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2025.09.11

2025年参院選オール比例代表なら――の検証

 二か月のご無沙汰、なぜかのんびり夏休みを取れなかった御影祐です。

 まずは猛暑・酷暑を生き抜いた皆様、そしてお盆前には梅雨末期のような集中豪雨、最近は静岡牧之原市で突風による家屋損壊など甚大な被害を受けた方々へ。
 お見舞い申し上げます。m(_ _)m

 ほんとに(誰かが言っていましたが)日本は四季ではなく五季になったようです。
 春夏秋冬じゃなく春夏盛夏秋冬。盛夏は一文字にしたいところ。

 雨が降らないとダムが底を尽くほどの渇水と猛暑。降り出すと線状降水帯や、1時間100ミリの豪雨。「猛烈な雨」の言葉は何度聞いたことか。そこで春夏猛秋冬(^_^;)。

 こうした傾向は隣の大国、米欧の温帯地域で顕著。やはり地球温暖化のせいなら、(いつも書いているように)「戦争なんかやってる場合じゃない。武器弾薬、核兵器開発維持に使うお金を10分の1に減らして地球温暖化対策に回せ!」と言いたいのですが、「戦争に備える金を増やせ!」の声にかき消されがちです。

 それから、当地では8月にはいって3回(1分ほどの)長いサイレンが鳴りました。
 私が子どものころからの慣例です。
 6日午前8時15分、9日11時02分、15日正午。もちろん意味はおわかりでしょう。
 終戦から80回目の夏。1945年に生まれた人は今年80歳。
 その日あまりに悲しいニュースがありました。

 1945年に12歳だった男の子が後に一つ下の女の子と結婚した。
 二人は戦後80年を生き抜いた。そして、今年92歳になった夫が老々介護のあげく妻の首を絞めて窒息死させたとして逮捕された。
 事件は3月に起こったようですが、報道は8月15日にありました。

 あまりに辛い80年後の現在。どうにかできなかったか、でもどうにもできないだろうなと痛感させられるニュースでした。極論ながら私は安楽死賛成派です。

 さて、『空海論文編前半』の復習は6月末に終了しました。
 今後は後半をどんどん発表すべきところ……なのに、下書きはとんと進んでおりません(^_^;)。
 またも「長期中断?」だけは避けたいと思って鋭意奮闘中です。

 その前にまずは7月参院選前の結果について、いつもの御影流検証活動を。
 国政選挙のたびにやっている「小選挙区ではなく全面比例代表なら議席はどうなるか」――今回も現実の議席数を本来の議席と比較して読者にお示しします。

 こんなことやっているのは私だけでしょうか。
 議員の多数は変えようとも思わないようです。無意味でムダな検証かもしれない。だが、核兵器をなくせという主張は無意味でムダだろうか。

 この夏映画『ミッションインポッシブル』を見ました。
 地球環境や自然、生き物を守るためには「人類を滅ぼすのが一番」という主張が隠されています。極論ながら私はそれに賛成。

 手っ取り早い方法は核保有国が核兵器を互いに撃ち合うこと。1万発を打ち終えたとき、人類と多くの生き物は恐竜のように絶滅する。大地も海も放射能で汚染される。
 だが、1千年後地球はかつての自然に戻り、生き残った生物が穏やかに暮らす星となってよみがえる(と科学は推理している)。

 さすがに人間はそれをしないので、AIがウィルスを発射装置に侵入させて勝手に発射させようとする。それを防ぐべくイーサン・ハントが活躍する……という物語でした。

 まだ暑くて秋風もないのに、長い前置き恐縮です。
 言いたいことは「戦争反対、地球に平和を。地球温暖化を防ぐために戦争と武器兵器にお金を使うのをやめろ」なんて主張は一見無意味でムダに見える。
 けど、やっぱり地道にしつこく言い続けた方がいい。「小選挙区制はやめてオール比例代表に」との主張も同じです。

 ところが、今年チョー意外なことが起こりました。
 なんと小選挙区の結果と本来の比例代表の結果がかなり近づいたのです。

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*****「狂短歌人生論」 ****

 (^_^)本日の狂短歌(^_^)

 ○ 3割の得票率で 6割の議席を得れば 悲惨な未来

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 (^_^) ゆとりある人のための20分エッセー (^_^)
 【 2025年参院選オール比例代表なら――の検証 】
 まずは7月参議院選挙がオール比例代表だったら、の結果。

 参院選は改選数 125 選挙区75 比例代表 50
 有権者数=1億359万1806人
 投票率=58.51%[前回より6.46増]

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【 2025年参議院選挙、比例代表得票率に基づく正しい議席配分 】

政 党 名 議席数 得票 率 本来数 増 減
自由民主党  39  21.64  27 +12
公 明 党   8   8.80  11 - 3
立憲民主党  22  12.50  16 + 6
日本 維新   7   7.39   9 - 2
国民民主党  17  12.88  16 + 1
れいわ新選   3   6.56   8 - 5
日本共産党   7   4.84   6 + 1
参 政 党  14  12.55  16 - 2
日本保守党   2   5.04   6 - 2
社会民主党   1   2.06   3 - 2
チーム未来   1   2.56   3 - 1
NHK…党   1   1.20   2 - 1
無 所 属   3   1.98   2 + 1
総   計  125 100.0       
**************************

 本来数のところを見ればわかるように最多で27。増減は最多が自民党の+12でマイナスの最多はれいわ新選の-5。自民は本来なら27議席でした。

 これまで自民党は小選挙区1位になることが多く、小選挙区制度の恩恵を最大限享受してきました。衆院選で本来から+100名の議席を得たこともあります。
 彼らはそのとき「議席の6割だ、大勝だ、国民に支持された」と言い続けていた。

 しかし、そのときだって支持率は30数パーセント。決して国民全体――意思を鮮明にした投票者中――6割の支持を得ていたわけではありません。

 今回の異変の理由はすでに論評済みだから若干の言及を。

 一つは自民得票率の激減。これまで一貫して33%前後――すなわち投票者の3分の1の支持を得ていた。それが今回は2割強。改選数52に対して13減らしました。さすがに議席激減もやむなし、という支持率減少です。

 もう一つは投票率の増加。前回より6.5%増えて6割近くの人が投票に行きました。
 これって衆院選の投票率です。

 普通このパターンだと、増えた分は自民公明以外の野党に流れる。1党なら野党トップの立憲民主党へ。本来数からだと共産党や社民党へ。
 昔の分け方で言うと「与党保守・中道」から「左翼・中道左翼」へと流れました。

 ところが、今回自公が減らした分は国民民主と参政党が得た。他に日本保守党も議席は2だけれど、支持率は5パーセント。本来なら6人当選してもおかしくない。

 この3党の支持率合計は30.5%です。つまり「中道と保守極右」が3割の支持を集めたと言えそうです。
 参政党や日本保守党を保守極右と定義すると「そんなことはない」と言われそうで、私はこの定義は保留したい気持ちです。

 というのは参政党から出馬して当選した女性議員の主張を聞くと、物価高による生活苦、子育ての困難さなどを訴え、(ぱっと見)立憲か共産、社民の女性候補と変わりないように思えるからです。

 でも、ウィキペディアなどで「参政党」を検索すると、政治的思想の欄に「右派ポピュリズム・超保守主義・ウルトラナショナリズム」だけでなく、「反ワクチン・陰謀論・排外主義・反LGBT法・反男女平等」などとあります。

 それを見れば「はて? あの女性候補者たちはこれを知って立候補したのか。同党に投票した人はこれを知って投票したのか」と聞きたくなります。

 また、同党が訴えた「ジャパンファースト」もかなり支持されたようですが、それを批判されると、「トランプのアメリカファーストに対抗したんだ。どこが悪い」と言わんばかり。確かにナショナリズムです。

 しかし、そもそもトランプのアメリカファーストが悪しき考え方と言うべきでしょう。いちいちあげないけれど、彼の独裁者ぶり、強権、非民主主義的傾向はどんどん際立っています。

 すでに世界国家の半数以上は独裁政権で、自由と民主主義を守る旗手であるはずのアメリカも独裁国家になりかけている。核を持つロシア、北朝鮮、中国も独裁国家であり、自国ファーストを主張する。

 今世界は数百年前の封建時代、小国に分かれて領土争いの戦争を繰り返したころに先祖返りしています。封建時代は近代国家として一つにまとまることで(一部地域を除いて)克服され、平和が訪れた。

 グローバリズムに問題はある。しかし、もはや一国が鎖国制度を取ることはなく、世界各国は経済的に深くつながっている。地球温暖化にしても、平和にしても地球全体で解決しなければならない課題ばかり。

 やっぱり最後に「戦争なんかしている場合じゃない」と言いたし、対立を煽るような主張を繰り返す人、過激政党は支持できない、と言いたいと思います。

 閑話休題。
 参院選の結果は今回だけの傾向か。それとも続くのか。
 折しも衆参両院で少数与党となった自民党は選挙敗北の責任を取って(取らせて?)ようやく総理総裁が辞任しました。次期総裁は10月に決まります。

 自民から逃げた保守右翼と(裏金問題、政党助成金、ガソリン暫定税・消費税減額など政治改革と物価高対策に及び腰の同党にお灸を据えた)保守中道支持者はリーダー交替によって返って来るか。

 私が危惧するのは3割の支持率で6割の議席を得ることがある日本の選挙制度です。
 ほぼあり得ない仮定だけど、左翼や極左が3割の支持率で6割の議席を得たら、それはおかしい。同様に極右政党が3割の支持率で6割の議席を得るのもぞっとする。
 特に後者は他国と敵対関係に陥ると、話し合いより戦争への道を歩みそうです。
 しかし、オール比例代表なら、4割の支持率政党が国全体の進路を決めることはありません。

 戦後80年を迎えた年にこのような状況が見えてきたということは何やら示唆に富んでいるような気がします。


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 最後まで読んでいただきありがとうございました。

後記:以下は別件。
 7月までの特殊詐欺被害は700億を超えたとか。毎月100億の計算です。
 このままでは年末1兆2千億円――国家予算の1%が詐欺師集団に渡ります。

 今年の特徴は警察・検察が登場する劇場型詐欺で7割がこれだそうです。
 そして、被害は高齢者だけでなく20~30代が増加している。
 やり方はとても巧妙で、逮捕状が出ているとしてパニックに陥らせ、誰にも相談させないようにして金を送金すれば逮捕しないと脅す。

 これって「日本の教育の敗北だ」と思うのは私だけでしょうか。
 目上や権威・権力に従順な「良い子」を育てる教育、文章や相手の言うことは「後になって考えましょう」という三読法の国語授業(他教科もそれを実践)。私はこの二つが詐欺に弱い国民を育てていると思います。

 そして、「もう手放せない」と誰もが言うスマホが詐欺に手を貸している。
 ちなみに私はスマホも携帯も持たぬ化石人間です(^.^)。

 ……とまー相変わらずの主張ばかりで済みません。
 でも、言い続け(書き続け)ます。
 防御のためには「警察・検察がこれから逮捕に向かいますと前もって言うことは絶対に、絶対にあり得ない。だいたい早朝寝起きを襲う。
 それを聞いたら間違いなく「詐欺だと思え!」。

 さて、今後のメルマガですが、ある事情からしばらく空海論文を中断します。
 かわりに約30年前、私がある高校の文芸部顧問をしていたときの生徒作品を公開します。ペンネーム「久保はてな」君の作品ですが、なぜ突然、どうしてこの時期かは追々わかると思います。 御影祐

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