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2024.05.31

『続狂短歌人生論』67 どんでん返しの《理屈》その3

 ――お知らせ――

 65号から今回67号までは65→66→67号の順でお読みください。
 この順でないと面白みが半減します。
************************************

 さて、前々回(65号)にて問題とした「以前の号(26号)に戻ってほしいと書きながら、リンクを張らなかった」わけについて前回答えを明かしませんでした。
 むしろ「おヒマなら考えて」としてさらに「62号」の再読まで勧めた。
 が、またしてもリンクを張っていない(^_^;)。

 以下前号後記の再掲。
--------------------------
 おヒマなら考えてみてください。ヒントは、

 2024年05月08日 第62号「四タイプ統合の人格 その2 最善の策」

 ○ 統合とは 強く厳しく突き放し 甘えを許し受け入れること

 ――にあります。「おいおい。またかよ。めんどくせえやっちゃなあ」とつぶやく?(^.^)
--------------------------
 もちろんこれも(リンクを張らなかったのは)確信犯。

 普段は穏やかな(?)読者各位もさすがに「うざってえヤローやなあ」とぼやいて62号を再読する気など湧きもしなかった……と推察します(^.^)。
 おやおや、こんな挑発に引っかかってカッカするようでは先行き危ないです。

 [ここ普通は「挑発に乗って」ですが敢えて「引っかかる」を使います。なぜって?
 連想してほしい言葉があるから。オレオレ、投資、ロマンス……○○(漢字二文字)。または、エビでタイ釣るマルチ商法の一員となり、通販の健康器具をすぐ買ってしまう(^.^)。]

 冷静に読めば、この部分、以前と同じでないことに気づいたはず。
 むしろ「気づいてほしい」と言いたい。一読法実践者なら気づきます。

 65号の後記が以下。
---------------------------
 (○○の答えが)わからない人は、

 2023年10月25日発行『続狂短歌人生論』第26号「迷路の整理」――を

 ご覧ください。
---------------------------

 いかがですか。リンクがないという点では同じ。
 だが、明らかな、大きな(!)違いがあります。《狂短歌》のあるなしです。

 65号の後記には号数、年月日、見出しがあるけれど狂短歌はない。
 前66号の後記には狂短歌をつけています。
 もう一つ小さな違いだけど、65号では「わからない人は」とあった。
 前66号では「ヒント」とあります。

 私の狂短歌は内容の「まとめ」になっていると以前触れました。
 つまり、前号にて引用された以下の狂短歌、

 〇 統合とは 強く厳しく突き放し 甘えを許し受け入れること

 これは62号の内容をまとめている。それが「ヒント」だと語っているのです。

 よって、前号読了後62号を探しに行って再読する必要はない――ってことです(^_^)。
 この狂短歌を参考にして「筆者は過去の号を読んでほしいと書きながら、なぜリンクを張らなかったのか」その理由を考えれば良いのです。

 ……とこのような経緯で、リンクを張らなかったわけを書いていたら、(またもや長くなったので)単独号として独立させることにしました。
 それだけでなく、この件が「人生の深~い真実」を教えてくれるからです。


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 (^_^)本日の狂短歌(^_^)

 ○ 正解がすぐ目の前にあるならば めんどくささを惜しむことなかれ

===============
***** 「続狂短歌人生論」 *****

 (^_^) ゆとりある人のための20分エッセー (^_^)

 【『続狂短歌人生論』67 どんでん返しの《理屈》その3


 ちょっと「おいおい」と言いたくなる狂短歌でしょうか(^_^;)。
「そりゃオーバーだ」とつぶやくかもしれません。
 が、これこそ人生の深~い真実です。

 正解に到達するのは楽ではない。かつて学校時代、いろいろな教科を勉強した。
 問題を解いて正答を知るだけなら、大概後ろの方に「解答」があるから、それを見て書き写せばいい。
 しかし、小テスト、学期ごとのテスト、入試などは自力で正答に達しなければならない。多くは記憶しているかどうかが問われている。
 当然難しくなれば(忘れてしまったら)不正解となる。結果は数字で明かされる。
 せめて半分、せめて6割の正解に達するため、一生懸命ガリガリ勉強した……。

 ここで素朴な疑問。小中高12年間のこの勉強方法は卒業後――大人になってからの人生に役立っているか。
 誰かさんは「もちろん役立っているよ」と答えるかもしれません。

 これをひっくり返すなら(^.^)、私は「役立っていない」と考えます。

 むしろ阻害している、妨害さえしていると言いたい。生きること、考えつつ生きることの大切さを教えていない。勉強とはめんどくさいことであり、つまらないことであり、楽しくないことだと日々教えている。

 それは働くことは楽しくない、めんどくさい、つまらないことだと教えることにつながった。人生とは苦しいものだ、楽しくない、めんどくさいと感じることにつながった(言い過ぎ?)。

 以前も書いたことがあります。
 みなさん方は(大人なら)大概働いているだろう。朝職場に出勤して(残業がなければ)仕事を終えて夕方帰宅する。
 もしも政府(与党)が「帰宅後も昼間の仕事を家でやること」と決めたらどうでしょう。
「ふざけんな」と叫んで暴動が起きるか、冷静なら選挙で政権交替となるでしょう。

 ところが、小中高の児童・生徒に対しては政府も多くの親も「学校の勉強(宿題、予習、復習、問題集、入試過去問)を家でもしなさい」と言って夜勉強させることに何の疑問も感じない。おやおや。
[ここで私は叫びたい。「道徳を教えるより前に《家に帰ったら学校の勉強はしなくていいよ》という制度にしなさい!」と。]

 閑話休題。
 やがて楽しいことだけやるためには手っ取り早く金を得る必要がある。誰かを犠牲にして構わない、金を得るためには詐欺だって強盗だってやっていいんだと思う若者を育てた……と言えば、さすがにこれは言い過ぎ?

 もちろん全ての若者がそうではない。あくまで一部。
 100人に一人? いやいや。1000人に一人? いやいや。
 1万人に一人……くらいか。

 何しろ新聞とテレビは毎日事件事故のニュースばかり報道するので、100人に一人くらい悪いやからがいるような気になってしまう。
 けれど、それだと1億人のうち100万人の犯罪者がいる計算になる。さすがに日本はそこまでひどくはない(でしょう)。多くの人はまじめに健気に日々生きていると思います。

 しかし、自分が生きるためには人を犠牲にして構わないと考える、あの『羅生門』の下人のような犯罪予備軍、あるいは、ある《感情》に負けて人を殺したり傷つける予備軍なら、10人に一人くらいはいるかもしれない。[1億人のうち何人かは計算してください]

 二度目の閑話休題。
 多くの(学校を離れた)若者、大人はうんざりしていやがっている。
 勉強とは子ども時代のいやあな体験で、もうこりごり。大人になって「やっと勉強しなくてすむ年になった。これから働くことは大変だけど、それ以外の時間は自分の好きなことだけやるぞ。楽しいことしかやらないぞ」とつぶやいていないか。「いろいろ考えるのはめんどうだから、誰かにまかせればいい」と思っていないか。

 ――と問えば、みなさん方は自信をもって堂々と「そんなことはない」と言えるでしょうか。
 ならば、前々号の「第26号を探しに行って」のところ、なぜめんどくさいと感じたのでしょう。そこに答えがあると明かしているのに……。

 そして、前号「狂短歌をヒントにして考えて」との誘いを「またかよ。めんどくせえやっちゃなあ」とつぶやいたのでしょう……(^.^)。

 そこで今号の狂短歌ができました。

 ○ 正解がすぐ目の前にあるならば めんどくささを惜しむことなかれ

   ここでとても大げさなことを書きます。
 それはこのひと手間を取るかどうか、めんどくささを乗り越えて行動するか。
 そこに人生の大きな分かれ道がある――ということです。

 たとえば、あなたの最も愛する人、自分の子どもが何かしらの悩みを抱えているとわかったとき、「めんどくせえなあ。ほっとけ」と思うか、「めんどくさいけど、相手をして話を聞こう」と思うか。その分かれ道です。

「いやいや、それとこれとは違う。たかが読書ではないか。愛する人から悩みを明かされてめんどくせえなどと思いはしない」との反論ありでしょう。
 しかし、多忙な時は「後にしてくれ」と言う……。

 あるいは、これまでしつこく「一読法を学びなさい――途中で立ち止まってつぶやきなさい、考えなさい」と繰り返してきました。これは読書だけでなく日々の活動においてもめんどくさいひと手間です。

 だが、このめんどくささを乗り越えないから詐欺や投資商法にあって大切な虎の子を失うのです。

 テレビでは事件のたびに「家族に相談してください、警察に問い合わせてください」と言っています。コメンテーターが「ネットで相手の会社や組織が本物かどうか、正式なサイトに行って確認してください」と注意喚起しています。

 だが、みんなめんどくさいひと手間です。
 私が出した以前のクイズ。○○の答えがわからなかった人はもちろん、わかった人も「合っているかどうか」は一週間待たなければならない。今すぐ答えを見たければ、やはりこのひと手間を厭わず行動する。これが必要だということです。

 以前の号を「読んでほしい」と書いてリンクを張ることはとても丁寧な執筆姿勢です。いわば、優しく思いやりある筆者(^_^)。
 が、リンクを張らず「各自探しに行きなさい」との態度は冷たく突き放していると言えます。

 再度前号後記の狂短歌を掲載。

 〇 統合とは 強く厳しく突き放し 甘えを許し受け入れること

 もうおわかりでしょう。
 私は狂短歌に書かれた統合の人格――「強く厳しく突き放し」を実行したのです。
 あそこでリンクを張ることは私にとって何でもない、簡単なこと。
 しかし、リンクを張らないことで、自力で答えを探しに行きなさいと読者を突き放した。つまり、私は「統合の人格」を演技した。これがリンクを張らなかった理由です。

 また、62号「四タイプ統合の人格 その2」においても、以下のように統合の人格を説明しています。
------------------------
 この人格者は時には強く激しく訴える。時には厳しく懇々と説く。時には突き放して待つ。時には許し甘えさせる。
------------------------
 この三つ目「時には突き放して待つ」を実践したということです。

 結論。リンクを張らなかったのは私の冷たい人柄・性格ゆえではない。
 もちろん年老いたゆえのうっかりでもない。演技だということ。読者の成長を思えばこそであり、すなわち読者への愛というわけです(^_^)。


============
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:前号末尾の○○・□□問題の答えは今号本文に入れるつもりでしたが、次号に回すことにしたので、この場で答えを明かしておきます。

 ○○には[支配]が入り、□□1234には各自の特徴が入ります。
--------------------------
 ※ 四タイプはなぜ脅迫・批判、傍観・受容の言動や考え方、生き方をし続けるのか?

 この答えはわかりますよね。最後の穴埋め問題です。
 ○○は全て同じ語句、□□には違う語句が入ります(漢字二文字)。

 脅迫者は人を○○支配し服従させるには、1□□脅迫こそ最高最強の武器だと思うから。
 批判者は人を○○支配し服従させるには、2□□批判こそ最高最強の武器だと思うから。

 傍観者は人に○○支配されないために、3□□傍観と無関心を身につけた。
 受容者は人に積極的に○○支配されようと、全て受け入れる4□□受容を身につけた。

 よって、脅迫者は1[脅迫]を、批判者は2[批判]を演技する。これによって人を支配し、服従させる心地よさを感じる。

 傍観者は3[傍観]を演技する。これによって支配される不快、負ける不快を感じなくて済む。
 受容者は4[受容]を演技する。これによって人から攻撃されずに済む。むしろ守ってもらえる安心を得る。
-------------------------

 おそらく簡単だったと思います。1には「暴力」、2には「言葉」、4には「服従」を入れてもつながります。

 ただ、依然として「演技」の言葉には違和感を覚えたままではないか。
 次号より「どんでん返しの感情」と題してこの件を深掘りします。

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2024.05.27

ダービー、結果とほぞ嚙み

 ダービー結果は――もう1頭の乖離馬示さず……無念の全滅(-_-)

 1着―横山典 05ダノンデサイル…………[?] 単勝=46.6
 2着―戸崎圭 15ジャスティンミラノ……[◎]
 3着―坂井瑠 13シンエンペラー…………[・]
 4着―池 添 01サンライズアース………[?]
 5着―ルメル 02レガレイラ………………[〇]

 一覧順位[QJ→A→D→QD] 馬群[4→1→1→3]
 前日馬順[09→A→G→15] 枠順[D*→A→A*→B*]

 枠連=3-7=8.2 馬連=05-15=68.6 馬単=214.9
 3連複=05-15-13=212.5 3連単=2299.1
 ワイド12=13.8 W13=80.0 W23=6.6

---------------
 本紙予想結果
 印騎手番馬        名 馬順  結果
 ◎戸崎圭15ジャスティンミラノ A   2
 ○ルメル02レガレイラ     B   5
 △デムロ06コスモキュランダ  C(乖)  6
 △川 田12シックスペンス   D(乖)  9
 △横山武08アーバンシック   E    11
 △モレイ09ダノンエアズロック F    14
 ・坂井瑠13シンエンペラー   G   3
 ・鮫島駿17ショウナンラプンタ 11    15
 ・岩田望03ジューンテイク   12    10
 ●武 豊11シュガークン    H    7
 ?横山典05ダノンデサイル   09(乖離)1
 ?池 添01サンライズアース  15   4

---------------
【ダービー、過去9年の実近一覧結果】
    一 覧     馬 順     [1234]群
2024年 QJ→A→D→QD 09→A→G→15 4→1→1→3 乖離1・逆3着
2023年 H→B→E→G D→A→F→H 2→1→2→2 乖離1着
2022年 A→B→G→H C→B→F→A 1→1→2→2 
2021年 QB→A→F→G E→A→09→C 3→1→2→2 乖離1着
2020年 A→B→F→H A→B→G→H 1→1→2→2 
2019年 F→B→D→A H→C→B→A 2→1→1→1 
2018年 C→F→E→D F→D→17→15 1→2→2→1 逆1・3着 
2017年 H→C→G→QH A→D→B→H 2→1→2→4 乖離1・3着
2016年 E→D→G→QC A→C→B→G 2→1→2→3 乖離1・3着

 予想で「一覧ABが馬順A~Cになったときは馬連軸になり得るようだ」と書いたとおり、一覧トップA=馬順Aが2着。
 次に「過去8年馬群4が4着一度だけというのは驚き。馬群3も1度だけですが、1着となれば無視できない。ただ、馬順Eの乖離馬なので我らにとっては印をつけられる」と書きながら、馬群4の最下位05ダノンデサイルに印を付けないという痛恨のミス(詳細は回顧にて)。「第4、3群そろそろ出頃かも」と追加するべきだった。
 また、第1群逆乖離は2頭(B)11シュガークンとD13シンエンペラー。
 前者をウラ●にしたら7着。逆に軽視の後者が3着とは……(-_-)。
「そっちかよ~」といつものほぞ噛み。

 以下一覧データの結果です。

***************************
 【ダービー実近一覧表】 東京 芝24 18頭 定量57キロ
                  (人気は前日馬連順位)
順=番|馬      名牝歳|予OZ{実近}[展]3F|馬|乖|3指単複 印着
[1]
A=15|ジャスティンミラノ| 3.7{AD}[2] |A| |AAAA ◎2
B=11|シュガー クン  | 6.9{BE}[5]E|H| |HGHG ● 7
C=02|レガ レイラ  牝| 7.5{CB}[16] |B| |BBBB ○5
D=13|シン エンペラー | 8.7{DC}[6] |G| |GHGH ・3
[2]
E=09|ダノンエアズロック| 9.7{EA}[3]B|F| |FFFE △ 14
F=07|ミスタージーティー|13.5{F11}[13] |17| |
G=17|ショウナンラプンタ|14.0{GH}[10]D|11| |     ・ 15
H=08|アーバン シック |14.9{H10}[17] |E| |DCDD △ 11
[3]
QA=03|ジューン テイク |15.6{0912}[8]C|13| |     ・ 10
QB=18|エコロ ヴァルツ |18.5{1016}[15] |16| |
QC=04|ビザンチンドリーム|20.4{1314}[18] |12| |
QD=01|サンライズ アース|22.0{1118}[7] |15| |     ?4
[4]
QE=12|シックス ペンス |23.7{15G}[4]A|C|乖|CECF △ 9
QF=06|コスモキュランダ |24.3{1217}[14] |D|乖|EDEC △ 6
QG=16|メイショウタバル |25.3{1413}[1]逃|18| |取消
QH=14|ゴンバデカーブース|28.4{16F}[11] |10| |
QI=10|サンライズジパング|32.8{1715}[9] |14| |
QJ=05|ダノン デサイル |34.4{1809}[12] |09| |10090909 ?1

 注…「馬」は馬連順「3」は3複順「単複」は単複順位
----------------------------
 ○ 展開予想

※展開(3Fは前走の上がり優秀5頭)
 逃げ     先行     差し     追込
番16 15 09 12 -11 13 01 03 -10 17 14 05 -07 06 18 02 08 04
覧 ◎ 5 ○ △ 6 ▲
3F B A E C D
本 ◎ △ △ ● ・ ・ ・ △ ○ △
結 2 3 4 1 5

--------------
 [枠連順位]
 枠連型=A流れD [A型・4巴系] 枠順AB=5.3 CD=18.5
 馬連型=A流れH [A型・AB型] 馬連AB=6.5 CD=49.3

 枠連=AB/C/D/EF/GH/  (H8枠18=16番取消)
 枠順=71 6 3 45 28  枠順[D*→A→A*→B*]
 馬順=AB C D EF 1211  馬順[09→A→G→15]
 代行=G15 H 09 1714 1316
 代2=10 18
 ―――――――――――――
 結果=2354 1

 [オッズ分析 結果]

 直前予想で「枠連・馬順に矛盾はなく、F枠とG枠の間に段差があるので、枠AからFまでで決まるのでは」と書き、
------------------------
 本命決着ならA7枠からD3枠まで。この場合馬連は代行に注意。
 枠連お勧めはA軸の本穴[A→E・F・A=7→4・5・7]
 このウラにあたる[BCDボックス=1-6-3]
------------------------
 とまとめた。
 この分析通り、枠A7枠の馬順A2着、同枠代行馬順Gが3着。
 1着は枠D3枠の代行であった。

 もう一つ「馬連C-Dが49倍とかなり悪い」と書いたとおり馬順C12シックスペンス、D06コスモキュランダが凡走。
 なのに枠連が4巴系ということは枠C、枠Dが強いことを示している。そこで枠Cの代行H11シュガークンをウラ●にした……わけだが、来たのは枠Dの代行09位05ダノンデサイルであった。
 ここでも「そっちかよ~」と叫んだことであった。
 
 正に「本命決着ならA7枠からD3枠まで。この場合馬連は代行に注意」と書いたとおりの結果となり、掲示板5頭のうち3頭が代行となった。
 もっと枠D代行09位05ダノンデサイルに注目するべきであった。

*************************

 ※ 回  顧

 いつものいとことテレビ観戦しながら……
 道中からレース後、つぶやくことが多々あったダービーでした。

 1000メートル通過62秒2の実況を聞き、「しめしめ」とつぶやいたこと。
 向こう正面でウラ●武豊11シュガークンは2番手、◎戸崎圭15ジャスティンミラノは3番手を走っていました。馬群は明らかなスロー。

 先頭の岩田康18エコロヴァルツはいずれつぶれる(8着)と思って、
「こりゃあ来るぞ、来るぞお」と私の頭の中は馬連・馬単●-◎のワンツーしか浮かんでいませんでした(^_^;)。

 実は直前予想で書かなかったことがあります。
 それは皐月賞で初めて1580を切るレコード(1578)を出した2017年の皐月とダービーを比較した際、ペースについて書かなかったことです。

 2017年の皐月賞(良馬場)1000メートル通過は59.0でした。
 そして同年ダービー(良)の1000メートルは63.2というチョーのつくどスロー。勝ちタイムは2269と良馬場過去10年10位という遅さでした。

 今年レコード更新の皐月賞(1571)では1000メートル通過57.5のチョーハイペース。そしてダービー。展開図と指数を見ると、ぎんぎんの逃げ馬不在。なおかつ逃げAの位置にいた16メイショウタバルが取り消しました。

 ここで「もしかしたら今年のダービーも2017年のようにスローペースになるかもしれない。もしも武豊11シュガークンが逃げでもしてとろとろ走ったら絶好のチャンス」と思いました。

 これを予想に書かなかったのはペースのことは走ってみなければわからないし、また外れることも多いからです。
 しかし、このことが頭にあったので1000メートル通過62.2と聞いたとき、「しめしめ」とつぶやいたわけです(^.^)。

 このとき私の目はウラ●、◎の内を走る1頭の馬を全く見ていませんでした。
 文学的に表現すると「見てはいる。だが、頭の中に同馬の姿は映像化されていなかった」のです。

 と言うのはレースを終えた段階では「1着横山典05ダノンデサイルはどこにいたんだ?」とつぶやき、いとこ宅ではわからないまま。

 帰宅してダービービデオを見返したとき、第1コーナーの時点で同馬が3~4番手にいるとわかって「えっ、そこにいたの?」とつぶやいたほどです。
 以降ダノンデサイルはずっと最内を先行し、直線残り200で最内をするする抜け出します。
 そのときも私の目は先に抜け出した11シュガークンと直後の15ジャスティンミラノしか見ておらず、祈るように「豊っ! 豊っ!」と叫んでいたのです。ほげ(^.^)。

 が現実は悲惨。シュガークンにさらなる末脚はなく、ずるずる下がり(結果7着)、逆に最内から鋭く伸びる馬が1頭。「何あれ?」
 実況アナが馬名を連呼しているのを聞けば「横典ダノンデサイル」。
 その瞬間、古典的馬券ジンクス「同一馬主は人気薄」を思い出し、同時に「しまった。乖離馬だったんだ!」と(心の中で)つぶやいていました。

 前者の件、みなさん当然レース前気づいていたでしょう。09ダノンエアズロックと05ダノンデサイルが同馬主であること。前者は馬順F、後者は馬順09位。
 前者は5億高額馬。後者は安馬……と思って調べたら1億5千万でした。
「高えじゃん(^_^;)」

 問題は◎15ジャスティンミラノから後者に流して買うかどうか。
 ここが歓喜のA時空に進むか、不如意ほぞ噛みのB時空に進むかの分かれ道。
 買われた方、馬連的中おめでとうございます。
 逆に「思ったけど、買わなかったんだよなあ」とつぶやいた方。
 以後私の懺悔と言うかほぞ噛み弁解の言葉に同意いただけるかも。

 次なる問題は私の「乖離馬だったんだ」のつぶやき。
 05ダノンデサイルは第4群の乖離馬でした。
 気づいていたのに予想で書かず、印をつけませんでした。

 実近一覧第4群を再掲すると、
----------------------
[4]
QE=12|シックス ペンス |23.7{15G}[4]A|C|乖|CECF △ 9
QF=06|コスモキュランダ |24.3{1217}[14] |D|乖|EDEC △ 6
QG=16|メイショウタバル |25.3{1413}[1]逃|18| |取消
QH=14|ゴンバデカーブース|28.4{16F}[11] |10| |
QI=10|サンライズジパング|32.8{1715}[9] |14| |
QJ=05|ダノン デサイル |34.4{1809}[12] |09| |10090909 ?1
----------------------

 この一覧最下位05ダノンデサイルは二つの点で我が琴線に引っかかっていました。
 一つは一覧18位→馬順09位。ずいぶん上昇していること。
 また、以前も語ったように、同馬は実績18位、近走09位の「近走上昇馬」でもあります。

 近走アップの馬は3頭いました。第4群トップの12シックスペンスも[15→G]。そして、シックスペンスは馬順C。これは06コスモキュランダとともに明確な乖離馬だから、当然印をつけました。

 ここで「ダノンデサイルに乖離馬の印をつけるかつけないか」迷った。
 私もこの時点で「歓喜のA時空か不如意ほぞ噛みのB時空の境目にいた」わけです。

 結果から言うと、印をつけなかった。私はB時空に進んでしまいました。
 つけていれば「皐月組下位はムリ筋ですが、1頭だけ除外となった馬がいます。15ジャスティンミラノから皐月経由の皐月不出走馬=05ダノンデサイルにも馬連流しておきます(^.^)」と書いたでしょう。

 なぜ印をつけなかったか。同馬のデータを検討したからです。

 ダノンデサイルの父はエピファネイア。これは良し。
 成績は4戦[2002]でこちらはイマイチ。2歳新馬を勝てず4着(3人)。次走未勝利V(5人)後、2歳G3ラジオN杯11番人気4着。
 そして、4戦目の今年1月中山G3京成杯5番人気の1着でようやくOP入りして皐月挑戦……が除外。

 この4戦全て掲示板ながら1番人気は一度もなし。京成杯Vの勝ちタイムも2005と平凡で光るものなく、4戦先行して上がり3位以内ながら1位でも35.2。最速34.1。「実績18位、近走09位といったって皐月除外で実質1月以来の出走。これはないな」とカット(-_-)。

 が、今これを書きつつ、念のため過去の京成杯勝ちタイムを調べてみました。
 すると2005の勝ちタイムは過去20年の最速でした(レースレコードはその前1592があり)。
 また、昨年[皐月V→ダービー2着]のソールオリエンスは京成杯V馬でした。今までも「あやしい」と思ったら、過去の勝ちタイムを調べていただけに、痛恨の「ひと手間はぶき」となってしまいました。くーっ。

 ただ、これをもってダノンデサイルをウラ●にしたとは言えません。
 と言うのは前走青葉賞を勝った武豊11シュガークンの4戦57キロ[3100]があまりに魅力的だったからです。今回だけは鞍上に関係なく(つまり他の騎手であっても)ウラ●にしたでしょう。

 騎手馬券のいとこはある騎手の人気薄穴馬に注目して外れ。
 レース後彼は「今回で二度と買わん」と言い、私に「まだ武豊買い続けるのか」と聞くので、
「そうですねえ。成績見て決めているからムリ筋と思えば買わないし、一致すれば買います」と答えたことです。

 最後にダノンデサイルの鞍上横山典騎手。
 ダービー最年長56歳3ヶ月の(高齢?)優勝おめでとうございます。
 ほぼ40年の大ベテランであり、重賞187勝の名手でありながら、近年とんと重賞Vが減って忘れかけた騎手(?)と言えましょうか。
 どっこい「俺もいるぞ」ってところを見せてくれました。

 同騎手の芝GIVは2017年NHKマイル・アエロリット以来。ダービーは過去2勝してこれが3度目。
 レース後インタビューで判明しましたが、ダノンデサイルの皐月賞除外(右前肢跛行発症)は典さんの進言だったようです。「皐月賞での自分の決断が間違っていなかったんだな」と語っていました。

 皐月賞ではすでにファンファーレが鳴っていた。
 猛り立つ若手だったら「あれっ?」と感じたとしても、そのままスタートさせたかもしれません。ベテランならではの立ち止まりと深慮。

 あのとき横典騎手は「ここでスタートせず馬を休ませるA時空か、無理して走らせるB時空」の境目に立っていた。彼はA時空に進むと決断して成功した。
 おお、正に一読法的人生。見習いたいものです(^_^)。

 以上です。

============
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:文中「痛恨の『ひと手間はぶき』」の言葉と文末「正に一読的人生」の言葉。先日発行した『続編』66号の実例となりました。
 めんどくさいひと手間を取ればA時空、取らないとB時空――記憶にとどめたいものです(^_^)。

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2024.05.25

ダービー、直前予想

 さー明日は年に一度のダービー(当たり前ですが(^.^)。
 他のGIも当てたいけれど、ダービーはとりわけ気持ちが高ぶります。

 まー当てるだけなら、単勝全買いすれば必ず当たるし、皐月レコードVのジャスティンミラノ――たぶん1番人気でしょうから――馬連総流しで当たる可能性高し。
 しかし、前者は(さすがに単勝万馬券はしばらく出ないだろうから)トリガミの可能性高く、後者はジャスティンミラノまさかの3着以下だと外れ。相手上位人気だとこれまたトリガミ必至。

 戸崎圭15ジャスティンミラノ、表の◎は仕方ないとして3着以下の可能性なしとは言えないので、やはりウラ●はこしらえたいと思います。
 [新馬→G3→GI皐月]3連勝のジャスティンミラノについて唯一のいちゃもんは3戦1番人気が一度もないこと。[2→4→2]というちょい裏切り馬。
 今回1番人気になってどうか。また、レコード走の反動があるかないか。
 これは素人には全く予測不能。終わって「なかった・あった」と言うしかないもの(^.^)。なければあっさり2冠、秋には3冠候補。反動あれば……。

 ところで、昨年ダービー回顧を再読して「一覧A・馬順Bのルメール02スキルヴィングが直線に入って体調不良となり、ゴール(17着)後下馬して倒れ、すぐに亡くなった」とありました。すっかり忘れていた自分にあきれます。
 最近人間界も元気のいい年長芸能人の心不全による突然死がしばしば報道されます。自戒も含めてみなさん体調不良に気を付けてください。


 まずは過去8年の実近一覧結果から。

【ダービー、過去8年の実近一覧結果】
    一 覧     馬 順     [1234]群
2024年 →→→ →→→ →→→
2023年 H→B→E→G D→A→F→H 2→1→2→2 乖離1着
2022年 A→B→G→H C→B→F→A 1→1→2→2 
2021年 QB→A→F→G E→A→09→C 3→1→2→2 乖離1着
2020年 A→B→F→H A→B→G→H 1→1→2→2 
2019年 F→B→D→A H→C→B→A 2→1→1→1 
2018年 C→F→E→D F→D→17→15 1→2→2→1 逆1・3着 
2017年 H→C→G→QH A→D→B→H 2→1→2→4 乖離1・3着
2016年 E→D→G→QC A→C→B→G 2→1→2→3 乖離1・3着

 過去8年馬群4が4着一度だけというのは驚き。馬群3も1度だけですが、1着となれば無視できない。ただ、馬順Eの乖離馬なので我らにとっては印をつけられる。
 全体的に乖離馬の活躍が見られるので、第2群の乖離馬には注意したい。

 また、2着内を見ると、馬順Aが8回中5回。馬順Bだと8回中2回。ところが、一覧トップのAは8回中3回でBは8回中4回とやや多い。
 両馬を一覧・馬順との関係でまとめると、一覧ABが馬順A~Cになったときは馬連軸になり得るようだ。

 逆に馬順A・Bが3着以下に落ちた例が18、19年の2回ある。18年は[F→D→17]、19年は[H→C→B]。
 19年は[ABC→GH]であり、18年はこのウラ[DEF]の出現と言える。
 3強になったときなど、この2パターンを忘れないようにしたい。

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 【ダービー実近一覧表】 東京 芝24 18頭 定量57キロ
                  (人気は前日馬連順位)
順=番|馬      名牝歳|予OZ{実近}[展]3F|馬|乖|3指単複 印着
[1]
A=15|ジャスティンミラノ| 3.7{AD}[2] |A| |AAAA ◎
B=11|シュガー クン  | 6.9{BE}[5]E|H| |HGHG ●
C=02|レガ レイラ  牝| 7.5{CB}[16] |B| |BBBB ○
D=13|シン エンペラー | 8.7{DC}[6] |G| |GHGH ・
[2]
E=09|ダノンエアズロック| 9.7{EA}[3]B|F| |FFFE △
F=07|ミスタージーティー|13.5{F11}[13] |17| |
G=17|ショウナンラプンタ|14.0{GH}[10]D|11| |     ・
H=08|アーバン シック |14.9{H10}[17] |E| |DCDD △
[3]
QA=03|ジューン テイク |15.6{0912}[8]C|13| |     ・
QB=18|エコロ ヴァルツ |18.5{1016}[15] |16| |
QC=04|ビザンチンドリーム|20.4{1314}[18] |12| |
QD=01|サンライズ アース|22.0{1118}[7] |15| |
[4]
QE=12|シックス ペンス |23.7{15G}[4]A|C|乖|CECF △
QF=06|コスモキュランダ |24.3{1217}[14] |D|乖|EDEC △
QG=16|メイショウタバル |25.3{1413}[1]逃|18| |取消
QH=14|ゴンバデカーブース|28.4{16F}[11] |10| |
QI=10|サンライズジパング|32.8{1715}[9] |14| |
QJ=05|ダノン デサイル |34.4{1809}[12] |09| |10090909

 注…「馬」は馬連順「3」は3複順「単複」は単複順位
---------------------------
 ○ 展開予想

※展開(3Fは前走の上がり優秀5頭)
 逃げ     先行     差し     追込
番16 15 09 12 -11 13 01 03 -10 17 14 05 -07 06 18 02 08 04
覧 ◎ 5 ○ △ 6 ▲
3F B A E C D
本 ◎ △ △ ● ・ ・ ・ △ ○ △

----------------------------
--------------
 [枠連順位]
 枠連型=A流れD [A型・4巴系] 枠順AB=5.3 CD=18.5
 馬連型=A流れH [A型・AB型] 馬連AB=6.5 CD=49.3

 枠連=AB/C/D/EF/GH/  (H8枠18=16番取消)
 枠順=71 6 3 45 28
 馬順=AB C D EF 1211
 代行=G15 H 09 1714 1316
 代2=10 18
 ―――――――――――――
 結果=

 [オッズ分析]

 馬連はA15ジャスティンミラノからH11シュガークンまで流れているのでA型であり、その後B02レガレイラ流れなので(Aの強い)AB型である。
 ならば、枠連も枠E4、F5枠まで流れていいところだが、D3枠で止まっている。これはB1枠の強さと枠C6、D3枠がやや補強となっているからだろう。

 1列目が馬順AからF、以降G~10まで2列目、3列目に入っているので、枠G2、H8枠と段差がある。全体的に矛盾はなく、枠連はF5枠までで決まるのではないだろうか。
 本命決着ならA7枠からD3枠まで。この場合馬連は代行に注意。
 枠連お勧めはA軸の本穴[A→E・F・A=7→4・5・7]
 このウラにあたる[BCDボックス=1-6-3]

 馬連C-Dが49倍とかなり悪いので、馬連・3複のお勧めはC12シックスペンス、D06コスモキュランダを蹴るパターン。
 [A→EFGH→B=15→08 09 13 11 →02]

******************************
 ※ 直前予想

 まずは終わって「それだったのか」とほぞ噛みたくないチョー単純な馬連・3複馬券を(オッズを見る前に)少々買っておきます(^_^;)。

 全18頭のRX――GIVの格最上位は2頭だけ。
 皐月Vの戸崎圭15ジャスティンミラノと2歳GIホープフルSVのルメール02レガレイラ。この馬連[15-02]1枚。両馬が馬順ABになったら、ウラの馬単[02→15]も1枚追加。
 レガレイラは唯一牝馬。2007年ウオッカ以来17年ぶりの牝馬ダービーVを「獲ったど~!」と言いたくて02レガレイラの単勝も1枚(^_^;)。

 東京芝24を勝った馬は2頭だけ。前走G2青葉賞V武豊11シュガークンと鮫島駿17ショウナンラプンタ(阪神1WクラスV)。
 後者は青葉賞2着でもあり、さすがにこのワンツーはないだろうが、15ジャスティンミラノ込みの3着内ならあるかも、と3複[15-11-17]1枚。

 今回全18頭の中で皐月経由が(除外だった05ダノンデサイルを含めて)12頭の多さ。
 終わって「何だよ。皐月のワンツーか」とぼやくかもしれない。
 そこで皐月1着15ジャスティンミラノと2着デムーロ06コスモキュランダの馬連[15-06]1枚。
 皐月上位は1着~7着まで6頭出走。消えたのは3着馬。
 [ここでクイズ(^.^)。この馬名は? NHKマイルに行きました。
 答えはこの後どこかで出てきます]

 終わってさらに(まさかの)「皐月上位馬の123着か~」とつぶやくのもしゃくなので、1着15ジャスティンミラノ-2着06コスモキュランダ-4着横山武08アーバンシック3頭の3複[15-06-08]1枚。ただし、コスモキュランダの鞍上は皐月賞ではモレイラでした。

 東京コースを2勝以上しているのは3頭だが、連勝は2頭。3戦3勝のモレイラ09ダノンエアズロックと2戦2勝の戸崎圭15ジャスティンミラノ。
 ダノンエアズロックは価格5億弱の高額馬。「やっぱり高えのが来るのか~」とつぶやくかもしれず、馬連[15-09]1枚。

 前走G2出走は4頭。うち2頭が先ほどの青葉賞1、2着馬。
 残り2頭が京都新聞杯Vの岩田望03ジューンテイクと3月スプリングSVの川田12シックスペンス。さすがにこのワンツーはないだろうが、ジャスティンミラノ込みの3着内ならあるかも(さっきのコピペ)と、3複[15-03-12]1枚。

 最後に(後述するけれど)もしも皐月レコード走の反動から123着が消える(すでに3着ジャンタルマンタルはここ不在)と、まさかの456着馬がダービー[123]着になるかもしれない。その3頭とは横山武08アーバンシック、坂井瑠13シンエンペラー、ルメール02レガレイラ。そこで、皐月456着馬の3複[08-13-02]1枚。

 これをまとめると、表の印は以下の通り。(記号は馬順)
 一覧第1群ACが馬順ABであり、馬連オッズはAB型。
 よって、ルメール02レガレイラを○とする。

 ◎戸崎圭15ジャスティンミラノ A
 ○ルメル02レガレイラ     B
 ・武 豊11シュガークン    H
 ・鮫島駿17ショウナンラプンタ 11
 ・デムロ06コスモキュランダ  C(乖)
 ・横山武08アーバンシック   E
 ・モレイ09ダノンエアズロック F
 ・岩田望03ジューンテイク   12
 ・川 田12シックスペンス   D(乖)
 ・坂井瑠13シンエンペラー   G

 さて、ここから本論。

 今も書いたように18頭中皐月経由が12頭の多さ。
 そして、皐月賞は過去のレコードをコンマ7も縮める1571のレコード決着でした。
 で、ダービーを迎えて考えたい点は「あのレコードの勢いをダービーでも発揮する」か、または「レコード疲れと言われるように、反動で凡走となる」か。

 たとえば、過去皐月賞で1580を切るレコード1578を出したのが2017年。
 123着は以下。この3頭全て次走ダービー出走。その結果も掲載します。

 [2017年皐月賞結果]     人気→ダービー
1着松 山11アルアイン    9  5着(4人)
2着デムロ07ペルシアンナイト 4  7着(6人)(戸崎圭乗替り)
3着武 豊10ダンビュライト  12  6着(7人)

 人気を見ればわかるように大荒れ。3複7万、3単106万でした。
 武豊が12番人気で3着激走だったことも驚き(^.^)。
 そして、皐月レコード上位3頭はダービー凡走。
 これはレコードの反動でしょうか。あるいは、人気から見れば皐月の好走はたまたまでありフロック。ダービーで本来の実力(?)が出たとも言えます。

 ではこの年皐月の1番人気はなんだったか。
 これを言える人はチョーのつく天才的競馬(?)頭脳の持ち主でしょう。
 しかし、聞けば驚くと思います。岩田康08ファンディーナでした。
 
 えっ、全く記憶に残っていない? 
 さにあらん。私も同様。しかし、馬柱のあるところを見てびっくりしました。

 なんとファンディーナって牝馬でした。それが1番人気。
 同馬はディープインパクト産駒で[新馬→1W→G3フラワーC]の3戦3連勝。
 全て100円台の1番人気。かくして皐月240円の1番人気に祭り上げられました。
 が、コンマ8差の7着。以後休養に入り、秋から3戦、最高6着で引退……。
 どおりで記憶にないわけです。

 ああ、歴史は繰り返す。今年の皐月賞1番人気は牝馬レガレイラ。
 3戦ルメール鞍上で[新馬V→OP3着→GIホープフルSV]。
 スワーヴリチャードの仔。全て100円台の1番人気が皐月挑戦。
 単勝370円の1番人気となったが、レコード決着からコンマ5差負けての6着。
 ただし、皐月の鞍上は北村宏。今回ルメールに戻ってどうか。

 さらに17年の皐月→ダービーを見ます。
 皐月123着馬はそのままダービー出走、567着に敗れた。
 ならば、「ダービー123着馬は?」と思います。
 以下、人気と前走のレース、着順も掲載します。

 [2017年ダービー結果]     人 前走
1着ルメル12レ イ デ オ ロ 2 皐月5着(5人)
2着四 位04スワーヴリチャード 3 皐月6着(2人)
3着デムロ18アド ミラ ブル  1 G2青葉賞1着(1人)

 つまり、皐月レコード決着に後れを取った5、6着馬2頭がダービーワンツー。
 この2頭皐月では上位人気だったことに注目。皐月4着クリンチャー(13人気)もダービーに出たけれど、13着(9人気)。
 そして、もう1頭はダービートライアルのG2青葉賞V馬が食い込んだ――という構図です。

 17年の皐月賞、牝馬が1番人気となった年に1578の皐月レコードが生まれ、今年牝馬レガレイラが皐月挑戦1番人気となった年に1571のレコード更新となる。
 これはたまたまの偶然か。はたまた「牝馬に負けてたまるか」と牡馬が奮起したのか。

 いずれにせよ、過去一例ながら、それは皐月レコード決着の123着馬がダービーで凡走した例でした。もっとも、皐月の人気を見れば高評価だった馬ではありません。

 そこで今年の皐月を見ると、(3着3番人気のジャンタルマンタルが抜けたので)12456着まで掲載すると以下。ダービーの馬番と馬順も追加。

 [本年皐月賞結果]       人気→ダービー
1着戸崎圭13ジャスティンミラノ 2  15番 A
2着モレイ12コスモキュランダ  7  06番 C(デムーロに)
4着横山武09アーバンシック   6  08番 E
5着坂井瑠14シンエンペラー   5  13番 G
6着北村宏10レガレイラ     1  02番 B(ルメールに)

 ここで結論(^_^)。
 皐月賞レコード決着の反動がダービーで出ると見なせば、この上位馬全てカット(3着以下)と推理することになります。その場合皐月7着以下(7頭)か前走皐月以外(6頭)が連対候補です。

 しかし、皐月7着以下はどうも連がらみしそうにない。皐月3番人気は抜けたジャンタルマンタルだし、4番人気メイショウタバルはダービーに出てきた(16番)けれど取消。
 つまり、どう転んでも皐月上位のこの5頭がダービーでも連対候補(以外が来たらあきらめる)。

 皐月レコード走の反動が出るとしてこの5頭に食い込むなら、先ほども書いた皐月不出走のトライアル組。トライアルG2出走の3頭とG2Vながら3月以来の1頭、OPVの1頭。それが以下5頭です。
 [皐月以外の有力馬]
・G2青葉 賞1着武 豊11シュガークン    H
・G2青葉 賞2着鮫島駿17ショウナンラプンタ 11
・G2京都新聞1着岩田望03ジューンテイク   12
・G2スプリS1着川 田12シックスペンス   D
・OPプリンシ1着モレイ09ダノンエアズロック F

 この5頭からウラ●を抜擢したいと思います。

 その前に斤量について一言。
 過去ダービーでは皐月経由が圧倒的に優勢で、G2トライアル組からはときどき連がらみする程度でした。理由は皐月前重賞勝ちとか3勝をあげるなどその時点の成績上位馬が皐月賞に出たのであり、トライアルG2やOPVはいわば格下――と言えます。

 が、それだけでなく、私はトライアル組不振の原因として斤量の問題がかなりあったのではと考えています。
 GI皐月賞は斤量57(牝55)キロ。それまではだいたい56キロ以下。そして、ダービーはもちろん57(牝55)キロで継続される。
 ところが、トライアルG2以下は56キロのままで、ダービーで初めて57キロを背負うパターンがほとんどでした。
 しかし、昨年から斤量制度が変わって皐月以前でも57キロを背負うようになり、当然ダービートライアルも57キロ。つまり、今後は57キロを経験してダービーに出走できるようになります。今後トライアル組の好走が増えるかもしれません。

 そこで上記5頭、斤量57キロの結果を見ると、
                         57キロ
・G2青葉 賞1着武 豊11シュガークン    H [3100]
・G2青葉 賞2着鮫島駿17ショウナンラプンタ 11 [1100]
・G2京都新聞1着岩田望03ジューンテイク   12 [1101]
・G2スプリS1着川 田12シックスペンス   D [1000]
・OPプリンシ1着モレイ09ダノンエアズロック F [1001]

 このように武豊11シュガークンは4戦[3100]の成績ですが、全て57キロ。
 全18頭の中でも57キロ3勝以上をあげているのはこの馬だけ。
 東京も1戦1勝、芝24も1戦1勝。父ドゥラメンテも良し。

 ただ、逆いちゃもん(?)はたくさんあります(^.^)。今年2月初出走の新馬を勝てず(2着)すぐに未勝利に出たこと。OP、重賞未出走のまま前走G2V。勝てなければダービー出走はなかった。
 また、馬主も5年目の新興(重賞1勝/3)。そもそもシュガークンの名がダービー馬にふさわしくない(^.^)?
 前日人気も低く、一覧では第1群Bながら逆乖離の馬順H。評価通りの着順であってもおかしくありません。

 そんなわけでウラ●にはするけれど、連単軸は少々として2着、3着候補として狙ってみたいと思います。

 本紙予想
 印騎手番馬        名 馬順
 ◎戸崎圭15ジャスティンミラノ A
 ○ルメル02レガレイラ     B
 △デムロ06コスモキュランダ  C(乖)
 △川 田12シックスペンス   D(乖)
 △横山武08アーバンシック   E
 △モレイ09ダノンエアズロック F
 ・坂井瑠13シンエンペラー   G
 ・鮫島駿17ショウナンラプンタ 11
 ・岩田望03ジューンテイク   12
 ●武 豊11シュガークン    H

 さて結果は?

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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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2024.05.23

『続狂短歌人生論』66 どんでん返しの《理屈》その2

 [本号を読む前に必ず前65号を先にお読みください。
 こちらを先に読むと、面白みが半減します。]


 前(65)号本文末尾に「答えは次号――to be continued(^_^)」とありました。
「おやあ。続くを英語にしている。何か意味があるのかな」とつぶやいた方。
 素晴らしい。一読法がしっかり身についてきましたね。その調子で読みましょう。

 が、これは筆者の気まぐれというか、ひっかけ問題(^.^)。
 前号末尾でつぶやいてほしいところはそこではない。
 後記に「統合の人格が理想の人格でないとすれば何なんだ」との疑問について以下の穴埋め問題を出しました。
-------------------------
 脅迫・批判、傍観・受容の四タイプについてこれまで「性格・人柄」などと書いてきたが、厳密に言うと「これは性格・人柄ではなく、人が行っている〇〇である」ということ。(〇〇は漢字二文字)
-------------------------

 さらに、この穴埋め問題に対して
-------------------------
 わからない人は、

 2023年10月25日発行『続狂短歌人生論』第26号「迷路の整理」――を

 ご覧ください。
-------------------------
 とありました。つぶやいてほしかったのはここ。

 ではつぶやくべき言葉は?
「おやあ。今までは以前の号に戻るときリンクが張られていたのに今回はない。
 忘れたのか。あるいは、何か意味があるのか」と。

 忘れたとすれば筆者のうっかり。後者だと「作者なぜ?」の疑問。
 なぜ筆者はすぐ26号に行けるようリンクを張らなかったのか。
 うっかりでないことは行間を取って配置していることから明らかです。
 つまり、「探しに行ってね」という確信犯(^_^)。

 私は本稿を御影祐の「メルマガ(3本)」・「ブログ」・「ホームページ」の3媒体で公開しています。合計200名近い読者がいる(ようです)。
 各読者はここで(○○の答えがわかってもわからなくとも)『続編』26号を見に行くか、あるいは「どうせ次号で答えは明かされる」と思ってリンク先を探しに行かないか――二つに分かれたと思います。

 前者は余計な作業であり、正直めんどくさい。後者は楽ちん(^.^)。
 楽な対応だが、1週間もやもやした気持ちを抱き続けねばならない。
 答えが思いつかない人は「あの答えは何だあ」と考え続ける(?)。
 答えはこれかなと思い当たった人も「合ってるかどうかわからない」まま。

 もっとも「そんなことにくよくよ悩むヒマはない」人なら、何も感じることなくただ1週間を過ごす(でしょう)。
 もしかしたら「なんでリンクを張ってくれなかったんだ」と筆者を責める感情にとらわれたかもしれません。

 一方、めんどくさいひと手間を取れば、前者は「なるほどこれが答えか!」と発見できる。
 後者は「自分の答えで合っていた!」、あるいは「違ったかあ。残念!」とつぶやける。

 リンク先を探しに行く方法は以下。
 ホームページが最も簡単。『続編』トップページに行けば目次があるので、すぐ26号に到達できる。そこには狂短歌がある。

 ブログは「2023年10月オクトーバー」のところに行って25日(第26号)を探す。
 これ(やってみたら)スクロールが大変でした。でも、やれば到達できる。
 メルマガの場合は、かつて配信された10月の26号を(保存されていれば)探しに行く。これもメールの海に埋もれていると探すのは一苦労。

 全てに共通する方法は [2023年~「迷路の整理」]部分を選択してブラウザの検索部分に張り付けるか、右クリック→小窓の「(ブラウザ名)――で検索」ボタンを左クリック。すると[御影祐の『続狂短歌人生論』トップページへのリンク]が出て来るので、トップページへ行けば目次から「26」号に到達できる。
 以前この方法を書きましたが、忘れているとできません。

 いずれにせよ、それぞれ「めんどくせえ」ひと手間が必要(^.^)。
 筆者がリンク先さえ張っていれば、簡単に当該ページに行くことができる。
 なのに、私はそれをしなかった。なぜか?
 答えは本文に。まとめれば「読者への深~い愛」なんです(^_^;)。

 なお、時間が許せば、前号をもう一度再読して本文を読むことを勧めます。
 というのは前号のもろもろを今号にて「どんでん返し」しているからです。
 おそらく「えっ、これも(あれも)ひっくり返すのか?!」とつぶやかれることでしょう。

---------------
 (^_^)本日の狂短歌(^_^)

 ○ 四タイプ 統合させる生き方は 理想と言うより演技のうまさ

===============
***** 「続狂短歌人生論」 *****

 (^_^) ゆとりある人のための20分エッセー (^_^)

 【『続狂短歌人生論』66 どんでん返しの《理屈》その2


 これが前号後記○○に入る言葉です。
 リンク先の26号を訪ねた人は冒頭の狂短歌を読んで「演技かあ」とわかったはず。
 そこには、

 〇 四タイプ 変えることの難しさ 演技ではない 自分自身だ

 ――とあります。

 この狂短歌は私が「四タイプとは〇〇だ」と指摘したのに対して読者が「いや、演技ではない、自分自身だ。私の性格であり人柄だ」との反論を意識して詠まれた狂短歌です。

 再度繰り返します。脅迫・批判、傍観・受容の四タイプとは「性格・人柄」ではなく、人が行っている演技である――ということです。

 そして、これは前号の狂短歌への返し(返歌)でもあります。

 〇 統合の人格 それは人間の 理想の姿というわけでなく……

 この「……(点々)」のところに「演技のうまさ」が入る。
 四タイプを統合させる生き方とは人格の理想像のように見えるかもしれない。
 いやいや、四タイプが演技であるように、統合の人格も演技である。

 大げさに言うと我々は人生において四タイプの演技をして人と付き合い、生きてきた。ならば、各自の演技に四タイプを統合する演技を追加しようではないか――そう主張しているのです。

 もっとも、こう言い切ってしまうと、おそらく読者各位は相当の違和感を覚えると思います。
「えっ、そうなのか」とか「そりゃ違うだろう」とか「統合の人格が演技だとしたらがっかりだ」など、疑問・当惑・失望の言葉をつぶくのではないでしょうか。

 あるいは、一読法どころかずば抜けた記憶力をお持ちの方は以下のように鋭い反論を開陳して私に迫るかもしれません。

 第61号「四タイプ統合の人格 その1」の冒頭には次の狂短歌がありました。

 ○ 四タイプ 統合させる生き方こそ 我らが目指す理想の人格

 これを根拠として「そもそもあんたが『理想の人格』と書いているじゃないか!」と。

 この反論に対して筆者の私が「しまった。確かに理想の人格と書いてしまった」と顔赤らめてつぶやく……かと言うと、さにあらず(^_^;)。

 あの狂短歌、ほんとは以下のように詠みたかったのです。

 ○ 四タイプ 統合させる生き方こそ 我らが目指す理想のドラマ

 こちらの方がぴったりきます。末の句も7文字で字余りになっていません。
 [なのになぜ「理想の人格」と書いたのか。この「作者なぜ?」についてはここから]

 脅迫・批判・傍観・受容という四タイプを発案したのは『聖なる予言』の作者ジェームズレッドフィールド氏です。彼は四タイプが行う言動や生き方を「コントロールドラマ」と呼んでいます。
 私はこの説に大いに感心して考察を深め、(『前著』と『続編』の元になる)人生論エッセーを書きました。

 しかし(執筆裏話を公開すると)、最初から一貫して「ドラマ」と説明するのはちとはばかりがある。なかなか理解しにくい(私自身がそうだったから)。
 ここは性格・人柄として長所や短所を説明しよう。そして、最後に「四タイプを統合させる」生き方のところで、これはドラマだと明確に訴えようと思ったのです。

 繰り返しになりますが、脅迫・批判、傍観・受容の四タイプは「演技である、ドラマを演じている」との見方は『続編』の最初から一貫して語ってきました。

 ただ、「演技だ、ドラマだ」の言葉がなかっただけです。内容を吟味すれば《四タイプの特徴は彼らの本質ではない。脅迫・批判、傍観・受容のドラマを演じている》とわかったはずです。

 たとえば、『続編』巻頭は四タイプについて改めて解説しており、第4号には以下の狂短歌がありました。

 ○ 四タイプ 人と闘う基地と武器 心はみんな弱いニンゲン

 この第4号は各タイプの心の基地と武器について述べており、ぜひ再読してほしい号です(リンク張りましたよ)。
 四タイプの本質、すなわち人間の真の姿は弱弱しい心にある。みんな傷つきやすい心を持っている。それを隠すため、人にわからないようにするため、脅迫・批判・傍観・受容のドラマを演技している――との見方を提示しています。

 もうお忘れでしょうから、各タイプをまとめた4つの狂短歌も掲載しておきます。

 ☆ 脅迫者 鉄の鎧を身に着けて 鉄のハンマー振り回す

 ☆ 批判者は樫の砦に立てこもり 木のとんかちでこつこつ叩く

 ☆ 傍観者 オープンセットのベニヤ板 お面かぶって変わり身得意

 ☆ 受容者はなんでも許す水風船 表にこにこ裏はぐちぐち

 ちなみに、四タイプの中で「それは演技ですね」と言われて直ちに納得するのは傍観者タイプです。相手に合わせて変わり身を見せる――これは演技だと普段から自覚している(でしょう)。
 逆に脅迫・批判・受容の三タイプは「演技ではない。自分の性格であり真の姿だ」と思っている(はずです)。

 そして、最近では第63号「四タイプ統合の人格 その3 次善の策」の本文冒頭で次のように語っています。
--------------------------------------
 統合の人格とは「成熟した自我」と言ってもいい。
 以前述べたように、原性格を露にする脅迫・批判、傍観・受容の大人とは「子どもっぽい大人」である。
 子どもは我慢できずにすぐ怒る。幼い理屈を並べ立てて自分は正しいと訴える。うそがばれても「うそでない」と言い張る。
 部屋の隅ですねて優しい言葉を待つ。大人(親や先生)の言うことを何でも聞く良い子でいる。そのような子どもがそのまま成長した姿であると言ってもいい。つまり、成熟していない。
--------------------------------------

 幼子が親や大人との関係において見せる脅迫・批判、傍観・受容のドラマ。
 では、幼子は根っからの脅迫者・批判者か。傍観者・受容者として生まれてきたか。
 そう問うてみれば、誰でも「そんなことはない」と答えるでしょう。子どもは四タイプを演技して大きくなるのです。

 [この引用を読んで、あるところで突っ込み入れたでしょうか。
「おいおい、『原性格』と書いているじゃないか」と。]

 そーなんです。そこで、次のどんでん返しが必要となります。

 幼いころに始めたドラマがやがて身についてしまってそれが自分の性格であり人柄であり、人に対する対応の仕方だと思ってしまった。つまり、(本当はドラマを演じているのであって真の姿ではないのに)「これが自分の性格だ。だから変えられないんだ」とつぶやくことになる。
 この思い込みは四タイプ全員です。「演技」の言葉に納得する傍観タイプだって傍観して無関心な点は自分の性格であり、真の姿だと思えばやはり「変えられない」とつぶやきます。

 かくして先ほど(26号)の狂短歌に戻ります(^_^)。

 〇 四タイプ 変えることの難しさ 演技ではない 自分自身だ

 そうなると、新たな疑問が生まれます。
 四タイプはなぜ自分の言動や考え方、生き方をし続けるのか。

 この答えはわかりますよね。最後の穴埋め問題です。
 ○○は全て同じ語句、□□には違う語句が入ります(漢字二文字)。

 脅迫者は人を○○し服従させるには、1□□こそ最高最強の武器だと思うから。
 批判者は人を○○し服従させるには、2□□そ最高最強の武器だと思うから。

 傍観者は人に○○されないために、3□□と無関心を身につけた。
 受容者は人に積極的に○○されようと、全て受け入れる4□□を身につけた。

 よって、脅迫者は1□□を、批判者は2□□を演技する。これによって人を○○し、服従させる心地よさを感じる。

 傍観者は3□□を演技する。これによって○○される不快、負ける不快を感じなくて済む。
 受容者は4□□を演技する。これによって人から攻撃されずに済む。むしろ守ってもらえる安心を得る。

 これはさすがに簡単でしょう(^_^)。


=================
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:前置きに書いた「作者なぜ?」のつぶやきですが、いつもの悪いくせで本文が長くなったので次号に回します。答えは「読者への深~い愛」と明かしているけれど、納得できる人皆無でしょうから。
 おヒマなら考えてみてください。ヒントは、

 2024年05月08日 第62号「四タイプ統合の人格 その2 最善の策」

 ○ 統合とは 強く厳しく突き放し 甘えを許し受け入れること

 ――にあります。

「おいおい。またかよ。めんどくせえやっちゃなあ」とつぶやく?(^.^)

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2024.05.16

『続狂短歌人生論』65 どんでん返しの《理屈》その1

 前3号は「統合の人格」を目指すにあたって最善、次善、三善の策を提起しました。
 これは下書きの結末をほぼそのまま転記したものです。
 どうでしょう。「よくわかった」とつぶやいたか。読み終えて「確かにその通りだ。統合の人格を目指そう」と思えたか。
「うーん。イマイチしっくりこなかった」のでは、と推察します。

 脅迫・批判、傍観・受容に分かれた各タイプが四つを統合させる「統合の人格」を目指そう――この主張に反対する人は少ないと思います。「確かにその通り」とつぶやく。だが……(ともやもやした気持ちがわく)。

 そのもやもや感こそ《感情》です。人の話を聞いたとき(文章を読んだとき)、「そうですね」と同意するのは反論できない理屈が語られていることが多い。
 理屈は了解できるけれど、何かが受け入れたくない気持ちにさせる。喉元にとげが引っかかってすんなり飲み込めない。

 もうおわかりでしょう。前号後記に取り上げたクイズの答え。
 □□には[理屈]、〇〇には[感情]が入ります。

 統合の人格を目指す――これは理屈です。反論しようのない、正しい理屈です。
 いつも書いているように「戦争は良くない・いじめはやってはいけない」と同じ。
 誰もが「それは正しい」と言う。が、世界から戦争はなくならず、日本では(たぶん世界も)いじめを根絶できない。パワハラ、セクハラ、モラハラ、カスハラ等々いくつも列挙できる。

 もっと明確な殺人、傷害、強盗、詐欺といった法律違反の行動も日々尽きることなく報道される。最も法律を守ってしかるべき、国民の模範的生き方を示してほしい議員さんも賄賂や裏金作りに熱心で、暴露されると「知らなかった」と言ったり、「やむを得ない」とつぶやいて反省も恥も知らない……と言えば、ちと言い過ぎ?(^_^;)

 とまれ、理屈と感情を合致させることはとても難しい。これは明らか。
 ただ、統合の人格について《理屈》が説明し尽くされた――とは言えません。

 と言うのは読者の「もやもや感」の中に、これは「所詮絵に描いたモチでしかない。古今東西語られた理想の人格像に過ぎない」との思いが湧いていると想像できるからです。
 が、統合の人格は古今東西語られた理想の人格像とは違います。似て非なるものである。本号ではこの《理屈》を語ります(^.^)。
 以前「どんでん返しの結論」と語りました。『続編』最終章まずは「どんでん返しの理屈」です。

---------------
 (^_^)本日の狂短歌(^_^)

 ○ 統合の人格 それは人間の 理想の姿というわけでなく……

===============
***** 「続狂短歌人生論」 *****

 (^_^) ゆとりある人のための20分エッセー (^_^)

 【『続狂短歌人生論』65 どんでん返しの《理屈》その1


 人が目指すべき理想の人格、人間像は古今東西語られてきました。
 特に宗教や哲学、倫理道徳、処世訓として理想像、人のあるべき姿が説かれた。
 大ざっぱにまとめると問題ありながら、キリスト教は愛を、仏教は慈悲と善を、イスラム教も善を教える。古代「目には目を歯には歯を」と言われたように、法律は悪を犯した者に過酷な刑罰を課した。

 古代中国では人の物を盗むと、それが子どもであっても指を一本切断した(と歴史ドラマで見ました)。殺人・放火、窃盗など凶悪犯だと死刑にされる。刑罰はしばしば人々に公開された。それは「悪を犯せば、このようになるぞ」という見せしめの意味が強かったからでしょう。

 ちなみに世界において死刑制度のある国は55ヶ国。法律上または事実上廃止している国は144ヶ国(2023年現在)。日本はもちろん前者。
 ネットで「死刑制度のある国」とか「世界の死刑制度の現状」などと打ち込んで検索すれば、もろもろの現状を知ることができます。私は死刑制度反対論者です。

 さて、このような一般的理解の中、前著と本稿『続編』において人の四タイプをさんざん解説し、ようやく最終章とも言える「統合の人格」までやってきました。
 各タイプは自分の長所――良い点を発揮して他タイプの長所を取り入れる。それこそ統合の人格である。我々は四タイプ統合の人格を目指そうではないかと。

 では、この統合の人格は古今東西語られてきた理想の人格と同じだろうか。
 これが本節のテーマです。

 たとえば、ネットで「理想の人格」を検索すると、「人間性が高い人の特徴」として以下の8項目が列挙されています(Aとします)。

 A【 人間性が高い人の特徴 】

 1.相手の立場に立って考えられる 2.感謝の気持ちを忘れない
 3.責任感がある         4.向上心がある
 5.周囲から信頼されている    6.マナーや礼儀を理解している
 7.約束を守る          8.感情の起伏が緩(ゆる)やか
  (『ニューモラルブックストア』「人間性の豊かな人」)

 Aは私が提起した「統合の人格」にあたりそうだし、周囲に見かけるけれど、決して多くはない。むしろ少ない、近年少なくなったと言えそうです。

 そこで先ほどの質問。
 人間性が高い人の特徴として記されたAと、私が語った「統合の人格」は同じか違うか。お答えください。選択肢は二つ。

 (1) 同じと思う。 (2) 違うと思う。

 余談ながら、これが授業だと私は次のように展開して生徒を困らせます。
 まず「何となくでいいから、どちらか答えてごらん」と次から次に指名して(1)か(2)を答えてもらう。

 その後「これからは同じと答えた人に理由は聞かない。だが、違うと答えた人には何が違うか言ってもらう。言えなければ減点とする」と続けます(^.^)。生徒の非難ごうごう必至。
「わかった、わかった。じゃあどちらも理由を言えたらボーナス点をあげる」と朝三暮四的質問をやったものです。[と空白つぶしをやっておいて]

 答えは二の「違う」。統合の人格とは「人間性の高い、低い」ではありません。
 では、どこが違うか、具体的に言える人は……さて100人中1人いるかどうか。

 以前「このような《違い》を考えるときは反対の言葉(具体例)を考えてみるといい」と書きました。「高い」の反対語は? ……低い。
 つまり「人間性の低い人」とはどのような人か考えてみれば良いのです。

 ニュー…ストアさんの同じページには「人間性の低い人の特徴」も書かれています。  それをまとめれば、上記Aの8項目が全て否定される人柄です。
 あえて列挙すると(Bとします)、

 B【 人間性が低い人の特徴 】

 1.相手の立場に立って考えられない 2.感謝の気持ちを忘れる
 3.責任感がない          4.向上心がない
 5.周囲から信頼されていない    6.マナーや礼儀を理解していない
 7.約束を守らない         8.感情の起伏が激しい

 いかがでしょう。不思議なことに(?)こちらは周囲に一人は見かけます。
 身近にいるし、路傍にいる(すなわち歩いていれば遭遇することがある)。初対面の人から否応なく対応を迫られる(こともある)。具体的にはいじめる子、児童生徒を怒鳴る先生、パワハラ、セクハラの上司、買い物にやって来たカスハラの客。あおり運転。家族、親戚に見かけるし、夫婦だと大概離婚の原因になる。百年の恋もさめるは一瞬?

 閑話休題。
 そろそろ「そうか。統合の人格とは人が目指すべき理想の人格ではないのか」と感じ始めたでしょうか。
 もう一度先の質問に戻ってさらに深掘りします。今度は(3)を追加します。

 (1) 同じと思う。 (2) 違うと思う。(3) どちらとも言えない。

 これまで脅迫・批判、傍観・受容という四タイプについて「性格」と書き、その長所・短所を解説してきました。前著の結論は「その性格を変えよう」でしたが、『続編』では変えることの難しさを縷々語ってきました。
 自分の「性格」が身についた経緯を考えると、幼い頃からの親や兄弟姉妹との愛の獲得競争ゆえであり、それは「感情」として身にしみついている。だから変えることは容易ではないと説明しました。

 そうなると、最終結論として「四タイプ統合の人格を目指そう」との主張は「人が目指すべき理想の人格」と理解されて不思議ではありません。
 だからこそ多くの読者が上記の問いに対して「同じ」と答えたはず。

 またも余談ながら、授業同様「違う」と答えると、次に「どこが違いますか」と問われることが多い。そこで無難な「わからない」とか「どちらとも言えない」と答えておく(^.^)。

 [ここで一読法的立ち止まり。「どちらとも言えない」と「わからない」は違います。上記の選択肢(3)には「わからない」ではなく「どちらとも言えない」を追加しています。なのに、ここには「わからない」がある。「なぜだ?」とつぶやいていいところです。]

 直ちに一読法「作者なぜ?」の疑問について。
 ここで「わからない」との答えはあり得ない。だから、選択肢に入れませんでした。

 と言うのは前3号で「統合の人格」について説明されています。めんどくさくてもそれをまとめればいい。
 よって、同じか違うかと聞かれて「わかりません」と即答するのは「前3号で書かれていた解説を(再読し)短くまとめてAとの違いを考えれば良いのだが、そんなめんどくさいことはしたくないので、取りあえず『わからない』と答えてやり過ごす」人です(皮肉ですよ)。

 普通、前3号分を短くまとめるなんて、そりゃあめんどくさい。しかし、本稿の場合、まとめは見出しと狂短歌がそれを示しています。

 (くどくて恐縮ながら)それを再掲すると、
-----------------------
5月08日(水) 62号 四タイプ統合を目指す その2 最善の策
 〇 統合とは 強く厳しく突き放し 甘えを許し受け入れること

5月15日(水) 63号 四タイプ統合を目指す その3 次善の策
 〇 四タイプ 原性格を正しつつ 自我の成熟目指す生き方

5月22日(水) 64号 四タイプ統合を目指す その4 三善の策
 〇 統合の人格目指すその前に 補い助けあう集団
-----------------------

 読み終えてどうでしょう。A「人間性が高い人の特徴」にも戻ってみてください。
 そして、「これって理想の人格じゃないなあ……」とつぶやいたなら、かなり本質に近づいています。
 三善の策なんぞ「四タイプの性格を少しセーブして苦手分野は人を頼ろう」などとありました。「そんなの理想の人格とは言えんやろ」と抗議していいところです。

 B「人間性の低い人の特徴」と比べてみても、私は「責任感や向上心を持とう」とか「周囲から信頼される人になろう」とか「約束を守ろう」などと主張したことはありません。

 かくして、上記「統合の人格とは理想の人格と同じか?」の答えがはっきりしました。
 答えは同じではない。「違う」のです。
 統合の人格とは古今東西語られてきた理想の人格ではないってことです。

 当然出てくる次の疑問が「では統合の人格って一体何なんだ?」とのつぶやき。
 答えは次号――to be continued(^_^)。

============
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:「統合の人格が理想の人格でないとすれば何なんだ」との疑問に関して。
 実はこれまでさんざん語ってきたことの《まとめ》であり核心部分です。
 今度は以下の穴埋め問題に挑戦してください。

 脅迫・批判、傍観・受容の四タイプについてこれまで「性格・人柄」などと書いてきたが、厳密に言うと「これは性格・人柄ではなく、人が行っている〇〇である」ということ。(〇〇は漢字二文字)

 この穴埋めにあっさり答えられた人と、さっぱりわからない人に分かれると思います。
 わからない人は、

 2023年10月25日発行『続狂短歌人生論』第26号「迷路の整理」――を

 ご覧ください。

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2024.05.09

『続狂短歌人生論』64 四タイプ統合の人格 その4 三善の策

 2号前に見出しと狂短歌をつくったとき、「三善の策」は私の造語だと思いました。念のためネット検索したら、あることがわかってびっくり。

 それが初出かどうか不明ながら明治初期の話です。
 大久保利通は京都から大阪への「遷都」を主張した。が、公卿の猛反対にあい、衆議によって否決された。彼はその後「大阪行幸」を実現し、それがやがて東京遷都につながる。
 徳富蘇峰は当時の大久保を評して「最善を得ざれば次善を取り、次善を得ざれば三善を取るというごとく、ある意味においては大なる臨機応変者であった」と語ったそうです。

 なるほど「最善→次善→三善」ってあるんだ、それは「臨機応変なんだ」と心強く思った次第です。
 もっとも、今号提起する「三善の策」はちょっと弱々しい、情けないと感じるかもしれません。
 これは無理なく、無理せず生きる《生き方》でもあります。簡単に言うと「自分で何でも解決しようとしない」ことです。


5月08日(水) 62号 四タイプ統合を目指す その2 最善の策
 〇 統合とは 強く厳しく突き放し 甘えを許し受け入れること

5月10日(金) 63号 四タイプ統合を目指す その3 次善の策
 〇 四タイプ 原性格を正しつつ 自我の成熟目指す生き方

5月15日(水) 64号 四タイプ統合を目指す その4 三善の策 ―本号
 〇 統合の人格目指すその前に 補い助けあう集団

---------------
 (^_^)本日の狂短歌(^_^)

 ○ 統合の人格目指すその前に 補い助けあう集団

===============
***** 「続狂短歌人生論」 *****

 (^_^) ゆとりある人のための20分エッセー (^_^)

 【『続狂短歌人生論』64 四タイプ統合の人格 その4 三善の策 】

 統合の人格を目指すにあたって最後にとても現実的な方策――「三善の策」を提起したい。
 それは家族や集団内において「自分の苦手分野」を他タイプに補ってもらうことである。

 脅迫的タイプの良いところはとにかく勇気があること。困難な状況を切り開く行動力、先頭に立って闘うリーダーとしての資質は素晴らしいものを持っている。
 また、批判的タイプの良い点は理論的で正しい方向へ人々を導くこと。民主的であり、こちらもリーダーとしての資質を持っている。

 ところが、この二者が他者のエネルギーを奪う形の言動を取る限り、それは小さな支配であり、強制・命令・悪口・押しつけであり、悪しきドラマでしかない。そのとき脅迫者・批判者に第三者的見方と、中立の考え方を提起できるのは傍観者である。

 さらに、脅迫者や批判者が早急な結果・結論を求めるのに対し、ねばり強く「待つ」ことができるのも傍観者である。
 また、弱い相手の立場に立つこと、相手の心理を代弁できるのは受容者タイプである。相手を許し思いやることに関して受容者タイプほど最適な人はいない。

 よって、もしもこの四タイプがそれぞれの「良い点」を発揮し合って共存できるなら、それは素晴らしい集団ではないだろうか。

 つまり、家庭内において脅迫的・批判的な夫(または妻)の不得意分野を傍観的・受容的妻(または夫)が補うのである。一人で「統合の人格者」になることはなかなか難しい。そこで当面は自分の弱点分野を他タイプに任せるのである。

 ここで問題なのはやはり脅迫者・批判者の態度。
 傍観者や受容者タイプが自分の意見を主張したとき、脅迫者や批判者が「そんな考え、やり方は間違っている」と全否定すると、もう傍観者タイプは意見を言わなくなる。受容者タイプも口を閉ざす。すると脅迫者と批判者の「強く正しい」意見が全体を支配しリードすることになる。
 結果、何が起こるか。集団はちっとも活性化しない。傍観者と受容者タイプはやる気をなくし、脅迫者・批判者タイプは全体が動かないことに苛立ちを深める。

 この具体例は至る所で見出すことができる。例えば、批判者タイプの奥さんが子育てに悩んでいるとしよう。そのとき傍観者(または受容者)タイプの夫が(珍しく)自分の意見を述べたとする。
 すると、この奥さんは「あなたは黙っていて」とぴしゃりと来る。夫は黙ってしまう。そして、奥さんは自分の意のままに押し通す。

 やがて奥さんが悩みを独り言のようにもらしても、夫は聞かないふりをして何も言わない。奥さんはそんな夫に失望する。夫を意見やアドバイスを言わない人にしたのは自分だと気づいていない、悲しい批判者だ。

 夫が批判的で妻が傍観的・受容的であっても全く同じ。九州大分弁だと「お前は黙っちょれ」と言う。もしも夫婦二人がともに批判者だと最悪である。夫も黙っていないし、妻も黙っていないから当然のように夫婦喧嘩となる。

 学校現場における「生徒指導」においても同様の傾向が見られる。
 職員会議などで何か意見を述べたとき、全否定する批判者や脅迫者がいると、議論はちっとも活発化しない。傍観者・受容者タイプは自分の意見を否定されると、それ以上強く主張できないのである。

 もしあなたが「教員がそんな弱々しいことでどうするんだ」と腹を立て怒るとしたら、あなたは間違いなく脅迫者か批判者タイプだろう。結局、いつも意見を述べて集団をリードするのは脅迫者タイプか、批判者タイプということになる。

 さらに、ある集団が全員脅迫者だったらと思うとぞっとする。それこそ恐怖政治だ。明るさが一つもない真っ暗闇の世界である。脅迫者たちは常に暴力による戦闘を繰り返すだろう。

 かと言って全員傍観者という集団も白けた無責任集団の世界のように思える。無秩序でお互い無関心の集団はまとまりがなく、自分勝手な孤立集団だ。
 ちっとも声をかけない、助け合うことのない傍観者たちはお互い気楽かも知れないが、やがてものすごい孤独地獄に陥るはずだ。
 特に自分が困ったとき「助けてほしい」と声をあげられない。すると傍観者は「人は不人情だ」と思う。だが、そのような状況にしたのが傍観者自身であることに気づいていない。こちらも悲しい傍観者である。

 また、批判者ばかりが集まれば、相手の悪口を言い合って、口げんかが絶えない集団だろうし、受容者ばかりが集まれば、泣き言と愚痴を並べ合うだけで、これも暗く活気のない集団のような感じがする。

 以上のことを考えてみれば、当面四つのタイプは集団にとって《必要》かもしれないということだ。
 最終的な理想社会は愛エネルギーを付与し合う集団であり社会だ。個人的には自我が成熟し、四タイプ全てを合わせ持てる統合の人格者が集まりたい。

 だが、数千年、数万年に渡って培われた人の四タイプはすぐに理想型には行かないだろう。それまでは互いに補完し合う存在として集団を形成することが三善の策ではないだろうか。

 そのとき最も大切なことは各タイプが自分の原性格に基づくコントロールドラマを「セーブすること」、他タイプの「良さを認め合うこと」である。
 そのためには「現在の事態を引き起こしたのは自分の脅迫者ぶり、批判者ぶり」ではないかと反省すること、「自らの傍観者ぶり、受容者ぶりがこの事態を引き起こした」と反省することである。
 この反省さえできれば、あなたは今の自分を大変革せずとも、少しずつ「統合の人格」に近づいていけると思う。


=================
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:以上3節に分けて「統合の人格」を目指す方法論と言うか生き方を書きました。
 以前振り返ったように、これは(二十数年前執筆していた)下書きからの転記です。
 ただし、見出しと狂短歌は2024年5月現在作成しました。

 以下の質問はちょっと難しすぎるので、さすがにわからないだろうと思います。
 おヒマな方だけちょっと考えて「そりゃわかんね」とつぶやいてください(^_^;)。

 2号前「その1」前置きで以下のように書いています。
----------------------------------
 今ようやく最終章「統合の人格」にやって来てペンが滞っています。
 理由は下書き末尾にある「統合の人格」をどう処理するか悩んでいるからです。
----------------------------------
 さらに、「そのままでは公表しづらい」とあり、「今の私は必ずしも『統合の人格を目指そう』との結論ではない」とあります。「20年を経た今『続編』の結論としては若干違う。やはり全く同じとは言いづらい」と書きつつ、「基本は変わらない」から下書きをほぼそのまま転記した。

 では、チョーむずい「筆者なぜ?」の質問(^.^)。
 この3号に書かれていることと今の思いの違いとは何か。
 違うから改稿を目指したけれどあきらめた。その理由は?
 後半は「その1」の前置きにある程度書かれているので、それをまとめればいい。が、前半の「違い」を表す言葉はこの3号に出ていません。

 答えは以下のとおり。□□と〇〇を埋める二文字の熟語穴埋めに挑戦してください。

 下書きに書かれていることは所詮□□であり、「その通り」とつぶやいて反論できない□□である。だが、ひとりひとりの〇〇が認め受け入れなければ、それは所詮絵に描いたモチでしかない。古今東西語られた「理想の人格像」に過ぎない。問題はそれが実行・実践されないことだ。

 当初は前著下書き(3号分)にこのことを取り入れて改稿することを目指した。だが、この改稿はかなり大変でひと月はかかる。だから「これはこれとして」そのまま転記しよう。そして、次号より「どんでん返しの結論」として各自の〇〇が認め、受け入れるための考え方を書くことにしよう――と決めた。

 すなわち、この3節に□□は書かれているけれど〇〇が書かれていない。全くないわけではないけれど、かなり少ない。実践のためにはそこを追究しなければならないので、新たに書く必要があると思った。よって、次号からが真の『最終章』であるということです。

 えっ、簡単な穴埋め問題ですか?(^_^)

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2024.05.06

【 ほぞかみ競馬予想――NHKマイル結果とほぞ噛み 】

 本ブログでNHKマイルの「直前予想」は公開しませんでしたが、回顧は興味ある方に読んでいただきたいと思って公開します。

*****************************
 本号回顧はまたと言うか、いつものようにちと長くなりました。
 しかも、前半は「そんなこたあどうでもいいだろ」みたいな私的話題からスタートしています。
 すると、読者はもう一読法で読むことを忘れ、さーっと通読しがちです。
 が、最終的には《あること》について読者に(そして私に)どう考え、どう決断するか、それを迫る内容となっています。
 じっくり読んでください(^_^)。

*****************************

【前回GI結果】

 NHKマイル結果は――馬連馬単3複的中(^_^)……の3単買わず(>_<)

 1着―川 田 16ジャンタルマンタル……[◎] 単勝=2.9
 2着―ルメル 14アスコリピチェーノ……[〇]
 3着―戸崎圭 06ロジリオン………………[△]
 4着―モレイ 12ゴンバデカーブース……[△]
 5着―西村淳 04イフェイオン……………[?]

 一覧順位[A→B→D→H] 馬群[1→1→1→2]
 前日馬順[B→A→H→D] 枠順[B→A→C*→D]

 枠連=8-7=3.1 馬連=16-14=3.6 馬単=7.0
 3連複=16-14-06=25.4 3連単=85.2
 ワイド12=2.0 W13=11.0 W23=9.7

--------------
 本紙予想結果
 印騎手番馬        名 馬 結果
 ◎川 田16ジャンタルマンタル B 1
 〇ルメル14アスコリピチェーノ A 2
 △武 豊05ボンド ガール   C  17 
 △戸崎圭06ロ ジ リ オ ン H 3 (第1群逆乖離)
 △モレイ12ゴンバデカーブース D 4 (第2群乖離)
 △鮫島駿03ディス プランツァ E  7
 ★北村友01ダノンマッキンリー 09  13
 ●北村宏13シュトラウス    10  16
 ?西村淳04イフェイオン    12 5

--------------
【NHKマイル、過去9年の実近一覧結果】(逆乖離を「逆」として追加)
    一 覧     馬 順     [1234]群
2024年 A→B→D→H B→A→H→D 1→1→1→2 逆3・乖4着
2023年 QB→QC→E→QA 10→G→B→E 3→3→2→3 乖離234着
2022年 D→E→QH→A D→B→18→A 1→2→4→1 乖離2着
2021年 F→E→B→QI B→G→A→09 2→2→1→4 乖離1着
2020年 C→A→D→B 09→A→F→B 1→1→1→1 逆1・3着
2019年 A→QC→QD→D B→13→F→C 1→3→3→1 乖離3着
2018年 D→C→H→B G→B→09→H 1→1→2→1 逆1・4着
2017年 D→C→G→QA C→13→F→D 1→1→2→3 逆2・乖4着
2016年 A→C→QC→D A→B→12→G 1→1→3→1 

 予想では一覧第3群の重視と第4群が「不気味」と書きつつ、上位8頭内で決まることも指摘。そして、逆乖離について以下のように書きました。
-----------------------------
 ただ、第1、第2群8頭内で123着の年も4回と半数。馬連が第1馬群4頭内で成立した年も4回あります。
 16年こそ[一覧A-C⇒馬順A-B]ですが、17年は[D-C⇒C-13]、18年[D-C⇒G-B]、20年[C-A⇒09-A]です。つまり、第1馬群の《人気薄》=逆乖離馬が1、2着しています。これも不気味。
-----------------------------
 と書いて逆乖離に該当するのは「06ロジリオン」と馬名まで指摘したら、なんとそれが3着ズバリ。

 が、私はここで痛恨の回顧。振り返れば一覧C・D2頭は3枠同居馬。
 そして、一覧D(↓馬順H)は馬順Cの代行馬にあたります。
 ならば「3複・3単=一覧A→B→C・D」は必至でしょう。
 なのに、この馬券3複は買ったのに、3単を買わなかったのです(!)。
 ああ……痛恨の、痛恨の、夏のボーナスまた落とした~(T_T)。

 以下一覧データの結果です。
*****************************
 【NHKマイル実近一覧表】 東京 芝16 18頭 定量57キロ
                  (人気は前日馬連順位)
順=番|馬       名牝歳|予OZ{実近}[展]3F|馬|乖|3指単複 印着
[1]
A=16|ジャンタルマンタル | 2.8{AB}[3] |B| |BBBB ◎1
B=14|アスコリピチェーノ牝| 4.9{BC}[16]D|A| |AAAA 〇2
C=05|ボンド ガール  牝| 7.8{CA}[5] |C| |CCCC △ 17
D=06|ロ ジ リ オ ン | 9.3{DD}[13] |H| |09G1009 △3
[2]
E=02|ノーブル ロジャー |11.7{EE}[4] |F| |EFFD
F=18|アルセナール   牝|13.6{09F}[8]F|G| |G09HG
G=09|キャプテン シー  |13.7{GG}[2] |11| |11101111
H=12|ゴンバデカーブース |14.2{1009}[6] |D|乖|DEDF △4
[3]
QA=13|シュ ト ラ ウ ス|14.6{1310}[7] |10| |10110910 ● 16
QB=01|ダノンマッキンリー |14.9{H11}[10]E|09| |HHGH ★ 13
QC=03|ディス プランツァ |15.1{14H}[17]A|E|乖|FDEE △ 7
QD=07|チャンネルトンネル |15.9{1212}[11]B|13| |
[4]
QE=15|マスクオールウィン牝|29.1{F16}[15] |16| |
QF=04|イ フェ イ オン牝|35.3{1613}[12] |12| |     ?5
QG=08|エンヤ ラヴフェイス|37.9{1515}[14] |18| |
QH=11|ア レ ン ジャー |36.0{1117}[9]C|15| |
QI=17|ユキノ ロイヤル  |48.1{1814}[1]逃|17| |
QJ=10|ウォター リヒト  |66.4{1718}[18] |14| |

 注…「馬」は馬連順「3」は3複順「単複」は単複順位
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 ○ 展開予想

※展開(3Fは前走の上がり優秀6頭)
 逃げ     先行     差し     追込
 17 09 16 02 -05 12 13 18 -11 01 07 04 -06 08 15 14 03 10
覧 ◎ 5 ▲ 6 △ 〇
3F F C E B D A
本 ◎ △ △ ● ★ △ 〇 △
結 1 4 5 3 2

--------------
 [枠連順位]
 枠連型=3巴  [AB型] 枠順AB=3.5
 馬連型=A流れE[AB型] 馬連AB=3.8

 枠連=AB/C/DE/F//G/H 
 枠順=78 3 61 2 5 4 枠順[B→A→C*→D]
 馬順=AB C DF E 11 13 馬順[B→A→H→D]
 代行=10G H 1509 12 14 18
 代2=1617
 ―――――――――――――
 結果=21 3 4

 [オッズ分析結果]

 予想は以下。 
---------------------------
 枠連の異変は枠E1枠とF7枠が転換していること。あとはほぼ枠順=馬順。気になるのは馬順がA14アスコリピチェーノからE03まで流れている(つまりAが強い)のに、枠連は3つ巴である。A7枠が強ければ、E・F枠まで流れてもいいのに、枠連AB-ACに続いてすぐBCが位置する3つ巴である。すなわち、枠連から見れば、B8枠C3枠も結構強いことになる。
---------------------------

 予想では枠連・馬連ともにAB型であることに触れていません。
 AB型の場合馬券は[AB軸にCD蹴ってEFGH]が基本。
 しかし、Cも強い3巴なら、[ABC軸にDE(F)蹴って(F)GH]となります。

 このことを予想に書かなかったのは「どうも枠のGHは激走ないだろう」と見たこと。ならば、枠連本命決着が予想されたので、AまたはB軸の枠連は配当やすく「買わない」という結論だったからです。

 かくして「枠連ABC内で決まるか(その際馬連系は代行注意)」と書き、結果は枠連・馬連ど本命ながら馬単はB→Aとなり、3着は枠Cの代行。
 枠C3枠も強いと見たのだから、代行H(06ロジリオン)への流しは必須だったと言えます。

 ただ、馬順C05ボンドガールの17着は直線不利を受けての結果だから、(競馬と人生に「ればたら」ないとは言え)、あれがなければボンドガールの上位入着があったかもしれません。武豊とボンドガールには気の毒なことでした。

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 ※ 回  顧


 日曜メインはいろいろ、いろいろありました。
 久しぶりに3複[◎-〇→総流し]馬券が成立しました(^_^)。
 3単不的中と言うか不戦敗ゆえ、レースを終えての感想は
「めでたさも中ぐらいなりNマイル」といったところです。

 ……が、その前にメイン3レースについて。

 新潟11レース新潟大賞典は1、2番人気が消えたものの、単勝人気[7→3→2]という普通の荒れ方だった(私は外れ)けど、驚いたのは京都11レース鞍馬S(OP芝12)。
 わずか13頭の出走なのに、単勝人気[4→10→最低13]で3複32万、3単100万馬券の大荒れとなりました(もちろん外れ)。

 [ここでいつもならマイルCS的中報告から始まるのに、「なぜ他場メインの話題からスタートしたのだろう。これ獲ったというならわかるが……何かの伏線かあ」と勘を働かせたいところ(^.^)]

 もう一つ。マイルCS回顧の前に、いとこと交わした「3複総流し是非論」について書きます。
 この日初夏のさわやかな風が吹く中、私は温泉に浸かって午後3時頃いとこ宅に行きました。開口一番「今日は本命対抗総流し買いましたよ」と言うと、
 いとこ「そりゃあ素人の買い方だな」と痛いところつきます(^_^;)。

 私が「でも絞って抜けるのいやだし、これまで最低18番人気が来たことあるし、2強は頭二つ抜けているからきっと3着内に入る。もしもフタケタ人気が来れば3複万シュー間違いなしなんです」などと言い訳すると、 いとこは「外れたら外れたで仕方ないじゃないか」となおも責めます。

 彼はワイド重視の騎手馬券なので、「そもそも騎手馬券こそ素人の買い方じゃ?」と言いたいところ我慢しました。
 ちなみに、この「3複総流し是非論」も伏線です(^.^)。

 そして、新潟大賞典を二人とも外して京都メインの発走。
 いとこはちらっと「6番何番何番の3複買った」と言います。
 彼はワイド派ですが、いつも宝くじと思って3複馬券を数枚買っています。
 私は何頭か単勝と中荒れと見て馬連を買った程度。

 そして[13→06→05番]と入着したとき、私のメモ用紙には(11頭の馬番が書かれているのに)05番はなし。カットした2頭の1頭だからかなりの人気薄と思っていとこに聞くと、「5番は最低人気だ」と言います。06番もフタケタ10番人気。13は4番人気。

「こりゃあ大荒れですよ」とつぶやいたら、いとこが「05-06-10番の3複買っていた」と言うのです。10番は2番人気。
「ええっ!」とびっくりして彼のメモ用紙を見ると、確かに書いてあります。
「どうして5番6番から買ったの?」と聞けば「川須と浜中だったから」といつもの騎手馬券(^.^)。

 その後払い戻しがあって3複32万(3単110万)とわかり、05-06のワイドでも2万馬券。
 私が「5番-6番から3複総流しだと11枚。それで32万の的中だったんですよ」と言えば、さすがのいとこも「そうじゃなあ」と総流しの価値を再認識したようです。

 と正直どうでもいい話題からスタートして本論NHKマイル回顧。
 道中二度「終わったよ…(-_-)」とつぶやきました。

 まず向こう正面。連なった馬群の最後方を走っている1頭。
 なんとウラ●にした北村宏13シュトラウスではありませんか。
 大外18番が出遅れたことはわかったけれど、その後ろを走っています。
「強烈な末脚があるわけでもないのに、なんで?」とつぶやいて「終わったよ」(帰宅後ビデオを見てかかっていたことがわかりました)
 ウラの★をつけた弟の北村友01ダノンマッキンリーも似たような13着。ふにゃ。

 こうなると、ウラ●馬券はあきらめ、表の◎〇に期待するしかない。
 ◎〇両馬は先頭から4、5番手を並んで走っている。外が川田、内ルメール。川田16ジャンタルマンタルの先行はわかるけれど、ルメール14アスコリピチェーノは展開図を見ればわかるように本来後方か中団の馬。それが先行するのだから、さすがルメール騎手。

 と思いつつ直線残り400あたり。それは起こりました。
 ルメール14アスコリピチェーノの前が壁になってその間を強引に抜けようとして内の馬と接触。それが武豊05ボンドガール。

 その後外に出して(実際は前を行く岩田康15マスクオールウィンの内に出して)追うしかない状態になり、先に抜け出した川田16ジャンタルマンタルに数馬身置いて行かれました。2着抜け出したのは戸崎圭06ロジリオン。大外をモレイラ12ゴンバデカーブースが追い込んできます。
 私二度目の「終わったよ…(=_=)」。

 そこからが驚異。
 ルメールマジックか、はたまたアスコリピチェーノはバケモンか。

 同馬は内らち沿いを進み、残り200で気合一閃、すさまじい脚で伸びます。
 さすがにジャンタルマンタルは抜けそうにないけれど、06ロジリオンとの2着争い。12ゴンバデに抜かれさえしなければ、3複総流しの完成。
 馬順Dのゴンバデより馬順Hのロジリオンの方が配当高い。
 なんにせよ3複総流しの的中を確信しました。

 ここで私の内心は複雑。すでに痛恨の「しまったあ」のほぞ噛み、「そっちかよお」のほぞも始まっていました(^_^;)。

 この上位4頭、もちろん3複は買っているし、◎→〇の馬連・馬単を買っている。けれど、[◎→〇→総流し]の3連単は買っていません。
 これはまーいい。そこまで馬券に投資できるオゼゼはないから。

 しかし、[◎→〇→△4頭]の3複は倍買いしています。
 この順の3連単はわずか4枚。それを買い忘れたと言うか買わなかったのです。ああ(T_T)。

 払い戻し85倍は3連単としては安いでしょう。しかし、たくさん買わない私にとってこの85倍は投入資金全体がさらに倍となる払い戻しなのです。
 もしも買っていれば、当然「ルメール、ルメール!」の声が出たでしょう。

 ただ[◎→△4頭]の馬連・馬単は買っている。もちろん[◎→〇]の馬連馬単より高い。帰宅後調べたら[16番→06番]の馬連38倍、馬単54倍。これまた投入資金を倍にできる。
 ゴール直前なんとなくそれを感じたので、「そのまま、そのまま」の声。
 ところが、神は無慈悲。結果はど本命◎→〇の1、2着。がっくし。

 ――という顛末でした。

 もう少し、直線残り400で起こった事件について書きます。
 競馬会から出された「採決結果」を引用すると、
****************************
 最後の直線コースで9番キャプテンシー及び5番ボンドガールの進路が狭くなりました。この件は15番マスクオールウィン及び14番アスコリピチェーノが内側に斜行したことによるものでした。
 この件について、15番マスクオールウィンの騎手岩田康誠及び14番アスコリピチェーノの騎手C・ルメールに対し、それぞれ過怠金30,000円を課しました。
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 テレビ画像でもルメール14アスコリピチェーノが内に斜行して武豊05ボンドガールとぶつかったように見えたので、「失格・降着か」とひやひやしました。
 帰宅後「周回ビデオ」を見て明らかにルメールが前の馬の内に出そうとして無理したことがわかります。その後まっすぐ走らせようとしたけれど、まだ前に馬がいるので、その内に進路変更したのが残り200の地点。そこからはバケモンでした。

 レースを見直して「そうか。この事態を遠隔操作していた(?)のは川田16ジャンタルマンタルだったか」と気づきました。

 同馬はスタートダッシュ良く飛び出してすぐに4、5番手先行。その内にルメール14アスコリピチェーノ。それは4角過ぎても残り400メートル標識に来てもそのまま。

 すると、川田16ジャンタルマンタルの前は空いていたけれど、ルメール14アスコリピチェーノの前は逃げ馬が壁に。つまり、川田騎手はルメールを内に閉じ込めた形になったのです。これ、以前指摘したことがあるようにルメールのお得意わざ。

 おそらく川田だって先刻承知の助。道中「こりゃあもっけの幸い。このまま絶対外に出さないぞ」と思ったのではないでしょうか。
 結果、最強ライバルに2馬身半差の楽勝(勝ちタイム1324)となりました。

 それにしても、せっかく一覧過去データから「第1群逆乖離が激走するかも」と指摘しながら、その馬の3単を買わないとは。
 実は買い忘れたのではなく、表の3連単は一切買わなかったのです。
 3連単は全てウラ●から買いました。

 13シュトラウスのウラ●は週中ほぼ決めていました。
 06ロジリオンが逆乖離と気づいたとき「こちらもウラ●候補」と思いましたが、一覧のある傾向からやめました。
 それは第1群から2頭連絡みすれば、もう1頭は「下から出る」ことが多いこと。過去8年馬群[1→1→1]で決まったことが一度ありましたが、他レースでも少ないのです。。
 13シュトラウスは第3群のトップ。そこで当初予定通りそちらをウラ●にした次第。終わって「そっちかよお」と叫んだことです。

 もう一つ。「3複総流し馬券」に対する……後悔。
 いとこが言ったとおり、これはある意味考えることの放棄。絞って買って「当たれば嬉しい、外れて悔しい」と感じることの放棄。

 もしも総流しがなければ16ジャンタルマンタルを馬単軸にしたくらいだから、[◎→〇→△4頭]の3連単を買ったでしょう。だからこそ最近◎-〇→総流しをやめていたのに……。

 と後悔があれば、私のいとこは総流ししていれば(それもわずか11枚で)3複32万馬券の的中でした。いとこは「3複総流しすりゃ良かった」とほぞ噛んだようです(^_^;)。

 かくして前置きに戻ります。
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 最終的には《あること》について読者に(そして私に)どう考え、どう決断するか、それを迫る内容となっています。
-----------------------------
 の《あること》とはもちろん「◎〇→総流し」馬券のこと。
 私は実践して当たって後悔し、いとこはやらずに後悔した。
 読者各位はどう考えるでしょうか。
 私はあることを決めました。次にやりたくなったとき内容を語ります。

 かくして、最後の記述によって伏線を総回収したことになります(^_^)。

 以上です。

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『続狂短歌人生論』63 四タイプ統合の人格 その3 次善の策

 今号は統合の人格を目指すにあたって「次善の策」を提起。
 それは一気の変化、完璧にして理想的な人格を目指すことではなく、その方向へ自分(自我)を成長させようということです。

 ところで、相変わらずの一読法復習(^.^)。
 一読法の基本は「途中で立ち止まって考える」ことであり、同時に「未来を予想する」ことです。文章を読む場合は「この後何が書かれるだろう。筆者は何を言おうとするのだろう」と推理すること。

 これはとても難しいので、多くの筆者(作者)はヒントになることを文中に散りばめています。それが小説においては「伏線」だと説明しました。
 その際作家が「これは伏線ですよお。気を付けて読んでねえ」などと書くことはありません。「読者はこの伏線に気付くかな」とにやにやしながら書いています。伏線とは作家から読者への挑戦なのです。

 小説をたくさん読んでいる人は「おやあ。こりゃ伏線かも」と思いつつ読むことができます。
 読み進めて「やっぱり伏線だったか」と気づいてひそかに快哉を叫ぶ。これが読書の楽しみでもあります。
 実はこの伏線、論文――説明的文章においてもあるのです。もちろん私もやっています。

 今回前号にて久しぶりに今後3号分の見出しと狂短歌を公表しました。
 あれってとてもわかりやすい未来予想のための「伏線」です。
 隠してもいないので、作家としては下手くそな伏線(^_^;)。
 なのに、読者は気づいてくれない……。

 小説をたくさん読んでいる人、一読法上級者なら「なるほどこれを読んで次号、次々号の内容を予想しろということか」とつぶやく。そうつぶやいて実践してほしい。
 だが、「これが論文的伏線か」と気づかない人はさーっと通読する。
 そこで立ち止まることはなく、未来を予想することもない……ああ。


5月08日(水) 62号 四タイプ統合を目指す その2 最善の策
 〇 統合とは 強く厳しく突き放し 甘えを許し受け入れること

5月10日(金) 63号 四タイプ統合を目指す その3 次善の策 ―――本号
 〇 四タイプ 原性格を正しつつ 自我の成熟目指す生き方

5月15日(水) 64号 四タイプ統合を目指す その4 三善の策
 〇 統合の人格目指すその前に 補い助けあう集団

---------------
 (^_^)本日の狂短歌(^_^)

 ○ 四タイプ 原性格を正しつつ 自我の成熟目指す生き方

===============
***** 「続狂短歌人生論」 *****

 (^_^) ゆとりある人のための20分エッセー (^_^)

 【『続狂短歌人生論』63 四タイプ統合の人格 その3 次善の策


 統合の人格とは「成熟した自我」と言ってもいい。
 以前述べたように、原性格を露にする脅迫・批判、傍観・受容の大人とは「子どもっぽい大人」である。

 子どもは我慢できずにすぐ怒る。幼い理屈を並べ立てて自分は正しいと訴える。うそがばれても「うそでない」と言い張る。
 部屋の隅ですねて優しい言葉を待つ。大人(親や先生)の言うことを何でも聞く良い子でいる。そのような子どもがそのまま成長した姿であると言ってもいい。つまり、成熟していない。

 私たちは周囲に何人か成熟した自我の持ち主を見かけることがある。
 その人は大概リーダーとして活躍している。彼は怒鳴ることはない。批判することはあるけれど、悪口にはならない。相手の言葉をよく聞き、適切なアドバイスができる。相手の成長を待つことができる。困っている人、悩んでいる人を見かけると、「どうした?」と声をかけてくれる。
 基本は相手を受け入れていること。ただ、何でも許すわけではなく「おかしい」と主張できる。それこそ成熟した自我の持ち主であり、統合の人格者と言えるのではないだろうか。

 [ここで下書きから20年後のつぶやき。このような人が最近少なくなったと感じるのは私だけでしょうか。特に政界において。どうしてあのように子どもっぽい議員・首長が増えたのでしょう。しかも「自分はえらい」と思って謙虚を知らない。やれやれ]

 だが、この統合の人格者への道はかなり険しい。いざ歩み始めると、すぐに行き詰まりを感じるだろう。そのとき「次善の策」として始めてみたいのが自分の原性格の「発現」を許しながら――逆に言うと原性格の「悪しき傾向」を少しだけセーブして他タイプの良い点を取り入れる生き方である。
 以下タイプ別に語ってみたい。

 脅迫者

 脅迫者は、怒りと脅迫のドラマをセーブする。やめはしない。忍耐を持って「待つ」こと、さらに長い目で他者と事態を見つめ、優しさを持って許す。
 脅迫者が「気は優しくて力持ち」の金太郎になってくれるなら、彼はもっとも他者から愛され尊敬される。

 怒りと脅迫のドラマをセーブするのに必要なこと――それは「反省」である。怒りすぎた、威嚇し過ぎた、自分が怒ることで身近の人を傍観者・受容者タイプに追いやった、と反省できれば、脅迫者は「成熟した自我」に近づける。

 批判者

 批判者も腹立ちと批判のドラマをセーブする。やめようとしなくてもよい。脅迫者同様、忍耐を持って「待つ」こと、さらに長い目で他者と事態を見つめ、優しさを持って許す。これは批判者が「完璧主義」に陥ることを防ぐやり方でもある。「許す」とは完璧にできない自分を許し、平均以下しかできない(と思う)周囲を許すことである。

 腹立ちと批判のドラマをセーブするのに必要なこと――これも脅迫者同様「反省」である。腹を立てすぎた、小言・説教を言い過ぎた、自分が良かれと思ったことを相手に押しつけて自立自発を妨害している、と反省できれば、批判者もまた「成熟した自我」に近づける。
 反省できる批判者はリーダーとして、我々をしっかり見つめてくれる友として、とても信頼できる存在になるはずだ。

 傍観者

 傍観者は無関心と傍観のドラマをセーブする。一気にやめることなどできないと思った方がいい。他者と一つ関わりを持ったら、すぐに引いて三つほど傍観する。そしてまた一つ相手と関わりを持つ。

 傍観者に欲しいのは行動力と積極性、強さと厳しさだ。だが、傍観者は本来持つエネルギーがとても乏しい。
 よって、傍観者こそエネルギーを与えてくれる「援軍」が必要だ。傍観者はまず身近の傍観者・受容者タイプを協力者にすることからスタートするべきだ。援助者・賛同者を作ることができたとき、傍観者はまた一つ他者や事態に関わりを持つ強さ(エネルギー)を得るだろう。

 だが、怖ければ無理する必要はない。逃げればいい。もしもあなたが依然として孤立無援なら、脅迫者や強烈批判者と闘えば敗北は必至である。相手が闘いを挑んできても逃げた方がいい。
 ここでも必要なことは「反省」である。五十歩百歩ということわざがある。戦場において自軍の敗戦濃厚となって兵士が散り散りに逃げる。そのとき五十歩逃げた者が百歩逃げた者を臆病者と嘲り笑った。しかし、逃げた点ではどちらも同じ――と解釈される。

 私はこの見方に賛成できない。「五十歩逃げた者が百歩逃げた者を臆病者と嘲り笑う」なら、それは確かに逃げて開き直った傍観者である。
 だが、五十歩逃げたとしても、そこで踏みとどまって「逃げたこと」を反省するなら、この兵士は「反省できる傍観者」である。「逃げている・傍観している・無関心すぎる」ことを反省できるなら、この傍観者は五十歩を三十歩にして二十歩、十歩にできる。最後は信頼できる友(援助者)を得て「逃げずに立ち向かう」ことができるようになるだろう。
 そのとき傍観者は中立的な存在として、人の良さを引き出す貴重な人材となるはずだ。

 受容者

 受容者タイプも弱者と諦めのドラマをセーブする。ただ、他の三タイプと違って人や事態を受け入れることに関しては称賛されることが多いので、もっとも難しい。たとえば、聖母マリア、慈悲深き観音様に「変わってほしい」と言う人はいないだろう。
 だが、現実の受容者と聖母や観音様との違いは受容者が「ほんとは全て受け入れていない」ことだ。弱い自分を守るため、仕方なく受け入れている。だからこそ愚痴が出る。人に奉仕しているのに、わかってくれないと涙ながらに訴える。

 よって、受容者も「反省」が必要だ。事態を何でも受け入れて「どうせダメだ」とあきらめていないか。相手の言動を全て許して受け入れていることを「受け入れ過ぎていないか」と反省し、ときには(勇気をもって)「あなたの言うこと、やっていることはおかしい!」と主張すること。

 相手が暴力をふるう脅迫者だとこれはほとんど不可能である。言えば脅迫者は怒る。ひどいと暴力をふるう。ここは立ち向かうのでもなく、暴力を我慢するのでもなく、一発目から警察に駆けこむことだ(それしかないと私は思う)。

 だが、相手が批判者、傍観者なら暴力はふるわない。せいぜい激しい怒りとか腹立ちの言葉が返ってくるだけだ。
 そのとき有効なのは「どうして怒るの? 何が不愉快なの?」と聞くこと。
 痛いところを突かれて怒っていることがあり、家族以外の何か面白くないこと、いら立ちが発露されている可能性がある。それを聞いてあげれば、相手はまたあなたに惚れ直す(はず)。
 受容者に必要なのは四回に一回、相手を受け入れないことだ。


=================
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:前置きに論文的伏線について書き、とてもわかりやすい見出しと狂短歌でその内容を暗示しました。本号はまだ2号目。次回もう一つ「三善の策」が公開されます。

 さて、前置きを読み、3号分の見出しをもう一度読んで、
「じゃあ、次の内容を予想してみるか」とつぶやいて実践しましたか?
 やったなら「次号の内容」を言えるはず。お答えください。

 おそらく「えっ、ここでやるの? やっていないから言えないよ」とつぶやいたのではないかと推理します。
 ああ……と指導に従ってくれない生徒への嘆き(^_^;)。

 次の見出しは以下。
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5月15日(水) 64号 四タイプ統合を目指す その4 三善の策
 〇 統合の人格目指すその前に 補い助けあう集団
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 さすがに「そうか。それが書かれるのか」と気づきましたね。

 過去2号との違いに気づくには前2号をまとめておく必要もあります。
 が、再読しなくても大丈夫。3号分の見出しと狂短歌を読み直すだけです。

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2024.05.05

『続狂短歌人生論』62 四タイプ統合の人格 その2 最善の策

 これまで触れたように私は2000年に高校教員を中途退職しました。前著『狂短歌人生論』と本稿『続編』はその直後執筆した教育・人生論が下書きです。
 あまりの長さに出版をあきらめ、一部を取り出して各節を短くまとめ、狂短歌を見出し代わりとして(自費)出版した(2007年)のが前著です。すぐに続編を出すつもりだったけれど、オゼゼ尽き、気持ちも萎えて早うん十年。一昨年前著をメルマガ公開してようやく意欲復活、昨年から続編公開に踏み切りました。

 こうなると本稿『続編』においては「各節を短くしよう」といった気配り、心配りなんぞかなぐり捨て自由に思うがままに書きまくりました(^_^;)。
 それができた最大の理由は『一読法を学べ』を執筆・公開したことで、読者はきっと読んでくれる。「一節が長くとも考えつつ読む力が身についたはず」と信じられた……けれど、たぶん昔のくせでぼーっと通読しているだろう。だから、しばしば一読法クイズを出して注意喚起したわけです(^.^)。

 前置きの「それはさておき」。
 今ようやく最終章「統合の人格」にやって来てペンが滞っています。
 下書き末尾にある「統合の人格」をどう処理するか悩んでいるからです。

 以前も書いた通り、四タイプを統合する「統合の人格」という考え方は下書きにあります。それをどのように改稿するか。そのままでは公表しづらい。
 なぜなら現在(続編執筆以来の)考えをそこに投影すると、かなり違ったものになるからです。「どんでん返しの結論」と書いたものがそれに当たります。

 つまり、今の私は必ずしも「統合の人格を目指そう」との結論ではない。もちろん一人一人は統合の人格を目指したい。だが、それはとても難しいから、次善、三善(?)の策を取りたいと思っています。

 ……と考えたのが先週のこと。
 そのとき「待てよ」とつぶやき、二十数年前の下書きラストを念入りに読み返しました。そして、結論部を三つに分けると「最善、次善、三善の策」に分かれていることに気づきました(むしろ思い出したと言うべきか)。
 なんのこたあない、自分で「まずは統合の人格を目指そう。だが、それは難しいから次善の策としてこれこれ。もっと簡単に三善の策としてこれこれ」と書いていたのです。

 ただ、20年を経た今『続編』の結論としては若干違う。やはり全く同じとは言いづらい。が、基本は変わらない。ならば、取りあえず下書きの結論を転記しよう。そう決めました。
 そこで原文を(長文なので)三つに分け、各節に見出しをつけ、狂短歌を考案しました。できあがったのが以下三節。間隔を詰め本日より2週間で公開します。

5月08日(水) 62号 四タイプ統合を目指す その2 最善の策 ―――――本号
 〇 統合とは 強く厳しく突き放し 甘えを許し受け入れること

5月10日(金) 63号 四タイプ統合を目指す その3 次善の策
 〇 四タイプ 原性格を正しつつ 自我の成熟目指す生き方

5月15日(水) 64号 四タイプ統合を目指す その4 三善の策
 〇 統合の人格目指すその前に 補い助けあう集団

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 (^_^)本日の狂短歌(^_^)

 ○ 統合とは 強く厳しく突き放し 甘えを許し受け入れること

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***** 「続狂短歌人生論」 *****

 (^_^) ゆとりある人のための20分エッセー (^_^)

 【『続狂短歌人生論』62 四タイプ統合の人格 その2 最善の策 】

 脅迫・批判・傍観・受容――四タイプ全ての人格を合わせ持てる人こそ「統合の人格者」と言うに相応しい。
 この人は相手を恐れない「勇気」を持ち、相手を正しく導く「正義」を持つ。
 それでいて相手を自立させる「忍耐」を持ち、相手を思いやる「優しさ」を持っている――そういう人格者である。
 この人格者は時には強く激しく訴える。時には厳しく懇々と説く。時には突き放して待つ。時には許し甘えさせる。

 統合の人格者は傍観しないし諦めない。脅迫しないし批判もしない。暴力を振るうことは絶対にない。
 この人は積極的で行動力があり、人を受け入れ、人間の弱さを思いやる想像力を持っている。他者が自分を愛していることを信じられ、他者を愛する自分を信じられる。

 この人が他者と付き合う基本は「愛」である。他者に関心があり、感謝・笑顔・好意を示す。統合の人格者は他者に愛エネルギーを与えることができる、つまり、相手を心から誉めることができる性格なのである。

 もしもそんな人は「存在しない」と言うなら、この「統合の人格者」をぶっちゃけた言葉で言うとこうなる。

 彼(彼女)は他者に対して叱ることができるし、甘えさせ許すことができる。厳しく注意しながら、相手の成長を待つことができる――そんな人である。
 これなら身の回りに一人は思い浮かべられるのではないだろうか。

 私は訴えたい。今家庭内において離婚もしくは死別によって、一人で子育てをしている人へ。
 あなたこそこの統合の人格者となり、成熟した自我の持ち主となって子どもを育ててほしい。子どもに無関心であってはいけない。子どもにすりよって何も言えないようでもダメだ。かと言って暴力をふるったり、全てを親のあなたが決定し、子どもの悪い点ばかり厳しく責めてもダメである。

 あなたに必要なのは時に強く激しく、時に厳しく懇々と説くこと。時には突き放して待ち、時には許し甘えさせる育て方である。

 以前も書いた。公園デビューの幼子がこけて倒れたとき、助けに行くか、起きなさいと言って自立を待つか。「これだけは正解がある」と書いた。
 それはあるとき助けてあるとき助けないこと。助けるにしても、言葉でやさしく励ましたり、強く「起きなさい」と言ったりする。これこそ統合の育て方である。

 特に子どもが「愛されていないのではないか」との不安と恐怖にとらわれたときは助けに行かねばならない。ときには甘えているなとわかっても助ける。
 そのためには子どもを注意深く見つめていなければならないだろう。そして、これだけ離婚全盛社会になった以上、社会は一人親を援助するシステムを早急につくるべきだ。

 また、学校の先生方へ。
 あなたこそ統合の人格者となり、成熟した自我の持ち主となって子どもを指導して欲しい。
 今学校の先生方はかなり批判者、傍観者が多い。脅迫者、受容者タイプは少数となった。しかし、たった一人の脅迫者、その脅迫的暴力的生き方は学校を支配する。
 脅迫者に「暴力」を振るわせてはいけない。その暴力は先生と生徒間にできつつある暖かで穏やかな交流を一撃で破壊する。

 脅迫者が生徒に暴力を振るう相手は「脅迫的な生徒」であることが多い。だから「やむを得ないこと」と思いがちである。
 だが、脅迫者の「一撃・一喝」は、脅迫的生徒以外の(優しい穏やかな)生徒たちを萎縮させる。そして、彼らを傍観者と受容者タイプに追いやる。

 それは一人(もしくは数人)の脅迫的先生に振り回されて、傍観者となっている先生方と同じである。
 なおかつこの脅迫的先生が脅迫者の程度を深めることで、脅迫的生徒が「言うことを聞き、穏やかになる」かと言うと、そんなことはない。暴力による支配が被支配者の暴力的反乱を招くのは長い歴史で証明済みではないか。

 学校が暴力による支配を意図したとき、脅迫的生徒の「反乱の暴力」はもっと激しくなるだろう。この脅迫的生徒が他生徒に対して暴力・いじめを始めたとき、他生徒はもっと傍観者となり、受容者タイプとなる。彼らは「暴力」に対して抵抗することができないからだ。

 だが、脅迫的な先生を排除してはいけない。彼は職員集団の中で最も勇気ある先生である。彼は同僚から愛されていない、生徒から尊敬されていない。その寂しさと不安を「怒り」を爆発させることによってうち消そうとしている。すぐに怒る彼こそ最も自分の感情をコントロールできない弱々しい人である。

 また強烈批判者も暴力こそ振るわないが、脅迫者と同程度に学校内を暗くする。彼が繰り出す小言・説教・叱責・注意という「言葉による批判」もまた、人を不快にさせるだけだ。
 そして、事態をただ傍観しているだけの先生からは同僚はもちろん生徒だって、何のエネルギーも与えられない。

 さらに、脅迫的先生や脅迫的生徒について、愚痴と泣き言を並べ立てる受容者タイプの先生だって、生徒の悪を見て見ぬふりをしたり、生徒を叱ることができなくては事態は悪くなるばかりだ。

 学校の先生こそ時には強く激しく、時には厳しく懇々と説き、時には突き放して改善を待ち、時には許し甘えさせる「統合の人格者」を目指してほしい。
 特に子どもが「愛されていないのでは」との不安と恐怖を感じたときは必ず助けに行くことだ。
 そして、先生が子どもをじっくり見つめられるよう1クラスの人数を20人にすること、学校のシステム作りを早急に構築する必要があると思う。

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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:本文末尾に「1クラスの人数を20人にする」ことが提言されています。
 近年ようやく45人から40人、そして35人と減らされてきました。だが、20人への「道遠し」と言うか、文科省・政府・議員にやる気はなさそうです。オゼゼもない?

 しかも減らしながら、未練たらしい問題・愚策も発生させています。
 それはこのような一見教員の負担を軽減する措置を実施すると、必ず「地域や学校独自に何々をしなさい」との通知がくっつくことです。結果、教員が自由に使える時間は減り、負担がかえって増える。「ゆとり教育」というゆとりなき教育がいい例でした。

 最近小中高の授業を5分~10分減らそうとの提起があるようです。が、やはり減らした時間は「何々をしなさい」と来る。何をやったか報告を求める。やれやれ。

 そもそも教育内容(カリキュラム)が減らなければ、その分が詰め込みとなって児童生徒に負担となる。落ちこぼれがさらに増えるだけ。授業時間を短くした先に何があるか。「学力低下が甚だしいから元に戻す」となることが予想できます。

 どうやら彼らの頭の中には「教員を楽させると働かなくなる」があるようです。だから、「あれせえ、これせえ」と課題を与え報告を求める。結果、学校はますます劣悪な職場と化し、教員志望者は減り続ける。一体いつになったら気づくのでしょう。
 おヒマなら以前書いた教育・学校への提言を。
 かなり斬新な案を。しかも、一部の変更ではなく、全体を変えようとの趣旨で語っています。
 →『一読法を学べ』提言編 Ⅱ 45~57「新しい教育システムの構築」

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