なんで有馬に行かんかったんや」と陣営に言いたいところ。

 厳密にいうと、コントレイルが先に「JCに行く」と言った。するとアーモンドアイ陣営が「JCに出て引退する」と言い出した。有馬は前年1番人気9着でした。JCは前年レコードの2206で勝っている。JCなら同斤量だしコントレイル相手でも勝てるかもしれない。勝てば年度代表馬の可能性がある。おそらくそう考えたのでしょう。しかし、世はこれを後出しじゃんけんと言う。

 これを受けてコントレイルが「じゃあ有馬に変えます」とは言いづらい。敵前逃亡みたいなもんだから。しかし、菊花→JCは間隔が短すぎるのだと思います。かくして無念の2着……。

 3歳最後のレースが2着だったのは無敗3冠馬の父ディープインパクトも同じでした。
 ディープは新馬から7連勝で菊を勝った後有馬に出てハーツクライの2着。それでもGI3勝(G2弥生・神戸の2勝)の年度代表馬に選ばれました。
 どう考えたってコントレイルは父子2代の無敗3冠馬として2020年の年度代表馬でしょう。ぶつぶつ…。

 ここでクイズ。ディープに国内で唯一土をつけたハーツクライの鞍上、誰だったか覚えていますか。
 大相撲の元モンゴル大横綱と同じ、現下のチョーA級外国人騎手のあの人ですよ。あの人。
 そして、アーモンドアイの騎手は? もちろん覚えていますよね。

 ディープはあの負けがなかったら、国内13戦13連勝だった。コントレイルも20年の年度代表馬だった。あの人は父子2代の偉業を阻止した。ほんとに憎っくき騎手です(^.^)。

 もう一つ。3歳牝馬3冠馬はこれだけでは年度代表馬にならないことが多いけれど、その後JCを勝ってGI4勝となると年度代表馬になります。こちらはだいたい有馬に出ない。
 前記2018年アーモンドアイとその前2012年ジェンティルドンナがいます。牝馬3冠→JCVの年度代表馬でした。
 つまり、JC終了時点で有馬V馬の年度代表馬はない、と予想できるのです。

 再度閑話休題(^_^;)。
 となると、年度代表馬に関係ないのだから、有馬において上位人気は無理しないだろうし、下位人気は「賞金獲るぞ~」と気合が入る(のではないか)。
 よって「年度代表馬争いに関係ない有馬は荒れる」と言いたいところですが、必ずしもそうならないのがじくじ[忸怩]たるところです(^_^;)。

 ちなみに、上記3例の有馬結果は以下の通り。
 12年の有馬。[1→10→2]1着内 田3歳ゴールドシップ
 18年の有馬。[3→1→9]1着池 添3歳ブラストワンピース
 20年の有馬。[1→11→2]1着北村友牝4クロノジェネシス

 これがそのまま今回につながるとは思いませんが、上位3番人気内3頭に人気薄1頭が突っ込むというパターンです。
 牝3冠馬が出た12年、18年の有馬V馬が牡3歳というのは偶然か、はたまた牡馬も強かったのか、と思わせます。

 ちなみに、20年の有馬は[1→11→2]人気で、馬連1万、3複73倍、3単5万の、本穴決着でした。これって3複[◎〇→総流し]パターンですね。実際この1、2番人気2頭は一覧第1群のA、Dで馬順ABでした。
 しかし、私はこの2頭を〇▲として馬順Dの4着馬を◎、競争中止の馬(馬順10位(^_^;)をウラ●にして全滅でした。今年はどうでしょう。


 [2] 引退馬のいる有馬

 有馬を最後として引退する馬の出走。これも過去よくある例です。
 もっとも、話題となるのはやはり一流馬。今年は横山和5歳タイトルホルダーがそう。菊花賞馬にして昨年春天→宝塚VのGI3勝馬です。

 これが取捨に困ります。私は以前「本気で走らせて骨折でもしたら大変。歩いて帰って来るだろう」と軽視したもんですが、近年は結構「有終の美を飾る」ことがあってまー無印というわけにはいかないでしょう。

 思い出すのは2013年のオルフェーヴル、14年ジェンティルドンナ、17年キタサンブラック。
 オルフェ、キタサンは100円台の1番人気で勝ちましたが、ジェンティルドンナは870円(4番人気)のV。おいしい単勝でした。

 ジェンティルドンナは3歳時牝3冠プラスJCVで年度代表馬。4歳時はGI4戦でJC1勝のみ。5歳時[G2京都記念6着→ドバイシーマV→宝塚9→秋天2→JC4着]とGI1勝どまり。

 もはや「終わった」かのような印象で、当時このまま引退かと思われました。
 ところが、「有馬に出て引退する」と発表された。これが驚きを持って迎えられたのは19戦目にして中山初だったからです。「そりゃ無理やろ」の前評判。4番人気もむべなるかな。

 当日1番人気は5歳14ゴールドシップ(3着)、2番人気4歳13エピファネイア(5着)。3番人気5歳15ジャスタウェイ(4着)。16頭立てで外枠13、14、15に並びました。
 私はジャスタウェイ◎、エピファネイア〇。ゴールドシップ△。
 最後に「内枠04番でもあるし、ジェンティルまさかの単勝」を買って的中。ところが、2着は9番人気の06トゥザワールド。当然のように外れ。

 ――と書いたところで、「待てよ」と何かが記憶の片隅に残っていたので、当時のほぞ噛み予想を探しました。現パソコン内にはなく、何ヶもあるUSBメモリーをあさって見つけました。
 すると、なんと、私トゥザワールドをウラ●にしていたのです(^_^)。

 当時のウラ予想を引用すると、
----------------------
 ディープの子はもう打ち止めではないか(^.^)と思ってディープの子でない子に白羽の矢を立てました。ウラ●は06トゥザワールド、3歳でキンカメ産駒です。
 同馬は前走菊花賞で大差負けの16着(4.2秒差)だから人気薄もむべなるかな、です。
 しかし、菊では2番人気だったし、そこまで大差となると、まともに走っていないから疲れはないと思います。それにこの馬、中山は[1100]で連率100。その2レースはGI皐月2着とG2弥生賞1着です。

 キンカメ産駒では力不足かもしれませんが、内枠から楽に先行して2着粘り込みを期待します。夢を追って複勝と表の◎○+04ジェンティルドンナにも流します。
 それから、最後に(昨年のオルフェーヴルに続いて)まさかの2年連続有終の美があるかもと、04ジェンティルドンナの単勝も少々。女傑の引退に敬意を表して(^_^)。
----------------------

 とあって単勝と馬連万シュー的中で(後期さんざんな結果だったこともあって)回顧で随喜の涙を流しています。
 ところが、馬単(2万)を買っていないし、3着1番人気に流すだけの3複3単(10万)を買っていないという……痛恨のほぞでもありました。
 振り返れば、その後も似たようなほぞ噛んでいるから成長がないと言うべきでしょうか(^.^)。

 なんにせよ、このウラ●は各馬の成績を丹念に見ないと出てこない推理です。今年の参考にしてください。私もします。
 また、当時のほぞ噛み予想と結果を読んで「そうだったのか」とつぶやいたことがあります。

 この年2014年から有馬の枠順公開抽選が始まったのです。そして、次から次に内枠から選ばれるのを見て(結果も1、2着は内枠で)「有馬は内有利」が改めて明確になりました。
 123番人気が7・8枠に入った時点で「上位人気決着はない」と見るべきでした。

 この項の「閑話休題」(^.^)。
 引退宣言の横山和5歳タイトルホルダーについて。

 タイトルホルダーは21年の菊花賞馬、昨年春天→宝塚を連勝。勇躍凱旋門挑戦、失意の11着。
 この2年間有馬にも出て5着→9着。今年は[G2日経賞2着→春天中止→G2オールカマー2着→JC5着]を経ての有馬です。今年はVなくGIに関しても不如意な成績。有馬は3度目の正直で有終の美となるか。

 同馬はドゥラメンテ産駒です。長距離馬として種牡馬の可能性がある。
 ここ勝ってGI4勝なら種牡馬確実かもしれず、本気度は高いと思います。
 また、鞍上横山和にとっても(失礼ながら)GIを勝てる最後のチャンスかもしれません。
 彼は騎手歴13年間で重賞は14勝、GIはタイトルホルダーの2勝のみ。
「えっ、3勝じゃないの?」とおっしゃいますか。菊花賞は弟武のVでした。

 今年(重賞5勝ながら)GIVはなし。「自分でタイトルホルダーにあと1勝を」と期すものがありそうです。
 翌日のスポーツ紙に「年度代表馬のタイトルは獲れなくとも、3回目の挑戦で有馬のタイトル獲得。横山和歓喜のガッツポーズ!」などと載るかも(^.^)、と思えばウラ●にと食指が動きます。


 [3] 種牡馬ディープの後を継ぐのは誰か?

 有馬と関係なさそうな項目ですが、まー読んでみてください。

 サンデーサイレンスの産駒成績をディープインパクトが抜いたけれど、ディープ産駒はすでに打ち止め。
 そうなると種牡馬2大巨頭のSS・ディープの後を継ぐのはディープ産駒か他の種牡馬か。

 ディープ産駒の種牡馬にはキズナとかサトノダイヤモンド、ミッキーアイル、リアルスティール、ロジャーバローズなどいますが、まだまだ若く結果もイマイチ。今後無敗3冠馬コントレイルに期待が高まっています。

 しかもサンデーサイレンス→ディープインパクトの仔は牝馬も多い。父と祖父に連なる牝馬とは交配できません。つまり、母父サンデーサイレンスのアーモンドアイとは結ばれないのです。
 先日イクイノックスが来年アーモンドアイと交配すると発表されました。これはイクイノックスの父がキタサンブラック、その父ブラックタイドであり、母方もSS、ディープ系でないから可能となるようです。

 ここで思い出すのが昨年から今年にかけて大活躍しているキタサンブラック産駒とドゥラメンテ産駒。私はこの2頭がディープの後を継ぐ大種牡馬になるのでは、と思っています。

 キタサンブラックは父ブラックタイド(祖父サンデーサイレンス)、供用3年目。重賞勝利は[1→4→7]ですでに12勝。GIVは6勝。産駒イクイノックスが5勝。もう1頭は今年の皐月賞馬です。さて、馬名は?

 次にドゥラメンテ。父キングカメハメハ、母は懐かしアドマイヤグルーヴ、母父サンデーサイレンス。供用4年目。重賞勝利は[0→2→9→11]と早くも22勝。
 驚くのはGIVが12勝と過半数。うち1頭がタイトルホルダーの3勝、今年の牝3冠リバティアイランドの3勝。
 そして、この中に昨年の桜花→オークス連勝のスターズオンアースがいます。もう1頭昨年の2歳GIホープフルSを勝った馬もいます。馬名は?

 この二つのクイズに答えられた人は相当の記憶力です。もちろん私は無理(^.^)。
 答えはキタサンブラック産駒の皐月賞馬とはソールオリエンス。ドゥラメンテ産駒のホープフルS馬はドゥラエレーデです。ドゥラエレーデも有馬に登録していましたが、さすがに出ないようです。

 ここまで来てなぜディープの後を継ぐ(かもしれない)種牡馬のことを話題にしたか。おわかりいただけたと思います。
 残り火のようなディープ産駒、新興ドゥラメンテ・キタサンブラック産駒の有力馬が有馬に出走しているからです。

 まずディープ産駒(4頭)
・横山武・牡4ジャスティンパレス…今年春天V→宝塚3→秋天2着。
・松山弘・牡5シャフリヤール…21年ダービー馬・ドバイGIシーマV。

 他に・ムルザ・牡4ブラダリア・北村友・牡6ディアスティマ

 次いでドゥラメンテ産駒(2頭)
・横山和・牡5タイトルホルダー…菊花・春天・宝塚のGI3勝
・ルメル・牝4スターズオンアー…昨年桜花・オークスV、重賞8戦[2330]

 最後にキタサンブラック産駒(1頭)
・川 田・牡3ソールオリエンス…皐月V・ダービー2・菊花3着

 これ以外の有力馬を列挙しておくと、
 サトノクラウン産駒、
・ムーア・牡3タスティエーラ…皐月2→ダービーV→菊花2着

 そしてディープインパクトを唯一負かしたハーツクライ産駒も3頭出走。
 武 豊・牡4ドウデュース…21年朝日杯V・22年ダービー馬。

 他に岩田望・牝3ハーパー、横山典・牡4マテンロウレオ

 ディープ産駒ではなく孫にあたる(キズナの仔)もいます。
・マーカ・牡6ディープボンド…G2を4勝。春天連続2着21年有馬2着

 私は上記有力馬から有馬123着が出るのではないかと思います。

 まだ武豊ドウデュースを軸にするか決めていないけれど、実はルメル・イクイノックスがここ有馬に(引退レースとして)出走してほしかった。
 そうすれば、ハーツクライ産駒の武豊ドウデュースが彼らに土をつける――なんて痛快ではありませんか。そんなラストを想像していたのです……(^_^;)。


 [4] 今年3歳馬は良くて3着(^.^)

 今年3歳牡3冠馬はいません。しかし、牝3冠は川田リバティアイランドが達成しました。
 先ほど「牝馬3冠達成の年は3歳牡馬も強いかもしれない」と書きました。この見出しはそれに反しています。

 今年川田・リバティアイランドもジェンティルドンナ、アーモンドアイ同様JCに出ました。イクイノックスを負かせば、GI4勝となって年度代表馬の可能性があった。当然イクイノックスはGI3勝どまり。
 しかし、ルメール・イクイノックスの壁は高かった。2着ながらコンマ7差。これは完膚なき敗退でしょう。かくしてGI4勝のイクイノックスが今年の年度代表馬確定。リバティアイランドはもちろん有馬に出ない。

 そして有馬を迎えるわけですが、有馬記念はそもそも毎年3歳馬対古馬の戦いとなります。
 上記有力馬を見てもわかるとおり、皐月・ダービー交錯ワンツーの3歳両馬対古馬の戦いのように見えます。菊花2、3着馬でもあるから、ソール・タスティが3歳トップクラスであることは間違いないでしょう。
 牝3冠リバティアイランドも出たことだし、この2頭かなりやれそうです。

 両馬の成績を再掲すると、
・川 田・牡3ソールオリエンス…皐月V・ダービー2・菊花3着
・ムーア・牡3タスティエーラ…皐月2→ダービーV→菊花2着

 しかし、私はこの2頭良くて3着と推理しています。
 理由は以下の2点。

 一つは今年から有馬も古馬58キロ(牝馬56)、3歳56キロ(牝馬54)となって昨年までの57、55キロから1キロ増となったこと。
 JCのときも書いたように、古馬の一流馬は春天・宝塚・秋天などで58キロの経験がある。3歳馬はGIに出れば57キロの経験があり、ここ有馬は1キロ減となる。
 しかし、昨年までの有馬なら3冠GIから2キロ減となっていたけれど、今年からは1キロ減にしかならない。「意外と重い」かもしれないのです。

 もう一点は朝日杯FSの予想で書いたように、昨年の2歳馬と一昨年の2歳馬を比較すると一昨年の2歳馬(=今年の4歳馬)の方がはるかに上位だと思われるから。

 再掲すると、
-----------------------------
 [昨年の朝日杯FS123着馬のその後]
 1着坂井瑠ドルチェモア   =重賞6戦[0006]最高7着 
 2着川 田ダノンタッチダウン=重賞3戦[0003]最高4着 
 3着横山武レイベリング   =重賞2戦着外(1W・2Wの2勝)
 ドルチェモアなんか[新馬→G3サウジ→GI朝日杯]の輝かしき3連勝馬です。
-----------------------------
 以下、一昨年の朝日杯FS出走馬の3歳時成績。
-----------------------------
 21年1着ドウデュースは22年のダービー馬になったのをはじめ、2着セリフォスはマイルCSV、3着ダノンスコーピオンがNHKマイルV、5着ジオグリフが皐月Vとチョー優秀な面々だった。秋以降はあのイクイノックスさえいるのです(2歳GI不出)。
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 つまり、4歳トップをイクイノックスとするなら、この世代は2歳朝日杯においてその兆候を示していた。ところが、昨年の朝日杯上位馬はそうではない。
 結果今年の3歳3冠レースの交錯1、2着馬は2歳重賞無縁で11月新馬Vからのスタート。そして2戦目は今年1、2月の重賞。それからGI皐月以後に出走した馬たち。

 では皐月1、2着馬は連戦連勝だったかというと……、
 ダービー馬タスティエーラは成績[3201]、2着ソールオリエンスは[3210]とビミョーな成績。しかも最後の菊花賞では2、1番人気になりながら2着3着。4番人気のルメール・ドゥレッツアに負ける始末。

 菊花賞馬ドゥレッツアは菊Vで6戦[5010]。しかし、4勝もしているのに印象薄く、菊は4番人気だった。なぜかと言うと、菊花前重賞出走なく新馬3着後未勝利から3Wクラスまでの4連勝だったから(ただしドゥラメンテ産駒)。

 菊花賞馬ドゥレッツアは有馬に出ません。この馬に負けた2、3着馬がタスティエーラとソールオリエンスです。私には両馬が4歳、5歳馬に勝てると思えません。しかし、斤量有利は間違いないので「良くて3着」と印をつけるゆえんです。

 というわけで、私の週中予想結論は4歳か5歳以上から、内枠に入った馬を◎、ウラ●にしたい、ということです(^_^)。

 以上です。


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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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2023.12.17

『続狂短歌人生論』35 変えることに成功――エネルギーを与え合う

****** お知らせ ******
 本ブログを始めてお訪ねの方へ
 本稿は短文SNSの逆をいく長文ブログです(^_^;)。
 一読法の訓練を積んでいないと、さーっと通読するだけで理解度30で終わると思います。
 また、しばしば「一読法の復習」というのが出てきます。
 意味不明の方は以下『一読法を学べ』理論編をお読みになることをお勧めします。
 →『一読法を学べ――学校では国語の力がつかない』

 また、以下のサイトよりメルマガ登録ができます(無料)。
 →『ゆうさんの狂短歌ジンセー論』メルマガ登録
***********************

 今号より「変えることに成功した」ドラマと前著の結論、そして、「変えることに失敗した」ドラマについて深掘りします。
 今号と次号は前著『狂短歌人生論』の結末部再掲載です。長くなったので、二つに分けました。なお、今号の狂短歌は前著にはなく、今回追加しました。

 ドラマは小説仕立てになっており、改行が多いので長く見えますが、文字数としては多くありません。
 今節前半は「普通のドラマ」、後半が「変えて成功したドラマ」です。
 どこが違うのか、考えつつお読みください。


12月20日 変えることに成功―――――本号
 〇 エネルギー 与え合うことなきドラマ 変えてうれしい花いちもんめ(^_^;)

12月27日 前著結論「エネルギーを与え合う」
 〇 お互いがエネルギーを与え合う その生き方に いま進むべき

01月10日 変えることに失敗――あなたを襲う悲喜劇と絶望
 〇 変えようと思って歩み始めたが 変えられなくて元の木阿弥


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 (^_^)本日の狂短歌(^_^)

 ○ エネルギー 与え合うことなきドラマ 変えてうれしい花いちもんめ(^_^;)

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****** 「続狂短歌人生論」 ******

 (^_^) ゆとりある人のための20分エッセー (^_^)

 【『続狂短歌人生論』35 変えることに成功 】

 変えることに成功したドラマは前著最後に置かれていました。
 その前に同じく前著途中にあった「元気の出ない」ドラマをまず掲載し、それからそのタイプに合わせた成功ドラマ=改善ドラマを掲載します。
 ここでは対応させるため以下3例を取り上げます。

 元気が出ないドラマ
1 ある(傍観者タイプの)働く夫……(妻は専業主婦)
2 ある(批判者タイプの)働く妻……(共稼ぎ)
3 ある新卒営業系サラリーマン ……(父母と同居)

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1 ある(傍観者タイプの)働く夫……(妻は専業主婦)

 〇 今日もまた上司ガミガミ妻小言 息子娘は私をシカト

 会社で今日も上司からくどくど注意された。仕事のミスが多すぎると言うのだ。むしゃくしゃして帰宅すれば、妻がまたこまごましたことで自分に意見する。それをしのいで「今度の日曜日は接待でゴルフ」と言うと妻はしかめっ面を見せる。「給料だって上がらないし、お小遣い減らさなきゃ。あなたはそうやって遊べるけど、私なんか洗濯物とか掃除があってどこにもいけないのよ」とぐちをこぼす。夫はそんなことはわかっている、俺のゴルフは仕事なんだよと言いたいのを辛うじてこらえる。黙る。
 その後妻は「子どものことだけど、勉強を全然しないし、先生から遅刻が多いし、学習態度が悪いといろいろ注意されたの。たまには意見してよ」と言う。そこで子どもに声をかけた。しかし、無視され冷たい目でにらみ返された。父は口を閉ざす。

2 ある(批判者タイプの)働く妻……(共稼ぎ)

 〇 私だけ一生懸命やっている なのに誰もわかってくれない

 会社で自分一人だけ一生懸命働いている気がする。チームを組んでいるのに、みんな冷たい感じで協力してくれない。家に帰れば、夫は「今度の日曜日ゴルフだ」などと言う。いろいろ不平不満を言っても、夫は黙ったままうなずいてもくれない。返事をうながしても上の空。私の苦労を全く感じてくれない。
 子どもは子どもで勝手なことばかり。先日は学校に呼び出されて先生からいろいろ注意された。進学校に行かせたいのに、いまの成績では難しいらしい。それなのに、子どもは部屋に閉じこもってテレビゲームばかり。勉強など全然していない。何か言うとすぐ反抗的になって顔をしかめる。こんなことでは子どもの将来が心配だ。なのに、夫は何も言ってくれない。たまに注意しても子どもは聞く耳を持たない。もううんざりだ。

3 ある新卒営業系サラリーマン……(父母と同居)

 〇 やっと一つ売れたというのにみなそっぽ 働くことに喜び湧かぬ

 今日初めて製品が一台売れた。それを上司に報告すると、さも当然のような顔をする。「月に数台売るのが最低レベルなんだ。君にただ飯食わせるために会社はあるんじゃないんだよ」と言う。そしてどんな点がまずいかくどくど説教し始めた。「君の顔は暗すぎる。もっと笑顔を見せなきゃ」としかめっ面で言う。こいつは人に説教することが生き甲斐なのかと思う。しかし、自分はただ黙って聞くしかない。
 会社を終えて恋人に会った。「今日やっと一台売れたよ」と言うと、彼女は「あっそー」と軽い返事。さらに自分のことを語ろうと思ったら、彼女から先に話し始める。会社の面白くないこと、同僚や友人とのもめ事。その他まるで口から先に生まれてきたかのように喋り続ける。たまには俺の話も聞けよと言いたくなる。でも、うんうんと聞いてやる。つまらない。
 家に帰って親父に「一台売れたよ」と言ってみた。しかし、親父も無感動だ。夕食時に「これでお前もやっと一人前だな」などと言いながら、自分の苦労話を語り始めた。それを聞き流す。まじめに聞く気なんか起きない。ただ何かしら心の中でむしゃくしゃしてうんざりしている。

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 そして、以下はこの三話の「変わることに成功した」ドラマ。

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1 ある(傍観者タイプを変えようとしている)働く夫……妻は専業主婦

 〇 最近は傍観やめて積極的 自分も家族もどこか明るい

 会社で今日上司が「最近なかなかがんばっているじゃないか。頼むぜ」と言ってくれた。ちょっとうれしく、もっとがんばろうと思った。
 帰宅すれば妻が笑顔で迎える。その後妻は隣のおばさんとのもめ事を語り始めた。近所づき合いも大変なようだ。
 私は少し疲れていたが、妻の話をじっくり聞いた。うなずいたりねぎらったり、励ましたりした。もちろんうんざりすることもある。しかし、とにかく聞くことに集中した。

 それから夕食。今夜はちょっと手をかけたという。
 私は箸をつけて「うまい!」と叫んだ。妻はにこにこしてうれしそうだ。
 夕食後「今度の日曜は接待でゴルフなんだ」と言うと、妻は「仕事だから仕方ないわね。でも、ホントは遊びじゃないの」とからかう。そして、「一体あなたはどのくらいの腕前なのよ」と聞く。

 私はしばらくゴルフの難しさや面白さを語った。妻はうなずきながらよく聞いてくれた。「家計としては大変だけど、全体的に節約しようね」と言う。
 私は「そのかわりと言っちゃなんだけど、来週の日曜日は俺が掃除と洗濯やって晩飯作るよ」と言った。
 妻は「ほんと? 無理しなくてもいいのよ。でもやってくれるとうれしいな。映画見に行ってもいいかしら」と言う。私は「いいとも!」と答えた。

 その後妻は息子のことを話し始めた。勉強をしないし、先生からいろいろ注意されたようだ。「たまには意見をしてよ」と言うので、「いいんだよ。あいつはいいものを持っているんだから。学校の成績も大切だけど、俺たちはそれを伸ばせるよう援助しようぜ。でも、まあ少しは学校の勉強もやらなきゃな。じゃあ一言言っておくか」

 私は息子の部屋に行った。
「おい勉強やってるか」
「うーん。まーまー」と息子。
「まーまーならいい。マイペースでやれ。じゃーな」
「それだけ?」
「ああそうだ。お前を信じているから。そうそう実は来週の日曜日、母さんにかわって父さんが料理を作るんだ。手伝ってくれないか」
「えーっ。たったいま勉強しろって言ったじゃないか」
「いいんだ。そういうときは勉強しなくても。お前焼きそば作るのうまかったし。この間食べてこいつはうまいと思ったんだ。たまには母さんに楽させなきゃ」
「そうか、わかった」
「よっしゃーありがとう。頼むぜ」と言って私は部屋を出た。


2 ある(批判者タイプを変えようとしている)共稼ぎの妻

 〇 自らを変えて気づいた 同僚も家族も私をわかってくれる

 いままで私は会社で、自分一人だけ一生懸命働いていると思っていた。しかし、私は批判者の完璧主義タイプだとわかり、自分を変えようと少しずつ努力している。

 チームのメンバーをよく観察してみると、一年前ここに配属された人とか、今年新しく入った人もいる。私は彼らが完璧に仕事ができないことにいらついて口うるさく注意していた。でも、まだ慣れていないのだからうまくできなくて当たり前だ。
 経験が浅い人は配置換えして、負担の少ないところにした。その指導は直属の長である彼に任せてしまおう。それがうまくいったらほめればいいし、うまく行かなくてもまたチャンスを与えればいい。

 先日長になったばかりの彼は、ねぎらったり激励を繰り返していたら、生き生きと働くようになった。何より私が彼らの意見をしっかり聞いていることがいいようだ。みんな私の変化に半信半疑だけれど、なんとなく職場が穏やかになったような気がする。

 仕事はできるだけ家に持ち帰らないことにした。夫が「日曜日ゴルフだ」とか「釣りに行く」と言うと、いままでの私はいつも不愉快に感じていた。でも考えてみると、私はよく会社の仕事を家に持ち帰って、それを夜とか日曜日にやっていた。夫は何も言わなかったけれど、ホントはその方がいい気持ちではなかったかもしれない。今度の土曜は久しぶりに二人でどこかへ行こう。

 帰宅すると、私は出来合いの総菜の他に手料理を二品作った。夫がテレビを見ながら黙って食べているので、「お味は?」と聞いた。「君が作ったのがやっぱりうまいな」と言ってくれる。ちょっとうれしい。

 夕食後土曜の予定を相談して夜は食事に出かけることにした。上は中二、下は小五の兄弟がいる。私が「子どもは?」と聞くと、夫は「たまには俺たちだけで行こう。二人とも大きくなったから、しっかり留守番ができるさ」と言った。

 私は上の子のことを話し始めた。
「そう言えばお兄ちゃんだけど、先日先生からいろいろ話を聞いたわ。A校に行かせたいけど、いまの成績では難しいらしいの」
「君が行かせたいのは学区トップのA校だろ。ここで無理してA校に入ったとしても、あいつはついていくのに精一杯か、下手をすると落ちこぼれると思う。そこそこできるようだから、中堅校のCに行ってマイペースで学生生活を送ればいいんじゃないかな。この間ちらっと聞いたら、あいつも同じ意見だったよ」
 私は少し不満に思いながらも「そうねえ」と言った。
 夫がいつになく自分の意見を言い、息子に自分から話しかけてくれたことがうれしかった。

 でも、私も変わったな。いままでの自分だったら、夫が何か意見を述べようとすると「あなたは黙っていて」などと言って全然聞こうとしなかったからだ。夫の意見を尊重して私が最後までしっかり聞くようになったから、夫はよく喋るようになったのかもしれない。

 それから夫はさらに言った。
「でも、君はこれまで上の子のことばかり構っていたけど、そろそろ弟も自我に目覚めるころだ。こっちは部屋にこもってテレビゲームばかりで、あまり勉強していないようだ。ちょっと心配だな」
「そうなの。私も弟が心配。兄のことばかり構っていると弟だってさみしいだろうし。最近は私が何か言うとすぐ反抗的になって顔をしかめたりするのよ」

 すると夫は笑った。「顔をしかめるのは母親の特徴だけどね」
 私は少しむっときたけれど、「そのしかめっ面に惚れたのは誰かしら」と逆襲した。
 夫は笑いながら言った。「ゲームもいいんだが、やっぱり本を読むとか良い映画を見るとか、いまの時期にしかできない大切なことがあると思う。君は昔映画が好きだったのに、仕事が忙しいと言って最近はほとんど行っていないじゃないか。たまにはあいつを連れて映画にでも行ったら。
 それにいつか君はケストナーの『飛ぶ教室』が好きだと言っていたじゃないか。今度家族で夜の一時間を読書タイムにしようか。上の子は勉強タイム。私たち三人は読書タイムとする。
 もっとも上の子だって参加していいけどね。そして『飛ぶ教室』の同じ箇所を一緒に読んで、お互い感想を言い合う時間を作ろう。勉強しろとか本を読めと、ただ言うだけじゃダメだと思うんだ」

 私は素晴らしいアイデアだと思った。そうだ、まずほめるんだった。
 私は大仰に笑顔を作った。「すごい。素晴らしいアイデアね。なんだかわくわくするような感じ。あなたも読んでくれるの」
「ああ俺も読んでみるよ。ただ君が夜ちゃんと時間をあけられるか。それが心配だけどね」 「大丈夫、最近は仕事を家に持ち帰らないようにしているの。でも、そうなると『飛ぶ教室』が三冊か四冊必要になるわね」
 すると夫は笑顔で言った。「いいじゃないか。こういうことにはしっかりお金を使おうよ」

 私は夫がこんなに積極的に発言してくれるなんて、と思ってとてもうれしかった。
 でも、この人は昔こういう人だった。だから私は彼に惚れたんだもの。私が批判者タイプだったから、夫を傍観者にしていたのかもしれない。私が批判的な生き方を改めようとしているから、夫も変わり始めたような気がする。


3 ある(傍観者タイプを変えようとしている)新卒営業系サラリーマン……

 〇 こちらからエネルギーを与えてと ほのめかすのも大切なこと

 今日初めて一台売れた。それを上司に報告すると、さも当然のような顔つきをする。
「月に数台売るのが最低レベルなんだ。君にただ飯食わせるために会社はあるんじゃないんだよ」としかめっ面で言う。

 おっとこの人は批判者タイプだ。そう思ったのでぼくは言った。
「確かにその通りです。ただ、ぼくとしては精一杯やって初めて一台売ることができたんです。ぼくはとてもうれしかったし、これからもこの調子でがんばろうと思います。だから、できたら良くやったとほめてほしかったです」

 すると上司はぽかんとして「あ、そ、そうか。うん、よくやった。これからはもっと売れるようがんばってくれたまえ」と言う。
 ぼくはにっこりして「はい。がんばります」と言って上司の前を離れた。

 会社を終えると喫茶店で恋人に会った。「今日やっと一台売れたよ」と言うと、彼女は「あ、そー」と言うだけ。さらに自分のことを語ろうと思ったら、彼女から先に話し始める。
 会社の面白くないこと、同僚や友人とのトラブル。まるで口から先に生まれたかのように、悪口やぐちを続ける。ぼくは約一時間彼女の話を聞き続けた。
 そのうちやっと彼女から「で、一台売るってやっぱ大変なの」と聞く。

 おっと、来た来た。今度はぼくの喋る番だ。そこで製品を一台売る前に数百軒回ったこととか、先日ある本を読んで人にエネルギーを与える大切さを学んだこと。それ以後ときどきおばあちゃんの家とか、何か困っていそうな家に行ったときはそれを手伝ったりしたことなどを話した。
 すると彼女は「売るためなんでしょ」と少し軽蔑したように言う。

「うん。最初は俺もそう思っていた。だから、そんな場面を見かけても手伝ったりしなかった。それに手伝ったからって買ってくれるとは限らないし。でも、違うんだ。困っている人を見かけたら、ただ大変だなって思って自分にできることをやる。相手からのお返しなんか考えないでやっていいってわかった。全く違うところでいいことが起こるから。
 そのうち手伝うと、おばあちゃんなんかものすごく喜んでくれた。それがうれしくてその家では買ってくれないとわかっているのに、二度三度訪ねていたら、おばあちゃんが親戚の家を紹介してくれた。それで今日やっとその家の人に買ってもらえたんだ」

 彼女は時々自分のことを話しそうになる。でも、ぼくは「頼む。あと十分ぼくの話を聞いて。それからまたお前の話聞くから」と言った。そして、ぼくの話を終えると、また彼女の話を聞いた。ぼくは彼女をねぎらったり激励した。
 彼女はぼくに対してねぎらうような話し方ができない。会社が大変そうだし、彼女自身も批判者タイプの完璧主義に陥って余裕がない感じだ。そのうち四タイプのことを話して彼女にも少しずつ変わってもらおう。

 帰宅後夕食の時、親父に「一台売れたよ」と言った。親父も無感動だ。ぼそっと「お前もやっと一人前だな」とつぶやいていつもの苦労話を語ろうとする。
 そこでぼくは親父に要求した。「もう親父さんの苦労話も聞き飽きたから、たまには違うこと話してくれないかな。働いて楽しい事とか喜びってなかったの? そんなにいつもいつもきついことばかりだったの」

 すると親父は戸惑いながらも、記憶をたどるようにして働いて楽しかったこと、うれしかったことを語り始めた。笑い話のような逸話もあった。親父だって結構楽しい時期があるじゃないかと思った。
 そのうち親父も新入社員のころは営業畑だったと話し始めた。最初はなかなか商品が売れなくて会社をやめようと思ったこともあると言う。そんな話は今日初めて聞いた。

「そのころの上司ってどうだったの」と聞くと、「うん。厳しいと言うか、こちらの気持ちをわかってくれない人で、君の顔は暗すぎる、もっと笑顔を見せないから売れないんだとか、そういうことをしかめっ面で批判する人だったなあ」と言う。
 ぼくはそれを聞いて笑ってしまった。「うちの上司もそんな奴だよ」と言うと、親父は「そうか。上役というのはいつの時代も同じなんだな」と言って笑った。

 その後商品がどうやって売れるようになったか、なぜ会社をやめなかったかも聞いた。結婚してぼくが生まれたことで、がんばらねばと思ったらしい。
 なんとなく親父に親近感が湧いてきた。親父は苦労話と言う名の自慢話をすることが多かった。やっぱり人はなかなか弱みを話さないようだ。これからは親父に本当に弱みだったことを話してもらおう。おじいさんがどんな人だったかなども。なんとなくぼく自身、親父と同じような人生を歩んでいるような気もする。

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 違いはどこにあったのでしょうか。

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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:「………」(筆者無言(^.^)

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2023.12.11

『続狂短歌人生論』34 出産子育てと消費税

 以前「出産子育ては労働ではない」と書きました(→14号、6月7日)。
「どんな労働でも働くことは賃金と交換である。賃金がもらえなければ人は働かない。だが、赤ん坊のめんどうをみても《赤ん坊》はお金をくれない。つまり、出産と子育ては《労働》ではないってことだ」と。

 その際「では何なのか」に関する答えは保留しました。
 本号はそれについて深掘りし、返す刀で「消費税」を斬りたいと思います(^.^)。

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 (^_^)本日の狂短歌(^_^)

 ○ 働かぬ人から税を取る日本 産めば産むほど 納税増える

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******* 「続狂短歌人生論」 *******

 (^_^) ゆとりある人のための20分エッセー (^_^)

 【『続狂短歌人生論』34 出産子育てと消費税 】


 以前出産・子育ては「労働」ではないと書いた。出産補助金、子育て支援金を目的化してはいけない。出産奨励金など「もってのほかと思う」と。

 なぜなら、子どもを産めばお金をもらえる「労働」にしてしまうと、生まれる子にとっても親にとっても不幸が待っているからだ。

 普通どんな労働も「きつい、しんどい」とか、「この仕事は自分に合わない」と思えば、やめることができる。「こんなにがんばって働いているのに賃金が低い」と思えば、別の会社に移ることができる。職場の上司が気にくわなければ、辞表を叩きつけて出ていくことだってできる。多くの労働(仕事)はそれが可能だ。

 憲法にも「働くことは日本国民の義務である」と規定されているけれど、第18条に「犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」とある。つまり、労働が苦役であると感じたときはいつでも自由にやめていいってことだ。

 だが、赤ん坊を産んで育て始めると、子育てという《労働》はやめることができない。
 子育てを苦役と感じ、「しんどいからやめたい」と思っても放棄できないのである。

 たとえば、出産から2年間、計200万円を現ナマでもらえることになったとしようか。
 そのお金に釣られて子どもを産んで育て始めたら、「とても割が合わない。1000万もらっても産まない方が良かった」と感じた。だが、産まれた以上「子育ての仕事やーめた」と言えない。それが出産子育てだ(「釣られて」は誤字ではありません)。

 残念ながら、育児放棄・ネグレクトとか幼児虐待、あげく幼児・児童殺人の根っこにこれがあると思う。
 特にシングルマザー(や育児無関心の夫を持った妻)がこの事態に陥りやすい。子育てがつらくしんどいと感じても、自分ひとりで対処しなければならない。やめたいと思っても誰も「やめていい」と言ってくれない。むしろ「お前がやるしかない、産んだ責任がある」と言われる。もう死ぬしかない。「子どもを殺して自分も死のう」と思いつめる……。
 だから、出産と子育てを労働にしてはいけない。これだけは《労働》ではないのだ。

 これに関連して「消費税」の罪深さというか不条理、非合理な点も述べておきたい。
 子どもをたくさん産めば産むほど税金(納税)が増えるのだ。
「えっ、児童手当は子どもの数が増えると増額されるよ」とおっしゃいますか。
 そこがそれ、出産子育て版(朝三暮四の逆バージョン)「朝四暮三」だ。

 消費税は日本国民の食糧、衣類、住居、雑貨、電気製品、ガス・水道・電気、車、ガソリンなど、ありとあらゆる買い物や取引――つまり生きて暮らす上で必要な全ての物と活動が税の対象とされる。

 対して所得税・住民税というのは所得すなわち収入のある人から税金を徴収している。こちらは年間収入が一定金額以上の人に対して税金が課せられるので、低収入の人は免除される。納税者であっても扶養する妻子、お年寄りがいれば、「扶養控除」と言って税金が減らされる。

 言い換えれば、収入のない人、低収入の人からは税金を取らない制度である。
 たとえば、川辺の青テントで暮らし、空き缶を集めて何とか生きている人は所得税を取られない。一方、年金生活の高齢者は働いていなくても(ある金額を超えれば)税金を徴収される。これが所得税や住民税だ。

 ところが、消費税はこの国で暮らす全ての人に対する税金である。収入がなくても生まれた瞬間から死ぬまで、生きている限り税金を徴収される。ホームレスだってコンビニでおにぎりとペットボトルを買えば、消費税を納めている。

 赤ん坊は働いていない。もちろん小学校児童も中学生も(芸能界の子役以外)働いていない。彼らには収入がない。なのに税金を徴収される。それが消費税だ。

 赤ん坊のおべべやおむつ、ミルクは購入すれば消費税を支払う。税金がないのは母乳くらいのもんだ。
 小中の教科書は無料配布される。さすがに小中高大の授業料、入学金・検定料は無税だが、予備校・塾・そろばん塾などの授業料には消費税が課される。都市部の高校生は多くが塾に通う。親は消費税が足された領収書を眺めてため息をつくかもしれない。もちろんノートや文房具、参考書は買うごとに税金を払わねばならない。

 妙な言い方だが、消費税導入前は勉強というチョー真面目な活動に対して税金を納める必要はなかった。だが、1989年以降は「勉強したければ納税しろ」ってことになった。
 この国に生まれ、生きる知恵と知識を学ぶ活動、社会に役立つ人間になろうとする活動に対して税金が課されるのだ。

 収入がないのだから、子どもは税金を納めることができない。では誰が子どもに代わって納税しているのか。
 親しかいない。親がいなければ祖父母とか親戚など子どもを保護、養育する人だろう。
 なんにせよ、誰か大人が子どもに代わって税金(消費税)を納めなければ、この子は一瞬たりとも(は大げさだけど)生きていけない。

 子どもを一人産めば、子どもが働いてお金を得るとき(通常は高卒、専門学校、短大・大卒)まで、親は子どものために消費税を払い続ける。
 子どもが少しでも親を助けようと、けなげにバイトに励めば(バイト代に消費税はかからないけれど)、バイトに関係して物を買えば消費税が含まれる。

 子ども一人分の子育て、約20年間にかかる消費税を1とすれば、二人産めば2倍、三人産めばそれは3倍に増える。
 子どもを一人産んでくれたら……二人、三人と増やしてくれたら「報奨金をあげますよ」と言われ、それに乗ったら親は毎年子どもの納税を肩代わりする羽目になる。それが消費税だ。

 少子高齢化に関して若者が結婚しなくなった、子どもを産まなくなったと言われ、その理由が取りざたされている。だが、誰も「消費税が原因ですよ」と言ってくれない。
 どなたか(学者さん)、1989年を境として出産子育てに対する意識がどう変わったか、調べてほしいものだ。あれ以後出産子育ては「重くなった」のではないだろうか。
 比喩的に言うなら、子どもは納税という足かせをつけられた。それを親が代わってつけているようなものだ。

 政治家は「だから、扶養控除、児童手当を出しています」と言うだろう。
 だが、どちらも消費税実施前からあったのだからカンケーない(厳密に言うと1972年~2006年は月3000円の児童手当と「年少者扶養控除」であり、2007年から月1万の児童手当支給開始。同時に年少者扶養控除は廃止され、高校3年間の扶養控除開始)。

 それに消費税分を補うのが目的なら、子どもが自ら働くそのときまで児童手当は支給されるべきではないか。なのに、児童手当は中卒までである。高卒が9割を超える時代になってさえ、児童手当は中卒までだった。
 今ようやく「高卒まで児童手当」などと言い出しているが、時すでに遅しと言うしかない(年末には高卒まで児童手当を導入する分、高校3年間の扶養控除減額が決まった)。

 閑話休題。
 収入がないのに税金を徴収される。それを親が肩代わりしている。
 これを重税と呼ばずしてなんと呼ぼう。正に朝三暮四の税金版ではないか。
 今どんぐりは3ヶから4ヶに増やされた。だが、後の4ヶは3ヶに減らされている。すなわち「朝四暮三」。
 いや、むしろこう言うべきだ。「朝ドングリを7ヶもらった。だが、夕方までにドングリを8ヶ拾って飼い主に差し出さねばならない」と。児童手当は消費税によって常に減額されているようなものだ。

 物価高対策として低所得者に年間10万円支給などと言われる。ありがたーいお上の政策だ。
 このお金はだいたい食料や生活必需品に回される。すると、物の価格には消費税8~10パーセントが含まれるから、国にとっては税金として還元(?)される。つまり、給付金も全額自由に使えるわけではない。常に9割分しか使えないのだ。

 年金やパート収入が年100万なら所得税・住民税はない。では「無税か?」と言えばそんなことはない。全額生活費として使い切ってしまえば、10万は納税している勘定になる。

 サラ金の仕組みをご存じだろうか。10万借金すると、最初からひと月分の利息(10パーセントなら)1万が引かれて9万渡される。それと同じ……と言ってはさすがに言い過ぎか?
 消費税導入前これはなかった。給付金も各種手当も納税に関係なく満額自由に使えたのだ。

 若い夫婦に余分なお金をあげても、赤ん坊を一人、二人と産んでくれれば消費税で取り戻せる。子どもが大人になって子ども(孫)を産めば、二世の親、プラス三世からも消費税を搾り取れる。
 今までは二世三世が働くまで納税はなく(国にとっては)出て行くばかりだった。だが、消費税によって赤ん坊からも、小中高校生からも税金を取れるようになった。

 なんと素晴らしい制度だろう。生きる限り逃れようのない、節税もできない、(国にとっては)取りっぱぐれのない制度だ。

 一方、富裕層と呼ばれる方々は手持ちの大金を《運用》して配当という不労所得を得る。世界が不安定になると、金塊を買ってため込む。金の値段が上がるのをにたにたして眺めている。
 なのに、ほんのちょっとしか納税しない。増やそうというと、猛反対が起きていつも尻すぼみになる。
 富裕層から反対がある以上に、議員さんが「そんなことしたら富裕層が我が国を逃げ出す」からだと言う。

 逃げてもらったらどうだろう。愛国心なき人なんだから。この国を本当に愛する方々なら、逃げ出しはしないと思う。この国よりお金を愛する富裕層が逃げ出すのだ。
 あるいは、大きな会社はできるだけ赤字に見せるよう会計操作して法人税の節税を心がける。もちろん全部(全員)とは言わない。一部でしょう、あくまで一部(数の多い?)。

 消費税をつくった人は言うだろう。「そのような金持ちや企業からもきちんと納税させることができる。それが消費税ですよ」と。鼻高々だ。
 だが、そのおかげで収入のない赤ん坊、子どもからも税金を取る。「これ以上公平な、素晴らしい納税策はない」と考えた学者・官僚・政治家は立派な方々だが、どこか抜けていると言わざるを得ない。
 いや、彼らがこんな理屈を知らないはずがない。ただ、難しいことは放棄して簡単なことをやろうとする方々なんだろう。

 むろん税金を否定する気はない。公共サービス、行政、警察、司法、教育など全体から少しずつ集めて大きな仕事、全体に必要な仕事をなしとげる。そのためにぜひ必要な金集め(?)だ。

 それに「クロヨン」とか「トーゴーサン(ピン)」の言葉もあるように、自己申告の納税はごまかしたり節約できる。企業は赤字だと法人税0円である。消費税は自営業者・会社が赤字であろうと何だろうと売り買いする限り、必ず税金納付がある。よって、ごまかしようがない。
 [語句の意味不明の方はこの場で即ネット検索を。年末某政党のパーティー券収入の裏金づくりによって政治家のピンぶりがまた明らかになりました。]

 だが、問題は赤ん坊から小学校、中学、高校と収入のない子どもたちに税金を課し、それを親に肩代わりさせること。そのうち消費税は10パーセントから20パーセントにされる。出産子育ての納税も倍増する。手当や給付金は(生活費に使われる限り)常に2割減額されているようなもの。あれっ、やっぱりサラ金と同じじゃないか。

 この国をリードする政治家は声高に言う。
「日本を愛しなさい。国を守るため、戦争が起こったら兵士として戦場に行きなさい。子どもをたくさん産みなさい」と。
 だが、収入のない子どもにまで税金を課すような国を、我々はどうして愛することができようか。

 では、出産・子育てをどうとらえるのか。
 出産子育てが労働でないのなら、それは何か。

 その前に次のような人は子どもを産むべきではない(と私は思う)。

 それはまず生きることに喜びを見出せない人。
 自分の人生を苦役と感じている人がどうして赤ん坊を産み、育てることができようか。
 生きることはつらい、苦しいと感じているなら、(おそらく子どもを産もうと思わないだろうが)間違って産んでしまうことはある。間違いが起きないよう気を付けないといけない。

 次に赤ん坊や子どもを見て「かわいい」と思えない人。こちらも子どもを産んではいけないと思う。しかし、結婚したりパートナーができると、気が進まないながら、産んでしまうことは大いにあるだろう。
 特にこのような女性が「子どもを欲しい」と思う男性と結婚したときは、夫としっかり話し合うべきだ。むしろなぜかわいいと思えないのか。親との関係を振り返り、自分の心の中を探求する必要があると思う。

 三番目。以前も書いたように「何かを得たら何かを失う」。この理屈を納得できない人も子どもを産んではいけない。
 赤ん坊が生まれたら、当初はお母さん、お父さんに24時間自由はない。映画、観劇、好きな歌手のライブ、全て行けない。父となった夫は釣りの誘いも接待ゴルフも断るべきだ。
 赤ん坊のミルク、おむつ、衣類を買わねばならないから、自分のおしゃれも我慢する。赤ん坊を得たら、それらの自由が失われる。夜泣き出せば安眠さえ妨害される。それがいやなら子どもは産まない方がいい。

 四番目。三番目の逆、子どものために自分の全てを犠牲にしても構わない、と思う人も子どもを産まない方がいい。この気持ちは子育ての難しさに直面したり、子どもと良好な関係を築けないとき、「自分の全てを犠牲にして尽くしているのに報われない」と感じやすい。そのとき悲劇が起きるからだ。

 ――とまー、このように書くと、これから赤ん坊を産もうと考えている人はうんざりされるかもしれない。
 だが、反論は可能。これらは所詮理屈、感情は別である。

 赤ん坊を産んで自分の子を育てたいと思う――なら、そう思うことは自由だし、おそらくこの感情は生き物全てに与えられた本能のようなものではなかろうか。

 以前私たち一人が生まれるためには30代5億人の父母が必要だと書いた。それは鳥類・哺乳類など多くの生き物についても同じ。オス、メス5億のつがい[番]が必要だ。独り立ちするまで親が育てるのも同じ。親鳥はエサをせっせと巣に運ぶ。野生動物も獲物を仔に与える。

 進化の初めから考えると、宇宙クラスの無量大数が連綿とつながっている。多くの生き物は(たぶん何も考えることなく)この本能に従って仔を生み育てる。ひとり人間のみ「ああだこうだ」と考え思い悩む(^_^;)。

 これに関連して私は中学校時代理科の先生だった一人の女性を思い出す。
 彼女はとてもきつい性格の人で、一言で言うと怖い先生だった。さすがに殴ったりはなかったけれど、授業はいつもぴりぴりしていた。笑顔を見せることなく、生徒に注意する言葉も情け容赦ない感じだった。当時私は「大人になったらこんな人とは結婚したくない」と思ったものだ(^.^)。

 ところが、その先生が結婚した(よくまー)。そして、赤ん坊を産んで1年後復帰した。私は先生からまた授業を受けてびっくりした。がらりと変わっていたからだ。
 生徒に対するぎすぎすした言葉遣いがなくなり、笑顔さえ見せるようになった。一言で言うと優しく穏やかになった。私は「きっと赤ん坊が生まれたからだ」と思った……。

 出産子育ては「労働ではない」と書いた。
 だが、多くの親御さんは「そんなことはわかっている」とつぶやいたのではないだろうか。

 出産も子育ても労働ではない、苦役ではない。お母さんは苦役だと思わないから、10ケ月我慢して骨折以上の痛みに耐えて赤ん坊を産む。お父さんは我が子のため、家族のために働く。子どもの危機には走っていく。

 さて、労働ではない、苦役でないなら何か。
 私に考えはあるけれど、ここでは書かない(ヒントはすでに出ています)。
 答えは読者各位が見つけ出すものではないだろうか。


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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:普段パソコン活動をしているときはクラシックやジャズ、歌謡曲などBGМを流しています。で、クリスマスが近づくと、それがクリスマス・ソングになる。
 最近聞いたことのない曲がその中にありました。英語なので歌詞はわからないけれど、とても美しいメロディー。調べてみたら「O Holy Night」。
「清しこの夜」の「聖夜」とは違うようで、ネット検索するうちに以下のサイトを見つけました。
 表題『世界の民謡・童謡』「O Holy Night さやかに星はきらめき

 三つの動画が載っています。ケルティック・ウーマンとマライア・キャリーと少年合唱団リベラ。
 これが素晴らしくて紹介したいと思いました。マライアキャリーなど「一体何オクターブ出しとんねん」とあきれるほど(^_^)。

 また、サイトの下の方に「人気のクリスマスソング」もあってその中にジョンレノンの「Happy Xmas (War Is Over)」もあり、久々に聞きました。これも名曲。
 歌詞の最後4行は以下の通り。本人の動画に飛べます。

 Let's stop all the fight
 War is over!
 If you want it
 War is over! Now!

 今の時代に最もふさわしい祈りの言葉だと思います。

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2023.12.03

『続狂短歌人生論』33 なぜ変えられないのか その5「感情と理屈が結びついているから」

 今号は有名な人間観である性善説、性悪説について語ります。
 これは理屈(思想)を表す言葉です。高校の漢文教科書に大概出ているので、ご存じの方も多いでしょう。この言葉は人間の本質について語ったものだから、各自の感情とはカンケーないように思われます。
 いやいや、どうして感情と密接に結びついている(と私は思います)。

 集まった人に「ディベートを行うので、どちらを支持するか左右に分かれてください」と言った場合、四タイプのうち二タイプは性悪説の席に、残り二タイプは性善説の席に着きやすい。
 それは脅迫・批判・傍観・受容のどのタイプか――と前号後記にてクイズにしました。答えは出ましたか。

 以下二タイプのまとめを読んでください。

 脅迫者・批判者
 脅迫者と批判者は自分が強く正しく、周囲は愚かで弱々しい人間ばかりだと思っている。だから、自分が支配し、服従させ、リードすべきだと考えている。

 傍観者・受容者
 傍観者と受容者は自由にさせてくれれば、自分はもっと良い人間になる、良い人間になったはずと思っている。周囲もいい人なんだからもっと自由にさせる方がいいと考える。

 これが支配する側に立つ脅迫者と批判者。支配される側に立つ傍観者と受容者の考えです。
 どちらが性善説を支持し、性悪説を支持するか。わかりましたね(^_^)。

 えっ、まだわからない? おいおい……。


11月08日  なぜ変えられないのか その1「長所と信じるから」
 〇 四タイプ それが長所と信じれば 変えなければと思うことなし

11月15日
 なぜ変えられないのか その2「尊敬されるから」
 〇 三タイプ 誉められ認められるなら 変えようなどと思いもしない

11月22日
 なぜ変えられないのか その3「愛してほしいから」
 〇 幼子は人を愛することよりも 愛してほしいと思う生き物

11月29・30日
 なぜ変えられないのか その4「愛してくれるから」
 〇 四タイプ それがあなたの愛ならば 人は続けてほしいと思う

12月06日
 なぜ変えられないのか その5「感情と理屈が結びついているから」――――本号
 〇 人間は性善なのか性悪か 溶け合っている理屈と感情


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 (^_^)本日の狂短歌(^_^)

 ○ 人間は性善なのか性悪か 溶け合っている理屈と感情

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******* 「続狂短歌人生論」 *******

 (^_^) ゆとりある人のための20分エッセー (^_^)

 【『続狂短歌人生論』33 なぜ変えられないのか 】

 その5「感情と理屈が結びついているから」

 人は四タイプの生き方をなかなか変えられません。
 これまで述べてきたキーワードは「長所・尊敬・愛」。自分の言動を長所と思い、周囲や家族、子どもから尊敬され、愛されていると思えば、変えようなどと思わない。
 さらに「誉められ、認められ、愛されたい」と(ひそかに)思って生きてきた。その結果親のタイプに合わせて四タイプの生き方を獲得した。三つ子の魂百までと言います。幼いころから身についた癖であれば、変えることは容易ではありません。

 もちろんいつも長所を発揮してくれれば問題はない。だが、四タイプはしばしば悪しき性格を露にする。上に立つ人が下の者に不正を強要することだってある。

 たとえば、親と子の関係で見ると、脅迫者は子どもを叩き威嚇して育てようとする。親に服従し続けた子は迫害・虐待を受けても抵抗できない受容者となる。
 批判者は小言・説教を繰り返し、子どもに努力と完璧を求める。子は期待に応えて生きる人生に苦しみしか感じない。

 傍観者は子どもに関心を示さず誰かに任せる。子どもは親の愛をあきらめ、何でも自力で解決しようと孤立無援のさみしい人生を送らねばならない。
 受容者は子どもの全てを受け入れ甘えさせる。子どもはわがままに育ち、最後は暴力的な脅迫者となって周囲を苦しめる。

 もしも誰かが「あなたのそんな生き方を改めてほしい」と忠告しても、四タイプは変わろうとしない。なぜ変えられないのか、最後の考え方が本号「性善説・性悪説」です。

 以前(『続編』→第4号「心の基地と武器」にて)人は心に基地を設けていると書きました。脅迫者は鉄の要塞、批判者は木の砦。傍観者は映画のオープンセット、受容者は水風船を構築してその中にいると。
 この基地を補強する固い固い理屈が性善説と性悪説なのです。

 人は誰が何と言おうと「自分が正しい」と思えば変わる必要を認めない。四タイプの感情は性善説・性悪説の理屈と深く結びついています。[以下「である」体]

 A・Bタイプの親……
 例えば、AやBタイプの親は子どもの躾に関して「厳しくしなければならない」と考える。甘やかしては子どもが「良い人間に育たない」と信じている。時には小さな暴力を振るってでも「子どもを正すべき」と考えている。

 A・Bタイプの人間観は基本的に「性悪説」である。

 人は「悪」として生まれ、何もしなければ「悪」として育つ。人は根本的に怠け者である。放っておくと勉強も仕事もせず遊んで怠ける。だから、監視が必要だし、常に意見して説教して注意する。子どもと積極的に関わり相手を正すための行為をする。
 A・Bタイプはそう考え、その信念に則って子育てを実践する。

 C・Dタイプの親……
 一方、CやDタイプの親は子どもには何も言わず、好きなことをやらせてこそ、のびのび個性的に育つと信じている。殴って言うことを聞かせるなどとんでもない。そんことをするから子どもは委縮する。悪い点をくどくど説教するのではなく、誉めて良い点を伸ばすべきと考えている。

 C・Dタイプの人間観は基本的に「性善説」である。

 人は「善」として生まれてくる。悪を矯正すると言って善まで正すから、子は「悪」に陥る。善なる人は勉強にしても仕事にしても、自由にやらせれば進んで勉強するし、いきいきと働く。いやなこと、嫌いなことはしなくていい。人は好きなことを自由にやってこそ真価を発揮する。ゆえに「自由放任」こそ最上なのである。
 C・Dタイプはそう考え、その信念に則って子育てを実践する。

 このABCDが四タイプのどれにあたるか。もうおわかりだろう。
 ABタイプが脅迫者・批判者であり、CDタイプが傍観者・受容者である。

 あなたがもしもA・Bタイプなら、そう思ってそう行動するのは、自分の思想・信条であり、主義・主張であると信じているはずだ。だが、その主張はあなたが脅迫者・批判者だから出て来る発想である。

 あなたは自分が正しいと思っている。性悪説に基づく自分の考え、行動は間違っていないと信じている。だから、あなたは自分を変える必要を認めない。変わらなければならないのは自由にさせると遊んで怠けてだらだら生きる連中の方だ。自分の言うことを聞こうとしない連中だ。

 だから、(脅迫者は言う)「殴るんだ。子どもは叩いて言うことを聞かせる。怒鳴らなければ悪は正せない」と。
 だから、(批判者は言う)「口酸っぱく言って聞かせるんだ。自由にやらせたらろくな結果にならない。しょっちゅう注意して正しい道を歩ませるんだ」と。

 両者は「人間とは生まれつき性悪な存在だ」と思っている。これこそ脅迫者、批判者の心の中である。性悪説は単なる理屈ではない。脅迫者と批判者の感情と分かちがたく結びついているのである。

 一方、C・Dタイプ。

 あなたがもしもC・Dタイプなら「自由放任」こそ最高と思い、それを支持するのは自分の思想・信条であり、主義・主張であると信じているかもしれない。

 そもそも放っておいても子は育つ。「生まれた時から善」なのだから、余計な躾・教育などすべきではない。ゆえに(傍観者はつぶやく)「自由放任こそ最高の子育てである」と。
 かたや受容者のあなたは子どものやりたいことをやりたいようにやらせる。子どもが嫌うこと、いやなことはしなくていいと言う。ゆえに(受容者もつぶやく)「いい子だから、自由にやりたいようにさせよう」と。

 両者は傍観者・受容者として生きている。だから、そう思ってそのように行動している。性善説に基づく「自由放任」は傍観者・受容者にとって自らの生き方、子育てを正当化してくれる最高の理屈なのである。

 基地と武器のたとえで言うなら、理屈と感情が結びついた基地こそ最強の要塞となる。
 自分の感情と性善説・性悪説が結びついた四タイプは自分の生き方に自信を持っている。ゆえに、自ら変わろうと思わないし、人が「その生き方を改めるべきだ」と忠告しても、てこでも変わるものではない。脅迫者・批判者の感情は性悪説と結びつき、傍観者・受容者は性善説と結びついているのである。

 以上です。

 さて、ここまでを読まれてもしかしたら「あれっ、今節は意外と短いな」と思われたかもしれません。ここで執筆ウラ事情の開陳(^_^;)。[以下「ですます」体]

 下書き段階では数倍の記述がありました。性善説・性悪説について解説し、さらに四タイプの生き方も絡めて書きました。が、多くは前著の繰り返しです。それを再掲載しようと思ってやめました。理由は大見出しが「変えられない理由」と限ってしまったからです。

 しかし、これではちと短すぎる(^_^;)ので、今回追加したことを少々書きます。

 まず「生まれつき性善」とか「自由放任」と聞くと、性善説に躾や教育は必要ないかのように思われるかもしれません。それは誤解です。
 人は善なる存在として生まれてくるが、悪を覚え悪に染まる。だから「それは悪いことだよ」と教えねばならない。
 一方、性悪説だって「善」を強調する。人は本来悪である。だからこそ善になるよう導かねばならないと。

 ゆえに大人が子どもに「その行為は悪だ、それが善だ」と教える。社会において「これこれの行為は悪だ」と法律で定め、違反すれば罰が与えられる。これを「法治主義」と呼ぶ。それらを教えるのが躾であり、教育ということになります。

 しかし、世の中には法律で悪だと決められていないものもあります。
 たとえば、パワハラ・セクハラ・学校や組織団体におけるいじめ。最近いじめは子どもの世界だけでなく大人の世界でも多発しています。

 もちろん発覚すれば、それなりの罰がある。だが、傷害罪とか殺人未遂とか殺人罪のような刑罰はない。端的に言っていじめを苦に自殺したなら、加害者は殺人罪に問われるべきだ(と私は思います)。

 これらが法律化されにくいのは心の問題だからでしょう。殴ったり傷つけるなど体に痕跡が残れば、傷害罪に問える。だが、言葉による暴力、シカトなどは外見に現れない。最近こそ証拠として録音されることが多いけれど、以前は「言った、言わない」の水掛け論となることが多かった。心に受けた傷はひとりひとり違う。だから、法律になりにくいのでしょう。

 現代の学校や社会における企業・会社などは性悪説に基づいていると言えます。
 たとえば、中高における校則。自由にさせたら無茶苦茶になる、と思うから制服を決める。髪型を決め、スカートの丈を決め、靴下の色を決める。
 あるいは、部活において顧問が殴って蹴って暴言吐いて強くしようとするなら、それは生徒が性悪であると考えるから。この顧問は自由にやらせたら部は強くならないと信じています。

 多くの企業も性悪説に立つ。上司が監視しないと怠けてさぼるのが社員だ。だから、強く言って真面目に働くよう指導する。失敗したら、厳しく叱って罰を与える。
 上からの命令に逆らってはいけないと言うのは別にテレビ『相棒』の話だけではなく、現実の警察・軍隊の実話でしょう。
 上からの命令に忠実な刑事警官、兵士が賞賛される限り、警察による民衆弾圧、他国との戦争はなくならない(と私は思うので、戦争の判断を兵士一人一人にさせるべきだと主張しているのです)。

 一方、性善説に基づいているのが詐欺に騙される人たち。特に高齢者。
 2022年の特殊詐欺被害額370億円。今年(2023年)も被害はすでに300億円に達しているそうです。ここには性善説だけでなく日本人の心深くに巣くっている上下思想――と言うか上下感情――が根深く絡んでいる。近々このことを書きます。

 以前夏目漱石の言葉「平生はみんな善人なんです。少なくともみんな普通の人間なんです」(『こころ』)を取り上げました。漱石はこの後「先生」に「それが、いざという間際に、急に悪人に変るんだから恐ろしいのです。だから油断ができないんです」と語らせています。

 これは性善説か性悪説か。一見「性善説」に思えるけれど、「普通の人間」の方が重い。すなわち、人間は本来善でも悪でもない、ニュートラルなんだと主張しています。敢えて言えば「人性中間説」でしょうか。

 それがあるとき善になり、あるとき悪に変わる。悪に豹変するのは人間の根本に利己主義があるからでしょう。人は「自分ひとりだけいい目を見たいという表の感情、逆に自分ひとりだけ不利を受けるのは許せないという裏の感情」を持ち、この感情に従って悪を犯す。詳細は『一読法を学べ』(→第27号)「利己主義が持つ表と裏の感情」を再読下さい。芥川龍之介はこれを『羅生門』と『鼻』で描きました(第28号参照)。

 ちなみに、人はなぜこの利己主義を克服できないのか。そのわけをこの五節「変えられない理由」で書いてきました。お答えください。

 ――と言って答えられる人はいないでしょうから(^_^;)、直ちに書きます。

 [ここで立ち止まって果敢にも「考えてみよう」という一読法実践者のために以下空白をもうけます。前置きにある五首の狂短歌と冒頭部を読めば、答えられるかもしれません。]


 では、答えです。
 子どもの頃親や大人から充分な愛エネルギーを与えられなかった人は心のコップに愛という水が半分しかたまっていない。この人は「自分は人や社会、運命や自然から愛されていない」と感じている。自分ひとり困窮したり、苦しかったり、不利を受けることが許せない。自分だけはもっと愛されてしかるべきだと思っている。彼(または彼女)は世の中から認められず、尊敬されず、愛されていないと感じている。
 この感情を克服できない人が人を傷つけ、人の物を盗みに行く……と語ったわけです。

 最後にもう一つ。人性中間説に関連して最近性悪説にも性善説にも基づかないスポーツ指導者が現れているようです。これもいずれ紹介したいと思います。
 たとえば、WBCの日本監督、夏の甲子園で優勝した某高校野球部の指導と戦い方にそれは現れていました。


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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:今号にて四タイプが「変えられない理由」について語った五節の終了です。
 最初の前置きに記していた「ある課題」覚えていますか。
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 なお、この五節には26号『迷路の整理』で語った「自分を変えるにはどうすればいいか。身近の人を変えるにはどうしたらいいのか」のヒントとなる部分があります。二項対立を意識しながら、この答えを考えながら読んでください。
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 いかがでしょう。答えは見つかったか。「ちっともわかんねえ」とつぶやくか、「なんとなくこれかなと感じた」部分もあるでしょう。
 むしろ全体の感想として「自分を変え、身近の人に変わってもらうことがいかに難しいか、よくわかった。絶望的な気持ちになった」かもしれません。

 そろそろ『続編』の登山は9合目に近づいています。しかし、まだまだ読者各位に絶望を味わってもらわねばなりません(^_^;)。
 そこで次回から「変わることに成功した」ドラマと「変わることに失敗した」ドラマを紹介するつもりでした。変わることに成功してちょっと明るい気持ちになるもつかの間、失敗して再び奈落の底に突き落とされる……そんなドラマです。

 が、その前に間に一つはさみます。表題は「出産子育てと消費税」。

 以前(→14号)にて「出産と子育ては《労働》ではない」と書いたけれど、「では何なのか」については「いずれまた」として保留しました。
 このテーマ、どうやらここにしか入らない感じだし、今日本では「児童手当てをどうするか、少子化対策の財源は医療保険から」など議論になっている折でもあり、参考になるのではと思います。

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