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2024.12.23

有馬記念、結果とほぞ噛み

 有馬記念結果は――ウラ●1着! なのに勘違いの……涙また涙(T_T)

 1着―戸崎圭 08レガレイラ………………[●] 単勝=10.9
 2着―Cデム 16シャフリヤール…………[?]
 3着―横山典 01ダノンデサイル…………[▲]
 4着―横山和 05ベラジオオペラ…………[・]
 5着―坂 井 11ジャスティンパレス……[・]

 一覧順位[QC→E→QE→F] 馬群[3→2→4→2]
 前日馬順[E→10→B→C] 枠順[D*→G→C→B]

 枠連=4-8=69.8 馬連=08- 16=204.7 馬単=331.0
 3連複=08-16-01=208.5 3連単=1965.2
 ワイド12=44.5 W13=7.2 W23=19.0

-------------
 本紙予想結果
 印騎手番馬       名 性齢 馬 結果
◎川 田07スターズオンアース 牝5 D  14
〇ルメル03アーバンシック   牡3 A  6
▲横山典01ダノンデサイル   牡3 B 3
△ムーア13スタニングローズ  牝5 H  8
・横山和05ベラジオオペラ   牡4 C 4
・菅原明04ブローザホーン   牡5 11  12
・坂 井11ジャスティンパレス 牡5 F 5
・吉田豊15ハヤヤッコ     牡8 12  15
●戸崎圭08レガレイラ     牝3 E 1
?Cデム16シャフリヤール   牡6 10 2

-------------
【有馬記念、過去9年の実近一覧結果】
    一 覧     馬 順     [1234]群
2024年 QC→E→QE→F E→10→B→C 3→2→4→2 乖離1・3着
2023年 C→E→QA→H C→F→G→A 1→2→3→2 乖離3着
2022年 C→H→G→QH A→E→C→12 1→2→2→4 乖離2・3着
2021年 B→QA→A→D A→E→B→C 1→3→1→1 乖離2着
2020年 A→QD→C→B A→11→B→D 1→3→1→1 
2019年 F→B→H→C B→C→D→F 2→1→2→1 乖離1・3着
2018年 QB→A→F→QA D→A→09→F 3→1→2→3 乖離1着
2017年 A→G→B→C A→10→C→B 1→2→1→1 
2016年 A→C→B→QE B→A→D→H 1→1→1→4 

 予想で「馬順Aが消えたときは19年[BCD]、23年[CFG]。まとめれば、BからG。馬順Aに賭けるかどうかだろう(と書いたら、取消になって自ら消えた)」と書いたように、馬順[BCE]が4着内。この3頭はみな乖離馬である。
 ただ、8枠大外の馬順10位が激走した。こちらは一覧Eの馬順10位――つまり、逆乖離馬。

 第1、2群の逆乖離馬はしょっちゅう出現するし、だいたい来ないことが多いので、印をつけづらい。今回は一覧BとEの2頭だけ。何も考えず軸から「逆乖離にも流す」か、第3、4群の乖離馬を軸としたなら、「第1、2群の逆乖離に流す」手がある。
 来年はこの研究に励みたい。

 以下一覧データの結果です。

***************************
 【有馬記念 実近一覧表】 中山 芝25 16頭 定量58-54キロ
                  (人気は前日馬連順位)
順=番|馬      名牝歳 |予OZ{実近}[展]3F|馬|乖|3指単複 印着
[1]
A=02|ドウ デュース  5| 2.2{AA}[14]A|―| |取消
B=10|ブログ ノーシス 6| 7.8{09B}[9] |09| |HHGG  11
C=03|アーバン シック 3| 7.9{GC}[13] |A| |AAAA 〇6
D=07|スターズオンアー牝5| 8.0{DF}[1] |D| |EEFE ◎14
[2]
E=16|シャフ リヤール 6| 9.6{HE}[5] |10| |     ?2
F=05|ベラジオ オペラ 4|10.1{EG}[2]E|C|乖|CCCC ・4
G=06|ローシャムパーク 5|10.3{FH}[7] |G| |GGH11
H=13|スタニングローズ牝5|11.8{1010}[4] |H| |090911H △8
[3]
QA=11|ジャスティンパレス5|12.3{1109}[11]B|F|乖|FDEF ・5
QB=04|ブロー ザホーン 5|13.1{B14}[10] |11| |     ・12
QC=08|レガ レイラ  牝3|17.4{12D}[16] |E|乖|DFDD ●1
QD=12|シュト ルーヴェ 5|20.2{C15}[12]D|14| |
[4]
QE=01|ダノン デサイル 3|24.1{1412}[8] |B|乖|BBBB ▲3
QF=15|ハヤ ヤッコ   8|24.4{1313}[15] |13| |     ・
QG=09|ディープ ボンド 7|33.3{1611}[3] |12| |
QH=14|ダノン ベルーガ 5|39.5{1516}[6]C|15| |

 注…「馬」は馬連順「3」は3複順「単複」は単複順位
----------------------------
 ○ 展開予想

※展開(3Fは前走の上がり優秀5頭)[逃げ馬不在]
 逃げ     先行     差し     追込
番07 05 09 13 -16 14 06 01 -10 04 11 12 -03 02 15 08
覧△ 6 5 〇 ▲ ◎
3F E C B D A
本◎ ・ △ ▲ ・ ・ 〇 消 ・ ●
結 4 2 3 5 1
--------------
 [枠連順位]
 枠連型=A流れD [4巴・AB型] 枠連AB=7.4
 馬連型=A流れD [AB型]    馬連AB=7.4

 枠連=ABCD/EFGH/ 
 枠順=2314 6587  枠順[D*→G→C→B]
 馬順=ACBD F0910H  馬順[E →10→B→C]
 代行=11G消E 14121315
 ―――――――――――――
 結果= 431 2

 [オッズ分析]
 思わぬ1枠1番人気02ドウデュースの取消だが、01にダノンデサイルがいたおかげで枠順はCにとどまった。枠順BCが入れ替わっているが、これは3枠に馬順C05ベラジオオペラ・G06ローシャムパークが同居したことと1枠が単枠になったからだろう。
 むしろE6枠以降が馬順だと6758枠となるべきところ、6587となっている。H7枠も買われているのでカットできない。

 枠連はAB型であるとともにA~Dの4巴。これは4枠に馬順D07スターズオンアースとE08レガレイラが同居したからとも言える。
 ところが、枠順A~Dの中に馬順ABCDも入っているのに、馬連は4巴となっていない。むしろ馬連は馬順A03アーバンシック、B01ダノンデサイルが強くAB型である。
 自動買い目としては[AB軸にCD蹴ってEFGH。ウラCD]となる。

 結局、枠順AからD、どれが強いか弱いかわからない。
 枠A~Dから2着内1枠しか出ず、EFGHからもう1枠が出るかもしれない。
 それでも本命決着なら枠連・馬連はABCD内で決まる。
 もしも大荒れがあるなら枠A~D全て消えて(3着以下)枠順EFGHの1、2着だってあり得る。そのようなオッズ相である。

 オーラス有馬だから参加はしたいけれど、本命馬の取消によってとらえどころのないオッズとなった。それでも本命決着か。あるいは中荒れ、大荒れとなるか、なんとも不明。
 残念ながら好きな馬券を少々買ってケンするレースだろうか(^_^;)。

 [結 果]

 枠順Dは補強枠だった。そこから1着、枠C(単枠)が3着。だから枠連が4巴になったのかと(終わって)納得。
 4巴の自動買い目は[A~D軸→EF蹴ってGH]だから、補強枠D軸→GHで枠連70倍弱の的中があった。が、結果論だろう。
 今年はケンするレースが多かった。来年は「荒れる」と見なして枠連・馬連の予想に試みたいと思う。

**************************

 ※ 回  顧

「来た、来た、来たっ! 来たーっ!!」
「レガレイラ、レガレイラ! レガレイラ~!!」

 久しぶり、いとこの家に轟きわたる私の(悲鳴にも似た)雄叫び(^_^;)。
 有馬のラスト100メートル――。2頭が激しく先着争い。
 かたやウラ●戸崎圭3歳牝馬08レガレイラ。
 こなた最後に追加した大外16吉田豊ハヤヤッコ。

 [しばらくこの勘違い悲喜劇にお付き合い下さい(^_^;)]

 有馬スタート前、私といとこはお互いの穴馬を披露。
 私は「3歳牝馬のレガレイラ」、いとこは「金子の馬で葦毛のハヤヤッコ」。
 私「ハヤヤッコは私も印つけました。8歳だけど前走アルゼンチン共和国杯のタイムがすごくいいんですよ」
 いとこはハヤヤッコとダノンデサイルとのワイドに大きく張ったと言います。
「久しぶりに二人的中があるかもしれませんね」
 ……などとにやにや語っていたのであります(^.^)。

 そしてゴール。4枠青帽レガレイラと8枠桃色の馬が並んで入線。
 ?十年もテレビを見続けた私のこと。写真判定になっても08レガレイラの1着を確信しました。

 直後に出た雄叫びが「よおぉっし。馬連・馬単獲ったー!」
 そして、3着が3歳ダービー馬1枠01番ダノンデサイルとわかって
「3複も獲ったー」と3度目の雄叫び(^O^)。

 が、いとこが妙に静か。
「えっ、ハヤヤッコとダノンデサイルのワイド当たったんでしょ。払い戻し、かなり高いと思いますよ」と言うと、
 いとこ「外れじゃ」と苦虫の表情。えっ?
「8枠16番はシャフリヤールじゃ」
「ええっ、ハヤヤッコでしょ?」
「ハヤヤッコは15番じゃ!」

 ここに来てようやく私の勘違い、そしてぬか喜びが明らかとなりました。
 ありま。
 何かしらねど、私はハヤヤッコを8枠大外と覚えていたようです。

 そーなると?
 単勝の的中は間違いない。だが、総流ししていないので、馬連・馬単の的中はなし。3複・3単も……つまり16シャフリヤールが完全な無印[?]馬なので、連勝系馬券の的中はな~んもなし。がーん(=_=)。

 いとこの家では払い戻しまで見ました。
 08レガレイラ→16シャフリヤールの馬連2万、馬単3万。
 3単19万は無理だけど、[ウラ●→?→▲]決着なので、16シャフリヤールにせめて[・]印をつけていれば、3複2万の払い戻し。
 後期の負けを一気に取り戻す冬のボーナスとなったのに……(T_T)。

 しかも、ほぞ噛みも強烈です。
 予想で格の順に並べた際、GI2勝以上(4頭)と1勝(6頭)に分けました。
-------------
 ◎GI2勝以上(4頭)[GI]Vレース           馬印 着
02ドウデュース  [5015]朝日杯ダービー有馬、秋天→JC  取消    
07スターズオン牝5[2232]22年桜花・オークス        D◎ 14 
16シャフリヤー牡6[2234]21年ダービー・22年ドバイシーマ  10? 2
13スタニングロ牝5[2104]22年秋華賞・前走エリザベス女王杯 H△ 8

-------------
 ここに、ここにっ(!)、ドウデュース不在となって格2位の位置にシャフリヤールがいるのです。く~~っ(T_T)。

 2歳GI戦は格上位が全く凡走。格下位から買った方が良かった。
 だが、今度は古馬GI戦。「格上位が来るぞお」と思って、
 なおかつ5歳8頭(取消後でも7頭)ゆえ、「5歳の07スターズと13スタニング!」に重い印をつけ、
 さらに格上位3頭[07-16-13]の3複ボックス1枚さえひそかに買っていたと言うのに(^.^)。
 もう一つ。何も考えずウラ●から格上位3頭に馬連・馬単流すだけでいいのに。
 それで5万の払い戻しなのに……。ああ(T_T)。

 なぜ無印にしたのか?
 一つは過去10年6歳の入着が1頭しかなかったこと。
 不利と言われる大外16番に入ったこと。
 しかし、私の矛盾も明らかです。
 過去10年どころか、64年間優勝のなかった3歳牝馬にウラ●を打ったこと。8枠15ハヤヤッコに印をつけたこと。ハヤヤッコなぞGIVのないG2V馬。
 GI2勝の馬3頭のうち牝馬2頭に◎、△をつけたんだから、
「もう一頭シャフリヤールにも印付けとけよ!」と言いたくなります。

 しかも、土曜中山メイン3WグレイトフルS(芝25、16頭立て)を見て「8枠の馬も買おう」と決めていたのです。
 同レースの結果は1着13、2着16、3着01番。
 枠で言うと7枠→8枠→1枠。外が1、2着。

「これは親心か、はたたま逆が起こるのか」と疑ったけれど、
 中央競馬会が「中山芝2500で8枠の馬も来ますよ」と教えてくれたと言うのに。
 しかも、(競馬の神様は)2着3着馬さえ教えていた……。

 素直に◎/ウラ●から8枠16→1枠01を買うべきでした。
 これ究極の4頭(3頭)絞り。しかも、ウラ●から3単1枚。
 これで3単払い戻し19万!
 ああ……きりきりほぞ噛みと、何度流したかしれない涙また涙(T_T)。

 その他のことはどーでもいい(^_^;)。
 ルメール03菊花賞馬が出遅れて6着とか、横典01ダノンデサイルが逃げて1000メートル通過62.9のスローに持ち込み、(さすがの)3着とか。初乗りで64年ぶりの3歳牝馬Vを(ハナ差で)成し遂げた戸崎圭のすごさとか。

 結局最多5歳勢の着内はなく、[3歳牝→6歳→3歳牡]。
 3歳は「強いかも」と(ダービー・菊花賞のタイムは平凡だったが)皐月賞のレコード走に着目したのはヒットだったとか……。

 なんにせよ、まさかラストGIで後期最大のほぞ噛みが待っていようとは思いもしませんでした。


 最後に3歳牝馬レガレイラにウラ●を打った理由。
 ここに再掲して今年の「ほぞ噛み予想」を終わりといたします。

--------------
 そして、本年最後のウラ●。
 当初ドウデュースを連単軸の◎にするつもりだったのでウラ●は設定せず、3着筆頭(もしくは2着があるかも)の候補として3歳牝馬の戸崎圭レガレイラをウラ★印にする予定でした。
 しかし、以下の理由をもって「もしかしたら突き抜けるかも」とウラ●にしたいと思います。

 戸崎圭13レガレイラは昨年牝馬の身で中山2歳牡牝GIホープフルSを勝ち、今年は一躍牡馬クラシックに挑戦。
 しかし、皐月6着(1人)→ダービー5着(2人)とこけ、秋は牝馬戦に戻ったのに、G2ローズS5着(1人)→エリザベス5着(1人)とさらに大こけ。
 しかし、ある一点をもって「ここで激走あるかも」と思えます。

 それは本年皐月賞のレベルの高さです。中山芝20良馬場17頭立て。
 1着から6着までが以下。皐月レコードは1578。勝ちタイム1571はそれをコンマ7縮める新レコードでした。6着レガレイラまで旧レコードを更新したと言えます。
 残念ながら1着ジャスティンミラノは屈腱炎で引退。が、2着から5着まで、その後の活躍を列挙してみると、

 [皐月賞1~6着]     タイム―その後
1 戸崎圭13ジャスティンミラノ1571―引退
2 モレイ12コスモキュランダ 1571―G2セントライト2着(1人)
3 川 田08ジャンタルマンタル1572―NHKマイルV(2人)
4 横山武09アーバンシック  1575―セントライトV→菊花賞V
5 坂井瑠14シンエンペラー  1575―ダービ3着(7人)、JC2着(8人)
6 北村宏10レガレイラ    1576―その後イマイチ

 ればたらを言うと、ジャスティンミラノが秋天、JCに出ていたらと思えてなりません。
 注目すべきは3着アーバンシックがルメール鞍上で菊を勝っている。
 5着シンエンペラーは9月愛GI3着→凱旋門12着後JCに出てドウデュースの2着。逃げて粘ってドウデュースと同タイムクビ差でした。

 レガレイラのその後を見ると、とても有馬でドウデュースを負かせるとは思えません。しかし、横綱が休場しました。ならば敵は大関以下(^.^)。
 それにレガレイラは大きなハンデをもらっています。
 3歳牝馬は54キロ。古馬の牡馬とは4キロ差。
 3歳2強とも2キロ減。皐月・ダービーでは牡馬57キロに対してレガレイラは55キロでした。斤量54キロはかなり有利と思えるのです(もっとも秋牝馬と対戦して「むむむ?」の敗退でしたが)。

 レガレイラは何より上がりが7戦中6回1位。後方のまま追って届かずが続いたけれど、中山芝25はときどき(逃げが残ったり)後方直線一気があります。それを期待したいと思います。

 ちなみに3歳牝馬の有馬なんて全く記憶がないので調べてみました。
 まず勝ったのは1960年3歳牝スターロッチ。レガレイラが勝てば64年ぶり、史上2頭目の3歳牝馬Vとなるそうです。うーん。無理スジ(^_^;)?

 次に着内に入った3歳牝馬は1986年以降だと19頭挑戦して以下の3頭。
 19頭の中で6番人気以内は9頭。うち3頭が2着。確率3割強(^.^)。

 1994年中 舘ヒシアマゾン    2着(6人)
 2007年安 勝ダイワスカーレット 2着(5人)
 2009年横山典ブエナビスタ    2着(1人)

 余談ながら私が競馬を始めたのは1980年から。なので上記3頭、6番人気内の6頭も懐かしい名前ばかり。今振り返って「へーっ、3歳牝馬だったんだ」てなもんです(^.^)。

 最も印象に残っているのはダイワスカーレット。
 07年有馬2着時の勝ち馬は(そんなふざけた馬名が勝つかよ、と思った)マツリダゴッホ。
 また、桜花Vの2着は次走ダービーを牝馬の身で勝ったウオッカ。
 そして、翌年有馬記念。逃げまくって粘り勝ち。即引退。
 12戦全て安勝騎手で[8400]の名牝でした。

 最後に自戒をこめてもう一言。
 後期GIの負けを取り戻したい気持ちはあれど、虎の子投入はほどほどにしようではありませんか。
 競馬はこれで終わりではなく、来年もありますので(^_^)。
---------------

 ところで、レガレイラの単勝、いくら買ったか。
 悲しいほどの少額。勝つなんて半信半疑どころか8分疑で、「たぶん2着だろう」と思っていました。なのでもちろんトリガミ。

 それでも、後期ラストGI、しかも有馬で、64年ぶりのV――3歳牝馬にウラ●を打った。これは誇りだし、あの世に行ったら亡き競友に自慢したいと思います(^_^;)。

 以上です。

===============
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:今年も(やはり長文となった)ほぞ噛み予想にお付き合いいただき、ありがとうございました。
 後期は荒れたこともあってなかなかおいしい的中をお届けすることができませんでした。ほぞ噛みも相変わらず。まー題名が題名だけに、ほぞは我が予想の宿命です(^.^)。

 今年は結構調子良くて9月までは回収率100パーセント前後を維持していました。しかし、10月以降一気に奈落の底へ。ほんとに難しいGI続きだったと思います。

 ところで、来年から廃止となるレーシングカレンダー。
 なんと来年の有馬記念は12月28日(日)になっていました。
 ホープフルSは27日の土曜日とか。

 今年は今日(23日)から1月金杯(5日)まで約2週間空きます。
 ところが、28日有馬だと金杯までわずか1週間。
 1年無休なんて「やり過ぎじゃね」と言いたくなります。

 外国のように(日本なら酷暑の夏など)競馬オフがあっても良さそうな気がします。最低限お盆と年末年始に2週間のお休みとか。
 これでクレームつける人は間違いなく競馬中毒だと思います(^.^)。

 それでは、皆様のご多幸を祈って良い年をお迎えください。
                         御影祐 m(_ _)m

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2024.12.21

有馬記念、直前予想

 以下の「前置き」は木曜夜から金曜午前中にかけて書いていました。
 せっかくなので、このまま公開します。

 その後金曜夜にネットを見て唖然・呆然・愕然。
 まさかの「ドウデュース出走取消」です。え゛え゛~っ(=_=)。
 右前肢ハ行――が理由とのこと。

 誰もが◎打つであろう1番人気の取消。
 大相撲横綱の本場所休場みたいなもの。
 これで馬券はわけわからなくなりました。
 これから再度検討し直しです。

------------------------
 直前予想「前置き」

 木曜夕方、枠順が公開抽選によって決まりました。
 ぱっと見て驚いたのは123(^.^)。
 まさかの123番人気が02-03-01と並びました。

 私は「まるで大相撲の土俵入りやなあ」と思いました。
 横綱ドウデュースを真ん中に太刀持ちと露払いが両脇にいるような。
 あるいは、GI後期あまりにも当たっていないので、「まずは3複123を買いなさい。的中できますよ」と(競馬の神様が)ささやいているかのような(^.^)。

 さて、そんな簡単な結末になるかどうか。
 疑り深いのが我ら馬券ファンでもあります。
 この3複払い戻し、5倍前後では買う気にならないけれど、10倍前後なら1枚買っときますか(^_^;)。

 ただ、展開予想図では横山典01ダノンデサイルが8番手(指数7.6)の中団、ルメール03アーバンシックと武豊02ドウデュースは13、14(10.1、10.6)番手で、追い込みタイプ。
 ちなみに、菅原04ブローザホーンも9(9.0)番手の中団が理想。

 また、逃げAには川田07スターズオンアースが位置していますが、同馬の指数は3.1。すなわち先行馬です。
 ということは「逃げ馬不在」。前走も2走前も逃げた馬が1頭もいません。
 ということは(突然大逃げ打つ馬でもいない限り)レースはスロー必至。
 ということは馬群は団子状態に。
 ということは(くどい?)内枠の差し・追い込み馬は内に閉じ込められる可能性あり。

 ドウデュースの友道師が「正直もうちょっと外の方が…」と語ったように、確かに内で構わないけれど、昨年の3枠05番あたりが希望だったでしょう。

 もう一つ。ルメールさんは「ユタカさんの隣です」と言って笑ったとか。
 これ意味深ですね。隣と言っても内でなく外。内心「しめしめ」かもしれません。

 彼はライバル馬を内に閉じ込める高等戦術を使う騎手。
 ドウデュースの外を並走し続けるか。あるいは、前2走(鞍上ルメール)1角は8~9番手。そのようにもう少し前目につけるか。
 武豊02ドウデュースは定位置の後方追走、おそらく向こう正面で外に出してまくりを打つでしょう。
 アーバンシック、前2連勝の上がりは[34.0→35.6]。対してドウデュースは[32.5→32.7]。
 アーバンシックは同じ位置ではドウデュースに勝てない。
 となれば、ルメールさんスローに乗じて前目3、4番手に位置するのではと思います。
 最後はアーバンVSドウデュースのマッチレース?
 そして、勝つのは……?
 やっぱりドウデュース、連単軸の◎でしょうか(^_^;)。
------------------------

 しかし、勇気をもって、愛をもって(まさかを考えて?)この段階で取り消したことは不幸中の幸いと言えるかもしれません。
 実は秋天で〇とし、JCでも「秋天で上がり32.5を出した反動が出るかも」と再度〇にしました。
 そして、今回「唯一の不安」として「もしこけるなら、JCでも32.7の上がりを出した反動だろう」と書くつもりでした。

 もしもレースが始まってその反動が出たなら、着内どころか掲示板にも載らず後方のままがあり得たし、レース中止だってあり得る。
 ここで踏みとどまったのは良かったと思います。
 これで引退してハーツクライの血を引く種牡馬となって強い仔を産んでほしいものです。


 まずは過去8年の実近一覧結果から。

【有馬記念、過去8年の実近一覧結果】
    一 覧     馬 順     [1234]群
2024年 →→→ →→→ →→→
2023年 C→E→QA→H C→F→G→A 1→2→3→2 乖離3着
2022年 C→H→G→QH A→E→C→12 1→2→2→4 乖離2・3着
2021年 B→QA→A→D A→E→B→C 1→3→1→1 乖離2着
2020年 A→QD→C→B A→11→B→D 1→3→1→1 
2019年 F→B→H→C B→C→D→F 2→1→2→1 乖離1・3着
2018年 QB→A→F→QA D→A→09→F 3→1→2→3 乖離1着
2017年 A→G→B→C A→10→C→B 1→2→1→1 
2016年 A→C→B→QE B→A→D→H 1→1→1→4 

 16年以降23年まで馬順AかBが2着内だったが、昨年は2頭とも消えて馬順C(ドウデュース)が1着となった。また、第3群QA→Gの乖離馬(逃げたタイトルホルダー)が3着に粘った。
 それ以前も乖離馬には注意。今年は第4群QE→の01ダノンデサイル。ダービー馬がこの位置というのもちょっと驚く。また、…

 馬群を見ると、馬連軸なら第1群から。相手は第2、第3群がいい。
 馬順A軸の相手は[B・10・D・11・E・E]。狙い目は中位の薄目と下位の薄目。
 3番手は[D・C・09・B・B・C]。狙いは馬順B・Cってところか。
 馬順Aが消えたときは19年[BCD]、23年[CFG]。
 まとめれば、BからG。馬順Aに賭けるかどうかだろう。

 また、昨年の124着馬は前走上がり[BCA]だった。
 ここに逃げAタイトルホルダーを加えた4頭ボックスで3複的中だった。
 今年も前走上がりベスト5には注意したい。

*************************
 【GI 実近一覧表】 阪神 芝1 18頭 定量5キロ
                  (人気は前日馬連順位)
順=番|馬      名牝歳 |予OZ{実近}[展]3F|馬|乖|3指単複 印着
[1]
A=02|ドウ デュース  5| 2.2{AA}[14]A|―| |取消
B=10|ブログ ノーシス 6| 7.8{09B}[9] |09| |HHGG 
C=03|アーバン シック 3| 7.9{GC}[13] |A| |AAAA 〇
D=07|スターズオンアー牝5| 8.0{DF}[1] |D| |EEFE ◎
[2]
E=16|シャフ リヤール 6| 9.6{HE}[5] |10| |
F=05|ベラジオ オペラ 4|10.1{EG}[2]E|C|乖|CCCC ・
G=06|ローシャムパーク 5|10.3{FH}[7] |G| |GGH11
H=13|スタニングローズ牝5|11.8{1010}[4] |H| |090911H △
[3]
QA=11|ジャスティンパレス5|12.3{1109}[11]B|F|乖|FDEF ・
QB=04|ブロー ザホーン 5|13.1{B14}[10] |11| |     ・
QC=08|レガ レイラ  牝3|17.4{12D}[16] |E|乖|DFDD ●
QD=12|シュト ルーヴェ 5|20.2{C15}[12]D|14| |
[4]
QE=01|ダノン デサイル 3|24.1{1412}[8] |B|乖|BBBB ▲
QF=15|ハヤ ヤッコ   8|24.4{1313}[15] |13| |     ・
QG=09|ディープ ボンド 7|33.3{1611}[3] |12| |
QH=14|ダノン ベルーガ 5|39.5{1516}[6]C|15| |

 注…「馬」は馬連順「3」は3複順「単複」は単複順位
---------------------------
 ○ 展開予想

※展開(3Fは前走の上がり優秀5頭)[逃げ馬不在]
 逃げ     先行     差し     追込
番07 05 09 13 -16 14 06 01 -10 04 11 12 -03 02 15 08
覧△ 6 5 〇 ▲ ◎
3F E C B D A
本◎ ・ △ ▲ ・ ・ 〇 ・ ●

--------------
 [枠連順位]
 枠連型=A流れD [4巴・AB型] 枠連AB=7.4
 馬連型=A流れD [AB型]    馬連AB=7.4

 枠連=ABCD/EFGH/ 
 枠順=2314 6587
 馬順=ACBD F0910H 
 代行=11G消E 14121315
 ―――――――――――――
 結果=

[オッズ分析]
 思わぬ1枠1番人気02ドウデュースの取消だが、01にダノンデサイルがいたおかげで枠順はCにとどまった。枠順BCが入れ替わっているが、これは3枠に馬順C05ベラジオオペラ・G06ローシャムパークが同居したことと1枠が単枠になったからだろう。
 むしろE6枠以降が馬順だと6758枠となるべきところ、6587となっている。H7枠も買われているのでカットできない。

 枠連はAB型であるとともにA~Dの4巴。これは4枠に馬順D07スターズオンアースとE08レガレイラが同居したからとも言える。
 ところが、枠順A~Dの中に馬順ABCDも入っているのに、馬連は4巴となっていない。むしろ馬連は馬順A03アーバンシック、B01ダノンデサイルが強くAB型である。
 自動買い目としては[AB軸にCD蹴ってEFGH。ウラCD]となる。

 結局、枠順AからD、どれが強いか弱いかわからない。
 枠A~Dから2着内1枠しか出ず、EFGHからもう1枠が出るかもしれない。
 それでも本命決着なら枠連・馬連はABCD内で決まる。
 もしも大荒れがあるなら枠A~D全て消えて(3着以下)枠順EFGHの1、2着だってあり得る。そのようなオッズ相である。

 オーラス有馬だから参加はしたいけれど、本命馬の取消によってとらえどころのないオッズとなった。それでも本命決着か。あるいは中荒れ、大荒れとなるか、なんとも不明。
 残念ながら好きな馬券を少々買ってケンするレースだろうか(^_^;)。

**************************

 ※ 直前予想


 以下冒頭データ部分も木曜から金曜にかけて書いていました。
 ドウデュースのデータも残したまま、表の結論部まで掲載いたします。

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 「有馬直前予想」

 さー有馬記念。まずはいつもの年齢構成。

 3=3 4=1 5=8 6=2 7=1 8=1頭
 計16頭 牡馬13(騙馬1)頭 牝馬3頭

 特筆すべきは4歳の少なさ(05ベラジオオペラのみ)、5歳の多さでしょう。
 有馬過去10年の着内は3~5歳がほとんどで1頭だけ6歳馬。
 同年齢の独占もほぼないけれど、2017年の一度だけ5歳が独占しています。
 ちなみに1着は1番人気の武豊キタサンブラックでした。
 今年また5歳勢独占なるかどうか。

 次にいつもの格による順位。GI馬10頭と多いので、GI2勝以上を◎、1勝を〇として掲載します。G2Vは▲に。
◎GI2勝以上(4頭)[GI]Vレース
02ドウデュース   [5015]朝日杯・ダービー・有馬・秋天・JC
07スターズオンアース[2232]22年桜花・オークス
16シャフリヤール  [2234]21年ダービー・22年ドバイシーマ
13スタニングローズ [2104]22年秋華賞・前走エリザベス女王杯

〇GI1勝(6頭)
04ブローザホーン  [1101]宝塚記念
01ダノンデサイル  [1001]ダービー
03アーバンシック  [1002]菊花賞
05ベラジオオペラ  [1013]大阪杯
08レガレイラ    [1003]2歳ホープフルS
11ジャスティンパレス[1228]23年春天

▲G2V(GIVのない)(5頭)G2
09ディープボンド  [0411]4勝(22年以前)
10ブログノーシス  [0311]3勝金鯱賞2V・札幌記念
06ローシャムパーク [0202]1勝23年オールカマー
12シュトルーヴェ  [0002]2勝日経賞・目黒記念
15ハヤヤッコ    [0002]1勝前走アルゼンチン杯

・他G3V(1頭)
14ダノンベルーガ  [0127]22年G3共同通信杯V

 さて、ここから本論。
 週中予想の結論は以下の通り(末尾は馬順)。

◎武 豊02ドウデュース    牡5 取消
▲ムーア13スタニングローズ  牝5 H
▲川 田07スターズオンアース 牝5 D
▲戸崎圭08レガレイラ     牝3 E
△ルメル03アーバンシック   牡3 A
△横山典01ダノンデサイル   牡3 B
・横山和05ベラジオオペラ   牡4 C
・菅原明04ブローザホーン   牡5 11

 GI連勝中の武豊ドウデュースを◎として3歳2強は3番手、牝馬3頭を2番手として(いわば)この5頭が2着候補。他の古馬は良くて3着と見ました。
 ドウデュースはやはり一覧トップA。5種オッズもオールA。GI抜けた5勝。馬連・3複軸として表の◎は外せない。

 そこで〇。週中ほとんど決めていました。
 川田07スターズオンアースです。ムーア13スタニングローズと迷いました。
 両馬の実績を再掲すると、
07スターズオンアース[2232]22年桜花V・オークスV、前走JC7着
13スタニングローズ [2104]22年秋華賞V・前走エリザベス女王杯V

 GIはともに2勝。しかし、牝馬限定GIか牡牝混合GIにどのくらい参戦しているか――によって差が見えてきます。

07スターズオンアース[2232]牝GI4戦[2020]牡牝GI5戦[0212]
13スタニングローズ [2104]牝GI6戦[2103]牡牝GI1戦[0001]

 スタニングローズの牡牝GIは今年大阪杯8着(6人)の1戦のみ。
 対してスターズオンアースの牡牝GIは5戦。うち23年大阪杯2着(1人)、JC3着(5人)。そして昨年有馬でドウデュースの2着(7人)。

 今年はわずか2戦でドバイシーマ8着、前走JC7着ですが、その前は12戦[3540]と全て3着内。また、中山は2戦2着2回。勝つまではいかないけれど、先行して粘る2着筆頭候補として充分やってくれそうな気がします。

 よって◎武豊ドウデュース。〇川田07スターズオンアース。
 残り6頭は3着候補の[・]印。
 ただ、古馬5歳以上より以下2頭を追加します。
・坂 井11ジャスティンパレス 牡5 F
・吉田豊15ハヤヤッコ     牡8 15

 11ジャスティンパレスは秋天でウラ●としたところ、坂井騎手が下手な騎乗で4着惜敗…と思ってJCではCデムー騎手に乗り替わったので「今度はやるだろう」と連単軸の◎、ドウデュースを〇としたら、無残にも5着。今回また坂井騎手に戻りました。Cデムーは16シャフリヤール騎乗。
 ジャスティンパレスは今年GI4戦着内なし。かなり無理スジ臭いけれど、昨年春天Vだし、秋天2着、有馬は4着ながら1番人気でした。

 15ハヤヤッコは8歳だしたぶんダメだと思います。
 ただ、万が一来たら(つまり1枚流すので)、「実はひそかに買っていました」と書かざるを得ないので、追加します。

 理由は前走東京芝25のG2アルゼンチン共和国杯で勝ったこと(11人)。
 人気薄がいやですが、これで同馬はG2V馬。だけでなく勝ちタイムがすごい。
 良芝25を2290。このタイムは東京レコードよりコンマ8遅いだけ。当然過去3走のTX馬です。有馬はブービー人気だし、8枠だから無理スジ確定。まー1枚くらい、いいだろうと思って(^_^;)。
--------------------------

[ここからドウデュース取り消し後の記述です]

 金曜前々日発売のオッズを見ると、みなさん立ち直りが早いというか(^_^;)、ドウデュースの2番人気、3番人気が予想されていた3歳2強が繰り上がって(?)1、2番人気になりそうです。馬順もA03アーバンシック、B01ダノンデサイル。
 ただし、ダノンデサイルの一覧は第4群のQE→Bだから「乖離馬」となります。
 また、取消の影響と言うべきか、第2、第3群にも乖離馬が計3頭出現。

 菊花・ダービー馬の3歳2強が1、2着となって不思議はないけれど、どうも良くて2、3着感が消えません。

 そこで2着筆頭の〇と見なした川田07スターズオンアースを(やはり繰り上がって)◎。
 3歳2強03アーバンシックと01ダノンデサイルを2着もあり得ると見て〇・▲とします。

 そして、スタニングローズを△。
 同馬の前走エリザベス女王杯(京都芝22)Vのタイム2111は京都エリザベスのレコード。 ただ、イキのいい3歳2強に先着するのは難しそう。
 過去10年牝馬の有馬着内はだいたい1頭だけですが、2020年に牝4クロノジェネシス1着、牝5サラキア2着があります。クロノは秋天3着から有馬1番人気、サラキアはエリザベス2着から有馬11番人気でした。5歳ドウデュースの雪辱(?)を5歳牝馬が果たすかも、と思って◎→△の馬連・馬単も。

 そして、本年最後のウラ●。
 当初ドウデュースを連単軸の◎にするつもりだったのでウラ●は設定せず、3着筆頭(もしくは2着があるかも)の候補として3歳牝馬の戸崎圭レガレイラをウラ★印にする予定でした。
 しかし、以下の理由をもって「もしかしたら突き抜けるかも」とウラ●にしたいと思います。

 戸崎圭13レガレイラは昨年牝馬の身で中山2歳牡牝GIホープフルSを勝ち、今年は一躍牡馬クラシックに挑戦。
 しかし、皐月6着(1人)→ダービー5着(2人)とこけ、秋は牝馬戦に戻ったのに、G2ローズS5着(1人)→エリザベス5着(1人)とさらに大こけ。
 しかし、ある一点をもって「ここで激走あるかも」と思えます。

 それは本年皐月賞のレベルの高さです。中山芝20良馬場17頭立て。
 1着から6着までが以下。皐月レコードは1578。勝ちタイム1571はそれをコンマ7縮める新レコードでした。6着レガレイラまで旧レコードを更新したと言えます。
 残念ながら1着ジャスティンミラノは屈腱炎で引退。が、2着から5着まで、その後の活躍を列挙してみると、

 [皐月賞1~6着]      タイム―その後
1 戸崎圭13ジャスティンミラノ 1571―引退
2 モレイ12コスモキュランダ  1571―G2セントライト2着(1人)
3 川 田08ジャンタルマンタル 1572―NHKマイルV(2人)
4 横山武09アーバンシック   1575―セントライトV→菊花賞V
5 酒井瑠14シンエンペラー   1575―ダービー3着(7人)…→JC2着(8人)
6 北村宏10レガレイラ     1576―その後イマイチ

 ればたらを言うと、ジャスティンミラノが秋天、JCに出ていたらと思えてなりません。
 注目すべきは3着アーバンシックがルメール鞍上で菊を勝っている。
 5着シンエンペラーは9月愛GI3着→凱旋門12着後JCに出てドウデュースの2着。
 逃げて粘ってドウデュースと同タイムクビ差でした。

 レガレイラのその後を見ると、とても有馬でドウデュースを負かせるとは思えません。
 しかし、横綱が休場しました。ならば敵は大関以下。
 それにレガレイラは大きなハンデをもらっています。
 3歳牝馬は54キロ。古馬の牡馬とは4キロ差。
 3歳2強とも2キロ減。皐月・ダービーでは牡馬57キロに対してレガレイラは55キロでした。斤量54キロはかなり有利と思えるのです(もっとも秋牝馬と対戦して「むむむ?」の敗退でしたが)。

 レガレイラは何より上がりが7戦中6回1位。後方のまま追って届かずが続いたけれど、中山芝25はときどき(逃げが残ったり)後方直線一気があります。それを期待したいと思います。

 ちなみに3歳牝馬の有馬なんて全く記憶がないので調べてみました。
 まず勝ったのは1960年3歳牝スターロッチ。レガレイラが勝てば64年ぶり、史上2頭目の3歳牝馬Vとなるそうです。うーん。無理スジ(^_^;)?

 次に着内に入った3歳牝馬は1986年以降だと19頭挑戦して以下の3頭。
 19頭の中で6番人気以内は9頭。うち3頭が2着。確率3割強(^.^)。

 1994年中 舘ヒシアマゾン    2着(6人)
 2007年安 勝ダイワスカーレット 2着(5人)
 2009年横山典ブエナビスタ    2着(1人)

 余談ながら私が競馬を始めたのは1980年から。なので上記3頭、6番人気内の6頭も懐かしい名前ばかり。今振り返って「へーっ、3歳牝馬だったんだ」てなもんです(^.^)。

 最も印象に残っているのはダイワスカーレット。
 07年有馬2着時の勝ち馬は(そんなふざけた馬名が勝つかよ、と思った)マツリダゴッホ。
 また、桜花Vの2着は次走ダービーを牝馬の身で勝ったウオッカ。
 そして、翌年有馬記念。逃げまくって粘り勝ち。即引退。
 12戦全て安勝騎手で[8400]の名牝でした。

 最後に自戒をこめてもう一言。
 後期GIの負けを取り戻したい気持ちはあれど、虎の子投入はほどほどにしようではありませんか。
 競馬はこれで終わりではなく、来年もありますので(^_^)。

 以上です。

 本紙予想
 印騎手番馬       名 性齢 馬順
◎川 田07スターズオンアース 牝5 D
〇ルメル03アーバンシック   牡3 A
▲横山典01ダノンデサイル   牡3 B
△ムーア13スタニングローズ  牝5 H
・横山和05ベラジオオペラ   牡4 C
・菅原明04ブローザホーン   牡5 11
・坂 井11ジャスティンパレス 牡5 F
・吉田豊15ハヤヤッコ     牡8 12
●戸崎圭08レガレイラ     牝3 E

 さて結果は?

===============
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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2024.12.19

有馬記念週中予想

 今年も有馬記念について長~い前置きを独立させ、週中予想として配信いたします。見出しもつけました(^_^)。

 有馬記念週中予想

 [1] 年度代表馬ほぼ確定――の有馬
 [2] 3歳2強の評価は?
 [3] 3歳馬の有馬成績は?
 [4] 有馬の牝馬は?

 なお、本日枠順抽選ですが、正午現在確定していませんので、馬番なしです。

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***********************

【有馬記念、週中予想】


 [1] 年度代表馬ほぼ確定――の有馬

 選挙で言えば、「当選確実」のバラマークでしょうか。
 もちろんその馬は[秋天→JC]GI2連勝の武豊ドウデュース。

 今年3歳牡馬の3冠はなく、牝3冠馬も不在。オークスVルメール・チェルヴィニアが秋華賞も勝ってGI2勝。これが最多です。
 高松宮、安田記念、スプリンターズSも勝ち馬は別々。
 古馬中長距離GIにおいてもドウデュース以外はみなGI1勝。
 有馬を勝ってようやくGI2勝目となります。

 よって武豊ドウデュースが有馬Vなら、年度代表馬「当選」でしょう(^_^)。
 そしてこれにて引退。勝てば「有終の美」。

 さーそこが問題。薄氷のVか楽勝Vか。
 はたまたハナ差2、3着か。まさかの(?)着外か。
 普通に考えれば表の◎ながら、まさかのウラ●も構築したいところです。

 まずは今年の古馬中長距離におけるGIV馬の紹介。
 [古馬中長距離GIV]
 大阪杯=横山和牡4ベラジオオペラ →宝塚3→秋天6着→有馬
 春 天=菱 田牡6テーオーロイヤル 春天V後休養中
 宝 塚=菅原明牡5ブローザホーン →京都大賞典11→JC12→有馬
 秋 天=武 豊牡5ドウデュース  →JCV→有馬

 有馬Vなら本年GI2勝となるのがベラジオオペラとブローザホーン。
 宝塚Vブローザホーンは先日京都大賞典(11頭)を走って1番人気最下位(2秒4差)の惨敗。JCはとうとう60倍の11番人気。が、1秒1差の12着。
 う~~ン無理スジ?(^.^)

 かたや横山和ベラジオオペラは宝塚3着後、前走秋天ドウデュースのコンマ4差6着(4人)。
 同馬は芝20前後がベストで芝24以上はダービー4着のみ。こちらもちと厳しいか。
 ただ、宝塚記念ではドウデュース(6着)に先着(^.^)。
 ブローザホーンはちょっと厳しく、敢えて挙げればベラジオオペラでしょうか。
 私はどちらも3着候補の[・]印。

 となると3歳馬。
 今年のダービー馬ダノンデサイル、菊花賞馬アーバンシックが勇躍有馬参戦。
 次項にて検討します。


 [2] 3歳2強の評価は?

 3歳GI馬2頭も有馬に勝てばGI2勝となってドウデュースと並ぶ。

 菊花賞V=ルメル・アーバンシック=2前G2セントV→菊花V→有馬
 ダービV=横山典・ダノンデサイル=ダービV→菊花6着(1人)→有馬

 余談ながら「では皐月賞馬の名は?」とクイズに出して答えられるかどうか。もうお忘れでしょう。ジャスティンの下3文字が違うあの馬。
 皐月レコードを出して秋天出走予定だったのに浅屈腱炎で取り消して放牧中。復帰は厳しくディープ→キズナに続く種牡馬となるかどうか。

 古馬その他があてにならないと思って3歳2強を〇▲とすれば、ことは簡単。
 しかし、どちらかに絞ろうとすると結構難解です。

 一般的には菊6着のダノンデサイルより菊花賞馬アーバンシック〇でしょう。
 ただ、アーバンシックは皐月4着(6人)→ダービー11着(4人)。
 つまり、ダービーではダノンデサイルに《負けて》いる。

 両馬はともに皐月賞にも出ており、アーバンシックは6番人気4着、ダノンデサイルは皐月除外。勝ったのは2番人気のジャスティンミラノでした(先ほどの答えです)。

 では、次なるクイズ。
 本年皐月賞の1番人気は?
 これも100万円クラスの難解クイズです。

 答えは前年牝馬の身でGIホープフルSを勝ったレガレイラ。
 ぶっつけ皐月賞挑戦で1番人気6着。ダービーにも出て2番人気5着。
 これであきらめたか、秋は牝馬戦に戻ったけれど、G2ローズS1番人気5着→GIエリザベス1番人気5着。
 同馬は新馬からホープフルSVまで、以後皐月(北村宏)を除いて6戦ルメール騎乗。大いにこけました。

 なんで「どうでもいいよな話題」を書いているかと言うと(^.^)、レガレイラ、今回戸崎圭に乗り替わって有馬に出走するのです。「ムリスジだよなあ」と思いつつ不気味です。

 週中予想では菊花賞馬アーバンシックがドウデュースに続く2番人気と予想されています。しかし、ダービー馬ダノンデサイルとそれほど差がないような気もします。
 というわけで、3歳からアーバンシック、ダノンデサイルが有力候補です。
 問題は印。〇▲でいいのか。次項にて検討します。


 [3] 3歳馬の有馬成績は?

 再度3歳2強――ダービー馬ダノンデサイル、菊花賞馬アーバンシックのその後を振り返って過去20年の有馬3歳馬のVを眺めます。

 横山典ダノンデサイルは同騎手に最年長ダービージョッキーをプレゼントした後、秋は菊直行。1番人気6着に敗れました。そして有馬。
 かたや後者は息子横山武騎手のもと(G3.2着をもって)皐月、ダービー挑戦。
 4着(6人)→11着(4人)と期待外れに。

 ところが、アーバンシックは秋初戦G2セントライト記念でルメール騎手に乗り替わるや1着(2人)。さらに次走菊花挑戦するや、中団から4角3番手という京都コース最高の競馬で1着(2人)。さすがルメールさん。

 セントライトはコンマ3差、菊花はコンマ4差の楽勝。その勢いを持って有馬挑戦。過去菊花賞馬の有馬は成績よくここで2番人気になりそうなのもわかります。
 一方、週中ではダービー馬ダノンデサイルも3番人気となりそうな予想。

 ちとくどいようで恐縮ながら、アーバンシックがどちらも2番人気というのは引っかかりませんか。私はクイズにしたくなります(^.^)。
 答えは以下。菊花1番人気はすでに答えが出ています。

G2セント―1人2着=Мデム・コスモキュランダ[皐月2→ダービー6]
GI菊花賞―1人6着=横山典・ダノンデサイル[皐月除外→ダービーV]

 菊でダービー馬に1番人気を奪われるのはわかるとしてG2セントライトはビミョー。
 何を言いたいかと言うと、アーバンシックは7戦[4102]であり、着外2回は皐月とダービー。
 勝った前2走も2番人気。全7戦のうち1番人気は新馬Vの1回だけでした。
 つまり? 裏切り馬ということ(^.^)。

 ただ、今回有馬でも同馬は(たぶん)2番人気。
 これで裏切るということは勝ちもありか。または、3着以下の裏切りか。

 ともあれ、問題はこの3歳2強が古馬と初対戦であること。

 今でも思い出せるのは2005年の有馬。3冠馬であり、無敗7連勝中の菊花V・武豊ディープインパクトがルメール4歳ハーツクライ(4人)に負けました。
 もちろんディープは古馬初対戦。当時は古馬57キロ、3歳牡馬55キロ。古馬と2キロ差であり、ディープはGI57キロから2キロ減。それでも先行して粘るハーツクライをコンマ1差抜けなかった。

 ただ近年古馬GIは全て58キロとなり、3歳牡馬は56キロ。3歳2強はGI(57キロ)に出続けているので、ここは1キロ減となるし、古馬58キロとは2キロ差。若干有利なことは間違いない。

 それにディープの衝撃(?)後は10年ヴィクトワールピサ、翌年オルフェーヴル、12年ゴールドシップと3年連続3歳馬が優勝。近年では21年エフフォーリア、22年イクイノックスと2000年以降3歳馬は計9頭優勝しています。

 ちなみに、01年Vは3歳マンハッタンカフェ、02年Vも3歳シンボリクリスエス。 よって、ディープの敗戦は他の(負けた)3歳馬並みであったと言うべきでしょうか(^.^)。

 も一つちなみに、01年のマンハッタン1着、2着古馬のアメリカンボスは今でも語り継がれる「有馬サイン予想」の最たるものでした(ね)。
 その後しばしば「この年を象徴する馬名は?」とこじつけが流行りました。

 ところで、上記9頭の3歳有馬V馬のうち、古馬と初対戦だったのが以下4頭。
 全て菊花賞馬です。うち3頭は菊1番人気。

01マンハッタンカフェ =菊花V(3人)[GI初]
11オルフェーヴル3冠 =菊花V(1人)
12年ゴールドシップ  =菊花V(1人)[皐月V→ダービー5→神戸新V]
16年サトノダイヤモンド=菊花V(1人)[皐月3→ダービー2→神戸新V]

 また、以下5頭は古馬との対戦を経ての有馬3歳馬V。
02シンボリクリスエス =秋天V→JC3
10ヴィクトワールピサ =凱旋門7→JC3
18ブラストワンピース =菊花4(1人)[G3V→ダービー5→古馬G3新潟記念V]
21エフフォーリア   =秋天V[皐月V→ダービー2]
22イクイノックス   =秋天V[皐月2→ダービー2]

 こちらは秋天VとかJC上位が条件か。
 異質なのは18年のブラストワンピースです。でも、菊は1番人気でした。

 今回古馬と初対戦の3歳2強の戦歴を見ると、古馬とは初対戦の方。

24アーバンシック=[皐月4→ダービー11→G2セントV→菊花V→有馬?]
24ダノンデサイル=[G3V→皐月除外→ダービーV→菊花6→有馬?]

 上記古馬と初対戦の有馬V4頭はうち3頭が有馬も1番人気でした。
 01年マンハッタンカフェだけがやや例外的。
 今年の3歳2強は(当然有馬1番人気にならず)、01年マンハッタンカフェタイプと言えましょうか。
 菊花Vのアーバンシックは2走前G2セントVだから、12年ゴールドシップ、22年イクイノックスタイプと言えるかもしれません。
 でも、有馬1番人気にはならない。そして、菊花1番人気はダノンデサイルの方でした。

 かくして私の週中結論。3歳2強は良くて3着の△印です(^_^)。 


 [4] 有馬の牝馬は?

 ドウデュース以外の古馬があてにならず、3歳2強も、となって注目したいのが牝馬。今年新たに牝馬の有馬成績について論じてみます。

 2000年以降牝馬は計4頭優勝しています。
08安 勝牝4ダイワスカーレット=秋天2→有馬V  
14戸崎圭牝5ジェンティルドンナ=ドバイGIV→宝塚9→秋天2→JC4→有馬V
19レーン牝5リスグラシュー  =宝塚V→豪州GIV→有馬V〈年度代表馬〉
20北村友牝4クロノジェネシス =大阪杯2→宝塚V→秋天3→有馬V

 また、2、3着は過去10年以下の5頭

232着ルメル牝4スターズオンアー(7人)=ヴィクМ3→JC3
223着Cデム牝4ジェラルディーナ(3人)=G2オールカマV→エリザベスV
213着ルメル牝5クロノジェネシス(2人)=宝塚V→凱旋門7
202着松 山牝4サ ラ キ ア (11人)=G2府中牝馬V→エリザベス2
162着ルメル牝5クイーンズリング(8人)=G2府中牝馬4→エリザベス7

 クイーンズリング、サラキアは有馬をもって引退。
 クロノジェネシスは前年有馬V、21年有馬3着にて引退。
 そして、昨年2着のスターズオンアースは今回有馬参戦。

 まとめると過去10年8頭が123着であり、有馬の牝馬も結構活躍していることがわかります。エリザベス上位でも2、3着に入れるし、牡牝混合GIで活躍していれば、Vもある。

 そこで、今年有馬参戦の牝馬が以下3頭。
・ムーア牝5スタニングローズ=[大阪杯8→ヴィクМ9→G3クイーン6→エリザベス女王杯V→有馬? 
・川 田牝5スターズオンアース=[昨年有馬2→ドバイGI8→JC7]→有馬? 
・戸崎圭牝3レガレイラ=[2歳GIホープフルV→皐月6→ダービ5→G2ローズ5→エリザベス5]→有馬?

 私はこの3頭ドウデュースの2着候補としてみな▲をつけたい気持ちです。 


 [5] 引退馬のいる有馬

 最後に引退馬のいる有馬。昨年も取り上げて論じました。
 今年明言しているのは武豊4歳ドウデュース。

 昨年の有馬引退馬は横山和5歳04タイトルホルダーでした。
 21年の菊花賞馬にして22年春天→宝塚VのGI3勝馬。
 4歳宝塚後は凱旋門11着(1人)→有馬9着(2人)。
 そして昨年、日経賞V→春天中止→オールカマー2着→JC5着とGIVのないまま有馬が引退レース。6番人気(単勝8.3倍)ながら果敢に逃げて武豊05ドウデュースの3着に粘りました。

 では、昨年有馬の2着馬は?
 と聞かれて答えられないようでは、ぼーっと読んでいますね(^.^)。

 答えは(20行ほど上に)7番人気16スターズオンアース(単勝8.6倍)とあります。
 鞍上ルメールさん。
 昨年当人がくじを引いて「1番と大外だけはいや」言っていたのに、16番を引き当てて顔しかめていました。有馬2500の内有利、外枠不利は定説ですから。

 それが大外から逃げるタイトルホルダーの番手につけるや、そのまま直線も粘り、前のタイトルホルダーを抜いて2着確保。さすがのマジックぶりを見せつけました。

 さて、今年チャンピオンズCにおいて前年123着馬がそのまま123着するというかつてない珍現象が発生しました。
 何を言いたいか、もうおわかりでしょう。
「有馬記念でまた前年1、2着馬が今年も1、2着!」ないとは言えません。
 今年スターズオンアースの騎手は先週朝日杯Vの川田さん。
 まずは馬連・馬単ドウデュース→スターズオンアース、買っときましょう(^.^)。

 閑話休題。引退するのは武豊ドウデュース。
 昨年過去の例はいろいろ論じたので、今年は省略します。
 上記もろもろに関して語ったことは枠順決定前の理屈です。
 有力馬がどの枠に入るか、そして武豊ドウデュースがどの枠に入るかによって印は変わるでしょう。まさかの01番、16番はないと思いたいけれど、くじ引きのことだからわかりません。
 ドウデュースの展開位置はたぶん後方。
 秋天は15頭04番、14-14-13からのV。上がりは1位の32.5。
 JCは14頭03番、13-12-12-7からのV。上がりは1位の32.7。
 秋天芝20の勝ちタイムは良1573。過去10年の4位。
 JC芝24の勝ちタイムは良2255。過去10年の9位。

 JCのタイムの悪さが気になるけれど、上がりはともに32秒台。
 今回は中山芝25の有馬ながら昨年有馬V。
 そのときは13頭立てで05番から[13-13-8-3]のV。上がり1位の34.3。
 まくりを打って勝っています。
 勝ちタイムは良2309。過去10年の2位。
 有馬レコードは2004年ゼンノロブロイの良2295(=中山芝25のレコード)。
 昨年の競馬ができれば、ドウデュースは有終の美でしょうか(^_^)。
 表の◎でしょんなかですね。

 以上です。

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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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2024.12.15

『空海マオの青春』論文編 後半 第12号

 その4「『空海論』前半のまとめ(二)-4」

 前半「4つの謎」について4回目。
 空海マオが大学寮をやめるに至った事情を探ります。

 前節は『三教指帰』(原題『聾瞽指帰』)の私小説的表現を例として空海マオがめめしく悩む若者であったことを証明しました。書かれたことを冷静に把握し、論理的に推理した成果と言えましょう。

 今回はそのような若者が大学寮に入れば、どうなるか。あり得たであろう個人的事情と歴史的事実から推理していきます。本節は論文編第6「大学寮入学前のマオと長岡京」、第7「大学寮入学後の失望と絶望」のまとめです。

 第6節は当時の時代背景(新都長岡京、不作、飢饉、役人の不正、東北蝦夷と巣伏の戦い)、桓武天皇と藤原氏などを詳しく解説しています。ぜひお読みください。

 なお、(二)(その1)以降の表題に副題をつけました。

 プレ「後半」その4 空海論 前半のまとめ
(一) 空海の前半生、前期(生誕~23歳) 11月20日
(二) 前期4つの謎について
 (その1)『三教指帰』を一読法で読んで謎を見い出した   11月27日
 (その2)「蛭牙公子」とは誰か、登場人物の戯画化について 12月04日
 (その3)空海マオはめめしく悩む若者であったことを証明  12月11日
 (その4)空海マオが大学寮をやめた事情          12月18日
 (その5)以降検討中(^_^;)

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 本号の難読漢字
・『聾瞽指帰』(ろうこしいき)・『三教指帰』(さんごうしいき)・三教(単独のときは「さんきょう」)・巣伏(すぶし、すぶせ)の戦い・明経科(めいけいか・みょうぎょうか)・蔭位(おんい)・『文選』(もんぜん)・暗澹(あんたん)・訓詁注釈(くんこちゅうしゃく)
 マオ17歳(791年)ころの藤原三家について。
 三家とは北家(ほっけ)、式家(しきけ)、南家(なんけ)のこと。朝廷の首班は南家の藤原是公(これきみ)、継縄(つぐただ)が握っていた。伊予親王は是君の孫。
 藤原北家には真夏(まなつ)と冬嗣(ふゆつぐ)兄弟。式家には緒嗣(おつぐ)といとこの仲成(なかなり)。同じく式家に皇太子安殿(あて)親王。この4人は空海と同年齢。

・藤原百川(ももかわ、緒嗣の父)・藤原種継(たねつぐ、仲成の父)・内舎人(うどねり)・賜与(しよ、恩賜と同じ)

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***** 空海マオの青春論文編 後半 *****


 後半第9号 プレ「後半」その4(二)

「前期4つの謎について その4」空海マオが大学寮をやめた事情


 マオは大学寮入学まで約三年間(788~791年)帝都長岡で暮らします。奈良から遷都(784年)して4年目、長岡はいまだ皇居も完成しておらず、新都建設の真っただ中です。
 マオにとっては14歳から17歳まで。今なら大学入学のための受験勉強期間であり、高校時代の三年間に当たると言っていいでしょう。

 それは多感な十代後期であり、燃えたぎるような情感、怒りや憤りを感じるかと思えば、すぐに絶望したり暗い感情にとらわれる。周囲と社会を皮肉っぽく眺め、親や権威に反発したり、異性を意識して性の目覚めもいよいよ盛んになる……そのような年頃です(^_^)。私は小説編において童貞少年の「夢精」も描きました。
 とは言え、空海マオはひたすら真面目に、ひたすら純朴に儒教の勉学に励んだと推察されます。

 そして、791年大学寮に入学します。
 大学寮は九年制で日本に一つしかなく、卒業後は官僚になることが想定されています。今で言うなら国家公務員上級職養成機関でしょうか。マオは儒学を学ぶ明経科に入ったようです。
 現代でも「キャリア」と呼ばれる国家公務員I種(上級)試験合格者は昇進が早く、最終的に(一人が)各省庁事務方トップになる。しかし、ごく一部を除いて政治家、そして大臣になるわけではありません。

 それは空海の時代も同様で、大学寮を出たからといって天皇側近の政治家――すなわち太政官になれるわけではない。現在省庁の大臣、副大臣は国会議員が務めるように、奈良時代の大臣は四位以上の貴族がなる。大臣以下朝廷の役職は門地が重視され、天皇(朝廷)による任命制でした。現代の都道府県知事にあたる国司も任命制。

 簡単に言うと、親が高位なら子どもや孫が優遇される社会であり、逆に言うと、いかに能力が高くとも、親が高位でなければ任官・昇進において不利を受ける社会でもありました。これを「蔭位(おんい)の制」と言います。
 ちなみに、以上は「絶望」の伏線です。

 その前に「大学寮への失望」について語ると、これは現代の高校生が大学に入学したときの失望と同じでしょう。
 最近のことはよく知りませんが、今から数十年前大学は「教養課程(1、2年)と専門課程(3、4年)」に分かれていました。教養課程とは大ざっぱに言うと国数理社英を学ぶ。つまりは高校時代の繰り返し(と思える)。

 ようやく大学に入学して「これから専門科目を勉強するぞお!」と燃え上がるような(^.^)気持ちでいるのに、「何だよ。また高校と同じ勉強か」とがっかりする。

 当時の大学寮にもちろん英数理社はなく、明経科は中国の「四書五経」を学ぶ。始まりは「子曰く」の『論語』です。
 空海マオはすでに儒学を相当学んでいます。彼が論語から始まる大学寮の授業に失望したことは想像に難くありません。昔も今も学生の感情は同じです。
 それだけでなく、マオは入学前の数年間、大学寮数年分の科目を徹底的に――丸暗記するくらい勉強していたと考えられます。

 おそらくこれが一年目からマオの飛び抜けた優秀さを示す例となったでしょう。
 マオはすらすらと原典を読みこなし、他の学生が知らない昔の解釈書もなんなく読める。あるいは、教授が「この部分はある漢籍から引用されたものだ。出典が何かわかるか」と問えば、マオは「それなら『史記』のこの部分、『文選』のあそこにあります」と答えられる(『三教指帰』に引用された文献を見るとわかります)。

 余談ながら昔NHKで「ひょっこりひょうたん島」という人形劇がありました。小学校時代よく見たものです。その中に「博士くん」という小学生なのに天才的な物知りがいてリーダー的な活躍を見せます。
 どうしてそんなに頭がいいんだと思ったけれど、あるとき彼が「百科事典を丸暗記していた」ことがわかります。「なるほど」と納得(^.^)。
 凡人には到底無理だけれど、空海とは正にそれをやってのけた人と言えるでしょう。

 ただ、学友が驚きあきれるこの能力。空海にとっては(現代なら)頭の中にパソコンが1台あってそれを検索して発表しているようなもの。つまり、新しいものを生み出す創造的な活動ではない。
 マオにとって大学寮はつまらないところと感じたでしょう。「この勉強をこれから九年間もやらねばならないのか」と思って暗澹たる気持ちにとらわれたのではないかと思われます。

 もう一つ空海マオを失望させたのは大学寮の講義が《訓詁注釈》であったことです。
 訓詁注釈とは教材についてひたすら古人の解釈を学び、それを丸暗記するような授業です。新入生が感じる教材への疑問とか新しい解釈などは一切受け入れられない。ひたすら昔の解釈ばかり学ぶのです。

 私の大学時代でもまだ一人か二人そういう講義をする先生がいました。単位を取るために仕方なく勉強したものの、これも教養科目同様面白くなかった。
 訓詁注釈型講義が創造的タイプの人間にとっていかに「耐え難いものであるか」――これもたやすく想像できます。新しいものが全くないのですから。

 たとえば、マオが教授に「この部分の解釈はおかしくないですか」とか、「ここはこう解釈すべきだと思います」と言っても受け入れてもらえない。
 大学寮の助教や教授達は訓詁注釈を学び、それによって先生になったのであり、同じやり方を学生に下ろすだけだったろうと思います。

 かたや学生達も官吏登用の試験には訓詁注釈問題しか出ないことを知っている。「俺たちは大学寮で学んだら、官吏になるんだから当たり前だ」と思っています。空海マオがこのような大学寮に異和感を覚え、失望したことは大いに想像できるところです。

 では表題に書いた「大学寮入学後の失望と絶望」のうち「絶望」とは何か。

 私は空海マオが大学寮に失望するとともに「田舎者の自分はどんなにがんばっても天皇側近の政治家にはなれない」と絶望する何かが空海の周囲にあったのではないかと想像しました。そして、この探求の結果を小説編第二章最初の「1失望・2鷹狩り・3宴の若者たち」で描きました。

 ここで登場するのは藤原北家真夏と冬嗣兄弟、藤原式家緒嗣といとこの仲成。同じく式家の皇太子安殿親王です。マオと真夏、緒嗣、仲成、安殿親王の五人は全く同年の生まれです。

 私は小説を盛り上げるため、この頃五人が鷹狩りを通じて関係を持ったと描きました。
 それはあくまでフィクションです。
 しかし、大学寮にいるマオや学友達の間で、式家の仲成、緒嗣の二人は必ず話題に上ったに違いありません。
 なぜなら、この二人は十七歳にして従五位下の身分という、通常あり得ない昇進を果たしていたからです。それは桓武天皇の鶴の一声だったでしょう。

 まず緒嗣は藤原百川の長子です。姉は桓武天皇の夫人。百川は光仁・桓武二代の天皇即位に尽力した後、七七九年に病気で亡くなっています。緒嗣が五歳の時です。
 また、仲成の父は藤原種継。長岡遷都を主張し、造宮使に任命されながら、七八五年に暗殺されました。この年仲成は十一歳。
 仲成には直ちに正六位上が叙位され、同年十一月に従五位下が与えられています。これは父親の忠義と非業の死に報いるための特例的措置と思われます。

 一方、緒嗣の方は十四歳の元服時に正六位上内舎人(うどねり)に任じられ、封戸百五十戸を与えられています。このとき桓武天皇自ら加冠と帯剣の賜与が行われたと言われます。
 さらに六年後、五人が十七歳になった四月、緒嗣は従五位下侍従(天皇の秘書官)に任命されています。

 つまり、空海マオが大学寮に入学した年、同期生の一人、仲成はすでに従五位下であり、四月には緒嗣も従五位下侍従に昇進して天皇のお側に仕えるようになった。こんなことはかつてなかったことです。

 空海マオが「これが門地を重視する蔭位の制であり、官位昇進の仕組みだった。能力・実力がいかにあったとしても、それが発揮される場が開かれていない」と感じ、官僚への道に絶望したとしてもおかしくありません。

 大学寮に失望し、進路にも絶望したとき、人はどのようになるか。今も昔も同じ、堕落の道が始まるのではないでしょうか。


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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:前置きの目次に「以降検討中」と書いたように、本年の配信は今回をもって一旦終わりにしたいと思います。
 空海論文編後半は「プレ後半」と題して前半をまとめつつ紹介する趣旨で始めました。が、意外に(と言うか当然と言うか)長引いております。

  理由は単純。そもそも元となる論文(前半)各節が長いので、それを短くまとめることに困難が伴っております。テーマ別の結論だけ書いて「あとはホームページの論文読んでください」で終わりにすればことは簡単。しかし、それではよほど関心ある読者以外読んでもらえないでしょう。目下思案中です。
 そんなわけで、次回配信は1月半ばを予定しています。

 さて、1年の経つのはほんとに早いものです。
 日本も世界も様々な問題を抱えつつ、時が流れます。
 それでも悠久と思える時間を生きる太陽は何も言わずただ地球と生き物たちを見つめている。
 太陽に意思があるなら、ある生き物が栄えるのも滅びるのも「お前たちが決めること。私はただ眺めるだけじゃ」と言っている……。
 かつて恐竜族が滅んだように、人類が滅亡して1万年もすれば地球は元の気候を取り戻す。そして、ある生き物が新たな進化の道を歩み始める……。

 ちなみに、前者が『大日経』の考え方であり、後者は手塚治虫先生の『火の鳥』にあります。
 とは言え、私たちにできることは翻弄されつつ日々懸命に生きることでしょうか(^_^)。

 本年も長文にお付き合いいただきありがとうございました。
 良い年をお迎えください。 m(_ _)m      御影祐
                          2024年12月18日

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2024.12.06

『空海マオの青春』論文編 後半 第11号

 その4「『空海論』前半のまとめ(二)-3」

 前半「4つの謎」について3回目。空海マオがめめしく悩む若者であったことを証明します。

 空海23歳の著『三教指帰』は「儒道仏三教を比較した思想書」と言われます。
 それに異論はないけれど、私は「戯画化が施された私小説」的要素を持っていると付け加えます。
 私小説と理解すれば、司馬遼太郎が読み取った「強くて傲慢な天才空海」のイメージを覆す「三教の狭間を揺れ動く悩めるマオ」の姿が明らかになります。それが『聾瞽指帰』仏教編に紛れ込んだ「儒教再解説」の部分です。

 儒教→道教→仏教と順を追って説明されながら、仏教編の中に再び儒教解説が繰り返される。論文としては下手くそな構成です。しかし、儒教と仏教の狭間で揺れ動いた心情を描こうとすれば仏教編にしか入らない。私小説と理解すれば何でもないエピソードなのです。

 なお、本節は『空海マオの青春』論文編第13「蛭牙公子=空海マオ」論 その6の内容を若干修正したものです。
 また、本節に引用した『三教指帰』文中の文言は福永光司『空海――三教指帰ほか』の口語訳を引用しましたが、若干変更があります。

 プレ「後半」その4 空海論 前半のまとめ
(一) 空海の前半生、前期(生誕~23歳) 11月20日
(二) 前期4つの謎について(その1)  11月27日
   前期4つの謎について(その2)  12月04日
   前期4つの謎について(その3)  12月11日
   前期4つの謎について(その4)  12月18日
   前期4つの謎について(その5)  12月25日

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 本号の難読漢字
・『聾瞽指帰』(ろうこしいき)・『三教指帰』(さんごうしいき)・三教(単独のときは「さんきょう」)・仮名乞児(かめいこつじ)・ 亀毛(きもう)先生・大足(おおたり)叔父・逼(せま)られる・退(しりぞ)く。夥(おびただ)しい・歎息(たんそく)

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***** 空海マオの青春論文編 後半 *****

 後半第9号 プレ「後半」その4(二)「前期4つの謎について その3」


 『聾瞽指帰』仏教編の中で諸国放浪中の仮名乞児ことマオが長岡か平安京に戻った時でしょう、親戚の「或(あるひと)」に会います。
 彼は仮名乞児――すなわちマオに対して次のように言って説教を始めます。
「主君への忠義、父母への孝行こそ人の生きる道であり、地位と財産を築き、妻子を持つことが一生の楽しみなのだ。ところが、君には親があり、主君もいるのに、孝養せず仕えようともしない。ただ浮浪者と乞食の群れの中に混じって祖先の名を汚し、後世に醜名を遺そうとしている。親戚一同はそなたに代わって穴にも入りたい思いだ。人は目をおおっているぞ。今からでも遅くない。すぐに忠孝の道に戻りなさい」と。

 このリアルな言葉はどうでしょう。大学寮をやめ、仏門に入るところまでは良いとしても、乞食僧の格好でうろついているマオ。親戚(特に阿刀家の親戚)がたまたま彼と出会えば、一言説教せずにおれなかった――その様子が思い浮かびます。

 今で言うなら、一人の若者がせっかく大学に入ったのに、勉強もせず、ぐだぐだ怠けて遊び暮らしてばかりいる(かに見える)。そのような学生に対して「しっかりせんかい」と叱咤する親とか(親に頼まれて説教する)親戚縁者の姿と重なります。
 私にはマオと対面した人の言葉がそのまま記されているように思えます。正しく《私小説》ではありませんか。

 〈或る人〉がマオに説いた言葉は確かに儒教の忠孝論ですが、亀毛先生が説いた忠孝と少々趣が違います。忠孝を勧めるのではなく、ドロップアウトした若者――マオに「忠孝に戻れ」と言っているのです。

 ちなみに、この〈或る人〉ですが、「祖先の名を汚し」とか「親戚一同はそなたに代わって穴にも入りたい思い」とあるから、親戚の一人であることは間違いないでしょう。また、「浮浪者と乞食の群れの中に混じって」とあるから、マオが山岳修行中のときと思われます。
 しかし、〈或る人〉とされた点だけでなく、私は別の理由で「亀毛先生=大足叔父」ではないと思います(この件についてはいずれ語ります)。

 この説教に対して空海マオはなんと答えたか。
 《仮名乞児》のマオは「憮然」として反問します。「ではお聞きしたい。忠孝とは一体なんですか」と。
 〈或る人〉はひるむことなく答えます。「家庭にいるときはにこやかに親のご機嫌を伺い、外出や帰宅のたびに挨拶する。夏は涼しく冬は暖かいよう心を配り、全力を尽くして親に奉仕する。これが孝行であり、かつての主君もこの孝を実践して帝王となったのだ。
 また、仕官する年になれば、孝を忠にかえ、主君のために命をささげる。もしも主君が過誤を犯せば、諫め論争する。このように主君を助けて出世を果たせば、栄誉は子孫に及び、名声は後世に伝わる。これこそ忠である」と。

 これまた今の親御さんが不肖の息子や娘に聞かせたい説教ではないでしょうか(^_^)。「主君への忠」を「仕事」に置き換えれば、今でもそのまま使えます。
 これが今から一千数百年前の奈良時代になされているのだから、ほんとに人の心は時代と関係ないことがよくわかります。

 これに対して仮名乞児ことマオはどう反論したか。
「確かにそれが忠孝でしょう。私も人として父母の恩を片時も忘れたことがありません。親は年老い、家は傾き、親族も貧しい。私に託された期待を思うと胸が張り裂けんばかりです。
 しかし、非力な私に肉体労働はできず、仕官しようにも才覚がありません。かつての君子ももはや存在しないではありませんか。大たわけの私はこれからどのように生きたらよいのか。ただ途方に暮れ、ため息をつくばかりです」と。

 マオはこうした思いを四文字四行の漢詩(全五連)にまとめます。
 最後の四行は以下の通り。

 欲進無才(進まんと欲すれば才無く)
 将退有逼(将に退かんとして逼らるる有り)
 進退両間(進むと退くの両間に)
 何夥歎息(何ぞ夥しき歎息をや)

 進もうと思っても自分に才覚はなく、退こうとしても私に期待する親や親族が迫る。進むのか退くのか、その間にいてどうしてこんなにもたくさんため息が出るのだろう――と言うのです。
 この何とも弱々しい言葉はどうでしょう。天才空海、自信家にして強い空海とはとても思えないひ弱さを露呈しています。しかし、これもまた(ある時期の)マオの偽らざる心中であったと思います。

 その場はここまでの会話で別れたのでしょう。その後言い足りないと思ったか、マオはその人に次のような「手紙」をしたためます。
「現実の忠孝は狭い世界です。親への孝行、君主への忠義以上にもっと大きい仁徳があると思います。私は国家に対しても、父母に対しても、常に隠れた善行を向けようと努力しています。この国と家とに向けられた功徳の総和こそ忠孝なのです。一時的な不孝は長い目で見れば孝行になるときもあります。なのに、あなたは忠孝をただうやうやしくお辞儀することとのみ理解しています。なんと狭い見識でしょうか」と一見強い言葉を並べます。

 しかし、最後に「とは言え、この手紙はまだ自分の心を充分述べ尽くしていません。後日改めて説明したいと思います」と記し、またも弱々しい側面をのぞかせるのです。
 最後の原文は「然此書未委心」とあって「委細言い尽くせず無念」の思いさえ感じ取れます。

 これこそ『聾瞽指帰』の中に私小説的要素(自身の情けない体験や告白)がまぎれ込んだ部分ではないでしょうか。
 自信家と見える空海マオも、ある時期は儒教理論に対して堂々と反論できなかった。むしろ議論を交わしても言い負けたり、尻すぼみに終わる時期があったことをうかがわせます。

 この部分から若き空海マオの弱さ、悩みが読み取れる。ならば、大学寮をやめるときだって迷いや悩みがあったと想像できます。

 たとえば、現代の大学でも「もう大学にいたって仕方ない。ほんとはやめたい。けど、両親は自分に期待している。息子のために田舎で懸命に働いている。それを思うと、やめたいと言い出せない。でも、今の自分は大学にも行かず悪友とバカなことをやって遊び暮らしている」とめめしく悩む学生がいる。

 そのようにマオも大学寮をやめたいと考えたとき、同じように悩んだのではないか。ある時期のマオはめめしくうじうじ悩む、弱々しい若者だったのではないかと思います。
 これは私の勝手な空想ではなく、仏教編のこの部分から抽出した推理だったのです。

============
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:103万円の壁が話題になっています。それ以上になると所得税がかかる。
 まるでそれ以下の収入に対して無税であるかのような印象。本当に?
 年間103万とはひと月8万数千円。このお金、共稼ぎ世帯やバイトの学生など普通生活費に使うでしょう。お米にパンにおかずの肉野菜。生活雑貨に嗜好品。すると常に10パーセントの消費税がかかる。つまり、103万までの収入全額に対して税金を払っているのと同じことです。

 かくして103万以上で10パーセントの所得税が課されるということは(それを生活費に使う限り)合わせて20パーセントの税金を払っているのとイコールです。やれやれ。

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